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第1章 恋人未満編
5 放火魔と野良猫の親分 カイ
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魔法雑貨屋『天使のはしご』は本日定休日。
私セルマは、買い出しのため王都の街に出ています。お客さんを呼び込む威勢のいい声に、こちらの気分も自然と上がってきますね。
品揃えのいい店先に目を奪われていると、私の後をつけてくる気配がしました。振り返って確認しても、姿は見えません。
「うーん?」
私が頭をひねっていると、足下から鳴き声が聞こえてきました。
「ニャア」
「まあ、猫さんでしたか」
どうやら私をつけていたのは、このベンガル種の様な猫さんだったみたいです。
喉を鳴らしながら顔をスリスリと、私の足に擦りつけてきます。
そういえば前世でも、動物にはよく懐かれていたかもしれません。
歌舞伎町のネズミさんたちが、私についてきたこともありました。
私は生き物好きだからかまわないのですが、向かいから歩いてきた女性が悲鳴を上げていましたね……。
この猫さんも、私の後をずっとついてきます。お店の中に入って買い物をするのは、あきらめるしかなさそうです。
「お家に帰らなくていいのですか?」
私は小さい声で猫さんに話しかけます。普通に話しかけると、可哀想な人と思われてしまうからです。
「ニャー」
どうやらこの猫さんは、まだついてくる気のようです。お腹でも空いているのでしょうか?
最低限の買い出しは終えていたので、一度『天使のはしご』に戻ることにしました。
「どうぞお入りください」
「ニャ」
すんなりお店の中に入ってきたので、ミルクを差し上げます。
もし、この猫さんにお困りごとがあってついてきたのなら……。こんな時、動物と会話ができたらいいですよね……。
私が猫さんのお話しを聞かせてほしいと思うと、意外と太い声で猫さんがしゃべりはじめました。
『ミルクごちそうさん。うまかった。俺はカイ。この辺りの野良猫を仕切っている』
「カイさんは、野良猫さんたちの親分ということですか?」
『ま、そんな感じだ。だが、俺たち野良猫にとって、最近悔しいことがあってな……』
やはり、なにか悩んでいました。カイさんの話を聞くと、どうやら野良猫さんたちの保護活動をしている団体の代表者さんの家が火事に遭い、家を失ってしまったそうです。
『それでも毎日変わらずに、俺たちの世話をしに来る』
「愛情深い方なのですね」
『ありがたいことだ。だがな、許せないことがある。火事の原因は放火だ。仲間で見た奴がいる。放火魔の仕業だと猫たちは知っているのに、俺たちは猫だ。奴を取り押さえることも、騎士につき出すこともできない……。なんて無力なんだ……』
カイさんが、尻尾をダラリとさげてしまいました。私はカイさんたちの力になりたいです。
それに、放火魔を野放しにはできません。
「分かりました! 私がその放火魔を捕まえましょう!!」
『いっ、いや。その方向であんたの力を借りたいとは思わないさ』
「……」
そうですよね。おじいさんの脚力に負けるくらいですから、私が放火魔を捕まえるなんて無理な話ですよね……。
ですが、私には神様からいただいた願う力があるのです。
「カイさん! なんとかなりますから行きましょう! その放火魔を一刻も早く捕まえないと!」
『あんたで大丈夫なのか? まったく強そうには見えないぞ?』
「大丈夫です! 大船にドドンと乗ったつもりで、私を放火魔のところへ連れて行ってください!」
不安がるカイさんを言いくるめ、放火魔の住むお家に来ました。豪奢なお屋敷です。これはかなり身分の高い人が住んでいるはず……。
臆する気持ちを追い払い、私は手を合わせて願いました。
『野良猫さんたちと代表者さんのためにも、放火魔を捕まえたいです』
『あんた……。なんなんだ、そのポーズは?』
「えっ? おかしいですか? お願いごとをしていたのですが」
「なにを一人でしゃべっている? 猫と会話でもしているのか?」
「ひょえっ!」
言わずとも知れた隊長さんです。
『そいつ騎士だろ? あんた通訳してくれよ。俺が放火魔の特徴を教えてやる。で、そいつに捕まえさせればいいだろ?』
「隊長さんが放火魔を?」
「放火魔だと? 今度はなにに首をつっこんでいる?」
私がカイさんと会話していることを引いたりしない隊長さんに、カイさんの話を説明しました。
「お前は猫と話せるのか?」
「あ、試作品の道具なんです。まだ研究段階みたいでして……」
「そうか。あの一連の火災には、事件性があると騎士団でも考えていた。情報があるなら助かる。しかし、この家は……」
うまく隊長さんを誤魔化せたようで、胸を撫で下ろしました。しかし、ここはやはり高貴な方のお屋敷みたいです。
「現行犯で取り押さえねばならないな。今夜騎士を連れて張り込みをする。夜になったら『天使のはしご』に迎えに行くから、準備をしていてくれ」
「分かりました」
「ニャ」
夜半、隊長さんがお店まで迎えに来てくれました。
野良猫の親分カイさんと隊長さんと私は、昼間行ったお屋敷を一緒に見張ります。
『出てきたぞ。あいつが犯人だ』
「隊長さん。カイさんは、あの人が犯人だと言っています」
「分かった。火をつけようとするまで尾行するぞ」
男が油を撒き散らし、火魔石を使用した威力のある炎塊を投げ込もうとしています! 隊長さんが騎士様たちに、手で合図を送りました!
