牧草地の白馬

第12回BL大賞参加中! 現在の順位:2,416
 陸国の地に人々が移り住んできたその時、あらゆる神々が目を醒ました。
 人々の《想い》によって【天界】に目を醒ました森、風、水などの万物の神々は、人々から《神力》を受け取る代わりにその特別な力を使うことで人々が興した新たな国【陸国】を見守ることになる。
 だが、そうしてそれぞれの神が務めをはたして守護するうちに陸国の人口は増えていき、やがて神々は手が回らないほど多忙になっていった。
 自身の管轄内の状況を確認するのだけでも満足にできなくなっていた神々。
 そこで、神は自らの務めの補佐をさせるためにそれぞれが自ら選んだ生き物をそばに従えるようになる。

 陸国の牧畜に関係している牧草地の神はその補佐『側仕え』に1頭の立派な白馬を選んだ。
 長い年月を共に過ごす中で『言葉はなくとも理解し合えている』という関係性が心地よくなり、側仕えの白馬に対して特別な想いを寄せていった牧草地の神。
 しかしそれは牧草地の神だけではなく、白馬の方も同じく特別な想いを牧草地の神に対して抱いていた。
 互いに想いを寄せつつ主従として過ごしていた2人。だが、そんなある日のこと。神々に仕える生き物達は突然神々と言葉を交わせるようになり、なんと神や人と同じ姿をとれるようにもなった。
 人々が更に増え、陸国が大きくなると同時に側仕えの生き物達がわずかに神力をもち始めたのだ。
 しかし、それだけでは不完全で時々元の姿に戻ってしまう生き物達。
 完全な神格を得るためには【人として30年生きること】が必要だということが分かり、白馬もそのために牧草地の神から離れることになる。
 陸国の人間として転生する白馬を見送った牧草地の神は、それからある行動に出た…。

「必ずおそばに戻ります。どうか、どうかまた会う日まで…お元気で」
24h.ポイント 0pt
0
小説 194,019 位 / 194,019件 BL 25,693 位 / 25,693件

あなたにおすすめの小説

図書塔の2人

蓬屋 月餅
BL
 陸国の中心にある広場のそばに、その図書塔はある。  数々の本がおさめられている図書塔で司書を務める『樫』は、特殊な体質をもつ『蔦』と同じ家に住んでいて、朝から晩まで一緒の夫婦同然の暮らしをしている。  外では仕事仲間、家では夫夫。  甘えて、甘えられ、襲って、襲われて。  そんな「樫」と「蔦」が陸国の後世に残すものとは…? 「…あれ?もしかしてお前、むしろ叩かれたくてわざと理性とばしたフリをしてるわけじゃないよな?」 ※作品中の医療知識は現実とは異なる場合がございます。

彼と姫と〜オメガバース編〜

蓬屋 月餅
BL
 農業地域の奥に住む番、アルファの『霙』と男性オメガの『冴』。  彼らはそれぞれ自立をするべく働きに出てきていた漁業地域で出逢った、仲睦まじい番だ。  2人は霙の家業である農作物の栽培や穀物を穀粉へと加工する仕事をしながら、霙の両親の助けも大いに借りつつ4人の子供達を育てている。  男ばかり、性格も様々な4人兄弟を心から愛している冴。  だがそんな冴には番の霙にも言えずにいる想いがあり…  これは仲睦まじい番の、ちょっとした物語。 ※こちらは『彼と姫と』のオメガバース編であり、設定上、本編とは異なる部分(霙と冴の出逢い等)があります。

その杯に葡萄酒を~オメガバ―ス編~

蓬屋 月餅
BL
 陸国の鉱業地域にある荷車整備工房で働く腕利きの整備職人、『夾(こう)』。  彼は第1性別が男性で第2性別がオメガの、いわゆる【男性オメガ】である。  男性オメガはただでさえ少ないといわれているアルファやオメガの中でもさらに珍しい、数人しかいないと言われている希少な性だ。  そんな男性オメガに生まれた彼はオメガとして いつかアルファと番になる日のことをひそかに夢見ていたのだが、実は生まれてから1度も【香り】を放ったことがないという変わった体質の持ち主でもあった。  成人してからもそれは変わらず、自分はオメガではなくベータなのではないかとすら思うようになっていた『夾』。  しかし、ある日の出来事をきっかけに彼のオメガとしての性が発現することになる。 「あいつらに構うなよ」 「………っ!」  月夜に間近で見たそのアルファの瞳に、彼は初めて激しく心を奪われて…。 ※こちらは『その杯に葡萄酒を』のオメガバース編です。

