23 / 30
第3章 深まる愛編
23 壊れないノームのマグカップ ヘクター
しおりを挟む
お日様がてっぺんに昇る前、ちょっとは暑さがましな開店して間もなく――
筋骨隆々とした逞しいおじ様が、魔法雑貨屋『天使のはしご』にいらっしゃいました。
「いらっしゃいませ」
「マグカップが見たいんだ。ノームが作った品があると聞いてな」
「はい。こちらがノームのマグカップです。本当に割れにくいんですよ。ゆっくりご覧ください」
そうは言っても割れ物なので、とても慎重に手に取られていますね。見た目はとても厳ついですが、繊細でお優しそうな方です。
時々唸ったり頷いたりしていましたが、なかなか決まらないみたいですね。
「プレゼントをお選びですか? よろしければ、少しこちらで休憩してください」
夏の定番。香ばしく焙煎された麦茶で一服しましょう。
「長居して悪いな。家内のマグカップを割ってしまったから、急いで代わりの物を買って帰ろうとしていたのだが、どれがいいのかさっぱり選べん」
「自分の物を選ぶより難しいですから、仕方ありませんよ」
こちらの方はヘクターさん。最近子どもたちが巣立ち、奥様と二人暮らしになったそうです。
「奥様の好みはどんな感じでしょうか?」
「わからん……。どれを選んでもダメ出しされそうだ……」
そうこうしている内に、ヘクターさんがお仕事へ向かう時間になりかけていました。
「反省しているのを伝えるためにも、早く行動に移したかったんだ……。一度家に戻って弁当を受け取る時に、サッとカップを渡そうと考えていたんだがな……」
そのお気持ちだけでも、なんとか奥様に伝えられないでしょうか……。
「そうです! 一分でギフト券を作りますから、そちらを奥様にプレゼントしてください! ノームシリーズのマグカップは全部お値段は同じですから、奥様に好きな物をお選びいただけますよ!」
「それは良い! よし、そのギフト券とやらをもらおう!」
上質なカードにカリグラフィーを施し、『天使のはしご』オリジナルギフト券を作ってみました。
これが好評でしたら、今後も皆さんにオススメしてみるのもいいかもしれません。
綺麗な花模様の封筒に入れヘクターさんにお渡しすると、それはそれは喜んでくれました。
「あの、ヘクターの妻ですが、これを渡されたもので……」
昼前には訝しげにギフト券を持った、ヘクターさんの奥様がいらっしゃいました。
「これは、本当にこちらで使えるの?」
「はい。ヘクターさんが今朝方お求めになったのです。どうぞ、ノームのマグカップの中から、お好きな物をお選びください」
「そうなのね……。――うん、これにするわ……」
今もどこか腑に落ちていない表情でしたが、奥様はささやかに植物が描かれた、白いシンプルなマグカップを即決されました。
ラッピングをし手提げに入れた時、おずおずと疑問を口にしてくれました。
「あの……、主人はなんと言ってこれを買いに来たの?」
「奥様のカップを割ってしまったから、すぐに代わりの物が欲しいと。ただ、とても迷って時間がなくなってしまったので、私がギフト券を提案したのです」
ヘクターさんの様子を聞いた奥様は、少しあきれ顔で、でも、どことなく愛おしそうに話し始めました。
「そう……。娘たちも嫁いで、主人の仕事も若い人にほとんど譲ったから、今は週二、三日しか仕事場に行かないの。あの人が家に居るようになったその時間がね……」
「その時間が?」
「苦痛だったのよ」
私は予想だにしないお応えに、雷に打たれた様に固まってしまいました。
ですが、動揺をさとられてはいけませんね。ここはまずお客様の気持ちを傾聴して、スッキリしていただくことに専念しましょう。
「時間をもて余すのか、家事に手を出しては失敗ばかりで、余計な仕事を増やすだけ。洗い物をしてみれば私のカップを壊すし」
まあ! ヘクターさんはマグカップ以外でも、奥様のご機嫌を損ねる事をしでかしていたのですね!
