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第三部
32「浴室」
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寝台の上、2人は横になって互いの頬や髪を撫で合い、時々ふと笑みを浮かべては口付けを交わす。
燃料の切れた灯りが1つずつ消え、既に寝台のすぐ側にあるいくつかの灯りもごく小さなものになっている。
その頃になって、若領主の腕の中にいる彼はそっと身を捩らせ始めた。
「若…いつまでもこうしているつもりなんですか?」
「うん?」
「その…このまま寝ちゃうん…ですか?」
彼からの言葉に、若領主は「うーん、そうだな…」と考えるように答える。
「君は何がいい?手かそれとも口付け…?」
若領主が手を彼の下の方に伸ばすと、彼は軽く身を震わせながら言う。
「僕…こ、この間…みたいなの…」
「この間?それは…こっちに、ってこと?」
「…っ」
若領主の手が尻の方に伸び、彼は少し間をおいてから頷いた。
若領主は彼の髪に口付けると、ふるふると首を横に振る。
「それはやめておこう」
「ど、どうして…」
「次の日、随分と辛そうにしていたからね。私は何ともないけど、君ばっかり負担になるのは本意じゃないし…」
若領主の言葉は彼の口付けによって遮られ、そのまま上衣と下衣に手が伸びる。
彼からの口付けは深さと激しさを増し、ようやく唇を離れた瞬間に若領主は彼を制止するように抑えつけた。
「ちょっと落ち着こう、私も抑えが効かなくなってくるから、ちょっと…」
若領主の脳裏にはこの間体験したばかりの、あの熱い中に包み込まれた時の感覚が呼び起こされ始めているが、それを振り払うように意識を他へと向けようとする。
しかし、若領主よりもひと回り体格が小さいとはいえ、重い荷を背負って歩くことも多い彼は若領主の抑えつけてくる手から逃れると、反対に若領主を下に抑えつけた。
「この間は初めてだったから…。ねぇ若、僕、この間のが忘れられないんです。おかしいでしょう?熱くて気持ち良くて…その後より、あの時のことばかり…」
彼が話しながら腰を動かすため、若領主のそそり勃ったものははだけただけの下衣越しに刺激され、次第に我慢できないほど固く張りつめてきた。
若領主は彼の下衣に手をかけ、一気に太ももの辺りまで下ろすと、息を荒らげながら彼の剥き出しになった尻に両手を置く。
彼も下衣を脱ぎ捨て、若領主のはだけた下衣から覗く拍動するものを自らの秘めた部分にあてがうと、そのままゆっくりと、息を吐きながら腰を落とした。
「う…んん……っ」
「待って…まずは指で…っ!!」
若領主が訴えかけるように言ったものの、やがて根本まで強く締め付けてくる感覚に包まれる。
まさか何もせずにこれだけのものを呑み込めるはずはない。
自分で慣らしていたのかと尋ねると、彼は上気した顔で頷いた。
「中を綺麗にする時にもう…若と2人きりになることを思うと我慢できなくて…あっ、あ…!」
下から突き上げられ、彼は短い喘ぎ声を漏らす。
彼自身の重さによってずっと深いところまで収められた敏感なものはほんの少し突き上げただけでも強烈な快感をもたらしてくる。
その上、自らの上で揺さぶられながら喘ぎ声を漏らす彼の姿は艶めかしさと愛らしさといじらしさとが入り混じっていて、理性を無くさせるには充分すぎた。
若領主は彼の開いた上衣の中に見える2つの胸の突起をひとしきり指先で捏ねてから背をなぞり、そのまま腰を掴んで何度も強く腰を突き上げる。
「はぁ…あ、あぁ…っ!んん…んう…あ、あっ…!や、いや、もう…んっ…ぅあっ!!」
彼の力が突然抜け、崩れ落ちそうになる。
若領主は身を起こすと、彼をきつく抱きしめながら囁いた。
「好きだ、愛してる。ずっとそばに居て、一緒に居てほしい」
彼も精一杯の力で応えながら、荒い呼吸のまま囁く。
「ぼくも…本当に、本当に好きです。ずっとそばに居させてください、離れたくないんです。愛してます」
