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そのさん
そのさん-2
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あたしが手を振ると、尊は微笑みながらこっちに歩いてきて。
「おはよう。今日も可愛いね。みのりさん」
にっこり。
その言葉にやっぱり顔の熱が上昇する。
「何か食べる?朝ごはん食べたの?」
「食べてないけど…車そこに停めてるから早く出さないと」
「わかった。ちょっと待ってて」
尊はそう言うと、トレイを持ってドーナツをいくつか乗せ、素早く会計して戻って来た。
「家に着いたら食べようね」
ドーナツの袋を持って、にっこり笑った。
初めての尊のお家は、繁華街から近く。
まだ新しくてオサレな外観。
きっと家賃もお高いんだろうな。
すぐ近くの駐車場に車停めて。
車降りたら、当たり前の様にあたしの手握る。
少しドキドキした。
尊の部屋に着くまで、手繋いでた。
「入って、みのりさん」
尊が玄関開けて、あたしを促す。
なんだか良い香りがする。
「みのりさん」
尊はドアの鍵を閉めたらすぐ。
尊があたしの背中からぎゅう、っとあたしを抱きしめる。
「ひゃぅ」
それにびっくりして思わず声が出る。
あたしの顎を持って、少し後ろ向きに上を向かせて。
被さる様に、唇を落としてくる。
「んっ…」
お酒の匂い。
酔ってるんだな。
「みのりさん、好き。迎えに来てくれてありがと。嬉しい」
唇を離して、あたしの頭撫でながら言った。
リビングに入ると家具は黒で統一されてて、でっかいソファーとでっかいテレビ。
「座ってて。コーヒー淹れるね」
キッチンに消えて行く尊の背中を見ながら、革張りのソファーにちょこん、と座ってみた。
なんか、凄い高そうなソファーやな。
落ち着かん。
お尻がもぞもぞしてくる。
暫くして、コーヒーの香り漂わせ尊がリビングにやってきた。
テーブルの上に、コーヒーと。
それからミルクとスティックシュガーを置いた。
「みのりさんに渡す物があるんだ」
そう言って、ソファーの隅に置いたバッグごそごそ。
「はい、これ」
隣に座った尊はあたしの手を取って、手のひらにそれを乗せた。
鍵。
「ここの鍵?」
なにゆえ?
「そう。オートロックもそれで開けられるから」
「なんで?」
なんで鍵が渡されてるのか。
「だって、みのりさん、俺の彼女だからだよ?」
尊はあたしを不思議な顔で見る。
そ、そうか。
尊の彼女なんや。あたし。
そう思うと、また顔が熱くなった。
「いつでも来てね」
「あ、でも急に来て、他の人来てたら困るし」
お客さんとか。
「来ないよ?」
ちょっと険しくなる尊の顔。
「店のヤツはたまに来るけど。俺、ここに女入れた事無いよ」
あれ?なんか怒ってる?
「へ?前カノとかはどうしてたん?」
「俺、女の子をちゃんと好きになったの、みのりさんが初めてだから」
え?
「おはよう。今日も可愛いね。みのりさん」
にっこり。
その言葉にやっぱり顔の熱が上昇する。
「何か食べる?朝ごはん食べたの?」
「食べてないけど…車そこに停めてるから早く出さないと」
「わかった。ちょっと待ってて」
尊はそう言うと、トレイを持ってドーナツをいくつか乗せ、素早く会計して戻って来た。
「家に着いたら食べようね」
ドーナツの袋を持って、にっこり笑った。
初めての尊のお家は、繁華街から近く。
まだ新しくてオサレな外観。
きっと家賃もお高いんだろうな。
すぐ近くの駐車場に車停めて。
車降りたら、当たり前の様にあたしの手握る。
少しドキドキした。
尊の部屋に着くまで、手繋いでた。
「入って、みのりさん」
尊が玄関開けて、あたしを促す。
なんだか良い香りがする。
「みのりさん」
尊はドアの鍵を閉めたらすぐ。
尊があたしの背中からぎゅう、っとあたしを抱きしめる。
「ひゃぅ」
それにびっくりして思わず声が出る。
あたしの顎を持って、少し後ろ向きに上を向かせて。
被さる様に、唇を落としてくる。
「んっ…」
お酒の匂い。
酔ってるんだな。
「みのりさん、好き。迎えに来てくれてありがと。嬉しい」
唇を離して、あたしの頭撫でながら言った。
リビングに入ると家具は黒で統一されてて、でっかいソファーとでっかいテレビ。
「座ってて。コーヒー淹れるね」
キッチンに消えて行く尊の背中を見ながら、革張りのソファーにちょこん、と座ってみた。
なんか、凄い高そうなソファーやな。
落ち着かん。
お尻がもぞもぞしてくる。
暫くして、コーヒーの香り漂わせ尊がリビングにやってきた。
テーブルの上に、コーヒーと。
それからミルクとスティックシュガーを置いた。
「みのりさんに渡す物があるんだ」
そう言って、ソファーの隅に置いたバッグごそごそ。
「はい、これ」
隣に座った尊はあたしの手を取って、手のひらにそれを乗せた。
鍵。
「ここの鍵?」
なにゆえ?
「そう。オートロックもそれで開けられるから」
「なんで?」
なんで鍵が渡されてるのか。
「だって、みのりさん、俺の彼女だからだよ?」
尊はあたしを不思議な顔で見る。
そ、そうか。
尊の彼女なんや。あたし。
そう思うと、また顔が熱くなった。
「いつでも来てね」
「あ、でも急に来て、他の人来てたら困るし」
お客さんとか。
「来ないよ?」
ちょっと険しくなる尊の顔。
「店のヤツはたまに来るけど。俺、ここに女入れた事無いよ」
あれ?なんか怒ってる?
「へ?前カノとかはどうしてたん?」
「俺、女の子をちゃんと好きになったの、みのりさんが初めてだから」
え?
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