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そのご
そのご-4
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尊の部屋の窓には。
昼間でも光を通さないカーテン。
だから、尊の寝室はカーテンを開けない限り一日中、暗い。
「…んっ…ふ…ぅっく…」
暗い部屋の中に、あたしの嗚咽だけが響く。
うつ伏せで、ベッドに顔を押し付けて泣いてるから。
シーツはあたしの流した涙で汚れてる。
背中で拘束された手は、動く度にカチャカチャ、金属の音を立てる。
「…ふっ…ぇっく…んっ…」
あたしの身体に埋め込まれたモノが。
「…んっ…あ…」
あたしを責め続ける。
規則的な振動は、あたしを責め続ける。
もう、感覚が麻痺してるのか。
ただ異物感だけ。
一体、いつまで続くんだろう。
どのくらいこうしてるんだろう。
尊を怒らせてしまったから。
尊が許してくれるまでこの責め苦は、続く。
あたしの、身に付ける布を一枚残らず剥ぎ取って。
「立って」
腕を掴んで立たせ。
「後ろ、向いて」
両手を背中で掴んだ。
尊のなすがままのあたし。
カチャカチャ、手首に冷たい物が触れた。
カシャン、と音を立てて、それはあたしの自由を封じる。
「…や…やだ…やめて」
声が震える。
尊は無言で、あたしをベッドに仰向けに倒した。
「…やめて、たける」
涙が溢れる。
尊は黙って、あたしの足を広げその間に座った。
「…さすがに、濡れてないね」
あたしに言うワケでも無く、呟いた。
「っやっ…!」
尊が、何かを無理矢理あたしに挿れた。
「道具使うの、あんまり好きじゃないんだけど…」
「やっ!なに!?止めてよっ!」
なんで!?
なんでこんな事!?
上から、あたし見下ろす尊の顔が近づいて。
「みのりさん…今日、ユウに会ったでしょ?」
はっ、とした。
ウソついたの、尊にバレてる。
「ちっ、違うよ!」
「何が違うの?」
「あれはっ、ただの友達で偶然会っただけだし」
「じゃあ!!」
今まで聞いたことない、尊の大きな声。
「…じゃあ、どうして、俺にウソついたの?」
「ごっ…ごめんなさい…」
ウソをついたのには、別に理由なんか無い。
咄嗟に、反射的に「うん」って返事しただけで。
尊にウソつこうとか、思ったワケじゃない。
「あっ!」
急に、あたしに挿れられたモノが振動を始めた。
「みのりさん。俺にウソついたお仕置きだよ」
「あっ…やだっ!やめてよっ!」
「俺、仕事戻るから。暫く一人で遊んでて」
尊はそう言って、部屋を出ていった。
「みのりさん。愉しかった?」
帰ってきた尊は、ベッドに座って言った。
「………」
「一回くらいイケた?」
「……も…やめて…」
「泣いてたの?」
尊が少し、笑った。
あたしの異物感が、止まった。
「んっ…」
あたしのなかにあった異物はゆっくり出ていく。
「ふふっ、見て。みのりさん」
うつ伏せていたあたしの顎を掴んで、上を向かせて、それを見せた。
「こんなに汚しちゃって。イヤラシイね、みのりさん」
それ、は。
白く濁ったあたしの体液にまみれて、汚れてた。
「やだっ!」
恥ずかしくてそれ、から顔を背けた。
「………鬼畜」
顔をうつ伏せてつぶやく。
「誰が悪いの?」
「………あたし」
「………」
「ごめんなさい」
尊は、ちょっと長めのため息ついて。
あたしの手の戒めを外した。
あたしの肩を持ち上げて、仰向けにした。
ネクタイを解きながら。
「こんなのじゃ、イケなかったでしょ?」
あたしのおでこにキスした。
「俺がイカせてあげるよ」
唇を合わせた。
尊の舌が、まるで犯すように。
あたしの口の中で蠢く。
まだ怒ってるんだ。
長くて、激しいキスの後。
「ごめん、みのりさん。俺もう、余裕無いから。挿れるね」
「っあっ…」
いつも、意地悪なくせに優しく身体を扱ってくれるのに。
それでも、尊に慣らされている身体は、簡単なくらいに反応して。
何度も、あたしを、てっぺんに飛ばす。
尊は、あたしの両手に指を絡めて握り締めて。
「みのりさんっ…」
何度も、あたしの名前を呼んだ。
珍しく、尊はあたしの隣でタバコ吸った。
あたしを片腕で抱きながら、煙を吐き出す。
「……みのりさん。好き」
少し、眠りかけていたあたしは、その声でまどろみから引き戻される。
「俺にとってみのりさんは、初めての女みたいなものなんだよ」
「………」
「だから、みのりさんの全部が欲しいし、いつもみのりさんに触れてたい。我儘かもしれないけど」
「たける……」
「もし、誰かがみのりさんを傷付けたりしたら。俺、どうなるかわかんない」
灰皿に、タバコを押し付けながら、静かな声で言う。
「……ウソつかれて辛いとか、初めて思った」
ごめんね、尊。
あたしのつまらないウソ。
こんなに尊を傷付けたなんて。
涙がまた、溢れてくる。
