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番外編8 おまけ3
2* 同期たちによる視線の会話
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※リクエストのあった、「第二部/第四章(和臣視点):十 非常にまずい状況」と「第二部/第五章(多紀視点):八 大阪の甘えたがりの年上すっぴん美人」の、同期会のときの同期たちの内心(テレパシー気味コメディ)です。
-----------------
「相田くん、やっぱり知ってるんじゃないの、和臣の天使」
「し、知らないです、全然!」
「ほんとー?」
「ほんと、だって俺、カズ先輩とは……い、委員会で一緒だっただけですし!」
(『委員会が一緒だった』)
(さっき聞いたな?)
(小野寺って他人に興味ないのに、相田くんとだけは関係を続けてるというか、あきらかにお気に入り。一緒に暮らしてるし)
(ん? ルームシェア? 同棲?)
(付き合ってると思ってた)
(見すぎ)
(いつも隣に座ってるし)
(他人と話すときとはまるで表情が違う)
(熱視線)
(相田くんと話してるときの小野寺くん、きらきらして、にこにこで可愛いよね)
(俺が相田くんと話してると睨まれる)
(私が相田くんとふたりで話してると、殺気を感じるよ)
(どう考えても)
(独占欲……)
「天使って何? あ、これうまいやん」
(天使について、仮説を立ててみる)
(まず、相田くんではないと仮定する)
(その時点で無理が生じてる)
(とりあえず進めてみよう)
(現在、小野寺くんは相田くんと二人暮らし、喧嘩はするものの、仲良さげ。ルームシェアをやめる気配はない。天使と交際したら、相田くんとの同居は早晩解消せざるをえない)
(過去の恋だから諦めてるとか?)
(過去の恋と割り切っている様子ではない)
(他で代替しようとはしていない)
(だが天使と連絡してる雰囲気はない)
(天使像、見えないねー)
(人妻とか?)
(人妻で身を引くかな? 他人のものかなんてどうでもよさそう)
(欲しいものは手に入れてきたよね。謎の突破力で。プラント一気通貫でやって、なんでだかタイでカーリース事業会社の立ち上げと食品会社のM&Aもやってたんでしょ)
(やるね)
(えー、とにかく、帰国しても、天使との恋愛の成就に期待していないことはわかる)
(かといって、天使への片想いが幸せというふうには見えない)
(でも今すごく幸せそう。帰国してから性格変わったね)
(それは相田くんといるから)
(えー、相田くんは一旦置いといて。別人だと仮定してるから。委員会が一緒だっただけの天使に十年近く片想い。ふつーの女なら声をかければ付き合いくらいはする。ふつーの女なら)
(ふつーだが男……)
(どう足掻いても相田くんちらつくじゃん)
(小野寺くんって合理的な性格よね)
(小野寺は、自分が他人の恋愛対象になる蓋然性が高いことを認識している。自信はあるはず。天使にだってアプローチはしたはず)
(案外思い切りがいい。手応えがあればガンガン行く)
(謎の突破力)
(だが、建前、片想いしつづけている。つまり告白した場合に、①交際する、②交際には至らずとも友人関係を維持する、③関係が壊れる、の中だと、壊れる可能性が高いと捉えている。つまり受け入れてもらえない可能性のほうが高い。自信がない、ということになっている)
(小野寺の今の生活って相田くん率高い)
(デスク近いからさぁ。スマホ見ながら「多紀くん」って呟いてるんだよね。頻繁に)
(それは、だって)
(もうひとつの仮説として)
(相田くんだと)
(すべてが)
(つながる……)
(大本命。賭けてもいい)
(賭けにならなくない? 別人説を推す人いる?)
(長く片想いで、中々言えず)
(相田くんが男だから)
(話していて幸せで、一緒に暮らして仲良し)
(視線……)
(え? 付き合ってる以外ある?)
(付き合ってるよね?)
(絶対に付き合ってる)
(小野寺くんが好きなの、相田くん以外にいない)
(小野寺はわかりやすいけど相田くんはいまいちわからないんだよな)
(付き合ってる?)
(小野寺はどう考えても相田くんを狙ってる)
(相田くんは小野寺の気持ちに気づいていない?)
