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オメガバース編
【第2性別について】
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【第1性別】である男性、女性とは別に
『アルファ』『ベータ』『オメガ』という性を示すのが【第2性別】。
その中でもアルファとオメガは【香り】を放つことができる。
陸国では他人の第2性別は尊重されるべきプライバシーであるという意識が強いため、家族以外の人に自身の第2性別を告げるにはかなり相手と親しい間柄になる必要がある。
また、惹かれた相手が対となる性かを確認する際にも第2性別を告げ合うが、この場合はすでに互いの性をほとんど確信した状態で行われる。
こうした特性上、いずれの性別でもいわゆる差別などは一切ない。
そもそも、第2性別にかかわらず『差別』といった意識をもともと持ち合わせていないのが陸国の人種性、民族性なのである。
ー
《第2性別の判定方法について》
判別は生後6カ月頃を目安に行われる。
方法はいたって簡単だ。まだ誰とも番っていないアルファとオメガに子供を抱っこさせるだけでいい。
・アルファに抱かれて笑えばオメガ
・オメガに抱かれて笑えばアルファ
・どちらも特に反応がなければベータ
である。
たまに抱っこされて笑顔になるベータの赤子もいるが、その場合の笑顔や反応はアルファやオメガの赤子が示すものとは明らかな違いがあるため、見れば誰もが容易に判別できるのだ。
それぞれ【香り】を放ち始める時期や濃さには個人差があるため、子供が成長して【香り】を放つようになってから判別するのでは遅く、全員がこの赤子の時期に判別を受けることになっている。
ー
陸国における人口比率では
7割が男性ベータ/女性ベータ
↓
2割が男性アルファ/女性オメガ
↓
1割が男性オメガ/女性アルファ
となっていて、ほとんどの人の第2性別はベータなのだが、アルファやオメガも全体的に見れば3割近くいる。
さらにアルファ、ベータの内訳だけに注目し、第一性別と併せて詳しく見てみると、上から多い順に
男性アルファ/女性オメガ
↓
男性オメガ
↓
女性アルファ
であり、特に男性オメガと女性アルファは珍しい存在だと言える。
陸国の歴史においてもそう多くの男性オメガ、女性アルファがいたというものではないが、それでも彼らの体に関する情報や記録がきちんと今にも伝わっているのは陸国の医者達による努力の賜物であるといえるだろう。
一般的にアルファはベータよりも体力やなにかしらの能力に長けていることが多く、逆にオメガはベータよりも体力面などで押し負けてしまう傾向にある。
そのため、女性アルファは男性ベータと同等か それ以上の筋力があり、男性オメガは男性ベータよりも若干ひ弱に見えることがある。
しかし、たしかにこのような傾向があるとはいえ、こうした違いは個人差によるところが非常に大きく、体力差や体格などで第2性別を推測することにはまったく意味がない。
さらにそれだけではなく、前述したように陸国では他人の第2性別は尊重されるべきプライバシーであるという意識が強いため、そのような推測をすること自体が失礼に当たるとしている。
男性オメガ、女性アルファは特に他の性とは異なる特別な点がいくつも確認されているが、その中でも特徴的なのは
【男性オメガは妊娠できる】
【女性アルファは妊娠させることができる】
というものだろう。
他の性では基本的に第2性別による影響とは【香り】の有無によるところが大きいのだが、男性オメガと女性アルファではまず第1性別によらない体のつくりが見受けられる。
まず、男性オメガは直腸とは別の器官がその隣に存在しており、その先に女性体の子宮と同じような働きをする部分を備わっている。
その器官は普段は直腸壁によって完全に遮断されているが、男性オメガの性的な興奮に伴って逆に直腸側が遮断され、無意識的に相手の男性器を受け入れる準備を整える。
それはほとんど女性器と同じであり、興奮によって潤滑液、つまり愛液を分泌することもできるのだが、あえて女性体とは異なる点を上げるとすればそれは【生理がない】ということだろう。
