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高校生 変化 6
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さんざん晒し者にされた挙げ句 腕をつかまれて教室を出た。
そこでもざわめきが起こり
「ちょっと待って!せめて里美も一緒に!」
なぜか私がお願いして。
すると 少し立ち止まり 目配せしてくる。
早く っていう意味よね?
軽く頷いて振り返り 里美を呼んでお願いすると
直ぐに了承してくれて合流した。
迎えの車に乗り込んで。
この学校では迎えの車が来るなんて珍しい事ではない。
只やっぱり凄いのはこの人の場合 多分自分の稼いだお金で賄っている可能性があるって事。
先に凰雅さんが乗り 私を引きずり込み 里美が最後に乗る。やっぱり私がまん中だよね...。
何だか里美が嬉しそうで。
走り出した車の中で凰雅さんがとんでもないことを言い出した。
車の窓ガラス枠に肘をついて 目を細めてばかにしたように口の端で笑う。
「お前 悪い女だなあ。二股かけて。」
「は?誰が?」
「俺がいるのに あの拓也君?別れてくんねえ?」
隣で里美が吹き出している。
「いや だから 拓也君..は」
待って。
何で言い訳しなくちゃいけないの?
こんな強引な 女ったらしに。
はたと気がついて だんまりを決め込む。
大体俺がいるのにって何? 赤の他人だし。
拓也君はお兄ちゃんだし。全部間違ってるから!
心の中で叫んでいると 里美が
生徒のこと全然知らないんですね と言いながら
「凰雅さんどうして結を構うんですか?」
声もなく凰雅さんが片眉を上げて里美を見る。
「からかってるだけならもうやめてください。遊びで恋愛なんて出来る子じゃないんです。」
それを聞いた凰雅さんは
「遊びねえ。俺も生憎遊びで恋愛はないわ。遊びは遊び。恋愛は初めて。」
そう言って私を見つめた。
その目は初めて見る真剣な眼差しで...。
吸い込まれそうで...。
はっ として
いやいや 無理無理 よしんば本気だったとしても あんな怖い取り巻きのお姉様がついてるのに それに私は恋愛しないし。
里美は
「ふーん なるほどね。」
なんて納得していた。
そうするうちに車は止まり ピアノ教室の前に到着した。
行き先言ってないのになぜ?
戸惑っていると 凰雅さんはやっぱりいじわるそうな顔で
「うちのオフィスが向いのビルなんだよ。毎週木曜日 ここに通ってるだろ。」
えっ うそ...
確かにそこそこの立地だろうけど 凰雅さんなら超一流のオフィス街が...
「制服で通ってるから直ぐに国元学園だってわかったんだよ。」
カチャリと車のドアが開き
「時間だろ?終わったらまた送ってやる。」
....はっきり断っとかないと 直ぐにこの人のペースに持っていかれる!
そう思って頑張った。
「いえ 結構です。それより里美を家まで送ってもらえませんか?」
ニヤリと笑う皇雅さんは スマホを取り出し
「オッケー いいぜ。じゃあアドレス教えろよ。」
んんっ? と詰まったけれど ピアノに行かなきゃいけないし 咄嗟の判断でスマホを取り出した。
面白いものを見るような表情でそれを取り上げ アドレス交換等している。
それを見ながらすでに後悔し始めていた。
「じゃあ また帰りな。連絡して来いよ。」
えっ ちょっと!
とあたふたしてるうちに車は発車した。
後部座席からは里美が手を振る姿が見えていた。
そこでもざわめきが起こり
「ちょっと待って!せめて里美も一緒に!」
なぜか私がお願いして。
すると 少し立ち止まり 目配せしてくる。
早く っていう意味よね?
軽く頷いて振り返り 里美を呼んでお願いすると
直ぐに了承してくれて合流した。
迎えの車に乗り込んで。
この学校では迎えの車が来るなんて珍しい事ではない。
只やっぱり凄いのはこの人の場合 多分自分の稼いだお金で賄っている可能性があるって事。
先に凰雅さんが乗り 私を引きずり込み 里美が最後に乗る。やっぱり私がまん中だよね...。
何だか里美が嬉しそうで。
走り出した車の中で凰雅さんがとんでもないことを言い出した。
車の窓ガラス枠に肘をついて 目を細めてばかにしたように口の端で笑う。
「お前 悪い女だなあ。二股かけて。」
「は?誰が?」
「俺がいるのに あの拓也君?別れてくんねえ?」
隣で里美が吹き出している。
「いや だから 拓也君..は」
待って。
何で言い訳しなくちゃいけないの?
こんな強引な 女ったらしに。
はたと気がついて だんまりを決め込む。
大体俺がいるのにって何? 赤の他人だし。
拓也君はお兄ちゃんだし。全部間違ってるから!
心の中で叫んでいると 里美が
生徒のこと全然知らないんですね と言いながら
「凰雅さんどうして結を構うんですか?」
声もなく凰雅さんが片眉を上げて里美を見る。
「からかってるだけならもうやめてください。遊びで恋愛なんて出来る子じゃないんです。」
それを聞いた凰雅さんは
「遊びねえ。俺も生憎遊びで恋愛はないわ。遊びは遊び。恋愛は初めて。」
そう言って私を見つめた。
その目は初めて見る真剣な眼差しで...。
吸い込まれそうで...。
はっ として
いやいや 無理無理 よしんば本気だったとしても あんな怖い取り巻きのお姉様がついてるのに それに私は恋愛しないし。
里美は
「ふーん なるほどね。」
なんて納得していた。
そうするうちに車は止まり ピアノ教室の前に到着した。
行き先言ってないのになぜ?
戸惑っていると 凰雅さんはやっぱりいじわるそうな顔で
「うちのオフィスが向いのビルなんだよ。毎週木曜日 ここに通ってるだろ。」
えっ うそ...
確かにそこそこの立地だろうけど 凰雅さんなら超一流のオフィス街が...
「制服で通ってるから直ぐに国元学園だってわかったんだよ。」
カチャリと車のドアが開き
「時間だろ?終わったらまた送ってやる。」
....はっきり断っとかないと 直ぐにこの人のペースに持っていかれる!
そう思って頑張った。
「いえ 結構です。それより里美を家まで送ってもらえませんか?」
ニヤリと笑う皇雅さんは スマホを取り出し
「オッケー いいぜ。じゃあアドレス教えろよ。」
んんっ? と詰まったけれど ピアノに行かなきゃいけないし 咄嗟の判断でスマホを取り出した。
面白いものを見るような表情でそれを取り上げ アドレス交換等している。
それを見ながらすでに後悔し始めていた。
「じゃあ また帰りな。連絡して来いよ。」
えっ ちょっと!
とあたふたしてるうちに車は発車した。
後部座席からは里美が手を振る姿が見えていた。
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