熊の魚

蓬屋 月餅

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 昔から家族とはそりが合わなかった。
 邪険に扱われたわけでも、疎ましがられていたわけでもない。
 ただただ考え方だとか、そういった日々過ごしていてふと感じる『違い』に居心地の悪さを感じていた。
 姉だけはそんな俺を理解してくれていたものの、裏を返せばそんな存在は家族の中で唯一人、姉だけということだ。
 俺は固く心に決めていた。
 早くこの家族から離れ、この漁業地域から真反対にある鉱業地域の奥の方で暮らそうと。
 たとえそこの仕事がキツくても、自らと血の繋がった人々の中で感じ続ける居心地の悪さに比べたら、何倍もマシだろうと思っていた。
 そう思っていたんだ。
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蓬屋のBLに興味をもって下さった方へ…ぜひ他作品の方も併せてご覧下さい。 【以下、蓬屋のBL作品紹介】《陸国が舞台の作品》: ・クール(?)攻め×美人受け『彼と姫と(オメガバース編有)』 ・陸国の司書×特別体質受け『図書塔の2人(今後オメガバース編の予定有)』 ・神の側仕え×陸国の神『牧草地の白馬(多数カップル有)』 ・酪農地域の若領主×若き医者受け『酪農地域にて』  《現代が舞台の作品》:・元ゲイビ男優×フリーランス税理士『悠久の城(リバあり)』  それぞれの甘々カップル達をよろしくお願いします★

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