「今までは、日々の出来事なんかを娘たちに話せていたのに、二人きりになってそれ程会話もないし……。子どもたちが緩衝材になってくれていたのよ」
子はかすがいですし、娘さんたちならきっと、お母さんとたくさんお話しをしてきたのでしょう。
「長く家に居られてもイライラしちゃってね。どちらかが出掛けていないと、ため息ばかりが出てくるのよ」
そんな時、ご主人はおもむろに、『ゆっくり夫婦の時間を送れると思っていた……』と呟いたそうです。
「何を今さらと思ったわ。今までわがままも言わずに頑張ってきたんだから、いい加減自由にさせてってね」
そりゃそうですよね。奥様だって、妻業からも嫁業からも少しお休みしたってバチは当たりません。
「でも、あの人なりに私を想ってくれていたのよね……。不器用な人で、対応するのが面倒だったでしょう?」
「とんでもないです。お贈りする相手を想って真剣に悩むお姿に、お優しい方だなと思っていました」
カップを割ってしまった申し訳なさと、新しい物をお渡しした時の期待と不安で、ヘクターさんの大きな体ははち切れそうだったはずです。
「悪い人ではないのよ。――本当、このカップは壊れそうにないわね……」
愚痴を語り終えて、奥様のイライラが軽減されたのかもしれません。
「はい。品質は保証します」
「ありがとう。あんな熊みたいな人でも、可愛いところがあったって思い出せたわ」
そう言った奥様は、ご機嫌でマグカップを持ってお店を出ました。
「家内は来たのか?」
「はい。あの後すぐにいらっしゃり、無事に選んでお帰りになりましたよ」
不安だったのでしょう。仕事帰りのヘクターさんが、『天使のはしご』に顔を出してくれました。
全てはお伝えできませんが、ヘクターさんからのギフト券を喜んでいたと付け加えておきます。
「そうか……よかった……。俺はな、娘たちが巣だっても家内がいればいいと思っていた。それなのにあいつは、暇さえあれば近所で世間話をし、楽しそうに今までしてこなかった習い事を始めたりして、ゆっくり二人で過ごす時間なんてなかった」
二人の時間を楽しみにしていたヘクターさんと、やっと自分の時間を得られたと外に出たい奥様。どちらのお気持ちもよくわかります。
「習い事から帰って飯の支度をすれば、簡単な料理しか作らない。挙げ句、俺の苦手な野菜ばかりを出すんだ。思い描いていたリタイア後とまったく違い、俺は苛立っていた」
『俺に草しか食うなって言ってんのか!』
『あんたの無駄にデカイ体を考えて料理してるの! それに、あたしはやっとできた自由時間を楽しんでるだけよ!』
そんな風にギクシャクしていた時、奥様が倒れてしまったそうです。
「俺は家の事は全部任せっぱなしにしてきたから、何一つ家事ができなかった。自分の着替えが何処に入っているのかさえ知らなかったんだ」
「そうでしたか」
幸い奥様は、軽い貧血ですぐにお元気になられたそうですが、そこからさらなるヘクターさんの空回りが始まったそうです。
「焦った俺は、少しでも家内に安心してもらおうと家の事をやってみた。『余計な事はしないで』と言われたが、俺だってできるとムキになってやり続けた。でも、一朝一夕で上手くこなせる訳がない」
それはそうですよね。いきなり始めても、奥様みたいにはこなせません。家事を軽視しすぎなのです。
そう出てきそうなのを我慢し、ここでも聞き役に徹します。
「洗濯は服をボロボロにして失敗するし、面白そうだし自信があった料理はからっきしダメ。単純だと考えていた洗い物でさえ、家内のお気に入りのカップを壊す始末でな」
「だから朝一番で、ここにいらしたのですね」
趣味を作ろうとすれば“二人の時間が”とイジイジされ、健康面を考えればイライラされ、さらに家の中は引っ掻き回され、奥様は余程溜め込んでいたのでしょう。
ですが、そもそもヘクターさんは新生活を前向きに捉えての行動が多い方なので、なんとも複雑な気持ちになりますね。
「俺が割ったカップは、付き合う前の家内に重くない贈り物をと、一生懸命考えて渡した物だったと気づいたんだ。だが、大切に使ってくれていた喜びも、壊した詫びを口にすることも出来ず、とにかく新しい物を買って渡さねばとここに駆け込んだ。――三十年以上も割らずに使ってくれていたのに、最後に壊したのが俺なんてな……」
大きな体がみるみる小さくなってしまいました。ここは励ましませんと!
「奥様はずっと、ヘクターさんとの生活もカップの思い出も、守ってきてくれたのですね」
「ああ。俺が外で稼ぐだけだったのに、あいつは多くの事に気を回して大変だったろう。近所やら、俺の職場やら、娘たちのことやら、家のことやら、自由な時間なんてなかったはずだ。この歳になってわかるなんて、あいつからすれば腹が立つだろうな……」
「それでも、一緒に家庭を築いてきた年月は失われませんし、物は変わっても、カップへ込めた気持ちは変わってないのですよね? 奥様も、昔を思い出されたようですよ?」
「そうか……。――よし、もう一度考えを伝えてみるか! 家内との時間はまだまだあるんだ。焦らずあいつの話しも聞きながら、二人で何とかやってくさ!」
「奥様にお送りしたノームのマグカップは、たとえ剛力な男性が扱っても割れません。今までお二人が築いたご関係のように頑丈なのです」
「ありがとう。色々気を遣わせたな」
少し照れくさそうにして笑うヘクターさん。
私には、お二人が仲良く台所に立つ姿が見えたような気がしました。
「いらっしゃいませ」
今日も魔法雑貨屋『天使のはしご』に、わけありっぽいお客さんがやって来ました――
筋骨隆々とした逞しいおじ様が、魔法雑貨屋『天使のはしご』にいらっしゃいました。
「いらっしゃいませ」
「マグカップが見たいんだ。ノームが作った品があると聞いてな」
「はい。こちらがノームのマグカップです。本当に割れにくいんですよ。ゆっくりご覧ください」
そうは言っても割れ物なので、とても慎重に手に取られていますね。見た目はとても厳ついですが、繊細でお優しそうな方です。
時々唸ったり頷いたりしていましたが、なかなか決まらないみたいですね。
「プレゼントをお選びですか? よろしければ、少しこちらで休憩してください」
夏の定番。香ばしく焙煎された麦茶で一服しましょう。
「長居して悪いな。家内のマグカップを割ってしまったから、急いで代わりの物を買って帰ろうとしていたのだが、どれがいいのかさっぱり選べん」
「自分の物を選ぶより難しいですから、仕方ありませんよ」
こちらの方はヘクターさん。最近子どもたちが巣立ち、奥様と二人暮らしになったそうです。
「奥様の好みはどんな感じでしょうか?」
「わからん……。どれを選んでもダメ出しされそうだ……」
そうこうしている内に、ヘクターさんがお仕事へ向かう時間になりかけていました。
「反省しているのを伝えるためにも、早く行動に移したかったんだ……。一度家に戻って弁当を受け取る時に、サッとカップを渡そうと考えていたんだがな……」
そのお気持ちだけでも、なんとか奥様に伝えられないでしょうか……。
「そうです! 一分でギフト券を作りますから、そちらを奥様にプレゼントしてください! ノームシリーズのマグカップは全部お値段は同じですから、奥様に好きな物をお選びいただけますよ!」
「それは良い! よし、そのギフト券とやらをもらおう!」
上質なカードにカリグラフィーを施し、『天使のはしご』オリジナルギフト券を作ってみました。
これが好評でしたら、今後も皆さんにオススメしてみるのもいいかもしれません。
綺麗な花模様の封筒に入れヘクターさんにお渡しすると、それはそれは喜んでくれました。
「あの、ヘクターの妻ですが、これを渡されたもので……」
昼前には訝しげにギフト券を持った、ヘクターさんの奥様がいらっしゃいました。
「これは、本当にこちらで使えるの?」
「はい。ヘクターさんが今朝方お求めになったのです。どうぞ、ノームのマグカップの中から、お好きな物をお選びください」
「そうなのね……。――うん、これにするわ……」
今もどこか腑に落ちていない表情でしたが、奥様はささやかに植物が描かれた、白いシンプルなマグカップを即決されました。
ラッピングをし手提げに入れた時、おずおずと疑問を口にしてくれました。
「あの……、主人はなんと言ってこれを買いに来たの?」
「奥様のカップを割ってしまったから、すぐに代わりの物が欲しいと。ただ、とても迷って時間がなくなってしまったので、私がギフト券を提案したのです」
ヘクターさんの様子を聞いた奥様は、少しあきれ顔で、でも、どことなく愛おしそうに話し始めました。
「そう……。娘たちも嫁いで、主人の仕事も若い人にほとんど譲ったから、今は週二、三日しか仕事場に行かないの。あの人が家に居るようになったその時間がね……」
「その時間が?」
「苦痛だったのよ」
私は予想だにしないお応えに、雷に打たれた様に固まってしまいました。
ですが、動揺をさとられてはいけませんね。ここはまずお客様の気持ちを傾聴して、スッキリしていただくことに専念しましょう。
「時間をもて余すのか、家事に手を出しては失敗ばかりで、余計な仕事を増やすだけ。洗い物をしてみれば私のカップを壊すし」
まあ! ヘクターさんはマグカップ以外でも、奥様のご機嫌を損ねる事をしでかしていたのですね!
「今までは、日々の出来事なんかを娘たちに話せていたのに、二人きりになってそれ程会話もないし……。子どもたちが緩衝材になってくれていたのよ」
子はかすがいですし、娘さんたちならきっと、お母さんとたくさんお話しをしてきたのでしょう。
「長く家に居られてもイライラしちゃってね。どちらかが出掛けていないと、ため息ばかりが出てくるのよ」
そんな時、ご主人はおもむろに、『ゆっくり夫婦の時間を送れると思っていた……』と呟いたそうです。
「何を今さらと思ったわ。今までわがままも言わずに頑張ってきたんだから、いい加減自由にさせてってね」
そりゃそうですよね。奥様だって、妻業からも嫁業からも少しお休みしたってバチは当たりません。
「でも、あの人なりに私を想ってくれていたのよね……。不器用な人で、対応するのが面倒だったでしょう?」
「とんでもないです。お贈りする相手を想って真剣に悩むお姿に、お優しい方だなと思っていました」
カップを割ってしまった申し訳なさと、新しい物をお渡しした時の期待と不安で、ヘクターさんの大きな体ははち切れそうだったはずです。
「悪い人ではないのよ。――本当、このカップは壊れそうにないわね……」
愚痴を語り終えて、奥様のイライラが軽減されたのかもしれません。
「はい。品質は保証します」
「ありがとう。あんな熊みたいな人でも、可愛いところがあったって思い出せたわ」
そう言った奥様は、ご機嫌でマグカップを持ってお店を出ました。
「家内は来たのか?」
「はい。あの後すぐにいらっしゃり、無事に選んでお帰りになりましたよ」
不安だったのでしょう。仕事帰りのヘクターさんが、『天使のはしご』に顔を出してくれました。
全てはお伝えできませんが、ヘクターさんからのギフト券を喜んでいたと付け加えておきます。
「そうか……よかった……。俺はな、娘たちが巣だっても家内がいればいいと思っていた。それなのにあいつは、暇さえあれば近所で世間話をし、楽しそうに今までしてこなかった習い事を始めたりして、ゆっくり二人で過ごす時間なんてなかった」
二人の時間を楽しみにしていたヘクターさんと、やっと自分の時間を得られたと外に出たい奥様。どちらのお気持ちもよくわかります。
「習い事から帰って飯の支度をすれば、簡単な料理しか作らない。挙げ句、俺の苦手な野菜ばかりを出すんだ。思い描いていたリタイア後とまったく違い、俺は苛立っていた」
『俺に草しか食うなって言ってんのか!』
『あんたの無駄にデカイ体を考えて料理してるの! それに、あたしはやっとできた自由時間を楽しんでるだけよ!』
そんな風にギクシャクしていた時、奥様が倒れてしまったそうです。
「俺は家の事は全部任せっぱなしにしてきたから、何一つ家事ができなかった。自分の着替えが何処に入っているのかさえ知らなかったんだ」
「そうでしたか」
幸い奥様は、軽い貧血ですぐにお元気になられたそうですが、そこからさらなるヘクターさんの空回りが始まったそうです。
「焦った俺は、少しでも家内に安心してもらおうと家の事をやってみた。『余計な事はしないで』と言われたが、俺だってできるとムキになってやり続けた。でも、一朝一夕で上手くこなせる訳がない」
それはそうですよね。いきなり始めても、奥様みたいにはこなせません。家事を軽視しすぎなのです。
そう出てきそうなのを我慢し、ここでも聞き役に徹します。
「洗濯は服をボロボロにして失敗するし、面白そうだし自信があった料理はからっきしダメ。単純だと考えていた洗い物でさえ、家内のお気に入りのカップを壊す始末でな」
「だから朝一番で、ここにいらしたのですね」
趣味を作ろうとすれば“二人の時間が”とイジイジされ、健康面を考えればイライラされ、さらに家の中は引っ掻き回され、奥様は余程溜め込んでいたのでしょう。
ですが、そもそもヘクターさんは新生活を前向きに捉えての行動が多い方なので、なんとも複雑な気持ちになりますね。
「俺が割ったカップは、付き合う前の家内に重くない贈り物をと、一生懸命考えて渡した物だったと気づいたんだ。だが、大切に使ってくれていた喜びも、壊した詫びを口にすることも出来ず、とにかく新しい物を買って渡さねばとここに駆け込んだ。――三十年以上も割らずに使ってくれていたのに、最後に壊したのが俺なんてな……」
大きな体がみるみる小さくなってしまいました。ここは励ましませんと!
「奥様はずっと、ヘクターさんとの生活もカップの思い出も、守ってきてくれたのですね」
「ああ。俺が外で稼ぐだけだったのに、あいつは多くの事に気を回して大変だったろう。近所やら、俺の職場やら、娘たちのことやら、家のことやら、自由な時間なんてなかったはずだ。この歳になってわかるなんて、あいつからすれば腹が立つだろうな……」
「それでも、一緒に家庭を築いてきた年月は失われませんし、物は変わっても、カップへ込めた気持ちは変わってないのですよね? 奥様も、昔を思い出されたようですよ?」
「そうか……。――よし、もう一度考えを伝えてみるか! 家内との時間はまだまだあるんだ。焦らずあいつの話しも聞きながら、二人で何とかやってくさ!」
「奥様にお送りしたノームのマグカップは、たとえ剛力な男性が扱っても割れません。今までお二人が築いたご関係のように頑丈なのです」
「ありがとう。色々気を遣わせたな」
少し照れくさそうにして笑うヘクターさん。
私には、お二人が仲良く台所に立つ姿が見えたような気がしました。
「いらっしゃいませ」
今日も魔法雑貨屋『天使のはしご』に、わけありっぽいお客さんがやって来ました――
10
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説

求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
待鳥園子
恋愛
グレンジャー伯爵令嬢ウェンディは父が友人に裏切られ、社交界デビューを目前にして無一文になってしまった。
父は異国へと一人出稼ぎに行ってしまい、行く宛てのない姉を心配する弟を安心させるために、以前邸で働いていた竜騎士を頼ることに。
彼が働くアレイスター竜騎士団は『恋愛禁止』という厳格な規則があり、そのため若い女性は働いていない。しかし、ウェンディは竜力を持つ貴族の血を引く女性にしかなれないという『子竜守』として特別に採用されることになり……。
子竜守として働くことになった没落貴族令嬢が、不器用だけどとても優しい団長と恋愛禁止な竜騎士団で働くために秘密の契約結婚をすることなってしまう、ほのぼの子竜育てありな可愛い恋物語。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
女嫌いな騎士団長が味わう、苦くて甘い恋の上書き
待鳥園子
恋愛
「では、言い出したお前が犠牲になれ」
「嫌ですぅ!」
惚れ薬の効果上書きで、女嫌いな騎士団長が一時的に好きになる対象になる事になったローラ。
薬の効果が切れるまで一ヶ月だし、すぐだろうと思っていたけれど、久しぶりに会ったルドルフ団長の様子がどうやらおかしいようで!?
※来栖もよりーぬ先生に「30ぐらいの女性苦手なヒーロー」と誕生日プレゼントリクエストされたので書きました。

婚約破棄された地味姫令嬢は獣人騎士団のブラッシング係に任命される
安眠にどね
恋愛
社交界で『地味姫』と嘲笑されている主人公、オルテシア・ケルンベルマは、ある日婚約破棄をされたことによって前世の記憶を取り戻す。
婚約破棄をされた直後、王城内で一匹の虎に出会う。婚約破棄と前世の記憶と取り戻すという二つのショックで呆然としていたオルテシアは、虎の求めるままブラッシングをしていた。その虎は、実は獣人が獣の姿になった状態だったのだ。虎の獣人であるアルディ・ザルミールに気に入られて、オルテシアは獣人が多く所属する第二騎士団のブラッシング係として働くことになり――!?
【第16回恋愛小説大賞 奨励賞受賞。ありがとうございました!】

大好きな婚約者に「距離を置こう」と言われました
ミズメ
恋愛
感情表現が乏しいせいで""氷鉄令嬢""と呼ばれている侯爵令嬢のフェリシアは、婚約者のアーサー殿下に唐突に距離を置くことを告げられる。
これは婚約破棄の危機――そう思ったフェリシアは色々と自分磨きに励むけれど、なぜだか上手くいかない。
とある夜会で、アーサーの隣に見知らぬ金髪の令嬢がいたという話を聞いてしまって……!?
重すぎる愛が故に婚約者に接近することができないアーサーと、なんとしても距離を縮めたいフェリシアの接近禁止の婚約騒動。
○カクヨム、小説家になろうさまにも掲載/全部書き終えてます
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる