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二年目の冬の話

四 69(※)

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「朝早いって言ってるのに……」

 と、レンはやや抵抗する。だがルイスは聞いていない。レンにキスをしながら、シャツをめくっていく。あらわになった素肌に手を這わせる。

「レンも疲れてるでしょうから、少しだけ」
「っ……」

 吸うようなキスをしながら、ルイスは親指でやんわりとレンの胸の突起に触れる。軽く触れたり押したりする。レンはそれだけで一気に落ちる。

「ぅ、ん……」

 シャツをたくし上げて、ルイスはレンの胸を甘噛みする。レンは腰が引けた。ルイスの歯が当たる感触が絶妙で、さらに舌で強くされると、背筋に電気が走ったみたいになる。たったこれだけの刺激で、自分の股間が反応していることを、ルイスに知られたくない。
 ルイスはレンの下半身に手をかけた。レンは慌てる。

「ルイスさん、それ以上したら」
「では、やめましょうか?」

 つと、ルイスはレンのズボンの前に指先で触れ、そのまま動かない。ルイスは片手でレンの頬を包み、レンの陰部に布越しに触れたまま、唇を割ってゆっくりと舌を絡める。布越しに押され、こするようにされる。
 レンは火照って熱く、目がとろりとしてくる。

「苦しそうですけど」

 布越しに、レンはすでに固くなっている。ルイスは指の先でレンの形をなぞっていく。強く押したり、やんわり撫でたりと上手い。

「や」
「ここでやめていいんですか?」

 と口では言いつつも、ルイスはレンのズボンに手を掛けて、下着ごと太ももまで脱がせた。レンのものはすでに反り返り、さらなる刺激を求めてひくついている。

「あ……」
「触ってもいい?」
「……はい」

 ルイスはレンのそれを軽く握り、ゆるく扱く。レンは気持ちよさそうに息を吐く。布越しの感触よりも、手の感触のほうがやはり生々しくて、すべてをゆだねたくなる。
 このままされたら気持ちいい。

「大きくなってますね」
「……はい」
「今、やめてもいいの?」
「やっ……やめないでください」

 レンがたまらず言うのを待って、ルイスはレンに口づけた。レンの屹立を扱いて、弄ぶ。彼は感じやすい。少し触れるだけですぐに勃起してしまう。こらえるような吐息に、ルイスは満足する。
 ルイスはレンの下半身にまで下がって、レンのそれに口づけた。根元のほうを指で輪を作って扱きながら、裏筋に舌を這わせて唾液を塗りつけて時々吸う。
 先端に溢れてくる液体の滑りを借りて、敏感な先端を指先でいじる。こねくりまわされるようにされて、レンはこらえきれない。

「んっ……っ」

 ルイスは少しだけ口を離した。

「レン、こんなにすぐ大きくなるのに、なぜ素直にならないんです?」
「……い、いじわる」
「続けてほしい?」
「……続けて、ほしいです」

 レンは片手で口を押さえながら、もう片方の手でルイスの髪を触る。さらさらした金髪を指で梳くようにして、レンを吸うルイスに触れる。
 なんて気持ちいいのだろうとレンはいつも思う。ルイスに揉みしだかれると、意識を失いそうになる。とろけながら、レンは言った。

「あの、ルイスさんのも」

 レンはルイスを見た。自分のものを舐めているルイスも上気している。その表情にレンはぞくりとする。なんて色気に満ちているのだろうと思う。野生の獣にやられるみたいだ。こういう表情を、自分が引き出している。

「では、一緒にしましょうか」

 ルイスは、隣に寝転がって、レンの頭のほうへ足を向けた。その体勢でレンの性器を口に含む。
 レンは、ルイスのズボンを脱がせて、下着に鼻を埋める。熱い。下着ごしに唇でそっと触れる。ルイスにとって、レンの行為は快感というよりもくすぐったい。つい笑ってしまう。

「レン。直接さわってください」
「はい……」

 ルイスは自分で下着を下げる。レンはルイスのそれに両手を添えて口に含んだ。大きいため、全部は入らない。自分のものとずいぶん違う。そそり立ったそれをなんとか口で受け止める。

