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そのよん
そのよん-3
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「パーティーって何のパーティー?」
ニョッキをフォークでつつきながら、尊が聞く。
「大石先生って作家さんの30周年記念。色んな作家さんとか、出版社の人が来るん」
フェットチーネをもぐもぐするあたし。
「ドレスコードあるの?」
「んー。招待状には平服で、って書いてあったけど」
「でも、たくさん人集まるんでしょ?それならドレスの方がいいのかな」
「ドレスまでいかなくていいと思うよ?男の人はスーツやろうし。あんまり気張りすぎても」
尊は少し、考えた。
「じゃあ、俺の知ってる店行ってみる?みのりさんに似合いそうな服あると思うよ」
そう言う尊に手を引かれ連れて行かれたのは、所謂、高級ブティック。
カジュアルなお洋服もあるけどドレスも並んでる。
店内には、アンティークの応接セットとかあったりして。
な、なんだここ!?
こんな大層なブティック、見るのも入るのも初めてなんすけど!?
大丈夫か、あたし!?
「あら、尊さん」
スタッフさんらしき、綺麗なお姉さんが尊に気付いた。
「こんにちは」
尊は、ニコニコしながらお姉さんと話す。
「今、社長お呼びしますね」
お姉さんが店の奥に行った。
ってゆーか、ここ。
もしかして尊のお客さんのお店とかじゃないの!?
あたしなんか連れて来て大丈夫なん、尊!?
と。その時。
「たけるー!久しぶり!」
奥から女の人が現れて、尊に抱きついた。
年齢は結構あたしらより上のようだけど、凄く綺麗な人で。
や、やっぱりお客さんやないん!?
あたしと一緒とか、ヤバくない!?
「元気なの?全然顔見せないで。たまには連絡寄越しなさいよ」
「うん。色々忙しくて」
「で?今日はどうしたの?」
「ああ」
尊はあたしを手招きして呼ぶ。
お客さんとホストの修羅場なんてやだよう。
顔をひきつらせながら、尊の隣に行ったら。
「俺の彼女」
尊は後ろから、両手回してあたしを抱きしめながら言った。
ええええ!?
大丈夫なんかっ、そんな事言って!?
「まあ…」
怒るのかと思ったらその人は綺麗な笑顔で、でもどこか見た事ある顔で。
「あらあ!可愛いー!!」
あたしに抱きついた。
な、な!?これはいったい何!?
状況理解できず焦るあたし。
あたふたするあたしに、尊は微笑みながら。
「俺の母だよ、みのりさん」
……………は?
……………はは?
ってことは。
尊のお母さんんん!?
「うふ。可愛い子ねぇ」
尊のお母さんはあたしから離れて、そう言って笑った。
「あっ、あのっ、二宮みのりです!初めましてっ」
焦る気持ちがまだ収まらないまま、慌ててご挨拶。
「うふふ。尊の母の瞳子です。よろしくね、みのりちゃん」
お母さんはそれはもう、ウツクシク微笑んだ。
尊をもっと女性的な顔立ちにした感じ。
ちょっと、あたしが一番好きな尊の顔思い出す。
世の中で言う、お母さん、てのは例えばウチのおかんとかが一般的な感じかと思うが。
尊のお母さんは、すこぶる一般的では無い。
綺麗すぎ!
なにこれ。
二人並ぶと迫力ありすぎ!
