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5 巣作りと発情期
六 とろとろ(※)
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文弥さんは俺の骨盤を掴んで、浅く深くとリズミカルに打ち付けてくる。
と思いきや、腰をグラインドさせて、ねっとりした動きをしたり、俺を焦らすみたいにぎりぎりまで引き抜いて、にゅーっと一番奥まで押し込んだりする。
ぜんぶ。ぜんぶが快感で、翻弄されてる。
「んんぅ、ふみ、ふみや、しゃん、あぅ」
「んん……あー、なおくん、きもちい……」
「いい、とけちゃう」
とけてるよ、と文弥さんは熱い吐息にのせて俺の耳元で囁いた。
「ひゃう」
「尚くん。もう、とろっとろ。僕、頭おかしくなりそう……」
「お、おれも、へん」
「尚くん……」
文弥さんは俺に両足をあげさせて、覆いかぶさってくる。胸を合わせながら深く口付けた。文弥さんの唾液が流れ込んでくる。熱い。
どこもかしこも文弥さんのにおいで、いろんな体液を注がれて、俺のほうこそ、頭がおかしくなりそう。
文弥さんは、激しくピストンしはじめた。怒っているみたいに乱暴で、凶暴。
俺はイきっぱなしで、勃起せずに、精液だの、潮だのを垂れ流しているし、文弥さんのペニスでやられて中イキしまくって、内腿が震える。
「あぅ、ぅ、うあ……ふみ、あ」
こんなふうに何時間してるんだろう。文弥さんが帰ってきて、もう夜。暗くなってる。おなかはすいていない。それどころじゃない。
頭の先から足の先まで文弥さんの汗や精液や、唾液。においをつけられて、たまらない。
文弥さんがけだものみたいに激しく求めてくるのもぞくぞくするほど嬉しかった。
俺の発情期に、文弥さんが当てられてる。文弥さんの暴力的な性欲に、俺はとろとろになってる。相乗効果みたい。
文弥さんは俺の足首をきつく掴んで、下半身を打ち付けてくる。
「あー、イく。尚くん。僕、イく」
「ふみや、さ、ん」
がくがく揺さぶられて、あーあー鳴きながら必死にしがみついていると、文弥さんは低いうめき声をあげて、奥にびゅうびゅう出した。
「うっ……あー」
じゅぽ、と抜かれて、ぽっかり空いたみたいになる。
「はぁ、尚くん……」
「はぁ、はぁ……」
「尚くん無事? やばい。頭真っ白。まだびんびん。おさまらない」
「んん……」
「尚くん、苦しかった? ごめん。止められなくて……」
「らいじょぶ、れす」
「……ねぇ、ちんちん挿れてよくなったら言って。まだする。足りない」
「もういれて……出ていかないで……」
ふたたび、ぬぷ、と入ってきた。太くて分厚い亀頭がぬちゅりとなかを抉り、その拍子に、俺は射精。
「んああっ!」
「ちょ、あ、あ、やば、また出る、尚くん」
文弥さんも、挿入した途端に射精。ふたりで射精しながら、吸い合うように夢中で口付けた。口の周りは唾液でべたべた。
お互いがお互いにしがみついて、抱き合って、揺さぶりあってこすりつけて、気持ちよすぎてどうにかなりそう。理性がなくなってる。
「尚くん……!」
「ねもと、入ってる、ふみやさん、の……」
「なおくん、下半身ぐっちょぐちょ。深く入る……」
「んぅ……」
文弥さんの腰を引き寄せるみたいに両足を絡ませると、文弥さんは押し込むみたいに押しつけてくる。
「尚くん……愛してる」
「おれも、おれもです」
「深いよ。ここでイくの好き……」
「文弥さん、俺、そこ、すき……そこにだされるのすき……」
文弥さんは、動きを止めた。
「尚くん。いまさらだけど、僕、尚くんに僕の子ども産んでほしい」
文弥さんが俺の頰を両手で挟んで、見下ろしながら濡れた瞳で見つめてきて、俺の目を見てはっきり言うので、俺は働かない頭で必死に考える。
なんとか答えを絞り出した。
「れも、あかちゃんできたら、俺たち、契約」
文弥さんは笑った。
それから、少し冷静になれるように深呼吸。気づいたらふたりとも汗でびしょ濡れで、頭から水をかぶっているみたい。
「尚くん、とっくに、わかってるでしょ? 契約なんて、僕が尚くんを手に入れたかっただけの口実に過ぎないんだってこと。尚くんを僕のものにしたかったんだ。チャンスだと思った」
「ふみや、さん」
「あのとき、尚くんの弱みにつけこんだ」
「……」
「ごめん。契約を持ちかけたあのときにはもう、僕は、きみのことが大好きだった」
「文弥さん」
「ごめんね。何も知らない君を騙して」
俺は首を振った。
だって俺は、そりゃ、生活費をくれて、まとまったお金ももらえて、自分にとって都合の良い条件だったけれど、でも、条件がよければ相手は誰でも良かったわけじゃない。
