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そのじゅうよん
そのじゅうよん-18
しおりを挟むプチ同棲も過ぎて。
なんとなくなし崩しに半同棲。
は、嫌なんで尊の休みの日だけ尊ん家に泊まる。
って言ったら。
「みのりさんがいないと嫌だ!」
尊がだだこねた。
って言ってもさ。昼会社行って夜店行って。
「一緒にいる時間なんて無いやん」
「あるよ。店辞めたから」
は!?
「店は龍二達に客まわすのに行ってだだけだから。それもだいたい終わったからもう辞めた」
なんですと!?
あたしの為にナンバーワンの座をあっさり捨てて。
会社員になった尊。
つっても、親の会社やけど。
「だから夜は帰ってくるから」
にっこり。
そんなワケで。
朝一緒に出てあたしは自分家帰って。
仕事しててっちゃんと遊んで夜尊ん家にいる。
前と逆。
もう結婚するんだしウチの親もなにも言わない。
結婚。何回思い浮かべても照れるな。
親同士の顔合わせもしたし。
あん時ゃ、おかんが大変やったな。
ちょっとした料亭でお食事会したけど。
「いやあ、みのり!お母さんなに着たらいいんっ!?」
「なんでもいいやん」
「そんなワケいかんやろっ!相手はお洋服屋さんやろっ!」
アパレルやけどな。
「変なかっこ出来んやないのっ!あっ!お父さんもっ。しょぼくれたかっこやったらあっちのお母さんに恥ずかしいわっ!」
デパート行って普段入らん様なブティック行ったり、高い紳士服のお店行ったり。
頼むからどピンクとかは止めてくれ。
と思ってたらブランドもんのワンピ買ってきた。
ここぞとばかりにはりこみやがったな。
まあ、お食事会はなんとか無事に済んで。
さすがのおかんもいつものおばはん度は控え目やった。
結納やらは面倒なんで止めとこ。双方意見が一致した。
「あっ…みのりさん…」
なんだかんだで時間が過ぎて。
「ん…ダメ…出ちゃう…」
尊のをしてあげてたりしてたら。
「んっ…!」
尊が出した途端。
「みっ、みのりさんっ!?」
トイレに走った。
トイレで便座掴む勢いのあたし。
「ぇほっ…えっ…」
晩ご飯ほぼ吐いたな。
ここんとこ、なんとなく胃の調子が良くない気はしてたが。
急に気持ち悪くなったからな。
「うえっ」
まだ気持ち悪くて胃液まで出た。
胃のあたりの不快感がすっきりしない。
とりあえず水飲も。
水飲んだらまた吐いた。
ううむ。
なんか悪いもん食べたかな。
晩ご飯しょうが焼きとポテサラやったな。
尊が作ったけどさ。
尊なんともないんかな。
ん?
あれ?
あれれ?
頭ひねりながら寝室戻ると。
枕に突っ伏してる尊。
「なんで泣いてるん?」
「…ひどい…みのりさん」
しくしく。
「口に出すの嫌なら言ってくれたらいいのに…あんな…」
しくしく。
「出した途端…走って吐きに行くなんて…ひどい」
いや、猛烈な吐き気がな。
「そんなに嫌なんて…俺の事嫌いなのっ!?」
「いや、そうやなくてさ」
「じゃなんなのっ」
枕から顔上げてあたしを見る。
本気で泣いてたらしいな。
「いやあ…」
「なに」
どう言えばいいのかな。
「みのりさん…なに隠してんの」
「いや、その…」
「なに」
「あー…吐き気して」
「吐き気するほど嫌なのっ!?」
尊が起き上がってあたしの肩掴む。
「…そうやなくてさあ…あたし」
「なんなの」
そんな力入れると肩痛いやろっ。
「生理…きてないなあ…と」
「えっ!?」
尊が慌てて携帯見る。
「あっ!ダメだ、チェックしてないっ!どのくらい遅れてんのっ!?」
「あ、よく覚えてない」
尊ががっくし肩落とす。
「いや、みのりさんだから仕方ないか」
失礼な。
「服着て!行くよっ!」
「どこに」
「ドラッグストア!」
てなワケで。またまた以前あった様な光景が。
トイレの前で二人しゃがんで。
判定窓ガン見。
前と違ってたのは。
くっきり出たライン。
「みっ」
尊があたしを。
「みのりさんっ!!」
力いっぱい。
抱き締めた。
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