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大学生 近づく心 Ⅱー20

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その後を引き継いで凰雅さんのお父様が朗らかに空気を変える。

「しかしあの凰雅が結婚したいしたいって 何年になるかな。結ちゃんによっぽど惚れてるんですよ。こんなやんちゃなのは惚れた弱みの結ちゃんじゃないとまとも人間に成長させれないな」

「そうね。結ちゃんこんな凰雅だけど宜しくお願いします」

御両親揃って 持ち上げてくれているけど私が謝らなきゃいけない位分かっている。

立ち上がって御両親の側に行く。

「今回は申し訳有りませんでした。お父様やお母様にご迷惑お掛けした上凰雅さんに謝らせてしまって...」

深々と頭を下げる。
お母様が立ち上がり私の体を起こして

「結ちゃん。貴女は一ノ瀬さんの大事なお嬢さんでもう私達の大事な娘でもあるのよ。周りの寿命が縮むから無謀な事はもうやめてね。凰雅だって貴方が無事で待っているって思うからどんな時でも頑張れるのよ」

お父様は凰雅さんを斜めに見ながら面白そうに言う。

「そうだな。凰雅は結ちゃんがいれば何だって頑張れるだろうよ。なあ?」

「ああ。何だってやる」

横目でお父様をジロリと見て当然の様にいい放った。


照れたのは 私以下一ノ瀬で。

唯一 やってられん と頭を横に振ったのは拓也君だけだった。



食事が終わり 吉川のスイートルームに移り歓談は続く。
話は尽きず 凰雅さんが人質の間何をしていたのかが話題になった。

「私を知っている奴がクーデター側にいて 政府からのメールとかに余計な物が付いていないか確認させられたりしていました。

アメリカ政府のシステムに侵入しろって言われたら厄介だな と思ってこちらから話を違う所に振ったんですよ。  

話してみると夢も希望もある普通の同世代の青年なんです。お偉いがたの古いやり方にとことん嫌気がついて直接自分達若者の意見をアメリカに後ろ楯になってきいてもらおうとして。

でも色んなやり方が有るからって説得してた所に強行突破してきてクーデター側の自主投降は叶いませんでした。その説明で昨日遅くなったんです」

確かに食事を受け取ったクーデター側の人もIT関係の仕事がしたいって明るく言ってた。私が口を挟む。

「でも強行突破の前に国王様に呼び掛けてもらうって言ってたのに。してなかったよね」

誰が言ってたとは誰も気にしなくて

「それは国王陛下がかなりのお年でね。体調が悪くなって予定変更になったらしい。今の陛下は国民に慕われているからねえ。残念だよ」

一ノ瀬の父がテレビでの放送を伝えた。

なるほど そう言う事だったの。
国や立場が違えばもっと自分のやりたいことへ一直線に進めたのだろうか。
私の常識ではこんなやり方は罪にしかならない。


...私には難しくて答えは出ないけど クーデター側に怪我人は出たものの死者がなかった事は幸いだと思った。
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