深い口付けを交わし、お互いに羽織っていただけの上衣を脱がせると、しっとりと汗ばんだ肌を僅かな灯りが艶めかしく照らしていく。
若領主は彼を仰向けに寝かせると、再びゆっくりと腰を打ちつけ始めた。
「あっ…っ!もう、しびれて、なにもかんがえられな…っん!」
「締め付けすぎだよ…うっ…」
彼は折り曲げた両足ごと何度も揺さぶられ、快感へと押しやられていった。
荒く乱れた息もようやく落ち着いてきたところで、若領主は胸元に収まっている彼の髪へと口付けをしながら「汗をかいたし、湯を浴びてから寝よう」と囁く。
こくんと頷いた彼をもう一度抱きしめると、若領主は軽く上下の衣を着て、湯を溜めるために外へと出ていった。
新しく備えた樋はきちんと機能しているようで、前よりもずっと早く浴室の用意ができる。
若領主が満足気に小屋へ戻ると、まだほんのりと赤みを帯びた顔の彼が身を起こして待っていた。
「よし、もう随分と遅くなったし、早々に汗を流して休もうか」
「はい…えっ?ちょ、ちょっと!一緒には入りませんよ!」
「いやいや、屋敷では別々なんだし、ここでくらいは一緒に入ってもいいじゃないか?それに、もう何もかもお互いに見てるんだし…」
「だ、だめです!それじゃあ、先に若が入ってくださいよ、僕はあとからにしますから!」
「…分かったよ。いいから君が先に入りな、私は後で構わないから」
若領主は今日こそ一緒に湯を浴びれるかもしれないという淡い期待を抱いていたものの、彼があまりにも嫌がるために諦めざるをえなくなり、いくらか肩を落として乱れた寝台を整えに行った。
寝台の上には2人の寝間着が散乱している。
はだけただけの状態で夜を始め、脱いだあとも彼の下敷きになったままだった寝間着はすっかり汚れていて、汗を流した体で袖を通すのは憚られるような状態だ。
(別の寝間着を着たほうがいいな、これは。おかげで寝具はなんともないけど…あれ、そういえば彼は替えを持ってきてないんじゃないか?たしか私のがあと2着くらいこっちにあったはず…)
若領主が棚の中を覗くと、春先に着ていた寝間着が2着あった。
1着を彼の着替えにさせるべく、若領主はそれらを持って浴室の外から声をかける。
「ちょっと開けてもいい?着替えを用意してないだろう、寝間着を持ってきた」
「えっ!あっ、いや、ちょっと待って下さい…」
中から「どうぞ…」という声が聞こえるのを待ってから、若領主は浴室の扉を開け、そばの棚へと寝間着を置いた。
「ここに置いておくから」
「あ、ありがとうございます…」
こちらに背を向けている彼は首筋まで真っ赤に染めていて、微かに震えているようにも見える。
あれだけ恥ずかしがっているのだから、と若領主はあまり彼を見ないように視線を浴室の床へ向けて立ち去ろうとした。
しかし、視線を移した先のものに若領主は動きを止めてしまう。
彼の足元にある湯桶に映っていたのは、彼の隠されているはずの前の部分だった。
そしてそれは、なんとそそり勃っている。
「あ、あの、もう行ってください。僕もすぐ出ますから…」
「うん…ねぇ、その、まだ足りなかった…?」
「は、はい!?」
彼は思わず顔をこちらに向けて「な、何を言ってるんですか」と言う。
「いや…まだ足りないと思っていたのなら、言ってほしい」
「えっ!?い、いや、突然なぜそんなことを…」
「それ…映ってる」
彼は足元の湯桶のことだと気付くと、さっと身を縮ませて前の方まで全て隠す。
「と、とにかく!なんでもないので!」
「これが…なんでもないって?」
「う、うわ!ちょっと…!!」
若領主が後ろから抱きしめるようにして彼のものに触れると、彼は甘い声を漏らす。
そうしてしばらくの間されるがままになっていた彼は、なんとか身を捩って若領主に向き合うと「ち、違うんですってば!」と訴えた。
「そ、その…これは足りなかったんじゃなくて…」
「じゃなくて?」
「う…っ」
若領主は彼の下の部分を手の内に収め、躊躇って何も言えずにいる彼から言葉を引き出そうとする。
「あぁもう…!う、後ろを触ると、その…こうなっちゃうんですよ!だから…」
「なぜ後ろを?」
「うぅ…後で話しましょうよ、今は…っ!」
