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里美のひとりごと

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見れば見るほど良い男だと思う。




手足もすらりと長くて力強いあの腕で抱き締められたい女は数知れず。
服の上からでも分かるほとガッチリしていて なのにスマートで抱きつきたくなるほどいい体。全身から発する男の色気。
その体だって見掛け倒しじゃなくって空手で鍛えて強いときてる。男も吸い寄せられるのに あれだけ女が寄って来るのは誰でも理解すると思う。

顔は言わずもがなパーフェクト。
多分黄金比ってやつ。整い過ぎると綺麗なのにこれと言った印象が残らない事が多い。それでも彼の印象が強く残るのは意思の強い世の中斜めに見るひねくれた瞳。黒に近い深い茶色の瞳と少し薄めの唇でいつだって皮肉めいた表情をして全ての女を引き寄せてしまう。

誰かが言っていた。
一度でいいからあの綺麗な強い瞳で見つめられあの大きな手で長い指で触れて欲しい と。
誰もが手が届かないと思うのに彼の視界に入れて欲しいと望む。


その上中身が極上。
頭の良さと行動力。あの年齢でこの社会的成功。

こんな男見たこともきいたこともない。

どんな親から どんな環境から生まれてくるのか。
つくづく知りたいと思う。

それでも 私が好きにならないのは彼が結命だっていつも見せつけられるから。
ふらりと吸い込まれそうになると 結の話で蕩ける顔を見せる。
ひねくれた冷たい男は何処へやら こぼれんばかりの極上の笑みを見せる。そしてそれを見た数少ない女は今までよりも虜になって。

私はその度 はっとさせられ 夢から覚める。

この男の視界に入る女はただ一人。

とうの昔に一線は引いてあるけど魅力は良く知っている。

目だけ肥えてしまった私。

「あれで一途でなければ言ってもたいした男じゃないんだけどね」



私が一番この男のいいところを知っているのかも と思うこの頃。

気がつけばこの男の情報屋か。
結の為でもあるはず だし。

いつか高い代償を払ってもらおう

うん。
罰は当たらないはず。


ーーー
End
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