男性オメガが排卵を行うのは特殊な条件下のみであり、これに関しては【男性オメガの妊娠と出産】の項にて詳しく記載されている。
また、男性オメガは妊娠と出産を行うことが可能であるため、産まれた子供のために産後、胸から乳を出す。
その際は多少胸が膨らみ、乳児が咥えやすいような乳首の形になるが、子供がある程度大きくなるとそれらの変化は元通りになり、再び男性体の胸と変わらないくらいになる。
だが妊娠、出産に伴う男性オメガの体の変化はこれにとどまらず、女性体よりも様々な困難を乗り越えなければならない。
これに関しても【男性オメガの妊娠と出産】の項に詳しく記載している。
女性アルファの場合は男性器とそっくり同じものが備わっており、女性ベータ、女性オメガ、男性オメガを妊娠させることが可能だ。
他の身体的特徴に関しては特筆すべきこともないが、やはり一点挙げるとすればそれは【生理がないこと】だろう。
女性アルファは【妊娠させることはできても、妊娠することはできない】。
また、オメガ男性も【妊娠することはできても、妊娠させることはできない】のだ。
その点から考えると、男性オメガと女性アルファにとっては第1性別よりもこの第2性別の方がより彼ら自身を象徴しているものなのだといえる。
《特に強いアルファ性について》
アルファの中には時々通常よりも強く濃い【香り】を放つ者がいる。
本能が色濃く出た者とされているが、彼らの【香り】は非常に強力な上に、遠く離れた場所にいるオメガの【香り】を敏感に嗅ぎつけるなどすることが知られている。
さらに、オメガの【香り】を感じると周期も関係なくすぐに発情し、理性も無くして襲いかかってしまう。
この場合かなりの確率で後の【番解消】を引き起こす事態になってしまうため、こうした体質の者は周りよりも早い段階で番となる相手を決めて番となっておくのが一般的なのだが、そうした決まりを嫌う者もいる。
番を決めることを拒んだ者は中心部を離れ、地域の端の方にある主に男性ベータが力仕事をしている近辺で暮らしているようだ。
(※この辺りは非常に危険なため、男性 女性を問わずオメガは決して立ち入ってはいけない場所とされている)
『アルファ』『ベータ』『オメガ』という性を示すのが【第2性別】。
その中でもアルファとオメガは【香り】を放つことができる。
陸国では他人の第2性別は尊重されるべきプライバシーであるという意識が強いため、家族以外の人に自身の第2性別を告げるにはかなり相手と親しい間柄になる必要がある。
また、惹かれた相手が対となる性かを確認する際にも第2性別を告げ合うが、この場合はすでに互いの性をほとんど確信した状態で行われる。
こうした特性上、いずれの性別でもいわゆる差別などは一切ない。
そもそも、第2性別にかかわらず『差別』といった意識をもともと持ち合わせていないのが陸国の人種性、民族性なのである。
ー
《第2性別の判定方法について》
判別は生後6カ月頃を目安に行われる。
方法はいたって簡単だ。まだ誰とも番っていないアルファとオメガに子供を抱っこさせるだけでいい。
・アルファに抱かれて笑えばオメガ
・オメガに抱かれて笑えばアルファ
・どちらも特に反応がなければベータ
である。
たまに抱っこされて笑顔になるベータの赤子もいるが、その場合の笑顔や反応はアルファやオメガの赤子が示すものとは明らかな違いがあるため、見れば誰もが容易に判別できるのだ。
それぞれ【香り】を放ち始める時期や濃さには個人差があるため、子供が成長して【香り】を放つようになってから判別するのでは遅く、全員がこの赤子の時期に判別を受けることになっている。
ー
陸国における人口比率では
7割が男性ベータ/女性ベータ
↓
2割が男性アルファ/女性オメガ
↓
1割が男性オメガ/女性アルファ
となっていて、ほとんどの人の第2性別はベータなのだが、アルファやオメガも全体的に見れば3割近くいる。
さらにアルファ、ベータの内訳だけに注目し、第一性別と併せて詳しく見てみると、上から多い順に
男性アルファ/女性オメガ
↓
男性オメガ
↓
女性アルファ
であり、特に男性オメガと女性アルファは珍しい存在だと言える。
