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大学生 1

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アメリカでの生活は快適という言葉が合っていたと思う。

シリコンバレーのサンタクララという所に叔母は住んでいて 夫婦揃ってIT企業に勤めていた。

気候は温暖で過ごしやすく アジア人もかなりいたので住みやすかった。

初めは 戸惑っていたけれど 英会話をずっとしていたお陰で直ぐに馴染み友達も出来た。
習い事もピアノしかしなかったので 友達と遊ぶ機会も沢山あり 


一番の親友も今までなら信じられない事に男の子だった。
ビリーという子でとてもモテていた。

でも本人は悩みを抱えていて 私もある意味そう見えたのだろう。
お互い異性の悩みだった。

ビリーはホモセクシャルでその当時も好きな人は男の子だった。
私はもちろん 凰雅さんの事で。

乗り越えたつもりでもなかなか難しかった。
それでも 時間が癒してくれて 男の子が迫って来たときにはビリーがよく助けてくれて
ビリーが女の子に困っているときには 私が助けてあげた。

一緒に夜も明かした事もある。
もちろん友達として。




こんなに私も色んな経験しているのだから 凰雅さんなんて私の事なんて忘れてしまっただろう。

あんな たかが数週間の事。




大学生になるに当たって 留学先で取得した単位を全て振り替えて 帰国子女を受け入れている日本の大学を受験することに決まった。

家族以外には連絡しないまま その為に何度か帰国した。

両親の甘やかしぶりはたまに会うと酷くて 仔犬にでもなった気分になり

そんな状態を拓也君はクールに見ていて。

そして どうにかスムーズに大学入学も決まり 3月には日本に戻って来ていた。 


日本に戻り 大学にも慣れて来た頃 学校帰りに里美と会う約束をしていて
日本に戻ってから 里美に会うのは二度目だった。

「里美!」

あの頃から比べると二人とも大人になって
元々しっかり者の里美は大人っぽかったけれど より素敵になった。
里美はあのまま国元大学にエスカレーターに乗って通っている。

凰雅さんは...知らない。

彼の話題は極端に避けている。

出来れば一生そうしたい。何故か...はわからない。

里美に言わせると私は柔らかくなった と言う。

「本当に結は魅力的になったよ。何がそうさせたの?」

この前あった時は お互い時間がないのにどうしても会いたくて 無理矢理作った時間だった。
その為じっくり話が出来なくてやっと今日里美の家に泊まりに行くことになっている。

「変わらないと思うけど もしあるとしたらビリーのお陰でかな...」

彼のお陰で視野が広くなった。頭も体も。人とのコミュニケーションの取り方を見せてくれたし ボランティアにも連れ出してくれ 男の子が一緒に居てくれるお陰で女の子だけだとどうかな と戸惑う所も連れ出してくれた。

ただ 彼がカミングアウトしていないのに里美とは言え勝手にホモセクシャルの事は言えない。あまりにも仲がいいので

里美にはいつも

「そろそろくっつくの?」

なんて冷やかされる。

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