今度は緊張で心臓がバクバクする。
「じゃあ、みのりちゃんのお洋服見に来たの?」
「うん。なんか、パーティー用で…あんまり派手じゃない方がいいかな」
一人緊張するあたしを置いて、水原親子はラックから次々に服を選んでいく。
「ああ、これがいいわ!みのりちゃん、これ着てみて?」
瞳子さんから渡されたのは、キャミタイプの黒いドレープのワンピース。
胸のところに同布の薔薇のコサージュがついてる。
早速試着してみた。
んだけども。
尊は眉をしかめて。
「ダメ」
と、言った。
ニョッキをフォークでつつきながら、尊が聞く。
「大石先生って作家さんの30周年記念。色んな作家さんとか、出版社の人が来るん」
フェットチーネをもぐもぐするあたし。
「ドレスコードあるの?」
「んー。招待状には平服で、って書いてあったけど」
「でも、たくさん人集まるんでしょ?それならドレスの方がいいのかな」
「ドレスまでいかなくていいと思うよ?男の人はスーツやろうし。あんまり気張りすぎても」
尊は少し、考えた。
「じゃあ、俺の知ってる店行ってみる?みのりさんに似合いそうな服あると思うよ」
そう言う尊に手を引かれ連れて行かれたのは、所謂、高級ブティック。
カジュアルなお洋服もあるけどドレスも並んでる。
店内には、アンティークの応接セットとかあったりして。
な、なんだここ!?
こんな大層なブティック、見るのも入るのも初めてなんすけど!?
大丈夫か、あたし!?
「あら、尊さん」
スタッフさんらしき、綺麗なお姉さんが尊に気付いた。
「こんにちは」
尊は、ニコニコしながらお姉さんと話す。
「今、社長お呼びしますね」
お姉さんが店の奥に行った。
ってゆーか、ここ。
もしかして尊のお客さんのお店とかじゃないの!?
あたしなんか連れて来て大丈夫なん、尊!?
と。その時。
「たけるー!久しぶり!」
奥から女の人が現れて、尊に抱きついた。
年齢は結構あたしらより上のようだけど、凄く綺麗な人で。
や、やっぱりお客さんやないん!?
あたしと一緒とか、ヤバくない!?
「元気なの?全然顔見せないで。たまには連絡寄越しなさいよ」
「うん。色々忙しくて」
「で?今日はどうしたの?」
「ああ」
尊はあたしを手招きして呼ぶ。
お客さんとホストの修羅場なんてやだよう。
顔をひきつらせながら、尊の隣に行ったら。
「俺の彼女」
尊は後ろから、両手回してあたしを抱きしめながら言った。
ええええ!?
大丈夫なんかっ、そんな事言って!?
「まあ…」
怒るのかと思ったらその人は綺麗な笑顔で、でもどこか見た事ある顔で。
「あらあ!可愛いー!!」
あたしに抱きついた。
な、な!?これはいったい何!?
状況理解できず焦るあたし。
あたふたするあたしに、尊は微笑みながら。
「俺の母だよ、みのりさん」
……………は?
……………はは?
ってことは。
尊のお母さんんん!?
「うふ。可愛い子ねぇ」
尊のお母さんはあたしから離れて、そう言って笑った。
「あっ、あのっ、二宮みのりです!初めましてっ」
焦る気持ちがまだ収まらないまま、慌ててご挨拶。
「うふふ。尊の母の瞳子です。よろしくね、みのりちゃん」
お母さんはそれはもう、ウツクシク微笑んだ。
尊をもっと女性的な顔立ちにした感じ。
ちょっと、あたしが一番好きな尊の顔思い出す。
世の中で言う、お母さん、てのは例えばウチのおかんとかが一般的な感じかと思うが。
尊のお母さんは、すこぶる一般的では無い。
綺麗すぎ!
なにこれ。
二人並ぶと迫力ありすぎ!
今度は緊張で心臓がバクバクする。
「じゃあ、みのりちゃんのお洋服見に来たの?」
「うん。なんか、パーティー用で…あんまり派手じゃない方がいいかな」
一人緊張するあたしを置いて、水原親子はラックから次々に服を選んでいく。
「ああ、これがいいわ!みのりちゃん、これ着てみて?」
瞳子さんから渡されたのは、キャミタイプの黒いドレープのワンピース。
胸のところに同布の薔薇のコサージュがついてる。
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んだけども。
尊は眉をしかめて。
「ダメ」
と、言った。
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