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2 ある七月の暑い夜
六 その後①(※)
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カズ先輩は、俺の全身のあちこち舐めた。
で、今は、俺に跨って、ローションを垂らして、両手でお互いのを扱いている。手っ取り早く一緒にしてもいいか訊かれて、別に了解はしていないんだけど、気づいたらこうなっていた。
「ああっ、先輩っ」
俺がたまらずに呼びかけると、屈んできて口付けられる。
「目瞑って……、好きな子でも想像してて」
そう言って、俺の足元のほうに下がっていって、俺の股に顔を寄せた。それもどうなの。
「好きな子とかは別に……」
仕事忙しすぎて女の子と会う時間がない。女の子をいいなと思う時間もない。でも女が好きなのは間違いないと思う。
男が好きだったことは過去に一度もない。
カズ先輩は顔を上げる。
「好きな子いないの?」
「いません」
「そっか」
カズ先輩は、すごく幸せそうに微笑んだ。
だからといって、カズ先輩のことを恋愛対象として好きになったりはしないと思うよ。
それにしても、カズ先輩ってこんなに表情豊かだったっけ?
いつも落ち着いてて、柔らかい笑みを浮かべていて、どこか遠い感じで、なぜか、騒がしい俺の話を黙ってにこにこ聞いてくれる人だったんだけど、こんな風に落ち込んだり、切なそうにしたり、心から嬉しそうなの、初めて見た。
カズ先輩の唇が俺の先っぽに触れる。食われる。
「ん、んんっ、あ……!」
思わず腰が引ける。
ざらざらした舌が這って、ちょっと熱い感じの生温かさで、じゅぽじゅぽと音を立てられて、目を閉じると本当に出しそう。
でも目を開けるとカズ先輩なので、少し冷静になる。
「出してもいいよ」
「いえ、それはちょっと……」
「どうやって出したい?」
「あ、ふつうに、扱くのがいいです……精神衛生上……」
「了解」
カズ先輩はまた俺の上に跨って、俺のを扱いたり、まとめて扱いたりする。
「イける? おもちゃ使おうか?」
何言ってんの?
おもちゃって何?
これ以上何する気?
硬直する俺の頭の上に、ベッドボードの引き出しから、ブツが出てくる。
大人のおもちゃだ。
茶色くて半透明のシリコンみたいな、スーパーボールくらいの大きさの球が五つ並んでいる棒状。色といい、大きさといい、形状といい、みたらし団子に激似。
こういうのって普通に持ってて引き出しから出てくるものなの?
俺の中のカズ先輩像がもう原型留めてないんだけど。
カズ先輩がどこかを押すと、振動する。
振動させながら、カズ先輩は、ローターを、俺たちの重ねている裏筋の間に当てた。
「あああっ!!」
突然の刺激に、思わず叫んでしまう。カズ先輩はローターを遠ざけた。
「強い?」
「つ、強い、です、やばい、きつい」
「もう少し緩めようか」
といって、振動を最小にして、また当ててくる。それでも刺激的で、腰が揺れる。ただ、さっきよりいい感じ……。
やばい、腰を動かしてしまう。そのたびにぬるぬるする。
あああ、やばい。止まらない。
「あっ、あっ、あっ」
「いい?」
「い、いいです、はい」
「気持ちよくなって。タキくんが気持ちよくてイくとこ見たい」
じゃあ俺のためじゃなくて自分のためじゃん。
俺は顔を隠そうとするけれど、それどころじゃなくて困る。腰をそらせてしまう。
振動音と、俺とカズ先輩とローターの三つを扱いている粘着質な音に支配されていく。
もっと動かしたい。気持ちよくなってくる。こみ上げてくる。声が高くなる。
「あっ、あっ、あっ、うあ、はあ」
「すごい大きくなってる、張りつめてるよ、感じる? 腰が動いてるね。気持ちいい?」
「気持ちい、イ、イきそ……」
カズ先輩は扱く速度をあげた。だから、うまいって。
俺は腰をそらせる。
「イく……!」
限界を迎えた俺のそこから、白濁の液体がほとばしる。
「は、はあ、はあ、はあ……」
うああ、出しちゃった。
カズ先輩の手の中で。
あのとき以来だから、一ヶ月ぶりに。なんか怖くて触れなかったんだよな……。
全身の力が抜けていく。
あー……気持ちよかった。カズ先輩はティッシュで拭いてる。俺は息を整えながら、ぼーっとしてしまう。
「よかった?」
「あー、はい……」
「俺もイっていい?」
「え、はい」
あ、カズ先輩、まだイってないのか。がちがちだ。
だけど俺のそれはみるみるしぼんで力を失っているので、抵抗感が足りないらしい。
「太ももに当ててもいい?」
「いいですけど……」
「後ろから挟んでほしい……」
なあ、この人、最初、何もしないって言ってなかった? 俺の聞き間違い?