「ごめん……」
泣きじゃくるあたしの髪を、尊は、優しく撫でた。
昼間でも光を通さないカーテン。
だから、尊の寝室はカーテンを開けない限り一日中、暗い。
「…んっ…ふ…ぅっく…」
暗い部屋の中に、あたしの嗚咽だけが響く。
うつ伏せで、ベッドに顔を押し付けて泣いてるから。
シーツはあたしの流した涙で汚れてる。
背中で拘束された手は、動く度にカチャカチャ、金属の音を立てる。
「…ふっ…ぇっく…んっ…」
あたしの身体に埋め込まれたモノが。
「…んっ…あ…」
あたしを責め続ける。
規則的な振動は、あたしを責め続ける。
もう、感覚が麻痺してるのか。
ただ異物感だけ。
一体、いつまで続くんだろう。
どのくらいこうしてるんだろう。
尊を怒らせてしまったから。
尊が許してくれるまでこの責め苦は、続く。
あたしの、身に付ける布を一枚残らず剥ぎ取って。
「立って」
腕を掴んで立たせ。
「後ろ、向いて」
両手を背中で掴んだ。
尊のなすがままのあたし。
カチャカチャ、手首に冷たい物が触れた。
カシャン、と音を立てて、それはあたしの自由を封じる。
「…や…やだ…やめて」
声が震える。
尊は無言で、あたしをベッドに仰向けに倒した。
「…やめて、たける」
涙が溢れる。
尊は黙って、あたしの足を広げその間に座った。
「…さすがに、濡れてないね」
あたしに言うワケでも無く、呟いた。
「っやっ…!」
尊が、何かを無理矢理あたしに挿れた。
「道具使うの、あんまり好きじゃないんだけど…」
「やっ!なに!?止めてよっ!」
なんで!?
なんでこんな事!?
上から、あたし見下ろす尊の顔が近づいて。
「みのりさん…今日、ユウに会ったでしょ?」
はっ、とした。
ウソついたの、尊にバレてる。
「ちっ、違うよ!」
「何が違うの?」
「あれはっ、ただの友達で偶然会っただけだし」
「じゃあ!!」
今まで聞いたことない、尊の大きな声。
「…じゃあ、どうして、俺にウソついたの?」
「ごっ…ごめんなさい…」
ウソをついたのには、別に理由なんか無い。
咄嗟に、反射的に「うん」って返事しただけで。
尊にウソつこうとか、思ったワケじゃない。
「あっ!」
急に、あたしに挿れられたモノが振動を始めた。
「みのりさん。俺にウソついたお仕置きだよ」
「あっ…やだっ!やめてよっ!」
「俺、仕事戻るから。暫く一人で遊んでて」
尊はそう言って、部屋を出ていった。
「みのりさん。愉しかった?」
帰ってきた尊は、ベッドに座って言った。
「………」
「一回くらいイケた?」
「……も…やめて…」
「泣いてたの?」
尊が少し、笑った。
あたしの異物感が、止まった。
「んっ…」
あたしのなかにあった異物はゆっくり出ていく。
「ふふっ、見て。みのりさん」
うつ伏せていたあたしの顎を掴んで、上を向かせて、それを見せた。
「こんなに汚しちゃって。イヤラシイね、みのりさん」
それ、は。
白く濁ったあたしの体液にまみれて、汚れてた。
「やだっ!」
恥ずかしくてそれ、から顔を背けた。
「………鬼畜」
顔をうつ伏せてつぶやく。
「誰が悪いの?」
「………あたし」
「………」
「ごめんなさい」
尊は、ちょっと長めのため息ついて。
あたしの手の戒めを外した。
あたしの肩を持ち上げて、仰向けにした。
ネクタイを解きながら。
「こんなのじゃ、イケなかったでしょ?」
あたしのおでこにキスした。
「俺がイカせてあげるよ」
唇を合わせた。
尊の舌が、まるで犯すように。
あたしの口の中で蠢く。
まだ怒ってるんだ。
長くて、激しいキスの後。
「ごめん、みのりさん。俺もう、余裕無いから。挿れるね」
「っあっ…」
いつも、意地悪なくせに優しく身体を扱ってくれるのに。
それでも、尊に慣らされている身体は、簡単なくらいに反応して。
何度も、あたしを、てっぺんに飛ばす。
尊は、あたしの両手に指を絡めて握り締めて。
「みのりさんっ…」
何度も、あたしの名前を呼んだ。
珍しく、尊はあたしの隣でタバコ吸った。
あたしを片腕で抱きながら、煙を吐き出す。
「……みのりさん。好き」
少し、眠りかけていたあたしは、その声でまどろみから引き戻される。
「俺にとってみのりさんは、初めての女みたいなものなんだよ」
「………」
「だから、みのりさんの全部が欲しいし、いつもみのりさんに触れてたい。我儘かもしれないけど」
「たける……」
「もし、誰かがみのりさんを傷付けたりしたら。俺、どうなるかわかんない」
灰皿に、タバコを押し付けながら、静かな声で言う。
「……ウソつかれて辛いとか、初めて思った」
ごめんね、尊。
あたしのつまらないウソ。
こんなに尊を傷付けたなんて。
涙がまた、溢れてくる。
「ごめん……」
泣きじゃくるあたしの髪を、尊は、優しく撫でた。
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