それでもなお執拗に扱ってくる若領主に対抗しきれなくなり、ついに彼は顔を真っ赤にしながら告げる。
「中の…中に出されたものを掻き出さないと、だめなんです!体調を崩すって…でもそんなことをしている姿はあなたに見られたくないから、だからもう出ていってください…っあ!」
若領主の手は既に彼の後ろにある秘めた穴へと伸びていた。
つい先程まで若領主のものと彼自身の指を飲み込んでいたそこは柔らかく、すんなりと指を奥深くまで受け入れる。
「教えて…どうやればいい?」
「じ、自分でしますから…!もうやめて…」
「いいから、早く教えて」
彼は若領主の首にしがみつき、徐々に力の入らなくなる足でなんとか身体を支えながら観念したようにやり方を伝える。
若領主の指は彼の中を優しく撫でさすり続け、時々 ある一点へ触れると彼の身体は大きく跳ねる。
しばらくしてから、彼の太ももを1筋の白濁が流れていった。
中へ入れていた指はすっかり白濁に塗れていて、どうやら大方のものを掻き出すことができたようだ。
白濁に塗れた指、首にしがみついて息を荒らげる彼、そして押し付けられ続けている彼の下半身…。
若領主は弾かれたように彼を濡れた床に押し倒すと、そそり勃った自らのものを取り出した。
「あっ…んぅっ!だ、だめっ、今掻き出したばっかり…」
「分かってる、足を閉じていて…」
若領主は彼の両足を抱え込むと、ぴったりと閉じられた足の付根に自らのものを挿し込んだ。
「うぅ…っ!!あ、こんなっ…擦れて…っ!!」
お互いのしとどに濡れた熱く敏感な部分が擦り合わされ、手で扱うのとはまた異なる快感が根元から先端まで駆け巡る。
濡れた木の香りとしっとりとした空気が包み込む中で、2人の快感は頂点に達して弾けた。
「これからは2人で湯を浴びよう。その…あとのことも私がやってあげたい」
「いや!あの、それは自分でやるので…!!」
「というより、そもそもあまり奥にしないようにするから」
若領主が彼の濡れそぼった髪を撫でながら言うと、彼は若領主をぎゅっと抱き寄せながらくぐもった声で呟く。
「こうやって…後で出しさえすればいいんですもん…奥にするのは…やめないで…」
燃料の切れた灯りが1つずつ消え、既に寝台のすぐ側にあるいくつかの灯りもごく小さなものになっている。
その頃になって、若領主の腕の中にいる彼はそっと身を捩らせ始めた。
「若…いつまでもこうしているつもりなんですか?」
「うん?」
「その…このまま寝ちゃうん…ですか?」
彼からの言葉に、若領主は「うーん、そうだな…」と考えるように答える。
「君は何がいい?手かそれとも口付け…?」
若領主が手を彼の下の方に伸ばすと、彼は軽く身を震わせながら言う。
「僕…こ、この間…みたいなの…」
「この間?それは…こっちに、ってこと?」
「…っ」
若領主の手が尻の方に伸び、彼は少し間をおいてから頷いた。
若領主は彼の髪に口付けると、ふるふると首を横に振る。
「それはやめておこう」
「ど、どうして…」
「次の日、随分と辛そうにしていたからね。私は何ともないけど、君ばっかり負担になるのは本意じゃないし…」
若領主の言葉は彼の口付けによって遮られ、そのまま上衣と下衣に手が伸びる。
彼からの口付けは深さと激しさを増し、ようやく唇を離れた瞬間に若領主は彼を制止するように抑えつけた。
「ちょっと落ち着こう、私も抑えが効かなくなってくるから、ちょっと…」
若領主の脳裏にはこの間体験したばかりの、あの熱い中に包み込まれた時の感覚が呼び起こされ始めているが、それを振り払うように意識を他へと向けようとする。
しかし、若領主よりもひと回り体格が小さいとはいえ、重い荷を背負って歩くことも多い彼は若領主の抑えつけてくる手から逃れると、反対に若領主を下に抑えつけた。
「この間は初めてだったから…。ねぇ若、僕、この間のが忘れられないんです。おかしいでしょう?熱くて気持ち良くて…その後より、あの時のことばかり…」
彼が話しながら腰を動かすため、若領主のそそり勃ったものははだけただけの下衣越しに刺激され、次第に我慢できないほど固く張りつめてきた。
