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You Could Be Mine
-9-
しおりを挟むなるべく早いうちに。
みのりさんの前から消えよう。
そう思いながら。
勇気が出ねえ。
みのりさんを守る為って。
決めたのに。
みのりさんが俺の傍からいなくなるなんて。
考えるだけで耐えらんなくて。
心臓の辺りが苦しくなる。
しっかりしろよ。
「…尊さん。なんかあったんですか?」
今日は龍二と一緒に同伴。
客入れてロッカーで一息つく。
「…なんでもねえよ」
龍二は昔から鋭い。
だいぶ長い事俺といるし、昔から俺がキレた時抑えられんのコイツしかいねえ。
だからなのか。
俺の感情のちょっとした変化にもすぐ気付く。
仕事用の携帯が鳴る。
登録してねえ番号。
「もしもし?」
営業モードで出たら。
『お仕事中にすみません』
男の声。
ドクン。と。
心臓が跳ねる。
『松本です』
ああ。やっぱな。
くると思ってたんだ。
「…みのりさんの事でしょ?」
『ええ。貴方と少しお話させて頂きたいと…』
「大丈夫ですよ」
『…は?』
「もう俺は彼女から離れるから」
別れる。
その言葉を口にするのは辛すぎる。
『…僕が連絡したのは、目立たない様にして頂きたいとお願いするつもりだったんですが』
「それくらいじゃダメですよ。なんかあって変な噂でも立ったら彼女の将来にキズがつく。注目されるようになれば、その分目につきやすくもなるから」
『……』
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「尊さん!?」
『…貴方はそれで良いんですか?彼女は悲しむと思います』
やっぱ。この人みのりさんの事好きだよな。
「みのりさんの作家としての将来の方が大事ですから」
『貴方がそう仰るなら…』
頼むよ。
みのりさんが立派な小説家になれるように。
「尊さんっ!?どう言う事ですかっ。離れるってどう…」
「聞いてた通りだ」
「なんでっ…」
なんでお前がそんな顔すんだよ。
泣きてえのは俺だよ。
「龍二。お前余計な事すんなよ。殺すぞ」
「……はい」
なぜかほっとした。
電話のおかげで。
ふんぎりがついた。
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