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番外編14 ある新婚生活
七 早く(※)
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和臣さんはスラックスを脱いでワイシャツのボタンを外しながら、嬉しそうに見下ろしてくる。
「欲しいところ、自分で広げてみて」
「俺のこと、甘やかしてくれるんじゃないんですか。甘やかされたいんですけど」
「多紀くんが欲しいところに多紀くんがしてほしいことするつもりだけど、言ってくれないとわかんないからさ……」
言わせたいだけだし。おねだりさせたいだけだし。そんなのとっくにわかってるし。
俺はソファの上で仰向けになり、両膝をあげて、自分の尻肉を広げる。
「和臣さんの」
「なぁに?」
「和臣さんのがいい。ちょうだい」
和臣さんはボクサーパンツを、親指で上からずりおろすみたいにずらしてる。
薄い布の中でぱんぱんに膨れ上がっていたそれが、ふちのゴムに引っかかった後、跳ねるみたいに剥き出しになって、赤黒くて筋張った中太カリ高の先端は、汁を垂らしながら上を向いてる。
張りすぎでしょ。おなかにつきそうになってる。湯気たってそう。凶器。棍棒。でかくて長い。なんで俺の中におさまるの、それ。
「あー、ばきばき。いたいくらい。我慢してたせい。めっちゃ勃起してる。多紀くんのこと犯したいって」
代弁するな。
根元をもって扱きながら。俺はそれから目をそらせない。
「多紀くん。しゃぶって」
和臣さんはソファに仰向けになっている俺の顔に跨がって、下に向けて軽く扱いて、肉厚で濡れた先端を俺の唇に当ててきた。有無をいわさず咥えさせてくる。むわっとしたにおいと感触、汗のにおい。
俺は両手を添えて、裏側に軽く舌を這わせた後、すぐに咥えて夢中になる。
「んっ、和臣さん」
早く入れてほしいのもあるし、調教されてて美味しい。口の中で反応したり、先っぽからじわっと溢れてくるのを吸ったり。和臣さんの弱いところであり強いところ。
「多紀くん……上手」
「ん……美味しい」
俺、淫乱かも。
唇をすぼめて圧をかけながら、喉も使ってできるだけ深く咥えて吸うようにしたり、中で舌で舐めたり。
固さをたしかめて、体の中に入れられたときの感覚を思い出して期待してる。
「多紀くん激しい、激しいよ。ちょ、ストップ。そのままだとイく」
ぷは、と離して和臣さんを見る。潤んだ瞳で見下ろしてきている。頬が赤くて、息が上がって、はだけたワイシャツの中の肌も上気して染まっている。唇を舌で舐めてる。なにその色気。ずっこい。
「濃いの、お口に欲しかったの?」
「……わかんない」
「多紀くん、フェラ上手だね。気持ちよかった……こんなのされたらすぐイっちゃう。ね、やらしい表情。多紀くんの喉に出してもよかったんだけど、一緒に気持ちよくなりたいもんね」
「もう入れてください……」
和臣さんは俺の頬を挟んで持ち上げるみたいにして、覗き込んでくる。見つめ合っていると、かなわないと思う。明るい茶色い瞳。ひそめた眉、高い鼻、鼻筋、きれいな唇。細い顎。
早く、早く。
「欲しいところ、自分で広げてみて」
「俺のこと、甘やかしてくれるんじゃないんですか。甘やかされたいんですけど」
「多紀くんが欲しいところに多紀くんがしてほしいことするつもりだけど、言ってくれないとわかんないからさ……」
言わせたいだけだし。おねだりさせたいだけだし。そんなのとっくにわかってるし。
俺はソファの上で仰向けになり、両膝をあげて、自分の尻肉を広げる。
「和臣さんの」
「なぁに?」
「和臣さんのがいい。ちょうだい」
和臣さんはボクサーパンツを、親指で上からずりおろすみたいにずらしてる。
薄い布の中でぱんぱんに膨れ上がっていたそれが、ふちのゴムに引っかかった後、跳ねるみたいに剥き出しになって、赤黒くて筋張った中太カリ高の先端は、汁を垂らしながら上を向いてる。
張りすぎでしょ。おなかにつきそうになってる。湯気たってそう。凶器。棍棒。でかくて長い。なんで俺の中におさまるの、それ。
「あー、ばきばき。いたいくらい。我慢してたせい。めっちゃ勃起してる。多紀くんのこと犯したいって」
代弁するな。
根元をもって扱きながら。俺はそれから目をそらせない。
「多紀くん。しゃぶって」
和臣さんはソファに仰向けになっている俺の顔に跨がって、下に向けて軽く扱いて、肉厚で濡れた先端を俺の唇に当ててきた。有無をいわさず咥えさせてくる。むわっとしたにおいと感触、汗のにおい。
俺は両手を添えて、裏側に軽く舌を這わせた後、すぐに咥えて夢中になる。
「んっ、和臣さん」
早く入れてほしいのもあるし、調教されてて美味しい。口の中で反応したり、先っぽからじわっと溢れてくるのを吸ったり。和臣さんの弱いところであり強いところ。
「多紀くん……上手」
「ん……美味しい」
俺、淫乱かも。
唇をすぼめて圧をかけながら、喉も使ってできるだけ深く咥えて吸うようにしたり、中で舌で舐めたり。
固さをたしかめて、体の中に入れられたときの感覚を思い出して期待してる。
「多紀くん激しい、激しいよ。ちょ、ストップ。そのままだとイく」
ぷは、と離して和臣さんを見る。潤んだ瞳で見下ろしてきている。頬が赤くて、息が上がって、はだけたワイシャツの中の肌も上気して染まっている。唇を舌で舐めてる。なにその色気。ずっこい。
「濃いの、お口に欲しかったの?」
「……わかんない」
「多紀くん、フェラ上手だね。気持ちよかった……こんなのされたらすぐイっちゃう。ね、やらしい表情。多紀くんの喉に出してもよかったんだけど、一緒に気持ちよくなりたいもんね」
「もう入れてください……」
和臣さんは俺の頬を挟んで持ち上げるみたいにして、覗き込んでくる。見つめ合っていると、かなわないと思う。明るい茶色い瞳。ひそめた眉、高い鼻、鼻筋、きれいな唇。細い顎。
早く、早く。
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