「放火魔め! 覚悟しろ!」
「ドリャアーー!」
隊長さんの部下の騎士様たちが、男を捕らえようと一斉に飛び出しました!
「チッ」
どうしてこうなるのでしょうか? 逃げ出した放火魔が私の方に向かってきます!
「邪魔だ! クソアマ!」
切羽詰まった放火魔が、私に向かって炎塊を投げつけてきました! 私は自分の身を守る力を、神様からもらっていません!
「………………。ん?」
「大丈夫だ。目を開けろ」
隊長さんの声がして、咄嗟に瞑っていた目をおそるおそる開けます……。火魔石がカチンコチンに凍りつき、地面に転がっていました……。
『あいつスゲエな。たいした早業だ』
カイさんが隊長さんの方を見ながら言いました。飛んできた炎を隊長さんが魔法で凍らせ、私を守ってくれたみたいです。
さらに、放火魔の膝から下も凍りつき、身動きが封じられていました。
「ありがとうございました」
「こちらこそ礼を言う。雑貨屋のお陰で、さらなる犯行を未然に防ぐことができた」
『おっと、俺は仲間たちに、放火魔が捕まったって報告しに行くな。また店に面出すよ』
放火魔を捕まえた騎士様たちとカイさんが、事件現場を離れていきます。
「隊長ー。先にこいつを連行しておきまーす」
「ああ、頼んだ。俺は彼女を送ってから向かう」
「なぜ、お前は手を合わせるのだ?」
「はい?」
二人でお店に戻る道すがら、唐突に隊長さんから質問され、最初はなにを聞かれているのか分かりませんでした。
「この世界の者は、祈る時胸に手を当てるだろう?」
「……」
そうでした……。記憶が戻ってからは、思わず手を合わせていましたね……。そのことを不思議に思われていたのですか……。どう答えましょう……。
「……なあ、名前を教えてくれないか? あっ、そのなんだ……雑貨屋と呼ぶのもおかしいだろ?」
隊長さん、大人の男性にそんな風に頬を赤らめられると、こちらまで恥ずかしくなってしまいますよ?
もっとスマートに聞いてもらえると、こちらも助かります……。
「……セルマと申します」
「俺はリアムだ。なあ、セルマ……。なぜ手を合わせるのだ?」
私は言っていいものかどうか迷いました。神様絡みの案件ですから。取りあえず、無難なところをお話しましょう。
「信じてもらえないと思いますが、私には前世の記憶があります」
「やはりそうか……。地球という名の星に住んでいたのではないか?」
「!?」
なぜ、隊長さんの口から地球という言葉が?
