牧草地の白馬

蓬屋 月餅

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神々とその側仕え達について(物語読了後推奨)

愛の女神と貞操の神/番の兎

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・愛の女神/貞操の神

 人々が抱く多彩な愛を司る愛の女神と、その夫神であり貞操などを司る男神。
 愛の女神は親子愛、友愛などに満たされた人々を眺めるのを好んでいますが、その中でも特には別格なのだそうで、即座に『その場面』を見つけることができる…のだとか。
(その仕事ぶりに関しては※幕間『』参照)

 明るいお転婆な面をもった女神で、他の神から褒められたり、頼み事をされたりすると嬉しさのあまりなんでも二つ返事で引き受けてしまいます。
 その天真爛漫さとは正反対な性格の持ち主である花の神との仲は…悪くはありませんが、『ぴったり気が合う』という訳でもない様子(※幕間『』参照)

 夫婦神である貞操の神と共に屋敷を構えていますが、愛の女神は好みの人間や動物を見つけるとすぐにふらふらとそこへ寄って行って声をかけようとしてしまうため、その度に貞操の神はそれを引き止めたりして忙しそうにしています。
 貞操の神は愛の女神に対して(いい加減自分のことだけを見てほしい)と思っており、散々そう言ってもいるようですが…その想いがきちんと届く日は来るのでしょうか。

 愛の女神は可憐な雰囲気を纏った女性の容姿をしています。
 パッと見では『普通の可愛らしいお嬢さん』というような印象で、衣がはだけているということもなくむしろきちんと衣を纏っていて特に特徴的なものがあるわけではありませんが、その身からは人間や動物を惹きつけるが醸し出されているらしく、『一度姿を目にするだけで』『言葉を交わすだけで』相手の心を完全に捉えて虜にしてしまうのだとか。
 事実、まだ目醒めたばかりのきちんと務めを果たしていなかった頃には退屈まぎれに【地界】へ降り、老若男女関わらず虜にしては『幻みたいに素敵な女性がいた!』などと騒がせたりして度々騒動を引き起こしていたようです。
 もちろん、その騒動をおさめるのは夫神である貞操の神の役目でした。
 忙しすぎた当時…貞操の神があまりにも不憫でした。

 現在では【地界】に姿を表すことはなくなり、姿を神力で隠したまま人々の様子を見に行く程度にとどめています。


 愛の女神と貞操の神の屋敷は眺めのいい丘のそばの、岩窟の中に設けられています。
 見た目はなんの変哲もないただの岩窟ですが、中は温かみのある木造りの構造となっており、柱、床、壁などいたるところから温もりが感じられるような非常に落ち着く空間となっているそうです。
 当初、愛の女神は外観も可愛らしいものにしようとしていましたが、『それを目印にして訪ねてくる神がいては困る』と言って貞操の神が頑固拒否しました。
 神は人間達とは違って愛の女神の魅力に心惹かれるということはないようですが、貞操の神にとっては同じ神相手でも油断ならないらしく、常に気を張っているのだとか。

 貞操の神はいたって普通の男神であり特に目立つような体つきや容姿をしているわけではありませんが、安らぎを感じさせるような落ち着いた声や雰囲気をしているために憧れる神も少なくないのだとか。
 しかし、不用意に貞操の神に向かってを覗かせるとかなり厳しく冷たい態度を取られてしまうため、注意した方が良さそうです。

 愛の女神には幾度となく振り回されていますが、彼女のことを深く愛しており、愛の女神としての性質などにも理解を示しながらそばに居続けています。
 目醒めたときからずっと互いの存在を夫婦神だとして認識しており、愛の女神も貞操の神が『絶対に自身の元から離れていかない』と分かっているからこそわざと奔放に振る舞っていることもあるそうで…時々困ったような顔をしながらも自らのそばに居続けている貞操の神が愛おしくて堪らなくなり、喜々として身を寄せることも。
 その姿がまた貞操の神をよりいっそう惹きつけてやまないのです。


~蓬屋から一言~

ー …とてもお忙しそうですね、貞操の神様。

貞操の神:はは、見ての通りでね…彼女は予定になかったところにも突然夫婦になるきっかけを作ったりするものだから…うん…
愛の女神:でも一緒になった子達はみんな幸せそうよ、でしょ?私の目に狂いはないの。それにもちろんあなたの力があってこそだもの。さすがだわ、素敵よ^^
貞操の神:あ、あぁ…まぁね、うん…

ー … -v-;


・番の兎

 愛の女神と貞操の神の側仕えである番の兎。
 雄の兎は茶の毛色に垂れ耳、雌の兎は白の毛色に立ち耳をしています。
 元々愛の女神が側仕えとして迎えたのは雄の兎のみでしたが、それを知った貞操の神はすぐさま雌の兎を連れてきて番とし、愛の女神には雌の兎を、自らには雄の兎を仕えさせました。(しかし今ではその区別なく、二羽一緒に貞操の神に仕えていることがほとんどの様子)

 愛の女神が雄の兎に声をかけたことに関しては、特に理由はなかったようです。
 ただ単に『懐いていて可愛かったから』『側仕えになって【天界】で暮らさないかと もちかけたら、そのままついてきたから』…。
 そもそも愛の女神や貞操の神の務めは他の神とは少し異なるため側仕えは必要ないはずでしたが、愛の女神がある日突然屋敷に『側仕えにする』と言って兎(しかも雄)を連れてきたため、貞操の神はそれを見過ごすことができず、愛の女神を守らんとするために策を講じたようです。
 雄の兎と相性のいい雌の兎を捜してきた貞操の神はそのまま番となった兎達をしぶしぶといった様子で屋敷に住まわせて側仕えにしましたが、今では良き友人として共に務めにあたっているのだとか。

 番の兎達もすでに神力を得て言葉を交わせるようになっていますが、どちらもあまり口数が多くないようで、話し声を聞いたことのある者はそうそういません。
 人型の姿に至っては、おそらく愛の女神と貞操の神しか目にしたことがないでしょう。
 どちらの兎も愛の女神を慕ってはいますが、どうもその奔放さに思うところがあるらしく…同情する気持ちもあってか貞操の神のそばにいがちなんだそうです。
 
 どちらも大人しい性格をしており、普段は愛の神と貞操の神の屋敷の中で貞操の神の膝に頭を置きながら眠ったり二羽で互いに毛繕いしあったりと、静かに過ごしています。
(ゆったりとしている時に愛の神が『あぁっ、可愛いわね!』としきりに撫でてくることは、正直言って『本当に止めてほしい』と思っているのだとか…)


~蓬屋から一言~

ー 愛の女神様にとっても愛されていますね!

番の兎∶(ο x ο)(δ x δ )…

ー …なるほど(?)
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