(気づいてなかったらおかしいって。鈍いにも程があるって)
(見すぎ)
(疑う余地ない)
「あー……多紀くんには言わないで……。多紀くんは知らないんで、お願いします……」
(あ、ぜったいに嘘)
(虚偽)
(嘘つくな)
(付き合ってる)
「了解」
<同期たちによる視線の会話 終わり>
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「相田くん、やっぱり知ってるんじゃないの、和臣の天使」
「し、知らないです、全然!」
「ほんとー?」
「ほんと、だって俺、カズ先輩とは……い、委員会で一緒だっただけですし!」
(『委員会が一緒だった』)
(さっき聞いたな?)
(小野寺って他人に興味ないのに、相田くんとだけは関係を続けてるというか、あきらかにお気に入り。一緒に暮らしてるし)
(ん? ルームシェア? 同棲?)
(付き合ってると思ってた)
(見すぎ)
(いつも隣に座ってるし)
(他人と話すときとはまるで表情が違う)
(熱視線)
(相田くんと話してるときの小野寺くん、きらきらして、にこにこで可愛いよね)
(俺が相田くんと話してると睨まれる)
(私が相田くんとふたりで話してると、殺気を感じるよ)
(どう考えても)
(独占欲……)
「天使って何? あ、これうまいやん」
(天使について、仮説を立ててみる)
(まず、相田くんではないと仮定する)
(その時点で無理が生じてる)
(とりあえず進めてみよう)
(現在、小野寺くんは相田くんと二人暮らし、喧嘩はするものの、仲良さげ。ルームシェアをやめる気配はない。天使と交際したら、相田くんとの同居は早晩解消せざるをえない)
(過去の恋だから諦めてるとか?)
(過去の恋と割り切っている様子ではない)
(他で代替しようとはしていない)
(だが天使と連絡してる雰囲気はない)
(天使像、見えないねー)
(人妻とか?)
(人妻で身を引くかな? 他人のものかなんてどうでもよさそう)
(欲しいものは手に入れてきたよね。謎の突破力で。プラント一気通貫でやって、なんでだかタイでカーリース事業会社の立ち上げと食品会社のM&Aもやってたんでしょ)
(やるね)
(えー、とにかく、帰国しても、天使との恋愛の成就に期待していないことはわかる)
(かといって、天使への片想いが幸せというふうには見えない)
(でも今すごく幸せそう。帰国してから性格変わったね)
(それは相田くんといるから)
(えー、相田くんは一旦置いといて。別人だと仮定してるから。委員会が一緒だっただけの天使に十年近く片想い。ふつーの女なら声をかければ付き合いくらいはする。ふつーの女なら)
(ふつーだが男……)
(どう足掻いても相田くんちらつくじゃん)
(小野寺くんって合理的な性格よね)
(小野寺は、自分が他人の恋愛対象になる蓋然性が高いことを認識している。自信はあるはず。天使にだってアプローチはしたはず)
(案外思い切りがいい。手応えがあればガンガン行く)
(謎の突破力)
(だが、建前、片想いしつづけている。つまり告白した場合に、①交際する、②交際には至らずとも友人関係を維持する、③関係が壊れる、の中だと、壊れる可能性が高いと捉えている。つまり受け入れてもらえない可能性のほうが高い。自信がない、ということになっている)
(小野寺の今の生活って相田くん率高い)
(デスク近いからさぁ。スマホ見ながら「多紀くん」って呟いてるんだよね。頻繁に)
(それは、だって)
(もうひとつの仮説として)
(相田くんだと)
(すべてが)
(つながる……)
(大本命。賭けてもいい)
(賭けにならなくない? 別人説を推す人いる?)
(長く片想いで、中々言えず)
(相田くんが男だから)
(話していて幸せで、一緒に暮らして仲良し)
(視線……)
(え? 付き合ってる以外ある?)
(付き合ってるよね?)
(絶対に付き合ってる)
(小野寺くんが好きなの、相田くん以外にいない)
(小野寺はわかりやすいけど相田くんはいまいちわからないんだよな)
(付き合ってる?)
(小野寺はどう考えても相田くんを狙ってる)
(相田くんは小野寺の気持ちに気づいていない?)
(気づいてなかったらおかしいって。鈍いにも程があるって)
(見すぎ)
(疑う余地ない)
「あー……多紀くんには言わないで……。多紀くんは知らないんで、お願いします……」
(あ、ぜったいに嘘)
(虚偽)
(嘘つくな)
(付き合ってる)
「了解」
<同期たちによる視線の会話 終わり>
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