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そのじゅうに
そのじゅうに-5
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嵐が来る。
どこぞのアイドルのハナシじゃない。
尊のベッドでうとうとしてたら携帯が鳴った。
「…みのりさん、鳴ってる」
ち。起きたか。
携帯のディスプレイを見ると。
冬馬くん。
尊の前じゃ出にくいな。別にやましい事はないんやけどさ。
「…出ないの?」
ディスプレイを覗き込んで。
それは、もう。
嫌な顔した。
「ちょっ、尊!」
あたしの手から携帯をむしり取った。
『おう、二宮?』
スピーカーにしやがった。
「……」
「……」
『二宮あ?もしもーし?』
なにを考えとんじゃ。オマエは。
『にーのーみーやーあ?』
尊があたしを見る。
なんでそんな怒ってんだよ。電話くらいで。
「…はーい」
『なんだ、いるじゃねえか』
「どしたの?」
『あー、俺さあ。今度そっち行くんだけどお』
「そうなん?仕事?」
『そ。番宣でそっちのローカル番組出んだけどさあ』
「うん」
『ロケが夜からでさあ。俺、朝の便で行くから』
「うん」
『デートしようぜ』
「しないよっ!!」
大きな声で。尊が言った。
『なんでてめえが電話出んだよ!?』
「うるせえな。人の彼女に手ぇ出すんじゃねえよ」
『まだ出してねえだろ』
「出そうとしてんだろ」
『俺はあ、貴重な時間でトモダチと旧交を暖め合いたいんですう』
「ざけんなよ。みのりさんは行かねえからな」
『器の小せえヤロウだな。二宮あ?久しぶりに会うトモダチにそっちの旧所名跡とか案内してくれよぉ?』
「んなもん一人で行けよ」
『おめーに言ってんじゃねえよ。二宮あ?俺達トモダチだよなあ?俺、わざわざスケジュール空けたんだぜ?』
「そんなん知るかよ。てめえと二人でなんか会わせるワケねえだろ」
なんなんだ。オマエら。
『あー、ったく。うぜえヤロウだな!トモダチっつってんだろ!?』
あたしを無視してなにしてんだよ。
『そんなに心配ならてめえも来りゃいいだろ!?』
はあ?
「ああ。どうしても会いてえなら俺の前でなら会わせてやるよ!」
ええ?
「『それで良い』」
『よな?二宮?』
「よね?みのりさん?」
嵐が、来る。
「二宮あ、俺寂しいんすけどお?」
助手席でだだこねる男、桂木冬馬。
運転は尊。
あたしは一人リアシート。
空港まで冬馬くんを迎えに行った。
リアに荷物放り込んで。
「二宮一緒な」
あたしをリアに乗せようとする冬馬くん。
「なに言ってんだよっ!みのりさんは前!!」
「久々なんだからハナシくれえさせろよ!」
「てめえと二人でなんか乗せるかっ!」
「二宮、後ろっ!」
「みのりさんは前っ!」
だああああああああああっ!!
うっせえんだよ、オマエら!!
「ちょ、二宮あ?」
冬馬くんを助手席に押し込んで思い切りドア閉めた。
あたしは後ろに一人乗った。
「「なんでコイツの隣なんだよっ!?」」
「うるさいっ!車出せっ!!」
そうして車は約一時間かけて目的地へ。
どこぞのアイドルのハナシじゃない。
尊のベッドでうとうとしてたら携帯が鳴った。
「…みのりさん、鳴ってる」
ち。起きたか。
携帯のディスプレイを見ると。
冬馬くん。
尊の前じゃ出にくいな。別にやましい事はないんやけどさ。
「…出ないの?」
ディスプレイを覗き込んで。
それは、もう。
嫌な顔した。
「ちょっ、尊!」
あたしの手から携帯をむしり取った。
『おう、二宮?』
スピーカーにしやがった。
「……」
「……」
『二宮あ?もしもーし?』
なにを考えとんじゃ。オマエは。
『にーのーみーやーあ?』
尊があたしを見る。
なんでそんな怒ってんだよ。電話くらいで。
「…はーい」
『なんだ、いるじゃねえか』
「どしたの?」
『あー、俺さあ。今度そっち行くんだけどお』
「そうなん?仕事?」
『そ。番宣でそっちのローカル番組出んだけどさあ』
「うん」
『ロケが夜からでさあ。俺、朝の便で行くから』
「うん」
『デートしようぜ』
「しないよっ!!」
大きな声で。尊が言った。
『なんでてめえが電話出んだよ!?』
「うるせえな。人の彼女に手ぇ出すんじゃねえよ」
『まだ出してねえだろ』
「出そうとしてんだろ」
『俺はあ、貴重な時間でトモダチと旧交を暖め合いたいんですう』
「ざけんなよ。みのりさんは行かねえからな」
『器の小せえヤロウだな。二宮あ?久しぶりに会うトモダチにそっちの旧所名跡とか案内してくれよぉ?』
「んなもん一人で行けよ」
『おめーに言ってんじゃねえよ。二宮あ?俺達トモダチだよなあ?俺、わざわざスケジュール空けたんだぜ?』
「そんなん知るかよ。てめえと二人でなんか会わせるワケねえだろ」
なんなんだ。オマエら。
『あー、ったく。うぜえヤロウだな!トモダチっつってんだろ!?』
あたしを無視してなにしてんだよ。
『そんなに心配ならてめえも来りゃいいだろ!?』
はあ?
「ああ。どうしても会いてえなら俺の前でなら会わせてやるよ!」
ええ?
「『それで良い』」
『よな?二宮?』
「よね?みのりさん?」
嵐が、来る。
「二宮あ、俺寂しいんすけどお?」
助手席でだだこねる男、桂木冬馬。
運転は尊。
あたしは一人リアシート。
空港まで冬馬くんを迎えに行った。
リアに荷物放り込んで。
「二宮一緒な」
あたしをリアに乗せようとする冬馬くん。
「なに言ってんだよっ!みのりさんは前!!」
「久々なんだからハナシくれえさせろよ!」
「てめえと二人でなんか乗せるかっ!」
「二宮、後ろっ!」
「みのりさんは前っ!」
だああああああああああっ!!
うっせえんだよ、オマエら!!
「ちょ、二宮あ?」
冬馬くんを助手席に押し込んで思い切りドア閉めた。
あたしは後ろに一人乗った。
「「なんでコイツの隣なんだよっ!?」」
「うるさいっ!車出せっ!!」
そうして車は約一時間かけて目的地へ。
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