とても気になりましたが、さすがにその日は遅くなっていましたし、放火魔の件もあったので、私を送り届けた隊長さんは団に戻られました。
「ニャア」
「カイさん。いらっしゃいませ」
翌日、『天使のはしご』に、カイさんがやって来ました。
『すぐに仲間の所に戻る。昨晩の礼だけ言いに来たんだ』
「カイさんは義理堅いですね」
『代表も放火魔が捕まって安心していた。どうやら犯人は子爵家の次男坊らしくてな。犯行がすべて明るみになれば、代表の所にも賠償金が支払われ、元どおりの生活を送れそうだ』
「それならカイさんや仲間のみなさんも安心ですね」
『そうだな。――あんたが困った時は、街にいる仲間に声をかけてくれ。今度は俺たちがあんたの力になる』
「ありがとうございます。とても心強いです」
それだけ言って、カイさんは男前に街へと繰り出して行きました――
「いらっしゃいませ」
今日も魔法雑貨屋『天使のはしご』に、わけありっぽいお客さんがやって――
「隊長さん……」
昨晩から気になっていた、隊長さんがやって来ました――
私セルマは、買い出しのため王都の街に出ています。お客さんを呼び込む威勢のいい声に、こちらの気分も自然と上がってきますね。
品揃えのいい店先に目を奪われていると、私の後をつけてくる気配がしました。振り返って確認しても、姿は見えません。
「うーん?」
私が頭をひねっていると、足下から鳴き声が聞こえてきました。
「ニャア」
「まあ、猫さんでしたか」
どうやら私をつけていたのは、このベンガル種の様な猫さんだったみたいです。
喉を鳴らしながら顔をスリスリと、私の足に擦りつけてきます。
そういえば前世でも、動物にはよく懐かれていたかもしれません。
歌舞伎町のネズミさんたちが、私についてきたこともありました。
私は生き物好きだからかまわないのですが、向かいから歩いてきた女性が悲鳴を上げていましたね……。
この猫さんも、私の後をずっとついてきます。お店の中に入って買い物をするのは、あきらめるしかなさそうです。
「お家に帰らなくていいのですか?」
私は小さい声で猫さんに話しかけます。普通に話しかけると、可哀想な人と思われてしまうからです。
「ニャー」
どうやらこの猫さんは、まだついてくる気のようです。お腹でも空いているのでしょうか?
最低限の買い出しは終えていたので、一度『天使のはしご』に戻ることにしました。
「どうぞお入りください」
「ニャ」
すんなりお店の中に入ってきたので、ミルクを差し上げます。
もし、この猫さんにお困りごとがあってついてきたのなら……。こんな時、動物と会話ができたらいいですよね……。
私が猫さんのお話しを聞かせてほしいと思うと、意外と太い声で猫さんがしゃべりはじめました。
『ミルクごちそうさん。うまかった。俺はカイ。この辺りの野良猫を仕切っている』
「カイさんは、野良猫さんたちの親分ということですか?」
『ま、そんな感じだ。だが、俺たち野良猫にとって、最近悔しいことがあってな……』
やはり、なにか悩んでいました。カイさんの話を聞くと、どうやら野良猫さんたちの保護活動をしている団体の代表者さんの家が火事に遭い、家を失ってしまったそうです。
『それでも毎日変わらずに、俺たちの世話をしに来る』
「愛情深い方なのですね」
『ありがたいことだ。だがな、許せないことがある。火事の原因は放火だ。仲間で見た奴がいる。放火魔の仕業だと猫たちは知っているのに、俺たちは猫だ。奴を取り押さえることも、騎士につき出すこともできない……。なんて無力なんだ……』
カイさんが、尻尾をダラリとさげてしまいました。私はカイさんたちの力になりたいです。
それに、放火魔を野放しにはできません。
「分かりました! 私がその放火魔を捕まえましょう!!」
『いっ、いや。その方向であんたの力を借りたいとは思わないさ』
「……」
そうですよね。おじいさんの脚力に負けるくらいですから、私が放火魔を捕まえるなんて無理な話ですよね……。
ですが、私には神様からいただいた願う力があるのです。
「カイさん! なんとかなりますから行きましょう! その放火魔を一刻も早く捕まえないと!」
『あんたで大丈夫なのか? まったく強そうには見えないぞ?』
「大丈夫です! 大船にドドンと乗ったつもりで、私を放火魔のところへ連れて行ってください!」
不安がるカイさんを言いくるめ、放火魔の住むお家に来ました。豪奢なお屋敷です。これはかなり身分の高い人が住んでいるはず……。
臆する気持ちを追い払い、私は手を合わせて願いました。
『野良猫さんたちと代表者さんのためにも、放火魔を捕まえたいです』
『あんた……。なんなんだ、そのポーズは?』
「えっ? おかしいですか? お願いごとをしていたのですが」
「なにを一人でしゃべっている? 猫と会話でもしているのか?」
「ひょえっ!」
言わずとも知れた隊長さんです。
『そいつ騎士だろ? あんた通訳してくれよ。俺が放火魔の特徴を教えてやる。で、そいつに捕まえさせればいいだろ?』
「隊長さんが放火魔を?」
「放火魔だと? 今度はなにに首をつっこんでいる?」
私がカイさんと会話していることを引いたりしない隊長さんに、カイさんの話を説明しました。
「お前は猫と話せるのか?」
「あ、試作品の道具なんです。まだ研究段階みたいでして……」
「そうか。あの一連の火災には、事件性があると騎士団でも考えていた。情報があるなら助かる。しかし、この家は……」
うまく隊長さんを誤魔化せたようで、胸を撫で下ろしました。しかし、ここはやはり高貴な方のお屋敷みたいです。
「現行犯で取り押さえねばならないな。今夜騎士を連れて張り込みをする。夜になったら『天使のはしご』に迎えに行くから、準備をしていてくれ」
「分かりました」
「ニャ」
夜半、隊長さんがお店まで迎えに来てくれました。
野良猫の親分カイさんと隊長さんと私は、昼間行ったお屋敷を一緒に見張ります。
『出てきたぞ。あいつが犯人だ』
「隊長さん。カイさんは、あの人が犯人だと言っています」
「分かった。火をつけようとするまで尾行するぞ」
男が油を撒き散らし、火魔石を使用した威力のある炎塊を投げ込もうとしています! 隊長さんが騎士様たちに、手で合図を送りました!