熊の魚

蓬屋 月餅
BL
「ほら…お望み通り外にしてやったよ。満足か?」 「望み通り…満足?俺の望みはお前が俺の前から消えることだ、分かってんだろ?いつまでこんなことしやがる」  5つの地域と城からなる『陸国』。  鉱業地域の奥地に住む彼は、男達に声をかけられる度に抱かれる生活を送っていた。  心の内で悪態をつきつつもそんな生活から抜け出すことを諦めていた彼は、ある人物との出会いによって少しずつ変わっていく。 「その…俺のこと、好き…なの…?」  体ではなく、初めて自分自身を見てくれた相手のために身を守らなければいけないと感じ始めた彼。 (諦めちゃだめなんだ、俺は自分を守ってやらなきゃいけない。俺の体を俺が守らないでどうするんだ、こんなやつに負けちゃいけないんだ) 全ては新たな日々をあの人と歩むために。 ※前半部分に暴力、複数での表現がありますので、苦手な方はご注意ください。 ※この作品は『陸国』が舞台のお話です。 『陸国とは…?』という方は、ぜひ他の作品もご覧ください。

彼と姫と

蓬屋 月餅
BL
 漁業地域の外れの方にある1軒の家には『姫』と呼ばれる男が住んでいる。  『姫』とは、陸国において『皆が憧れるような女性』『庇護欲を掻き立てられる女性』という意味で使われる呼び名なのだが、その人物は男でありながらもあまりの美しさにそう呼ばれているというのだ。 (いや…あれは女の人だろう?あんなに綺麗な男がいてたまるか)  遠目から『姫』の姿を見た彼は男だと信じずにいたが、ある日衝撃的な出来事に見舞われる。 「なに…君、もしかしてこういうことするのは初めてなの?」  あまりにも美しく、妖艶で掴みどころのない『姫』に、やがて彼は抗いようもなく惹き込まれていく。

愛され奴隷の幸福論

東雲
BL
両親の死により、伯父一家に当主の座を奪われ、妹と共に屋敷を追い出されてしまったダニエル。 伯爵家の跡継ぎとして、懸命に勉学に励み、やがて貴族学園を卒業する日を間近に迎えるも、妹を守る為にダニエルは借金を背負い、奴隷となってしまう──…… ◇◇◇◇◇ *本編完結済みです* 筋肉男前が美形元同級生に性奴隷として買われて溺愛されるお話です(ざっくり) 無表情でツンツンしているけれど、内心は受けちゃん大好きで過保護溺愛する美形攻め×純粋培養された健気素直故に苦労もするけれど、皆から愛される筋肉男前受け。 体が大っきくて優しくて素直で真面目で健気で妹想いで男前だけど可愛いという受けちゃんを、不器用ながらもひたすらに愛して甘やかして溺愛する攻めくんという作者が大好きな作風となっております!

俺の番が最凶過ぎるっ

星宮歌
BL
神々が住まう世界、神界。 そこは、善と悪の神の戦場。 そこは、あらゆる研鑽の果てがある場所。 そこは……とある獣の神が、自らの番となるはずの神を探し続ける場所。 これは、そのとある獣の神が、ようやく番を見つけ、盛大に拒絶されながらも必死に食らいつくコメディ……じゃなかった、恋愛物語である。 生意気な最凶の神 × 一途な獣の神 エッチな回には、タイトルの横に*をつけることにしますね〜。 そして、第一章は2020年12月12日に完結です。

熊の魚〜オメガバース編〜

蓬屋 月餅
BL
(俺がオメガだってこと、俺自身も忘れそうだな)  子供の頃の出来事により【香り】も【発情期】もない体になってしまったオメガの『彼』。  一生をこうして1人で過ごすのだと諦めていた彼は、ある日何故か目を惹かれる1人の男に出逢う。  その男に世話を焼かれるうち、いつしか会って話をすることが楽しみになっていく彼。 (あぁっ!もう、とにかく好きだって言いたい!だっていつの間にかこんなにも好きになっちゃったんだ)  男がアルファかベータか、それともオメガかも分からないまま惹かれていく彼は、ある日突然忘れ去っていた自らの【香り】を思い出す。 「え…これ、俺の…」 ※こちらは『熊の魚』のオメガバース編です。 ※第3話に暴力的なシーンがございます。苦手な方はご注意ください。