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五 翌朝(※)
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「あっ、あぁ、殿下、お尻がっ、熱い、もう、らめ……!」
僕は嬌声をあげる。壊れかけの執務椅子にかけたヴィンセント殿下の上に向かい合って跨り、されるがままに突き上げられている。
腰を掴まれ、跳ねる体を戻される。
腹の中は、射精されたヴィンセント殿下の精液で膨らみ、たぷたぷと音を立てるほどだった。
昨夜、僕はヴィンセント殿下に抱かれた。そのまま、夜明けを迎える時間となっても、こうして愛されつづけている。
「あんんっ、く、ぅ」
「先生、愛しています。こんなに可愛いなんて、あぁ……」
「あっ、また、大きく……!」
唇を塞がれた。口づけのしすぎで腫れぼったくなった唇は、唾液まみれになっている。唾液は混ざり合った溶けるようだ。
「先生がかわいすぎる。これほど不埒だとは……感度をあげる魔術の効果は、とっくに切れているんです」
「……!」
だがもう、肉体は快感の虜で、吸われた痕だらけの上気した体は、雄を食らいついて離さない。
「ぎゅって締まった……先生のここは、先生の口より素直です」
ヴィンセント殿下の長い指が、口の中に差し込まれる。
僕はうっとりしながら指を舐め、ちゅうちゅうと吸いついた。
「……美味しいのですか」
「ヴィンセント殿下の……指ですから……」
「なんて可愛らしいことを……」
壊れかけの椅子が本当に壊れてしまうかもしれない。というと、ヴィンセント殿下は僕を貫いたまま立ち上がった。一度も抜かれていない。
屈強な肉体は、僕の体など軽々と持ち上げてしまう。
僕はむっちりと筋肉質な背中に両足を回してしがみつき、揺さぶられながら、なすすべもなく喘いだ。
「あんっ、ん、深、深い……!」
「先生っ、先生っ、ぅ、ぐっ……!」
ヴィンセント殿下は射精したあと、僕を立たせ、窓に手をつかせた。足の力は入らず、手で支えてかろうじて立つ。
朝になりつつある。街は動きはじめている。あと少しでメイドが出勤する。メイドの一番最初の仕事は、寝ている僕を起こすことだ。
この部屋に来てしまう。
腰をそらせる。ヴィンセント殿下は僕の腰を掴んでいる。
指が回るほど、手が大きい。後ろから獣のように腰を打ちつけてくる。
足が浮いた。足先がつかなくなった。
「殿下、激し……」
「名残惜しいのですが、行かなければ……これで最後にします」
鷲掴みにされ、思うがままに奥に来た。たぷたぷと水袋のようになった内側をかき混ぜ、最奥の敏感な場所を蹂躙し、ふたたび、熱いものを注がれる。長かった。
「先生……う、うぅ……」
「ヴィンセント、殿下……」
「先生、ヴィンスと呼んでください。僕の愛称を……」
「ヴィンス……」
「ぐ、また出る……! 先生、ロイと呼んでもいいですか」
「は、はいっ、あっ、あっ、ヴィンス、あっ、いく、僕も、いく……!」
「一緒に……ふ、う……!」
僕もまた、何かを漏らしていた。精巣は空っぽで、透明な液体だった。
床は性交の痕でびしょびしょだ。寝台も同じだった。
窓についた手に、ヴィンスの大きな手が重なり、強く握られる。
熱い。
「あああああっ、ヴィンス、ヴィンスっ……!」
「ロイ……!」
全身をぴったりと重ねながら、僕たちは同時に、激しく達していた。
僕は嬌声をあげる。壊れかけの執務椅子にかけたヴィンセント殿下の上に向かい合って跨り、されるがままに突き上げられている。
腰を掴まれ、跳ねる体を戻される。
腹の中は、射精されたヴィンセント殿下の精液で膨らみ、たぷたぷと音を立てるほどだった。
昨夜、僕はヴィンセント殿下に抱かれた。そのまま、夜明けを迎える時間となっても、こうして愛されつづけている。
「あんんっ、く、ぅ」
「先生、愛しています。こんなに可愛いなんて、あぁ……」
「あっ、また、大きく……!」
唇を塞がれた。口づけのしすぎで腫れぼったくなった唇は、唾液まみれになっている。唾液は混ざり合った溶けるようだ。
「先生がかわいすぎる。これほど不埒だとは……感度をあげる魔術の効果は、とっくに切れているんです」
「……!」
だがもう、肉体は快感の虜で、吸われた痕だらけの上気した体は、雄を食らいついて離さない。
「ぎゅって締まった……先生のここは、先生の口より素直です」
ヴィンセント殿下の長い指が、口の中に差し込まれる。
僕はうっとりしながら指を舐め、ちゅうちゅうと吸いついた。
「……美味しいのですか」
「ヴィンセント殿下の……指ですから……」
「なんて可愛らしいことを……」
壊れかけの椅子が本当に壊れてしまうかもしれない。というと、ヴィンセント殿下は僕を貫いたまま立ち上がった。一度も抜かれていない。
屈強な肉体は、僕の体など軽々と持ち上げてしまう。
僕はむっちりと筋肉質な背中に両足を回してしがみつき、揺さぶられながら、なすすべもなく喘いだ。
「あんっ、ん、深、深い……!」
「先生っ、先生っ、ぅ、ぐっ……!」
ヴィンセント殿下は射精したあと、僕を立たせ、窓に手をつかせた。足の力は入らず、手で支えてかろうじて立つ。
朝になりつつある。街は動きはじめている。あと少しでメイドが出勤する。メイドの一番最初の仕事は、寝ている僕を起こすことだ。
この部屋に来てしまう。
腰をそらせる。ヴィンセント殿下は僕の腰を掴んでいる。
指が回るほど、手が大きい。後ろから獣のように腰を打ちつけてくる。
足が浮いた。足先がつかなくなった。
「殿下、激し……」
「名残惜しいのですが、行かなければ……これで最後にします」
鷲掴みにされ、思うがままに奥に来た。たぷたぷと水袋のようになった内側をかき混ぜ、最奥の敏感な場所を蹂躙し、ふたたび、熱いものを注がれる。長かった。
「先生……う、うぅ……」
「ヴィンセント、殿下……」
「先生、ヴィンスと呼んでください。僕の愛称を……」
「ヴィンス……」
「ぐ、また出る……! 先生、ロイと呼んでもいいですか」
「は、はいっ、あっ、あっ、ヴィンス、あっ、いく、僕も、いく……!」
「一緒に……ふ、う……!」
僕もまた、何かを漏らしていた。精巣は空っぽで、透明な液体だった。
床は性交の痕でびしょびしょだ。寝台も同じだった。
窓についた手に、ヴィンスの大きな手が重なり、強く握られる。
熱い。
「あああああっ、ヴィンス、ヴィンスっ……!」
「ロイ……!」
全身をぴったりと重ねながら、僕たちは同時に、激しく達していた。
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