「放火魔め! 覚悟しろ!」
「ドリャアーー!」
隊長さんの部下の騎士様たちが、男を捕らえようと一斉に飛び出しました!
「チッ」
どうしてこうなるのでしょうか? 逃げ出した放火魔が私の方に向かってきます!
「邪魔だ! クソアマ!」
切羽詰まった放火魔が、私に向かって炎塊を投げつけてきました! 私は自分の身を守る力を、神様からもらっていません!
「………………。ん?」
「大丈夫だ。目を開けろ」
隊長さんの声がして、咄嗟に瞑っていた目をおそるおそる開けます……。火魔石がカチンコチンに凍りつき、地面に転がっていました……。
『あいつスゲエな。たいした早業だ』
カイさんが隊長さんの方を見ながら言いました。飛んできた炎を隊長さんが魔法で凍らせ、私を守ってくれたみたいです。
さらに、放火魔の膝から下も凍りつき、身動きが封じられていました。
「ありがとうございました」
「こちらこそ礼を言う。雑貨屋のお陰で、さらなる犯行を未然に防ぐことができた」
『おっと、俺は仲間たちに、放火魔が捕まったって報告しに行くな。また店に面出すよ』
放火魔を捕まえた騎士様たちとカイさんが、事件現場を離れていきます。
「隊長ー。先にこいつを連行しておきまーす」
「ああ、頼んだ。俺は彼女を送ってから向かう」
「なぜ、お前は手を合わせるのだ?」
「はい?」
二人でお店に戻る道すがら、唐突に隊長さんから質問され、最初はなにを聞かれているのか分かりませんでした。
「この世界の者は、祈る時胸に手を当てるだろう?」
「……」
そうでした……。記憶が戻ってからは、思わず手を合わせていましたね……。そのことを不思議に思われていたのですか……。どう答えましょう……。
「……なあ、名前を教えてくれないか? あっ、そのなんだ……雑貨屋と呼ぶのもおかしいだろ?」
隊長さん、大人の男性にそんな風に頬を赤らめられると、こちらまで恥ずかしくなってしまいますよ?
もっとスマートに聞いてもらえると、こちらも助かります……。
「……セルマと申します」
「俺はリアムだ。なあ、セルマ……。なぜ手を合わせるのだ?」
私は言っていいものかどうか迷いました。神様絡みの案件ですから。取りあえず、無難なところをお話しましょう。
「信じてもらえないと思いますが、私には前世の記憶があります」
「やはりそうか……。地球という名の星に住んでいたのではないか?」
「!?」
なぜ、隊長さんの口から地球という言葉が?
とても気になりましたが、さすがにその日は遅くなっていましたし、放火魔の件もあったので、私を送り届けた隊長さんは団に戻られました。
「ニャア」
「カイさん。いらっしゃいませ」
翌日、『天使のはしご』に、カイさんがやって来ました。
『すぐに仲間の所に戻る。昨晩の礼だけ言いに来たんだ』
「カイさんは義理堅いですね」
『代表も放火魔が捕まって安心していた。どうやら犯人は子爵家の次男坊らしくてな。犯行がすべて明るみになれば、代表の所にも賠償金が支払われ、元どおりの生活を送れそうだ』
「それならカイさんや仲間のみなさんも安心ですね」
『そうだな。――あんたが困った時は、街にいる仲間に声をかけてくれ。今度は俺たちがあんたの力になる』
「ありがとうございます。とても心強いです」
それだけ言って、カイさんは男前に街へと繰り出して行きました――
「いらっしゃいませ」
今日も魔法雑貨屋『天使のはしご』に、わけありっぽいお客さんがやって――
「隊長さん……」
昨晩から気になっていた、隊長さんがやって来ました――
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