208 / 366
番外編9 おまけ4(▲リバ注意▲)
※閲覧注意※ 一 イヌ派(笑)
しおりを挟む
※※※閲覧注意(リバ注意)※※※
リバーシブル(攻めと受けが交代すること。また、役割分担を固定しないこと)です。
Twitterで、多紀×和臣について呟いたところ、とくに反対意見が出なかったことから載せてみることにします(責任転嫁)。
多紀が攻め、和臣が受けで最後までいってしまうので、リバが苦手な方は読まれないようにお願いいたします。
読まれる方は自己責任でお願いいたします(全4話です)。
※※※
一 イヌ派(笑)
お風呂上がり。
寝る前の休憩時間。
俺はソファで寛いでいるパジャマ姿の和臣さんの隣にかけて、肩を抱かれたのでもたれかかりながら、切り出した。
「この間、ネコなのか訊かれたんですよ」
「ネコ?」
ヒロから、多紀ってネコだよな、と訊かれた。イヌ派だよと言ったときの奇怪なものでも見るかのようなヒロの表情ときたら。
ゲイ用語で、男同士のセックスで入れられる側だという意味はそのとき知った。
まさに自分が当てはまるのだが、自分はけっして、男とセックスしたいとはやはり考えたことがない。
本来入れる側であったはずの(だが一度も入れる側をしたことはないのだが)自分は、ヒロに対する回答に苦しんだ。
センシティブな問題なので、とこれ以上踏み込むなという意味を込めて答えた。
ずけずけと物を言うヒロは、なにかを勘違いした。
「え、元係長もネコしたりすんの。意外」
その誤解を解く勇気がなかった。裏を返せば自分が一方的にやられていると肯定することになる。
話を聞いた和臣さんは眉を寄せ、口をへの字にしている。
倉本と俺が仲良く話すのも嫌だし、倉本に余計な情報を与えたくない、とむかし言っていた。
あいつ今度会ったらしめてやらないと、という、冷静な怒りを感じる。
「交代したことないよね」
「俺の消極的な嘘を真実にしたいです。事後的に」
「追認する? ほんとに? 取り消してきていいよ?」
「ちなみに和臣さん、ネコ……をしたことは?」
「ないない。あるわけない。多紀くんだけだよ。女性は苦手だけど男は嫌いだよ。多紀くんだけだよ。この意味わかる? ちゃんとわかってる?」
そんな半笑いで言われても、言っている意味はよくわからない。
和臣さんはあっちを向いて頬に手をやって考えている。
「多紀くんの童貞、欲しいけどさ……」
「お願いします、俺を男にしてください!」
「でも多紀くん、絶対にヘタだもん。下手下手下手下手下手下手下手下手」
早口でうるせぇよ。
「当然、下手の可能性は十分あります。でもやってみたら上手い可能性もあります」
「希望的観測じゃなくてさ」
「不本意ですが、やられ慣れてるし、なにをすればいいのかはわかります」
「セックスって慣れもあるけど、体の柔らかさと運動神経だよ。あとセンス。ほら、下手なの認めて。まずはそこからだね。はい復唱。下手」
「下手……かも」
「かも。俺の真似は絶対にしちゃだめかも~。はい、このお話は終了かも~」
立ち上がって逃げようとする和臣さんの胴体に腕を回して捕まえる。
「俺には選択権なかったのに! 納得できません!」
「仕方ないでしょ。やりたかったんだから。犯すことしか考えてなかったんだもん」
「開き直らないでください!」
「だって多紀くん相手に犯されたいなんてふつう思わないでしょ?」
喧嘩売ってるわ。
リバーシブル(攻めと受けが交代すること。また、役割分担を固定しないこと)です。
Twitterで、多紀×和臣について呟いたところ、とくに反対意見が出なかったことから載せてみることにします(責任転嫁)。
多紀が攻め、和臣が受けで最後までいってしまうので、リバが苦手な方は読まれないようにお願いいたします。
読まれる方は自己責任でお願いいたします(全4話です)。
※※※
一 イヌ派(笑)
お風呂上がり。
寝る前の休憩時間。
俺はソファで寛いでいるパジャマ姿の和臣さんの隣にかけて、肩を抱かれたのでもたれかかりながら、切り出した。
「この間、ネコなのか訊かれたんですよ」
「ネコ?」
ヒロから、多紀ってネコだよな、と訊かれた。イヌ派だよと言ったときの奇怪なものでも見るかのようなヒロの表情ときたら。
ゲイ用語で、男同士のセックスで入れられる側だという意味はそのとき知った。
まさに自分が当てはまるのだが、自分はけっして、男とセックスしたいとはやはり考えたことがない。