若領主は彼の下衣に手をかけ、一気に太ももの辺りまで下ろすと、息を荒らげながら彼の剥き出しになった尻に両手を置く。
彼も下衣を脱ぎ捨て、若領主のはだけた下衣から覗く拍動するものを自らの秘めた部分にあてがうと、そのままゆっくりと、息を吐きながら腰を落とした。
「う…んん……っ」
「待って…まずは指で…っ!!」
若領主が訴えかけるように言ったものの、やがて根本まで強く締め付けてくる感覚に包まれる。
まさか何もせずにこれだけのものを呑み込めるはずはない。
自分で慣らしていたのかと尋ねると、彼は上気した顔で頷いた。
「中を綺麗にする時にもう…若と2人きりになることを思うと我慢できなくて…あっ、あ…!」
下から突き上げられ、彼は短い喘ぎ声を漏らす。
彼自身の重さによってずっと深いところまで収められた敏感なものはほんの少し突き上げただけでも強烈な快感をもたらしてくる。
その上、自らの上で揺さぶられながら喘ぎ声を漏らす彼の姿は艶めかしさと愛らしさといじらしさとが入り混じっていて、理性を無くさせるには充分すぎた。
若領主は彼の開いた上衣の中に見える2つの胸の突起をひとしきり指先で捏ねてから背をなぞり、そのまま腰を掴んで何度も強く腰を突き上げる。
「はぁ…あ、あぁ…っ!んん…んう…あ、あっ…!や、いや、もう…んっ…ぅあっ!!」
彼の力が突然抜け、崩れ落ちそうになる。
若領主は身を起こすと、彼をきつく抱きしめながら囁いた。
「好きだ、愛してる。ずっとそばに居て、一緒に居てほしい」
彼も精一杯の力で応えながら、荒い呼吸のまま囁く。
「ぼくも…本当に、本当に好きです。ずっとそばに居させてください、離れたくないんです。愛してます」
深い口付けを交わし、お互いに羽織っていただけの上衣を脱がせると、しっとりと汗ばんだ肌を僅かな灯りが艶めかしく照らしていく。
若領主は彼を仰向けに寝かせると、再びゆっくりと腰を打ちつけ始めた。
「あっ…っ!もう、しびれて、なにもかんがえられな…っん!」
「締め付けすぎだよ…うっ…」
彼は折り曲げた両足ごと何度も揺さぶられ、快感へと押しやられていった。
荒く乱れた息もようやく落ち着いてきたところで、若領主は胸元に収まっている彼の髪へと口付けをしながら「汗をかいたし、湯を浴びてから寝よう」と囁く。
こくんと頷いた彼をもう一度抱きしめると、若領主は軽く上下の衣を着て、湯を溜めるために外へと出ていった。
新しく備えた樋はきちんと機能しているようで、前よりもずっと早く浴室の用意ができる。
若領主が満足気に小屋へ戻ると、まだほんのりと赤みを帯びた顔の彼が身を起こして待っていた。
「よし、もう随分と遅くなったし、早々に汗を流して休もうか」
「はい…えっ?ちょ、ちょっと!一緒には入りませんよ!」
「いやいや、屋敷では別々なんだし、ここでくらいは一緒に入ってもいいじゃないか?それに、もう何もかもお互いに見てるんだし…」
「だ、だめです!それじゃあ、先に若が入ってくださいよ、僕はあとからにしますから!」
「…分かったよ。いいから君が先に入りな、私は後で構わないから」
若領主は今日こそ一緒に湯を浴びれるかもしれないという淡い期待を抱いていたものの、彼があまりにも嫌がるために諦めざるをえなくなり、いくらか肩を落として乱れた寝台を整えに行った。
寝台の上には2人の寝間着が散乱している。
はだけただけの状態で夜を始め、脱いだあとも彼の下敷きになったままだった寝間着はすっかり汚れていて、汗を流した体で袖を通すのは憚られるような状態だ。
(別の寝間着を着たほうがいいな、これは。おかげで寝具はなんともないけど…あれ、そういえば彼は替えを持ってきてないんじゃないか?たしか私のがあと2着くらいこっちにあったはず…)
若領主が棚の中を覗くと、春先に着ていた寝間着が2着あった。
1着を彼の着替えにさせるべく、若領主はそれらを持って浴室の外から声をかける。
「ちょっと開けてもいい?着替えを用意してないだろう、寝間着を持ってきた」
「えっ!あっ、いや、ちょっと待って下さい…」