文弥さんの力になりたいと思った。
文弥さんだから、契約したんだ。
と思いきや、腰をグラインドさせて、ねっとりした動きをしたり、俺を焦らすみたいにぎりぎりまで引き抜いて、にゅーっと一番奥まで押し込んだりする。
ぜんぶ。ぜんぶが快感で、翻弄されてる。
「んんぅ、ふみ、ふみや、しゃん、あぅ」
「んん……あー、なおくん、きもちい……」
「いい、とけちゃう」
とけてるよ、と文弥さんは熱い吐息にのせて俺の耳元で囁いた。
「ひゃう」
「尚くん。もう、とろっとろ。僕、頭おかしくなりそう……」
「お、おれも、へん」
「尚くん……」
文弥さんは俺に両足をあげさせて、覆いかぶさってくる。胸を合わせながら深く口付けた。文弥さんの唾液が流れ込んでくる。熱い。
どこもかしこも文弥さんのにおいで、いろんな体液を注がれて、俺のほうこそ、頭がおかしくなりそう。
文弥さんは、激しくピストンしはじめた。怒っているみたいに乱暴で、凶暴。
俺はイきっぱなしで、勃起せずに、精液だの、潮だのを垂れ流しているし、文弥さんのペニスでやられて中イキしまくって、内腿が震える。
「あぅ、ぅ、うあ……ふみ、あ」
こんなふうに何時間してるんだろう。文弥さんが帰ってきて、もう夜。暗くなってる。おなかはすいていない。それどころじゃない。
頭の先から足の先まで文弥さんの汗や精液や、唾液。においをつけられて、たまらない。
文弥さんがけだものみたいに激しく求めてくるのもぞくぞくするほど嬉しかった。
俺の発情期に、文弥さんが当てられてる。文弥さんの暴力的な性欲に、俺はとろとろになってる。相乗効果みたい。
文弥さんは俺の足首をきつく掴んで、下半身を打ち付けてくる。
「あー、イく。尚くん。僕、イく」
「ふみや、さ、ん」
がくがく揺さぶられて、あーあー鳴きながら必死にしがみついていると、文弥さんは低いうめき声をあげて、奥にびゅうびゅう出した。
「うっ……あー」
じゅぽ、と抜かれて、ぽっかり空いたみたいになる。
「はぁ、尚くん……」
「はぁ、はぁ……」
「尚くん無事? やばい。頭真っ白。まだびんびん。おさまらない」
「んん……」
「尚くん、苦しかった? ごめん。止められなくて……」
「らいじょぶ、れす」
「……ねぇ、ちんちん挿れてよくなったら言って。まだする。足りない」
「もういれて……出ていかないで……」
ふたたび、ぬぷ、と入ってきた。太くて分厚い亀頭がぬちゅりとなかを抉り、その拍子に、俺は射精。
「んああっ!」
「ちょ、あ、あ、やば、また出る、尚くん」
文弥さんも、挿入した途端に射精。ふたりで射精しながら、吸い合うように夢中で口付けた。口の周りは唾液でべたべた。
お互いがお互いにしがみついて、抱き合って、揺さぶりあってこすりつけて、気持ちよすぎてどうにかなりそう。理性がなくなってる。
「尚くん……!」
「ねもと、入ってる、ふみやさん、の……」
「なおくん、下半身ぐっちょぐちょ。深く入る……」
「んぅ……」
文弥さんの腰を引き寄せるみたいに両足を絡ませると、文弥さんは押し込むみたいに押しつけてくる。
「尚くん……愛してる」
「おれも、おれもです」
「深いよ。ここでイくの好き……」
「文弥さん、俺、そこ、すき……そこにだされるのすき……」
文弥さんは、動きを止めた。
「尚くん。いまさらだけど、僕、尚くんに僕の子ども産んでほしい」
文弥さんが俺の頰を両手で挟んで、見下ろしながら濡れた瞳で見つめてきて、俺の目を見てはっきり言うので、俺は働かない頭で必死に考える。
なんとか答えを絞り出した。
「れも、あかちゃんできたら、俺たち、契約」
文弥さんは笑った。
それから、少し冷静になれるように深呼吸。気づいたらふたりとも汗でびしょ濡れで、頭から水をかぶっているみたい。
「尚くん、とっくに、わかってるでしょ? 契約なんて、僕が尚くんを手に入れたかっただけの口実に過ぎないんだってこと。尚くんを僕のものにしたかったんだ。チャンスだと思った」
「ふみや、さん」
「あのとき、尚くんの弱みにつけこんだ」
「……」
「ごめん。契約を持ちかけたあのときにはもう、僕は、きみのことが大好きだった」
「文弥さん」
「ごめんね。何も知らない君を騙して」
俺は首を振った。
だって俺は、そりゃ、生活費をくれて、まとまったお金ももらえて、自分にとって都合の良い条件だったけれど、でも、条件がよければ相手は誰でも良かったわけじゃない。
文弥さんの力になりたいと思った。
文弥さんだから、契約したんだ。
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