You Could Be Mine 【改訂版】

そのじゅう-たけるにっき

そのじゅう-たける4

みのりさんが東京でカンヅメ。

あの時のメッセージは、マジ、ビビった。

俺関係の方で、なんかヤバい事巻き込まれたのかと思った。

カンヅメ、って業界用語らしいけど。

とりあえず安心した。

みのりさんに会えないのは寂しいんだけど。

その頃はみのりさん、スランプなのか、俺ん家来て仕事してても書けないみたいだったし。

家で仕事するから迎え行けない。

そう言う日も続いてた。

みのりさんに会えないと、寂しい。

セックス出来ないからじゃなくて。

いや、それも少しあるけど。

そんで、どうしても我慢できなくなって。

気が付いたら、ネットで飛行機の予約画面開いてた。

顔だけ見て帰ろ。

そう思ったから、羽田と新宿の移動時間も計算して、往復の飛行機とった。

後、ロールケーキは、そこの社長知ってるから、新宿まで持ってきてもらって。

ホテル行ったら、みのりさん、ヨレヨレのジャージで素っぴんでぼろぼろだったけど。

やっぱ、可愛いし。

ケーキ渡して、頑張ってね、っておでこにちゅ。くらいかっこよく締めとく予定だった。

顔見たら、キスしたくなった。

キスした顔みたら、したくなった。

すかさずかわされた。

もっかいキスして、抱き締めて感触味わっとこかな。

って、思ったのに。 

アイツが来た。

みのりさんの部屋に入って来た、アイツ。

桂木冬馬。

そりゃ、てめえの事くらい知ってるさ。

芸能人の事くらい知らねえで客と話できるかよ。

なんでみのりさんとこに、お前が来んだよ。

誰？って聞かれて、みのりさんは

「彼氏だよ」

って答えた。

とりあえず、みのりさんは変な感情は持ってねえのはわかった。

でも。

桂木の方は絶対、違う。

みのりさんの事、狙ってる。

もし、俺がいなかったら。

みのりさんになにしたかわかりゃしねえ。

だから、みのりさんは眼が離せねえんだ。

本人に自覚がない分、こう言うの困る。

みのりさんは、友達、って言えばホントにただの友達としか思ってない。

鈍感だから。

店で松本さんが、桂木とみのりさんの記事の切り抜きを出した時。

そこまでは理解してた。

だけど。

俺のいないとこでアイツと会ってて、家に行ったとか。

天然にもほどがある。

やっぱ俺の事、好きじゃねえんじゃねえかな。

勝手に俺に黙って遊んでんじゃねえの。

なんで。

なんで。俺だけのものにならねえんだよ。

みのりさんは俺のものじゃねえの？

ロッカーで、ゴミ箱に蹴り入れたら、半分に潰れた。

ユウが、龍二になんか言ってる。

今日のアフターはキャンセル。

みのりさん、家で待ってるし。

「尊さん！」

龍二が追っかけてくる。

ウザい。

俺、機嫌悪いんだよ。

放っとけよ。 





みのりさんが俺を見て、泣く。

俺、そんなに怖いかな。

「尊さんっ」

龍二が俺の腕掴んで止め様とする。

バカか。

俺がみのりさんに手、上げるワケないだろ。

可愛いみのりさんに。

俺のみのりさんに。

みのりさんは俺のなのに。

そう思ってんのは俺だけ？

みのりさんは違うのかな？

龍二を帰らせてベッドに連れてこうとしたら、みのりさん、凄い嫌がった。

それが余計にイラついた。

俺はこんなにみのりさんが好きなのに。

なんでわかんねえんだよ？

泣きながら嫌がるのを、無理矢理抱いた。

まるでレイプだ。

殴れない代わりに犯した。

謝っても泣き止んでくれない。

こんな風にしたかったんじゃないのに。

みのりさんに俺だけを見てて欲しいだけなのに。

俺がどれだけみのりさんの事好きなのか、わかって欲しいだけなのに。

みのりさんがいなくなったら、俺どうなるかわかんねえ。

いなくなるとか、考えるだけでどうにかなりそうだ。

苦しくてたまんねえよ。

俺、みのりさんじゃなきゃ。

みのりさんがいなきゃ。

みのりさん、電話に出てくれない。

もう、嫌われたのかな。

あんな事しちまったし。

俺、バカ。

優しくしたいのに。

バカだ。

みのりさんに会いたい。

許してくれよ。

俺を嫌いにならないでよ。

家で待ってる

一言だけの、みのりさんのメッセージ。

店終わって、急いで帰ったら。

ソファーで照れたように笑う、みのりさん。

みのりさんの顔見て、泣きそうなった。

あたしを甘くして

凄い事、言うから。

だから。

どんなSweetsよりもみのりさんが甘くなる様に。

いっぱい、仲良くした。