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第2章 内政
17話
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パトレシア視点
「私の名前はパトレシア。この国の新しい王妃です」
さっきまで威勢のよかった男の顔がみるみる青ざめていく。そして『しまった……!』と言いたげな表情で俯く。
「えっ、お姫様だったのですか?」
後ろにいた少女のリアンが口に手を当てて私を見つめる。まだ王妃になって日が浅いから知らない人もいるわよね。ましてやあの子達はまだ子供だし……
「貴方に子供の面倒を見る資格はありません。この子達は私が育てます!」
「なっ……そっ、そんな事できるわけ……」
「必ずこの子達を一人前にします!」
「…………ちっ、やれるもんならやってみやがれ!」
男は捨て台詞を吐くと、逃げるように店を飛び出して行った。
「えっと……私たちどうなるのですか?」
「安心して。私がみっちり薬草の知識を教えてあげる。店主はちゃんと信頼できる大人についてもらうわ。皆んな今までよく頑張ったわね。もう大丈夫だからね」
「パトレシア様……」
「パトレシア様ありがとう!」
子供達は泣きながら私に抱きつくと、何度もお礼を言ってくれた。本当に大変だったのね……
「さぁ、それじゃあ明日から頑張るわよ!」
「「「「はい!!!!」」」」
* * *
「ふぅ~ 疲れた~」
昼食を食べ終えた私は自分の部屋のベットにダイブすると、大きく伸びをした。あれから色々あって気がつくと数ヶ月が経過した。
「お疲れ様、本当によく頑張ったね」
マルクスは力尽きている私の隣に来ると、そっと頭に手を添えて撫でてくれた。こんな甘やかされている姿は子供達には見せられないわね……
「あの子達は本当にお利口よ。私が教えた事を一生懸命覚えようとするの」
子供の成長スピードは驚異的で驚かされる。薬の知識なら大人に負けないレベルだ。
「実は僕も一度だけ様子を見に行ったんだけど……凄い人数だね」
「うん、噂を聞きつけたみたいでね」
最近『ぜひここで働かせてほしい!』と志願する子も増えた。おかげでお店に顔を出すといつも賑やかな笑い声が聞こえる。
「なかなかあの人数の子供をまとめるのは大変そうだね……」
「心配しないで、リアンがいるから大丈夫よ」
リアンはまだ少女だけど面倒見がいい。ヤンチャな子の言い争いを止めたり、私が教えた事をみんなに丁寧に説明してくれる。本当によく出来たお姉さんね。
「イアンさんにもお礼を言っておかなくちゃ……」
大商人イアンの紹介で新しく来た店主は、50代後半のおばさんだった。いかにも子供の事が好きそうな優しい笑みを浮かべている。
もちろんお店の切り盛りも上手で、ここ最近の売り上げは右肩上がりだ。
「やっぱり子供はこの国の宝物ね……」
「そうだね……僕もいつか君と宝物を作りたいよ……」
マルクスは愛しむような目で私を見つめる。宝物を作る……宝=子供……えっそれってつまり⁉︎
言葉の意味を理解した瞬間、頬が火照り出して体が熱くなる。
「そっそうね、でっでも、今は忙しくて……」
「もちろん、パトレシアのタイミングがあると思うから、焦らないでね」
「うん、ありがとね」
急かしたり強制しないマルクスの紳士的な対応は素直に嬉しい。私は顔を近づけると、お礼の気持ちをこめて頬にキスをした。
甘ーい雰囲気が部屋に漂って自然と2人のスキンシップも増していく。でも、誰かが扉をノックした事で中断されてしまった……
「パトレシアお姉様、今度の建国祭の事で相談が……って何をしてるんんですか⁉︎」
部屋に入ってきたマルクスの弟のウィリアムが、呆れた表情で私たちを見比べる。
「あらウィリアム。いらっしゃい」
「いらっしゃい。じゃないですよお姉様! 昼間っからイチャイチャしないで下さい!」
ウィリアムはビシッと指をさして断言する。昔は私を見かけたらすぐに抱きついて来たのに……
「ねぇ、ウィリアム。ちょっと隣においで」
「えっ、なんですか?」
私は不満げなウィリアムに手招きをすると昔みたいに抱きしめてみた。
「ちょっ、何をするんですか!」
「ふふっ、いいじゃない。姉が弟を可愛がってるだけよ」
あの頃は簡単に包み込めたのに、今はしっかりと腕を伸ばさないといけない。本当に大きくなったわね……
「うぅ……ボクはもう子供じゃないのに……」