で、今は、俺に跨って、ローションを垂らして、両手でお互いのを扱いている。手っ取り早く一緒にしてもいいか訊かれて、別に了解はしていないんだけど、気づいたらこうなっていた。
「ああっ、先輩っ」
俺がたまらずに呼びかけると、屈んできて口付けられる。
「目瞑って……、好きな子でも想像してて」
そう言って、俺の足元のほうに下がっていって、俺の股に顔を寄せた。それもどうなの。
「好きな子とかは別に……」
仕事忙しすぎて女の子と会う時間がない。女の子をいいなと思う時間もない。でも女が好きなのは間違いないと思う。
男が好きだったことは過去に一度もない。
カズ先輩は顔を上げる。
「好きな子いないの?」
「いません」
「そっか」
カズ先輩は、すごく幸せそうに微笑んだ。
だからといって、カズ先輩のことを恋愛対象として好きになったりはしないと思うよ。
それにしても、カズ先輩ってこんなに表情豊かだったっけ?
いつも落ち着いてて、柔らかい笑みを浮かべていて、どこか遠い感じで、なぜか、騒がしい俺の話を黙ってにこにこ聞いてくれる人だったんだけど、こんな風に落ち込んだり、切なそうにしたり、心から嬉しそうなの、初めて見た。
カズ先輩の唇が俺の先っぽに触れる。食われる。
「ん、んんっ、あ……!」
思わず腰が引ける。
ざらざらした舌が這って、ちょっと熱い感じの生温かさで、じゅぽじゅぽと音を立てられて、目を閉じると本当に出しそう。
でも目を開けるとカズ先輩なので、少し冷静になる。
「出してもいいよ」
「いえ、それはちょっと……」
「どうやって出したい?」
「あ、ふつうに、扱くのがいいです……精神衛生上……」
「了解」
カズ先輩はまた俺の上に跨って、俺のを扱いたり、まとめて扱いたりする。
「イける? おもちゃ使おうか?」
何言ってんの?
おもちゃって何?
これ以上何する気?
硬直する俺の頭の上に、ベッドボードの引き出しから、ブツが出てくる。
大人のおもちゃだ。
茶色くて半透明のシリコンみたいな、スーパーボールくらいの大きさの球が五つ並んでいる棒状。色といい、大きさといい、形状といい、みたらし団子に激似。
こういうのって普通に持ってて引き出しから出てくるものなの?
俺の中のカズ先輩像がもう原型留めてないんだけど。
カズ先輩がどこかを押すと、振動する。
振動させながら、カズ先輩は、ローターを、俺たちの重ねている裏筋の間に当てた。
「あああっ!!」
突然の刺激に、思わず叫んでしまう。カズ先輩はローターを遠ざけた。
「強い?」
「つ、強い、です、やばい、きつい」
「もう少し緩めようか」
といって、振動を最小にして、また当ててくる。それでも刺激的で、腰が揺れる。ただ、さっきよりいい感じ……。
やばい、腰を動かしてしまう。そのたびにぬるぬるする。
あああ、やばい。止まらない。
「あっ、あっ、あっ」
「いい?」
「い、いいです、はい」
「気持ちよくなって。タキくんが気持ちよくてイくとこ見たい」
じゃあ俺のためじゃなくて自分のためじゃん。
俺は顔を隠そうとするけれど、それどころじゃなくて困る。腰をそらせてしまう。
振動音と、俺とカズ先輩とローターの三つを扱いている粘着質な音に支配されていく。
もっと動かしたい。気持ちよくなってくる。こみ上げてくる。声が高くなる。
「あっ、あっ、あっ、うあ、はあ」
「すごい大きくなってる、張りつめてるよ、感じる? 腰が動いてるね。気持ちいい?」
「気持ちい、イ、イきそ……」
カズ先輩は扱く速度をあげた。だから、うまいって。
俺は腰をそらせる。
「イく……!」
限界を迎えた俺のそこから、白濁の液体がほとばしる。
「は、はあ、はあ、はあ……」
うああ、出しちゃった。
カズ先輩の手の中で。
あのとき以来だから、一ヶ月ぶりに。なんか怖くて触れなかったんだよな……。
全身の力が抜けていく。
あー……気持ちよかった。カズ先輩はティッシュで拭いてる。俺は息を整えながら、ぼーっとしてしまう。
「よかった?」
「あー、はい……」
「俺もイっていい?」
「え、はい」
あ、カズ先輩、まだイってないのか。がちがちだ。
だけど俺のそれはみるみるしぼんで力を失っているので、抵抗感が足りないらしい。
「太ももに当ててもいい?」
「いいですけど……」
「後ろから挟んでほしい……」
なあ、この人、最初、何もしないって言ってなかった? 俺の聞き間違い?
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