さわらないで

ココ

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二人で

9

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それから巧さんは スーツのジャケットを脱いで片手で椅子にかけ

ラグの上に座って立て膝の間に私を向かい合わせに座らせると

私を正面からやさしく抱き締めた。

私は ぽつり ぽつりと 昨日思った事を順序立てて話し出た。

途中言葉に詰まり 泣いてしまっても

巧さんは 口をはさむことなく 根気よく言葉が出てくるまで

頭や髪を撫でながらずっとつき合ってくれた。

「ごめんなさい。ひどいメール送って。そんなつもりじゃなかったんだけど」

私がそう言うと

「今度からは電話で話して。今回みたいなのは絶対嫌だから。」

いとおしそうに

「言っとくけど 俺は由里子と結婚するから。」

巧さんは爆弾発言をさらりとした。 

「何でも二人で考えよう。由里子が俺に頼る分 俺は由里子に甘える

 二つ分の頭で考えた方が色んなアイデアがあるし 言うだけでも少しは楽になる

 絶対に由里子を失う事だけは 認めない。」

、、、あり得ない。パンクしそう。

結婚って。由里子に甘えるって。失う、認めないって、、!

「由里子は考え違いしてないか?俺は由里子にそんなもの求めてない。
 
 由里子という存在を求めてるんだ。仕事で上を目指したかったらそうすればいい。

 俺の側におまえらしい由里子がいればいい。出来ない事は俺がやる。
 
 もっと頼っていいんだ。俺の愛をなめるなよ。」

 そういって巧さんは 笑顔で抱き締めた。
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