You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

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そのなな

そのなな-8

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どうして?

尊の、誕生日だよ?

「なんで…あたしに、プレゼント?」

「俺が生まれた日だから」

意味、わかんないよ。

「生まれてなかったら俺、みのりさんに会えなかったから」

俺が生まれた日はみのりさんに会えた事を、感謝する日にするんだ。

「だから。みのりさんに俺から、プレゼント」

それ、クサ過ぎ。

人に聞かれたら、バカか、て、言わるよ。

涼香に言ったら、友達やめられる。

でも。

だけど。

「みのりさん、好き」

あたしの肩に、ちょこん、顎を乗せて。

「初めて会った時から、好き」

尊のお店。

「みのりさん、あの時、俺の写真見てたよね」

だって、一人だけ、写真デカかったんやもん。

「なんか…ちっちゃくて、可愛いコが来た、て思った」

あの時あたしの事、ちっちゃくて可愛い、て。

「フロアに入って来た時、みのりさん、涼香さんの後ろでキョロキョロしてた」

キョドってたな、あたし。

「俺の前通り過ぎる時、みのりさんだけ、なんか他のものと違って見えた」

なにが?

「他のものはぼんやりしてるのに、みのりさんだけ、輪郭はっきりしてる感じ」

尊は、くすっ、と笑った。

「だから。凄い気になって、どうしても、触りたくなった」

あたしの髪撫でながら。

「みのりさんに触ってみたくて、しょうがなくなって。キャッチの客んとこなんて、俺から行くとか普通無いのに」

キャッチの客、つかないって言ってた。

「みのりさんに触りたくて、席まで行って。あれ、ホントは、龍二もユウもびっくりしてたんだよ」

そ。そうやったん?

「みのりさんの髪、触ったら、みのりさん、赤くなって…」

ずっとあたしの髪、触ってたね。

「なんか、それが凄い可愛くて。もっと、いっぱい触りたくなった。もっかい、会いたいと思った。だから連絡先、聞いた」

名刺の裏に、書かされたな。

あの時着拒すればいいか、とか思ったけど。

「教えてくれた時、ホントに嬉しかった。俺の番号教えても、連絡くれないと思ったから」

多分、そうやね。

あたしから連絡なんて、しなかったやろうな。

「あの後も、ずっとみのりさんの事、考えてて…考えてたら、みのりさんがどうしても、欲しくてたまんなくなって」

手のひらであたしの髪撫でながら。

「凄く欲しくて、たまんなくて。そんな風に思ったの、初めてで…」

何度も、髪撫でる。

「誰かを好きになる、ってこう言う気持ちなんだ、って…初めて思った」

だからね?

尊は少し、笑った。

「どうしていいかわかんなかったから、とりあえずプレゼントしてみたり。あんまり使ってくれないけど」

だって。あのバッグ高いから。お出かけ用にしてるんやもん。

「ランチ誘って来てくれた時のみのりさん、ホントに可愛くて。シフォンのワンピース、よく似合ってて」

どうしよう。

「みのりさんが、俺のものになってくれたらいいのに、って」

凄く。

「みのりさんが俺の事、好きになってくれたらいいのに、って」

尊に、キスしたい気分。

「みのりさんが、うん、て頷いてくれた時、心臓止まるくらい嬉しかった」

どうしよう。

「みのりさん?」

一回立ち上がって、尊のほう向いて、座りなおした。

首に、手をまわした。

「どうしたの?」

ゆっくり顔、近付けて。

まだ酒臭くて、ちょっと笑えた。

「みのりさん…」

尊のおでこに、自分のおでこ、くっつける。

あのね。

あたしね。

尊が大好き、だよ。

そっと、尊の唇に自分の唇で触れて。

少し顔離したらあたし見つめる優しい顔。

「みのりさん…可愛い…」

尊があたしを、ぎゅう、っと抱きしめた。

後で、イニシャルのネックレス、お客さんに気付かれたらどうすんの?って、聞いたら。

「俺を誰だと思ってるの?」

笑いながら、言った。
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