本来入れる側であったはずの(だが一度も入れる側をしたことはないのだが)自分は、ヒロに対する回答に苦しんだ。
センシティブな問題なので、とこれ以上踏み込むなという意味を込めて答えた。
ずけずけと物を言うヒロは、なにかを勘違いした。
「え、元係長もネコしたりすんの。意外」
その誤解を解く勇気がなかった。裏を返せば自分が一方的にやられていると肯定することになる。
話を聞いた和臣さんは眉を寄せ、口をへの字にしている。
倉本と俺が仲良く話すのも嫌だし、倉本に余計な情報を与えたくない、とむかし言っていた。
あいつ今度会ったらしめてやらないと、という、冷静な怒りを感じる。
「交代したことないよね」
「俺の消極的な嘘を真実にしたいです。事後的に」
「追認する? ほんとに? 取り消してきていいよ?」
「ちなみに和臣さん、ネコ……をしたことは?」
「ないない。あるわけない。多紀くんだけだよ。女性は苦手だけど男は嫌いだよ。多紀くんだけだよ。この意味わかる? ちゃんとわかってる?」
そんな半笑いで言われても、言っている意味はよくわからない。
和臣さんはあっちを向いて頬に手をやって考えている。
「多紀くんの童貞、欲しいけどさ……」
「お願いします、俺を男にしてください!」
「でも多紀くん、絶対にヘタだもん。下手下手下手下手下手下手下手下手」
早口でうるせぇよ。
「当然、下手の可能性は十分あります。でもやってみたら上手い可能性もあります」
「希望的観測じゃなくてさ」
「不本意ですが、やられ慣れてるし、なにをすればいいのかはわかります」
「セックスって慣れもあるけど、体の柔らかさと運動神経だよ。あとセンス。ほら、下手なの認めて。まずはそこからだね。はい復唱。下手」
「下手……かも」
「かも。俺の真似は絶対にしちゃだめかも~。はい、このお話は終了かも~」
立ち上がって逃げようとする和臣さんの胴体に腕を回して捕まえる。
「俺には選択権なかったのに! 納得できません!」
「仕方ないでしょ。やりたかったんだから。犯すことしか考えてなかったんだもん」
「開き直らないでください!」
「だって多紀くん相手に犯されたいなんてふつう思わないでしょ?」
喧嘩売ってるわ。
64
お気に入りに追加
1,986
あなたにおすすめの小説
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
今日も武器屋は閑古鳥
桜羽根ねね
BL
凡庸な町人、アルジュは武器屋の店主である。
代わり映えのない毎日を送っていた、そんなある日、艶やかな紅い髪に金色の瞳を持つ貴族が現れて──。
謎の美形貴族×平凡町人がメインで、脇カプも多数あります。
執着男に勤務先を特定された上に、なんなら後輩として入社して来られちゃった
パイ生地製作委員会
BL
【登場人物】
陰原 月夜(カゲハラ ツキヤ):受け
社会人として気丈に頑張っているが、恋愛面に関しては後ろ暗い過去を持つ。晴陽とは過去に高校で出会い、恋に落ちて付き合っていた。しかし、晴陽からの度重なる縛り付けが苦しくなり、大学入学を機に逃げ、遠距離を理由に自然消滅で晴陽と別れた。
太陽 晴陽(タイヨウ ハルヒ):攻め
明るく元気な性格で、周囲からの人気が高い。しかしその実、月夜との関係を大切にするあまり、執着してしまう面もある。大学卒業後、月夜と同じ会社に入社した。
【あらすじ】
晴陽と月夜は、高校時代に出会い、互いに深い愛情を育んだ。しかし、海が大学進学のため遠くに引っ越すことになり、二人の間には別れが訪れた。遠距離恋愛は困難を伴い、やがて二人は別れることを決断した。
それから数年後、月夜は大学を卒業し、有名企業に就職した。ある日、偶然の再会があった。晴陽が新入社員として月夜の勤務先を訪れ、再び二人の心は交わる。時間が経ち、お互いが成長し変わったことを認識しながらも、彼らの愛は再燃する。しかし、遠距離恋愛の過去の痛みが未だに彼らの心に影を落としていた。
更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です
X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl
制作秘話ブログ: https://piedough.fanbox.cc/
メッセージもらえると泣いて喜びます:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる