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3話 前半 不良に絡まれたから返り討ちにする
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ロレッタ視点
「やっと終わった~」
長かった1日が終わり私は背中を伸ばした。真面目に授業を受けたのなんていつぶりかな? 前世では退屈な授業は抜け出して校庭裏でサボるのが日課だった。でも、今は違う。
私はロレッタ。ロレッタお嬢様よ。喧嘩に明け暮れた日々とはおさらばしましょう!
「カトリーヌ、今日はありがとね」
「うん、またね、ロレッタ」
荷物をまとめて校庭に向かうと、ちょうど校門を出た辺りでメイドさんが待っていてくれた。
「お疲れ様でしたお嬢様。さぁ、帰りましょう」
メイドさんは私の横に並ぶとゆっくりと歩き始めた。ヨーロッパ風の街並みは本当にロマンチックで美しい。そこに住んでいる人もおしゃれで凄くいい!
キョロキョロと街を見渡していると、1匹の白猫と目があった。あれ? どこかで見覚えがあるような……
白猫は私の足元に駆け寄ると「にゃ~」っと可愛らしく鳴いて見上げてきた。その瞳は金色と青色のオットアイだった。
「貴方……もしかして私が助けようとした白猫?」
「にゃぁ~ にゃぁ~」
白猫は小さな声で鳴と、路地裏の方に向かっていた。そしてクルリと私の方を向いてまた可愛らしく「にゃぁ~」っと鳴いた。
(もしかして私を呼んでるの?)
「すみません、ちょっと寄るところがあるので先に帰っていて下さい!」
「えっ、お待ちくださいお嬢様!」
私はメイドさんに荷物を預けると、白猫の後を追いかけた。
* * *
カトリーヌ視点
(ロレッタ……助けて)
薄暗い広場に連れてかれたカトリーヌは、心の中で助けを叫んだ。一体どうしてこんな事に? あれは家に帰ろうとした時だった……
数時間前
「おい、お前、ロレッタの友達だろ? ちょっと来い!」
校門を出た辺りで突然、5人の強面な男が私の前に現れて道を塞いだ。そして強引に腕を掴まれた。なんとか振り解こうとしたけど女子の力ではとても男性には勝てない……
「やめて下さい! 離して下さい!」
「うるさい黙れ!」
必死に抵抗してみたけど、男たちに怒鳴られてそれ以上言葉が出てこなかった。あまりの恐ろしさに足が震えて涙が溢れてくる。
「ほら歩け!」
仕方なくついていくと、薄暗い広場に辿りついた。一体何が起きるの?
「ここで大人しくしていろ!」
男たちに乱暴に突き飛ばされて、私は柱に縛り付けられた。
「おい、お前ら、ロレッタを連れてこい。早くしないとお友達が酷い事になると脅してやれ」
「「「「了解です」」」」
男たちは薄暗い広場を出ようとしたが、ふと足を止めた。
「リーダー、どうやら呼びに行く必要はなかったようです」
下っぱの男が背の高い茶髪のリーダーらしき男に話しかける。まさかと思って顔をあげると……
「ちょっと! 私の友達に何してるの!?」
「ロレッタ!?」
何故かオットアイの白猫を抱き抱えたロレッタが現れた。どうしてここが分かったの?
「カトリーヌ、今すぐ助けるからちょっと待っていて!」
ロレッタは白猫を下ろして指を鳴らす。そして殺気に満ちた目で男たちを睨みつけた。
「ねぇ……私の大切な友達に何をしたの? 覚悟は出来てるよね?」
「やっと終わった~」
長かった1日が終わり私は背中を伸ばした。真面目に授業を受けたのなんていつぶりかな? 前世では退屈な授業は抜け出して校庭裏でサボるのが日課だった。でも、今は違う。
私はロレッタ。ロレッタお嬢様よ。喧嘩に明け暮れた日々とはおさらばしましょう!
「カトリーヌ、今日はありがとね」
「うん、またね、ロレッタ」
荷物をまとめて校庭に向かうと、ちょうど校門を出た辺りでメイドさんが待っていてくれた。
「お疲れ様でしたお嬢様。さぁ、帰りましょう」
メイドさんは私の横に並ぶとゆっくりと歩き始めた。ヨーロッパ風の街並みは本当にロマンチックで美しい。そこに住んでいる人もおしゃれで凄くいい!
キョロキョロと街を見渡していると、1匹の白猫と目があった。あれ? どこかで見覚えがあるような……
白猫は私の足元に駆け寄ると「にゃ~」っと可愛らしく鳴いて見上げてきた。その瞳は金色と青色のオットアイだった。
「貴方……もしかして私が助けようとした白猫?」
「にゃぁ~ にゃぁ~」
白猫は小さな声で鳴と、路地裏の方に向かっていた。そしてクルリと私の方を向いてまた可愛らしく「にゃぁ~」っと鳴いた。
(もしかして私を呼んでるの?)
「すみません、ちょっと寄るところがあるので先に帰っていて下さい!」
「えっ、お待ちくださいお嬢様!」
私はメイドさんに荷物を預けると、白猫の後を追いかけた。
* * *
カトリーヌ視点
(ロレッタ……助けて)
薄暗い広場に連れてかれたカトリーヌは、心の中で助けを叫んだ。一体どうしてこんな事に? あれは家に帰ろうとした時だった……
数時間前
「おい、お前、ロレッタの友達だろ? ちょっと来い!」
校門を出た辺りで突然、5人の強面な男が私の前に現れて道を塞いだ。そして強引に腕を掴まれた。なんとか振り解こうとしたけど女子の力ではとても男性には勝てない……
「やめて下さい! 離して下さい!」
「うるさい黙れ!」
必死に抵抗してみたけど、男たちに怒鳴られてそれ以上言葉が出てこなかった。あまりの恐ろしさに足が震えて涙が溢れてくる。
「ほら歩け!」
仕方なくついていくと、薄暗い広場に辿りついた。一体何が起きるの?
「ここで大人しくしていろ!」
男たちに乱暴に突き飛ばされて、私は柱に縛り付けられた。
「おい、お前ら、ロレッタを連れてこい。早くしないとお友達が酷い事になると脅してやれ」
「「「「了解です」」」」
男たちは薄暗い広場を出ようとしたが、ふと足を止めた。
「リーダー、どうやら呼びに行く必要はなかったようです」
下っぱの男が背の高い茶髪のリーダーらしき男に話しかける。まさかと思って顔をあげると……
「ちょっと! 私の友達に何してるの!?」
「ロレッタ!?」
何故かオットアイの白猫を抱き抱えたロレッタが現れた。どうしてここが分かったの?
「カトリーヌ、今すぐ助けるからちょっと待っていて!」
ロレッタは白猫を下ろして指を鳴らす。そして殺気に満ちた目で男たちを睨みつけた。
「ねぇ……私の大切な友達に何をしたの? 覚悟は出来てるよね?」
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