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これからの事 5

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車に戻り

「ありがとう」

と その一言だけを告げ。

凰雅さんは私に

「礼なら今夜のセクシー下着で」

と この空気をぶち壊した。


...で でも

それがお礼になるなら。 

今の私は凰雅さんが望むなら何だってしてあげたい何だってしたい 
そう思っていて。
ネジが外れてしまった私は 具体的なリクエストだった事に叶え易くさえ思った。





翌日には学校にも行き始めると色々質問攻めに合い。

日本でもあの事件は報道されていて 大使館に食事を持って行った所や突入のシーン等テレビでも映し出されていて 凰雅さんとの婚約まで報道されていた。

凰雅さんが一人で空港で取材を受けているところまで報道されたらしく そのかっこよさと聡明さ ビリオネアの響に 世間では凰雅ブームなるものが吹き荒れ ワイドショーでも特番が組まれ出しているらしい。

ただ今回の事は事件だったのでそっとしておいて欲しいと凰雅さんの弁護士を通じてマスコミには通達してあり その時点ではまだ婚約者である一ノ瀬結は一般の大学生なので尚のこと関与しないでとお願いしてくれたらしい。

...そうしてもらえると助かります。


早々に凰雅さんのお帰り兼入籍パーティーが段取りされた。

今回の事件現場に乗り込んだという無謀さと 婚約者から奥さんの御披露目に変わった事も加わり 益々好奇の目が集まっていく。
是非出席したい と言う人が後を絶たずどうしたものかと思案したけれど 結局は凰雅さんの

「本当の披露宴は結の卒業後にするだろ」

と言う一言で 絞り込んでの会となった。




都内の庭が自慢の素敵な洋館で。

なんやかやで 招待客を絞り込んだ事が変に価値感を高め 選ばれた富裕層のシークレットパーティーとマスコミで取り上げられていたからこそ 庭が広くて外から目隠しになっているのがポイントも高く。

今回のパーティーに向くレストランの中で 私が好きなイタリアンのお店をチョイスしてくれていた。
イタリアンの老舗でもあり最近世代交代してから”Nuovo italiano“(新しいイタリアン)と賛嘆されている。



そして 私は唖然としていた。

鏡には シンプルだけど綺麗に着飾り 濃くはないのに誰か分からない位美しくお化粧してもらった自分が映っているのを見て。
そこで控え室がノックされ 凰雅さんがドアを開けながら言った。

「結 綺麗にしてもらったか?ゆ...」
「どうしよう。私って分からないよね?」

私を見て驚いた顔をしたくせに ニヤリと意地悪く笑い
私の正面に回り込んで じろじろと舐めるように見て言う。

「結だろ。今日は澄ました結。綺麗だけど俺は違う結が見れてテンション上がるな。そっちがそう来るなら今夜は違う体位で..」

バシン!と凰雅さんの背中をを叩く音が響く。
緊張を緩ませるジョークであって欲しい。
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