「レン、指を入れてもいい?」

 と言いながら、ルイスはすでにレンの足を手でまさぐっていた。
 レンはルイスの屹立を口に咥えながら小さく頷き、おずおずと膝を少し開く。
 太ももを割って、ルイスは指をレンの秘部に挿入する。その瞬間、レンは何も考えられなくなった。頭が真っ白になる。いきなり、気持ちいい場所を的確に当てられ、刺激されたせいだ。
 慌てて口を離す。

「で、出そうです、ルイスさん、あっ、あ、あああ」
「いいですよ、そのまま出して」

 そう言って、ルイスは扱く強弱を変えて、レンが達しやすいようにする。前立腺をレンが好きな具合に刺激しながら、レンの根元まで咥える。
 レンはというと、ルイスの性器を咥えたものの、口がおろそかになっている。すぐにレンは身体を痙攣させた。

「いっ、イく、ルイスさん、あっ、ああっ、出る……!」

 喉をのけぞらせて、レンは果てた。
 レンの身体の緊張が解けた頃に、ルイスは指を抜いて、レンの性器を吸いながら口を離す。精液は飲むことにした。レンは荒い息を整えようとする。

「はあ、はあ……」

 くたくたである。
 ルイスは一旦下着とズボンを履いて、身を起こしてお茶を飲みつつ、横たわったままのレンの髪を撫でる。熱くなって真っ赤になって、汗ばんでいて涙ぐんでいて、視線がうつろで可愛い。

「レン、大丈夫ですか?」
「はあい……」

 ゆるんだ声をあげて、レンは半身を起こした。下着を履いたり、ズボンを履きなおしたりして、整える。

「そろそろ寝ましょうか」

 ルイスは言った。レンは少し意外に思ってルイスを見る。

「え、寝るんですか」
「ええ。片づけますね」

 といって、ルイスはコタツの上の、空になった皿を積んだりする。お茶を飲み干して空にし、キッチンへ向かった。レンはコタツの電源を消したりするなど片づけて、ルイスのあとを追いかける。
 ルイスは手を洗ったあと、自分の食べた皿を手早く食洗機に入れてスイッチを押し、洗面所へ向かう。レンもついていって、歯を磨く。
 用意を整えたあと、寝室に向かうルイスの服の袖を、レンはつまんで引き留めた。
 ルイスは笑った。

「さっきからどうしたんです、レン。黙ってついてきて、可愛いんですけど」
「だって、ルイスさん、途中ですし……その……あ、お疲れですよね」

 言い淀むレンを、ルイスは廊下の壁に押しつけた。首筋に口づけて甘く噛む。レンのシャツの襟を少し下げて、鎖骨のあたりを吸って、痕をつけた。
 強烈な独占欲に任せて行為のたびにつけるため、消えかけのものも含めるとたくさんあって、レンの肌は内出血だらけである。
 自分のものという印を刻み込まないと、時々不安になるせいだ。悪い癖のひとつだとルイスは思う。可哀相なのでやめたいのに、衝動的に噛んだり吸ったりしてしまう。やめられない。

「では、ベッドで、続きをしてもいいですか? 我慢できなくなりそうです。寝かせないかもしれないですよ」

 もう午前三時だ。朝が辛いのはルイスのほうだとレンは思う。
 レンは目をそらす。

「ルイスさんが、いいんだったら、いいです、よ」

 ルイスはくすくす笑いながら、顔を赤らめるレンの首筋をふたたび噛んだ。

「痛……」
「レンがもっとしたいって言うならします」

 ルイスの趣味はレンにおねだりをさせることだ。ねだらせて、いれてほしいと言ってほしい。
 ルイスはレンの足を膝で割る。レンの細い腰に腕を回して、背筋から臀部にかけて、指でなぞった。レンはそれだけで腰が抜けそうになる。ベッドの上でされることを期待するからだ。
 どのようにされるのか、すでに身体に刻み込まれている。条件反射のように、身体が疼く。

「…………もっと、したいです」

 ルイスは顔をあげて、レンの耳にキスをした。お互いに、欲しくて仕方がない。
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