エリート先輩はうかつな後輩に執着する

みつきみつか

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3 ある八月の熱帯夜

四 スイートルーム②(※)

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 溢れた透明な液体を拭いて、カズ先輩は俺を四つん這いにさせた。
 プラグがゆっくりと抜かれる。入れ替わりにローションを指で入れられる。
 腰を片手で固定されて押し当てられる、ローションで濡らした、熱い塊。限界まで張りつめたみたいな巨大なそれ。
 俺はシーツを掴んで耐える。う……。重たい。
 こじ開けられてる。半端ない。さきほどの快感のせいで、感覚が麻痺してる。にちゃ、と先端で何度か探られたあと、とうとう押し込まれる。がちがちになったカズ先輩が入ってくる……。きつい。

「ああ、タキくんの中、久しぶり……」
「ふ、うう……、んん、う……、ううう……あ、あああ」
「ごめん、加減できないかも……」

 加減したことってあります……?
 じっくり入ってくる。尻の肉を痛いくらい掴まれている。奥まで届くと思った瞬間、尻を強く強く叩かれた。でも痛くない。ただ叩かれている音がする。そういう感じ。気がそれる。
 カズ先輩は何度か右も左もばちばち叩いて、鷲掴みにして、勢いよく突いてきた。
 ベッドの軋む音、体がぶつかる音。

「ああっ、ああ、あああっ、ああっ!」

 泣くほど激しい。ガンガン突かれる。身体を揺さぶられる。そんなにしたら、ケツ壊れるって……。
 吐息と呻き声が降ってくる。

「ああ、タキくん、気持ちいい、は、はあ、ああ、いい」
「せんぱ、は、はげし、あっ、あ、あっ、あああ!」
「っ、タキくんっ」

 背筋を上から押されて、俺はベッドに伏せる。腰を少しだけ浮かせる。カズ先輩は俺に跨って、リズミカルに突いてくる。シーツを掴んで耐える。ベッドが揺れる。
 激しい。息をするのが追いつかない。

「せ、先輩、か、カズせんぱ、あ、や、はげし、激しい、あ」

 汗が流れる。浅くしないでほしい。
 浅いと、プラグが当たってたところを押して、痺れる。じんじんする。
 あの絶頂を知ったせいで、感覚を追いかけてしまう。
 もう一度味わいたい。欲しい。嫌だ。でも欲しい。あそこをしつこく擦ってほしい。あの気持ちいいところ。意思とは無関係。
 俺もうだめかも。

「タキくん。腰が動いてる。どこがいい? どうされたい? 深く? 浅く?」
「あ、浅く、ああっ」
「ここ?」
「や、やっぱ、深く、深くして、ください」

 浅いとまずい。またイく。すぐイく。
 今、俺はいじられてない。だからもしこれでイったら、言い訳がきかない。
 カズ先輩のそれで、お尻だけで。挿入されて、突かれて。

「浅いほうがいいね……」
「やっ、あああ、あ、いやだ……」

 カズ先輩は、俺の腕を後ろに回させて、手首を掴んで俺の身体を引き寄せながら、緩急をつけて、ピストンする。つながっている部分の粘着質な音と、ぶつかる音、ベッドがきしむ音が響く。
 集中してしまう。浅いところ。
 あの感覚を追いかけ始めてしまって、我慢のしようがない。

「ひ……、あっ、あっ、あう……!」

 たぶん、俺は少しイった。言わないのはせめてもの抵抗。息が荒くなる。熱い。なにもかもが熱い。身体が強張る。足の裏がひきつるみたいになる。震える。嫌だ。気持ちいい。
 涙で視界が滲む。

「今、お尻でイったでしょ。射精してないけど、わかるよ。タキくん。メスイキしたね。ちゃんと言ってね。じゃないといつまででもするよ。タキくんがちゃんと報告するまで、朝までだって突いて擦って、タキくんを壊してあげる」
「もう、イきました。だから、もう、やめて」

 カズ先輩は止まらない。執拗に浅くしてくる。
 俺の中で見つけたそこを徹底的に突いてくる。

「ああ、あ、あっ、イったから」
「そんな事務的じゃなくて、もっといやらしく言ってよ。俺が興奮するような感じで。じゃないと俺はイけないよ」
「あっ、あ、せ、先輩のちんぽで、ケツの中で、イ、イきました」
「あ、いいね。その調子。エッチ気持ちいい?」

 突かれて擦られて、あの感覚がこみ上げてくる……。
 カズ先輩の腰の動きに合わせて、尻をこすりつけてしまう。

「は、はい、あっ」
「どう言うのかわかってるよね?」

 もう最低。

「なかで、イきました、き、きもち、いいです。カズ先輩のエッチ気持ちいい、せんぱい、カズ先輩、気持ちいい、俺、ケツでイく。イっちゃう。せんぱい、エッチ気持ちい、ちんぽ気持ちい、あっ、あ、ああ、イきたくない、も、もうやめて、気持ちいい、い、いやなのに、なんで、俺、イっちゃうの……」

 涙が溢れてくる。

「イくっ、カズ先輩、俺、先輩のちんぽで、あ、擦らないで、突かないで、またイく、あ、あ、あっ」
「タキくん、俺なしじゃいられない体になって」
「もうやだ、エッチ気持ちい、ちんぽ気持ちい、擦って、せんぱい、いい、あああ」

 激しく揺さぶられながら、髪の毛を掴まれて、胸をそらせられる。だから痛いって。痛いことすらも、目が覚めるように気持ちいい。

「あっ、イく……!」

 俺が達したのを確認して、カズ先輩が少し動きをゆるめた。
 くぐもった呻き声、低い喘ぎ声。

「ん……タキくん、タキくんの中に出す、全部出すから、俺の精液、下の口で飲んで、受け止めて」
「っ、ああっ、んん」

 深く押し込まれる。カズ先輩が打ちつけてくる。
 強く揺さぶられるものだから、シーツを掴んで耐える。
 速くなって一突きして、そしてカズ先輩は俺の中で果てた。荒い息が降ってくる。つむじに口づけられる。背中に圧し掛かってくる。
 肌が汗ばんでる。
 重たい。つながったままだ。また中に出された……。
 後頭部に、カズ先輩の荒い息と、唇が触れる。
 やっと終わった……。だけど、まだ全然終わらない気がする……。
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