エリート先輩はうかつな後輩に執着する

みつきみつか

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番外編20 季節ものSS

年度末のお二人* 五 多紀くんの夫 Side和臣

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「はー……はー……」

 多紀くんをいっぱいイかせて俺も何度か射精。中出し。抜いて並んで寝転がって、ちょっと休憩。
 あー、素晴らしいな。休みをとって多紀くん独占エッチ三昧。定期的に開催すべき。
 隣でへろへろに潰れてる多紀くんのおでこにちゅう。涙とよだれと汗と精液でぐちゃぐちゃの多紀くん。大満足。よきかな。

「多紀くん。可愛い……」
「和臣さんのほうが……可愛いです」

 多紀くんに褒められるとなんでも嬉しい。

「……和臣さんが俺の体で、気持ちよさそうにしてるの、好き……」

 胸が高鳴りすぎてどうにかなりそう。

「気持ちいいよ。多紀くん抱くの」
「へへ……」

 こんなにも可愛くて大丈夫? 目の届くところにいてくれないと心配で不安になるくらい可愛さが突き抜けているよ。
 多紀くんが腕枕してくれることもあるけれど、今日は俺が腕枕。
 俺の腕の中で幸せそうにしている多紀くん。優勝。

「多紀くん、誕生日プレゼント、決まった?」
「んー……、なんでしょうね。いま、あんまり欲しいものないです」
「なんでもいいんだよ? 遠慮はしないで。どんなものでも買うよ」
「……物欲、なくなってるんですよね……」
「ほんと、欲しがらないよね」
「満たされてるんで……。和臣さんは、プレゼント決まりました?」
「多紀くんを吸う権利!」
「でも和臣さん、しょっちゅう吸ってません?」

 バレていたね。

「だめ? ごめんね」
「だめというか……べつに、誕生日じゃなくてもやってるし、してもいいし……俺の夫ですし……?」

 うわー、いい言葉だなぁ。多紀くんの夫。旦那さん。
 A0サイズの半紙に毛筆で書いてリビングに飾っておきたい。

「多紀くんの夫……!」
「俺も、和臣さんの夫ですし」
「ふふ……ふふふ……」

 俺は笑うのが止められなくて、多紀くんの髪に鼻を埋める。

「ねぇ。なんでも、なんでも言ってね、多紀くん」
「じゃあ、手を握っててください」

 と、多紀くんは手を差し出してきた。俺は指を絡ませる。ぎゅう。

「和臣さんに触ってると、気持ちいい。俺も、和臣さんとこうしてるのが好きです。これからも……毎年、こうしていたいです」

 まさかこれ夢オチじゃないよね? あまりの幸福度につい現実を疑ってしまう俺。

「た……多紀くん、今日どうしたの?」
「え!?」

 あ、また何か隠しごとをしている。
 多紀くんはわかりやすい。きっと誰かからの入れ知恵だね。俺得だからいいけど。

「ほら、クリスマスに、トナカイしたら、喜んでたじゃないですか。和臣さん」

 ああ、元部下Fが全面的にプロデュースしたという極小ビキニに首輪とツノという露出狂トナカイ……。
 ツノを生やして鼻を赤くし、鈴のついた首輪に手足のベルト。多紀くん、よく似合ってたね。
 恥ずかしそうに膝を抱えてる様子を見たら、襲う以外の選択肢がなかった。トナカイをけだもののように犯した記憶。
 俺を喜ばせようという心意気も胸に迫るものがある。あのときはフル勃起だったなぁ。
 今年はサンタコスはどうだろう。着せたい……。スカートがいいな。はかせたい……。恥じらう多紀くんを見たい……。
 正直、F発案の企画の中で、即採用なのはあれだけだと思えるので、Fは商品企画部にでも移ればいいよ。自社にはないけど。
 ただし、あれを喜ぶ男と思われているのは、少し気になるところではある。勃起しすぎて痛いほどだったけれど、事はそう単純ではない。元上司として沽券に関わる。

「またお友達の発案なの?」
「いえっ、今回は自分で……考えたんです。和臣さんが喜ぶのは、俺かなって……。だから、その、ツン? はナシで、甘えたら喜ぶかなって……。自意識過剰でしょうか?」

 きゅーん、きゅんきゅん。
 正解正解大正解!

「最高の誕生日……」

 多紀くんの誕生日に俺がプレゼントもらってるじゃん。

「えへへ」

 多紀くんをこの世に生んでくれたすべてに圧倒的感謝。
 上目遣いの多紀くんもかっわいいなぁ。
 俺は多紀くんを吸いながら。

「ごめん、勃った。もう一回する」

 と宣言。多紀くんは苦笑しながらちゅーで返事をしてくれた。Eternal Love……。




〈年度末のお二人 終わり〉
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