初めは抵抗していたけど、諦めたのか大人しくなった。それに文句を言いつつも、意外と嬉しそうな顔をしている。
「ウィリアム、建国祭の事で相談があるんだろ? そろそろパトレシアから離れたらどうだ?」
1人取り残されていたマルクスはやんわりと私たちを引き離す。そうだった相談事があったのよね。
「どの国に招待状を送るのか? 席はどうするのか? 何をするのか? 決めることは山ほどありますよ!」
建国祭……それは一年に一度の大イベント。この日は様々な国から多くの人が訪れる。商人にとっては最大の稼ぎ時だし、国民も他国の文化や技術に触れるいい機会となっている。
「細かい事は任せるよ。パトレシアは何がしたい?」
「そうね……少し考えさせて下さい」
せっかくの機会だし、何かイベントするのも楽しそうね。薬屋で働いているリアンや子供たちにも声をかけようかしら? 大商人のイアンと何か商売が出来たら楽しそうね。
建国祭まであと三ヶ月……まだ時間はある。私は腕を組むと軽く唸りながらアイデアを絞り出した。
* * *
グレイオス視点
ウェルタニア王国の国王グレイオスは、隣国から届いた建国祭の招待状を握りしめると、薄く笑みを浮かべた。
「アモン! いるか?」
「はい……なんですか?」
アモンと呼ばれた男は、いかにも不健康そうな顔をしていた。目の下には深いクマが出来て、頬もやつれている。おまけに足取りも悪くて今にも転びそうだった。
「お前に仕事を命じる。アルバード王国の新たな王妃になったパトレシアを亡き者にしてくれ。頼めるか?」
「お安いご用ですよ」
アモンは顔を上げるとニヤリと笑みを浮かべた。先ほどの気怠そうな態度とは打って変わり、獲物を見つけた猛獣の様に鋭い目を光らせた。
「期待してるぞ、殺し屋のアモン」
アモンは軽く一礼をすると、来た時と同じようにフラつく足取りで王室を出て行った。
「これであの国も終わりだ……立て続けに王妃が2人死ねば国は混乱する。その隙をついてアルバード王国をこの手に……」
グレイオスは欲望に眩んだ目でアモンの後ろ姿を見送ると、自分がアルバード王国を支配している姿を想像して頬を緩めた。
あいつなら今回も無事に仕事をこなしてくれるだろう。クレア妃を殺した時のように……
「私の名前はパトレシア。この国の新しい王妃です」
さっきまで威勢のよかった男の顔がみるみる青ざめていく。そして『しまった……!』と言いたげな表情で俯く。
「えっ、お姫様だったのですか?」
後ろにいた少女のリアンが口に手を当てて私を見つめる。まだ王妃になって日が浅いから知らない人もいるわよね。ましてやあの子達はまだ子供だし……
「貴方に子供の面倒を見る資格はありません。この子達は私が育てます!」
「なっ……そっ、そんな事できるわけ……」
「必ずこの子達を一人前にします!」
「…………ちっ、やれるもんならやってみやがれ!」
男は捨て台詞を吐くと、逃げるように店を飛び出して行った。
「えっと……私たちどうなるのですか?」
「安心して。私がみっちり薬草の知識を教えてあげる。店主はちゃんと信頼できる大人についてもらうわ。皆んな今までよく頑張ったわね。もう大丈夫だからね」
「パトレシア様……」
「パトレシア様ありがとう!」
子供達は泣きながら私に抱きつくと、何度もお礼を言ってくれた。本当に大変だったのね……
「さぁ、それじゃあ明日から頑張るわよ!」
「「「「はい!!!!」」」」
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「ふぅ~ 疲れた~」
昼食を食べ終えた私は自分の部屋のベットにダイブすると、大きく伸びをした。あれから色々あって気がつくと数ヶ月が経過した。
「お疲れ様、本当によく頑張ったね」
マルクスは力尽きている私の隣に来ると、そっと頭に手を添えて撫でてくれた。こんな甘やかされている姿は子供達には見せられないわね……
「あの子達は本当にお利口よ。私が教えた事を一生懸命覚えようとするの」
子供の成長スピードは驚異的で驚かされる。薬の知識なら大人に負けないレベルだ。
「実は僕も一度だけ様子を見に行ったんだけど……凄い人数だね」
「うん、噂を聞きつけたみたいでね」
最近『ぜひここで働かせてほしい!』と志願する子も増えた。おかげでお店に顔を出すといつも賑やかな笑い声が聞こえる。
「なかなかあの人数の子供をまとめるのは大変そうだね……」
「心配しないで、リアンがいるから大丈夫よ」
