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番外編20 季節ものSS

帰省するお二人と一匹 四 悪魔のささやき(※)

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「和臣さん、おやすみなさい」
「待って。こっち来て」

 寝る前。お風呂を借りた後、和臣さんの部屋にやってきた。
 いつも隣の客間をお借りしてるので、今夜もそちらで寝る予定である。寝る前に挨拶と思ってドアをノックしたら引きずり込まれた。

「わっ」

 ぐいっと引かれてがばっと抱かれる。いつものじゃない寝間着姿の和臣さん。実家にいるときの彼はいつになく幼い。
 和臣さんの部屋、何気に初めて入るかも。和臣さんの肩越しに眺める。
 八畳くらいかな。広いけど、家の大きさを思うと意外と狭い。
 壁一面が本棚で、学習机とシングルベッド。フローリングで、シンプルというか、殺風景な部屋だ。
 和臣さん、中学生までここで過ごしてたんだよなぁ。なんだか不思議な気分。

「大和はお母さんと寝たいようで。ケージごとお母さんの部屋です」
「お母さん、犬に好かれるんだよね」
「いいなぁ」
「俺がいるじゃん。俺でよくない?」

 と和臣さんは犬みたいに、風呂上がりで汗ばんだ俺の首筋を甘噛みして、舌で舐めてる。
 ぞくぞくして、くすぐったい。

「んっ、はぁ……」
「多紀くん。俺とワンプロしよ」

 和臣さんときたら、ベッドボードにローションを用意してる。準備した俺も、やられる気ではあるのだけど。
 俺は小声。

「絶対に、激しくしちゃだめですよ」
「わかった」

 ちっともわかってなさそう。
 シングルベッドに押し倒されてシャツをたくし上げられる。ズボンどっか行った。
 あっという間に下着一枚。

「声出さないようにね」

 くすっと笑いながら、耳元で囁いてくる。激しくする気満々。

「四つん這いになって」

 俺は黙って指示通りに四つん這い。和臣さんの枕があって、顔を埋めると清潔な香りの向こうに、和臣さんっぽいにおいがする。
 下着の股の隙間から、和臣さんの指が忍び込んできた。ローションに濡れていて、準備したふちをなぞるように、くちゅ、と指先を挿入してくる。

「やらかいな……多紀くんのアナル、俺の指、すぐ呑み込みそう……あ、入ってく入ってく」

 と言いながら二本ぬるりと入ってきた。

「っ、っ、っ!」
「静かにね」
「激しく、しちゃ、だめ、です」
「了解。ゆっくりしよう」

 長い指がなかを掻き回して、前立腺に触れる。
 和臣さんの指は俺の性感帯を当てるのが上手い。いつの間にか指は三本に増えて、和臣さんのもう片方の指が、俺の先っぽをぬるぬるいじっている。

「っ、か、かず、おみさ、ん」
「んー?」
「きもちい、きもちい……!」
「そだねぇ……」

 和臣さんの指が、俺の内側を強くこすった。同時に先っぽをいじっていた指が亀頭を握り込み、搾乳するかのように先走りの粘液をしぼる。
 思わず悲鳴が漏れそうになって、俺は和臣さんの枕をつかみ、顔を埋めて必死に耐えた。

「っ!!」
「俺の手、そんなにいい?」
「激しい、激しくしちゃ、だめ」
「音立ててないよ。大丈夫」

 なかの気持ちいい場所を抉るせいで俺の体がはねる。竿を扱く手も容赦ない。

「っ、激しく、しないでぇ」
「もっとゆっくりしようか」
「んっ、んっ」

 指がずるりと抜けていった。和臣さんが、背後で脱いでる。衣擦れの音がする。下着を床に落とした。
 和臣さんは俺の背中に覆いかぶさりながら、耳をかじってくる。和臣さんの先端が、俺を犯しはじめる。

「声出しちゃだめだよ」

 悪魔の囁きだ……。
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