陸国の歴史においてもそう多くの男性オメガ、女性アルファがいたというものではないが、それでも彼らの体に関する情報や記録がきちんと今にも伝わっているのは陸国の医者達による努力の賜物であるといえるだろう。
一般的にアルファはベータよりも体力やなにかしらの能力に長けていることが多く、逆にオメガはベータよりも体力面などで押し負けてしまう傾向にある。
そのため、女性アルファは男性ベータと同等か それ以上の筋力があり、男性オメガは男性ベータよりも若干ひ弱に見えることがある。
しかし、たしかにこのような傾向があるとはいえ、こうした違いは個人差によるところが非常に大きく、体力差や体格などで第2性別を推測することにはまったく意味がない。
さらにそれだけではなく、前述したように陸国では他人の第2性別は尊重されるべきプライバシーであるという意識が強いため、そのような推測をすること自体が失礼に当たるとしている。
男性オメガ、女性アルファは特に他の性とは異なる特別な点がいくつも確認されているが、その中でも特徴的なのは
【男性オメガは妊娠できる】
【女性アルファは妊娠させることができる】
というものだろう。
他の性では基本的に第2性別による影響とは【香り】の有無によるところが大きいのだが、男性オメガと女性アルファではまず第1性別によらない体のつくりが見受けられる。
まず、男性オメガは直腸とは別の器官がその隣に存在しており、その先に女性体の子宮と同じような働きをする部分を備わっている。
その器官は普段は直腸壁によって完全に遮断されているが、男性オメガの性的な興奮に伴って逆に直腸側が遮断され、無意識的に相手の男性器を受け入れる準備を整える。
それはほとんど女性器と同じであり、興奮によって潤滑液、つまり愛液を分泌することもできるのだが、あえて女性体とは異なる点を上げるとすればそれは【生理がない】ということだろう。
男性オメガが排卵を行うのは特殊な条件下のみであり、これに関しては【男性オメガの妊娠と出産】の項にて詳しく記載されている。
また、男性オメガは妊娠と出産を行うことが可能であるため、産まれた子供のために産後、胸から乳を出す。
その際は多少胸が膨らみ、乳児が咥えやすいような乳首の形になるが、子供がある程度大きくなるとそれらの変化は元通りになり、再び男性体の胸と変わらないくらいになる。
だが妊娠、出産に伴う男性オメガの体の変化はこれにとどまらず、女性体よりも様々な困難を乗り越えなければならない。
これに関しても【男性オメガの妊娠と出産】の項に詳しく記載している。
女性アルファの場合は男性器とそっくり同じものが備わっており、女性ベータ、女性オメガ、男性オメガを妊娠させることが可能だ。
他の身体的特徴に関しては特筆すべきこともないが、やはり一点挙げるとすればそれは【生理がないこと】だろう。
女性アルファは【妊娠させることはできても、妊娠することはできない】。
また、オメガ男性も【妊娠することはできても、妊娠させることはできない】のだ。
その点から考えると、男性オメガと女性アルファにとっては第1性別よりもこの第2性別の方がより彼ら自身を象徴しているものなのだといえる。
《特に強いアルファ性について》
アルファの中には時々通常よりも強く濃い【香り】を放つ者がいる。
本能が色濃く出た者とされているが、彼らの【香り】は非常に強力な上に、遠く離れた場所にいるオメガの【香り】を敏感に嗅ぎつけるなどすることが知られている。
さらに、オメガの【香り】を感じると周期も関係なくすぐに発情し、理性も無くして襲いかかってしまう。
この場合かなりの確率で後の【番解消】を引き起こす事態になってしまうため、こうした体質の者は周りよりも早い段階で番となる相手を決めて番となっておくのが一般的なのだが、そうした決まりを嫌う者もいる。
番を決めることを拒んだ者は中心部を離れ、地域の端の方にある主に男性ベータが力仕事をしている近辺で暮らしているようだ。
(※この辺りは非常に危険なため、男性 女性を問わずオメガは決して立ち入ってはいけない場所とされている)
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