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登場人物について(本編読了後推奨)
侍従とその妻
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・侍従
酪農地域の若領主に仕える侍従。
彼の一家は代々国王や領主達に仕える侍従や侍女をしていて、父や母、双子の兄もそれぞれそうして働いています。
しかし彼自身は幼い頃は『自分はそんなものになりたくない』と考えていて、侍従になるつもりは毛の先ほどもなかったようです。
母が工芸地域の領主夫人の侍女であり、若領主とも歳が近かった彼は他に遊び相手がいないからというような感じで若領主に付き添っていました。
ある少女から言われた一言をきっかけに嫌っていた侍従を目指すようになり、僅か数ヶ月で完璧な礼儀作法を身につけて若領主の元へ戻ります。
侍従としての観察眼があるためか若領主の『彼』への想い、そして『彼』の若領主への想いを早々に察知していて、「早く互いに告白してしまえばいいのに」とずっと思っていました。
若領主と『彼』の良き理解者として、今もそばで見守っています。
ーーーーーー
Q、結婚したことを若領主に言わなかったんですね。
A、えぇ。若領主もお忙しい時でしたし、性格上私達のことを知れば『お祝いはどうしようか』と考え詰めてしまうと分かっていましたから。
Q、彫刻がお好きなんですか?
A、そうですね、図案を見るのも好きですし、木や石への彫刻も好きです。なかなか機会はありませんが、またじっくりとなにかを作りたいですね。
・侍従の妻
漁業地域の領主の娘に仕えている侍女です。
両親は城の敷地内で腕を振るう料理人ですが、幼い頃に城で仕えている侍従の姿を目にし、それに憧れて侍女を目指すようになりました。
有名な侍従、侍女を輩出する一家の元で礼儀作法などを学ぶことになりますが、その一家の末っ子が将来の夫となる彼でした。
一家の仕事に辟易していた彼は領主の息子、将来の若領主に対して不遜な態度を取り続けていて、立派な侍女になりたいと日々学んでいる彼女にとってはそんな彼が目にしたくないほどの存在だったようです。
ある日、水を汲みに行った井戸のそばに彼が腰掛けていて、無視して早くその場を立ち去ろうとしたところ、「あんた、親父達から仕事を教わってるんだって?変なやつだな」と声をかけられます。
「変ではないでしょう」
「はっ!変だろ!人に媚びへつらって、言いなりになりたいなんてさ!」
けらけらと笑い、自らが憧れている仕事をバカにするような言い方をした彼に腹がたった彼女は彼を睨みつけて言い放ちます。
「あなた、本当になんなの。私だけならまだしも、あなたが今言った言葉はあなたの家族やご先祖様に対する侮辱でしょう。恥を知りなさいよ、2度と私に話しかけないで」
それまで大人しかった彼女にピシャリとそう言われた彼は大きな衝撃を受け、しばらく正体の見えない悶々とした思いで過ごしました。
そして城で見習いとして働き始めていた双子の兄が家へ帰ってきた時、仕事中にあったことなどを楽しそうに話しているのを見て決心した彼は元々の素質もあり、完璧な礼儀作法を身につけて彼女の前に戻ってきます。
「当時は大変失礼いたしました。工芸地域の御領主のご子息にお仕えしている者です。以後、お見知りおきを」
そのあまりの変わりように彼女も戸惑いましたが、その後きちんと侍従として仕事をこなす彼の姿に過去は過去として捉えられるようになり、熱心な彼からのアプローチもあって交際、結婚しました。
2人の間には2人の男の子が産まれます。
若領主は夫人(妻)を迎えないということで、屋敷の管理をする者の人手が足りなくなってしまうのを補うため、彼女は仕えていた漁業地域の領主の娘が結婚をして侍女の任を解かれたタイミングで酪農地域の屋敷に仕事を移しました。
以降、夫と共に酪農地域の若領主に仕えて屋敷を守ることになります。
酪農地域の若領主に仕える侍従。
彼の一家は代々国王や領主達に仕える侍従や侍女をしていて、父や母、双子の兄もそれぞれそうして働いています。
しかし彼自身は幼い頃は『自分はそんなものになりたくない』と考えていて、侍従になるつもりは毛の先ほどもなかったようです。
母が工芸地域の領主夫人の侍女であり、若領主とも歳が近かった彼は他に遊び相手がいないからというような感じで若領主に付き添っていました。
ある少女から言われた一言をきっかけに嫌っていた侍従を目指すようになり、僅か数ヶ月で完璧な礼儀作法を身につけて若領主の元へ戻ります。
侍従としての観察眼があるためか若領主の『彼』への想い、そして『彼』の若領主への想いを早々に察知していて、「早く互いに告白してしまえばいいのに」とずっと思っていました。
若領主と『彼』の良き理解者として、今もそばで見守っています。
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Q、結婚したことを若領主に言わなかったんですね。
A、えぇ。若領主もお忙しい時でしたし、性格上私達のことを知れば『お祝いはどうしようか』と考え詰めてしまうと分かっていましたから。
Q、彫刻がお好きなんですか?
A、そうですね、図案を見るのも好きですし、木や石への彫刻も好きです。なかなか機会はありませんが、またじっくりとなにかを作りたいですね。
・侍従の妻
漁業地域の領主の娘に仕えている侍女です。
両親は城の敷地内で腕を振るう料理人ですが、幼い頃に城で仕えている侍従の姿を目にし、それに憧れて侍女を目指すようになりました。
有名な侍従、侍女を輩出する一家の元で礼儀作法などを学ぶことになりますが、その一家の末っ子が将来の夫となる彼でした。
一家の仕事に辟易していた彼は領主の息子、将来の若領主に対して不遜な態度を取り続けていて、立派な侍女になりたいと日々学んでいる彼女にとってはそんな彼が目にしたくないほどの存在だったようです。
ある日、水を汲みに行った井戸のそばに彼が腰掛けていて、無視して早くその場を立ち去ろうとしたところ、「あんた、親父達から仕事を教わってるんだって?変なやつだな」と声をかけられます。
「変ではないでしょう」
「はっ!変だろ!人に媚びへつらって、言いなりになりたいなんてさ!」
けらけらと笑い、自らが憧れている仕事をバカにするような言い方をした彼に腹がたった彼女は彼を睨みつけて言い放ちます。
「あなた、本当になんなの。私だけならまだしも、あなたが今言った言葉はあなたの家族やご先祖様に対する侮辱でしょう。恥を知りなさいよ、2度と私に話しかけないで」
それまで大人しかった彼女にピシャリとそう言われた彼は大きな衝撃を受け、しばらく正体の見えない悶々とした思いで過ごしました。
そして城で見習いとして働き始めていた双子の兄が家へ帰ってきた時、仕事中にあったことなどを楽しそうに話しているのを見て決心した彼は元々の素質もあり、完璧な礼儀作法を身につけて彼女の前に戻ってきます。
「当時は大変失礼いたしました。工芸地域の御領主のご子息にお仕えしている者です。以後、お見知りおきを」
そのあまりの変わりように彼女も戸惑いましたが、その後きちんと侍従として仕事をこなす彼の姿に過去は過去として捉えられるようになり、熱心な彼からのアプローチもあって交際、結婚しました。
2人の間には2人の男の子が産まれます。
若領主は夫人(妻)を迎えないということで、屋敷の管理をする者の人手が足りなくなってしまうのを補うため、彼女は仕えていた漁業地域の領主の娘が結婚をして侍女の任を解かれたタイミングで酪農地域の屋敷に仕事を移しました。
以降、夫と共に酪農地域の若領主に仕えて屋敷を守ることになります。
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