リアンはまだ少女だけど面倒見がいい。ヤンチャな子の言い争いを止めたり、私が教えた事をみんなに丁寧に説明してくれる。本当によく出来たお姉さんね。
「イアンさんにもお礼を言っておかなくちゃ……」
大商人イアンの紹介で新しく来た店主は、50代後半のおばさんだった。いかにも子供の事が好きそうな優しい笑みを浮かべている。
もちろんお店の切り盛りも上手で、ここ最近の売り上げは右肩上がりだ。
「やっぱり子供はこの国の宝物ね……」
「そうだね……僕もいつか君と宝物を作りたいよ……」
マルクスは愛しむような目で私を見つめる。宝物を作る……宝=子供……えっそれってつまり⁉︎
言葉の意味を理解した瞬間、頬が火照り出して体が熱くなる。
「そっそうね、でっでも、今は忙しくて……」
「もちろん、パトレシアのタイミングがあると思うから、焦らないでね」
「うん、ありがとね」
急かしたり強制しないマルクスの紳士的な対応は素直に嬉しい。私は顔を近づけると、お礼の気持ちをこめて頬にキスをした。
甘ーい雰囲気が部屋に漂って自然と2人のスキンシップも増していく。でも、誰かが扉をノックした事で中断されてしまった……
「パトレシアお姉様、今度の建国祭の事で相談が……って何をしてるんんですか⁉︎」
部屋に入ってきたマルクスの弟のウィリアムが、呆れた表情で私たちを見比べる。
「あらウィリアム。いらっしゃい」
「いらっしゃい。じゃないですよお姉様! 昼間っからイチャイチャしないで下さい!」
ウィリアムはビシッと指をさして断言する。昔は私を見かけたらすぐに抱きついて来たのに……
「ねぇ、ウィリアム。ちょっと隣においで」
「えっ、なんですか?」
私は不満げなウィリアムに手招きをすると昔みたいに抱きしめてみた。
「ちょっ、何をするんですか!」
「ふふっ、いいじゃない。姉が弟を可愛がってるだけよ」
あの頃は簡単に包み込めたのに、今はしっかりと腕を伸ばさないといけない。本当に大きくなったわね……
「うぅ……ボクはもう子供じゃないのに……」
初めは抵抗していたけど、諦めたのか大人しくなった。それに文句を言いつつも、意外と嬉しそうな顔をしている。
「ウィリアム、建国祭の事で相談があるんだろ? そろそろパトレシアから離れたらどうだ?」
1人取り残されていたマルクスはやんわりと私たちを引き離す。そうだった相談事があったのよね。
「どの国に招待状を送るのか? 席はどうするのか? 何をするのか? 決めることは山ほどありますよ!」
建国祭……それは一年に一度の大イベント。この日は様々な国から多くの人が訪れる。商人にとっては最大の稼ぎ時だし、国民も他国の文化や技術に触れるいい機会となっている。
「細かい事は任せるよ。パトレシアは何がしたい?」
「そうね……少し考えさせて下さい」
せっかくの機会だし、何かイベントするのも楽しそうね。薬屋で働いているリアンや子供たちにも声をかけようかしら? 大商人のイアンと何か商売が出来たら楽しそうね。
建国祭まであと三ヶ月……まだ時間はある。私は腕を組むと軽く唸りながらアイデアを絞り出した。
* * *
グレイオス視点
ウェルタニア王国の国王グレイオスは、隣国から届いた建国祭の招待状を握りしめると、薄く笑みを浮かべた。
「アモン! いるか?」
「はい……なんですか?」
アモンと呼ばれた男は、いかにも不健康そうな顔をしていた。目の下には深いクマが出来て、頬もやつれている。おまけに足取りも悪くて今にも転びそうだった。
「お前に仕事を命じる。アルバード王国の新たな王妃になったパトレシアを亡き者にしてくれ。頼めるか?」
「お安いご用ですよ」
アモンは顔を上げるとニヤリと笑みを浮かべた。先ほどの気怠そうな態度とは打って変わり、獲物を見つけた猛獣の様に鋭い目を光らせた。
「期待してるぞ、殺し屋のアモン」
アモンは軽く一礼をすると、来た時と同じようにフラつく足取りで王室を出て行った。
「これであの国も終わりだ……立て続けに王妃が2人死ねば国は混乱する。その隙をついてアルバード王国をこの手に……」
グレイオスは欲望に眩んだ目でアモンの後ろ姿を見送ると、自分がアルバード王国を支配している姿を想像して頬を緩めた。
あいつなら今回も無事に仕事をこなしてくれるだろう。クレア妃を殺した時のように……
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