中から「どうぞ…」という声が聞こえるのを待ってから、若領主は浴室の扉を開け、そばの棚へと寝間着を置いた。
「ここに置いておくから」
「あ、ありがとうございます…」
こちらに背を向けている彼は首筋まで真っ赤に染めていて、微かに震えているようにも見える。
あれだけ恥ずかしがっているのだから、と若領主はあまり彼を見ないように視線を浴室の床へ向けて立ち去ろうとした。
しかし、視線を移した先のものに若領主は動きを止めてしまう。
彼の足元にある湯桶に映っていたのは、彼の隠されているはずの前の部分だった。
そしてそれは、なんとそそり勃っている。
「あ、あの、もう行ってください。僕もすぐ出ますから…」
「うん…ねぇ、その、まだ足りなかった…?」
「は、はい!?」
彼は思わず顔をこちらに向けて「な、何を言ってるんですか」と言う。
「いや…まだ足りないと思っていたのなら、言ってほしい」
「えっ!?い、いや、突然なぜそんなことを…」
「それ…映ってる」
彼は足元の湯桶のことだと気付くと、さっと身を縮ませて前の方まで全て隠す。
「と、とにかく!なんでもないので!」
「これが…なんでもないって?」
「う、うわ!ちょっと…!!」
若領主が後ろから抱きしめるようにして彼のものに触れると、彼は甘い声を漏らす。
そうしてしばらくの間されるがままになっていた彼は、なんとか身を捩って若領主に向き合うと「ち、違うんですってば!」と訴えた。
「そ、その…これは足りなかったんじゃなくて…」
「じゃなくて?」
「う…っ」
若領主は彼の下の部分を手の内に収め、躊躇って何も言えずにいる彼から言葉を引き出そうとする。
「あぁもう…!う、後ろを触ると、その…こうなっちゃうんですよ!だから…」
「なぜ後ろを?」
「うぅ…後で話しましょうよ、今は…っ!」
それでもなお執拗に扱ってくる若領主に対抗しきれなくなり、ついに彼は顔を真っ赤にしながら告げる。
「中の…中に出されたものを掻き出さないと、だめなんです!体調を崩すって…でもそんなことをしている姿はあなたに見られたくないから、だからもう出ていってください…っあ!」
若領主の手は既に彼の後ろにある秘めた穴へと伸びていた。
つい先程まで若領主のものと彼自身の指を飲み込んでいたそこは柔らかく、すんなりと指を奥深くまで受け入れる。
「教えて…どうやればいい?」
「じ、自分でしますから…!もうやめて…」
「いいから、早く教えて」
彼は若領主の首にしがみつき、徐々に力の入らなくなる足でなんとか身体を支えながら観念したようにやり方を伝える。
若領主の指は彼の中を優しく撫でさすり続け、時々 ある一点へ触れると彼の身体は大きく跳ねる。
しばらくしてから、彼の太ももを1筋の白濁が流れていった。
中へ入れていた指はすっかり白濁に塗れていて、どうやら大方のものを掻き出すことができたようだ。
白濁に塗れた指、首にしがみついて息を荒らげる彼、そして押し付けられ続けている彼の下半身…。
若領主は弾かれたように彼を濡れた床に押し倒すと、そそり勃った自らのものを取り出した。
「あっ…んぅっ!だ、だめっ、今掻き出したばっかり…」
「分かってる、足を閉じていて…」
若領主は彼の両足を抱え込むと、ぴったりと閉じられた足の付根に自らのものを挿し込んだ。
「うぅ…っ!!あ、こんなっ…擦れて…っ!!」
お互いのしとどに濡れた熱く敏感な部分が擦り合わされ、手で扱うのとはまた異なる快感が根元から先端まで駆け巡る。
濡れた木の香りとしっとりとした空気が包み込む中で、2人の快感は頂点に達して弾けた。
「これからは2人で湯を浴びよう。その…あとのことも私がやってあげたい」
「いや!あの、それは自分でやるので…!!」
「というより、そもそもあまり奥にしないようにするから」
若領主が彼の濡れそぼった髪を撫でながら言うと、彼は若領主をぎゅっと抱き寄せながらくぐもった声で呟く。
「こうやって…後で出しさえすればいいんですもん…奥にするのは…やめないで…」
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