11 / 35
11 第二皇子は名付け親をご所望です
しおりを挟む
今日、私は外勤している。それも幼なじみのセオ兄様の、ヴェントゥル公爵邸に向かっていた。
――今日の午前中の出来事だ――
「やっぱり、モニカがこの子の名前を決めてよ」
昨日は軽く流したが、また同じ事をユリアン様が言い出した。何度も恐れ多いと断ったのだが「ならこの子は、たった今からモニカだね」と、あっさり返されてしまったのだ。
今日こそはさすがのユリアン様も公務で会議に出席するため、私は午後、第二皇子の執務室から係に戻った。
「係長、実はユリアン様からペットの名付け親になるように言われておりまして。またご相談に乗っていただけませんか?」
「ユリアン様がペット? 初めて聞いたぞ。うちを通さないで業者を呼んだな」
「へえー、珍しい事もあるのね。留学先で何か影響でも受けたのかしら?」
「しかし、名付けって重要だぞ? 恥ずかしいセンス丸出しの飼い主だと痛いもんなあー」
いつの間にか、マサさんとノーラさんも集まって来た。
「留学先でペットに目覚めたなら、ヴェントゥル公爵家のセオドア様に話を聞いてみたらいいんじゃないか?」
「あの御方、次期公爵様なのに偉ぶらないし、親身になってくれそうよねー」
セオ兄様は官僚の皆さんからの評判も良いみたいで、私まで誇らしくなる。
「実は、私はセオドア様と友達なんだぁッハッハッハッ! あの方とは何故か気が合ってなあ。よし、今日はヴェントゥル公爵家に行って、ペットの話をセオドア様から聞かせてもらうと良い!」
セオ兄様とレン係長が気の合う理由をなんとなく察しつつ係内会議で話し合った結果、ユリアン様の御学友である兄様に相談するため先ほど外勤を命じられたのだ。
約束もなしで訪れたが、セオ兄様はやはり優しく迎え入れてくれるのだろう。
(いつも迷惑を掛けてごめんなさい、セオ兄様)
ヴェントゥル公爵邸で会ったセオ兄様は、半月前に会ったばかりなのにとても大人びて見えた。いつでも公爵として跡を継げそうだ。
「モニカ、元気か!? 城勤めはきつくないか? 何かあったら我慢しないですぐ相談しろよ?」
「兄様、まだ勤め始めてから一週間も経っていませんよ?」
まだ官僚三日目の私に、随分と過保護だ。やはり兄様はいつまでも兄様だ。
「モニカは一人で頑張ろうとするから……。俺のせいで、モニカには辛い思いをさせてしまったからな……」
「そんな! セオ兄様が悪いのではありません」
セオ兄様からすれば自分が変な女に好かれたがために、私が苛めに遭ったと思っていたのだ。
ドロテアがセオ兄様を好きになったのまでは悪い事ではなかったはずだ。只、その先ドロテアが正攻法で兄様にアプローチせず、私を貶めたり、嘘を言いふらした事が悪いのだ。
どう考えても非はドロテアにある。
「ありがとな、モニカ。エレナとは順調だし、そちらにもあの女の干渉はない。だが、念のため奴のボルダン伯爵家は監視しておく。モニカも安心して仕事に励んでいろよ」
「ありがとう、兄様……」
目の前の邪魔な壁は壊し、足を引っ張る者は蹴散らすだけなのに、兄様といると以前の受動的なモニカ嬢に戻ってしまう。
でも、どちらも私。大切に抱えて行こう。
「あっ、そうよ! 私、こちらには仕事で来たのです」
「はあっ? ペットの名付け親にモニカがなれって?」
「そうなのです。一官僚の私には恐れ多いですし、生き物に名前をつけたことなんてありませんし……。それなのに、私が名付けなければ“モニカ”と名付けると脅してくるのです」
「あの野郎!!」
予想以上にセオ兄様の目が吊り上がった。
「あ、そんなに怒らないで下さい。今の私は第二皇子係の職員なのですから、無理を言われても最高の形でユリアン様にご満足いただきたいだけなのです」
「第二皇子係!? 頼もしいレンさんが居るとはいえ許せん! 俺の妹に我儘を言って困らせた挙げ句、モニカの名前をペットに名付けようとし、しかも自分直属の部下にしているだと!?」
火に油を注いだみたい。ますます兄様の怒気が強まった。
「ほ、本当に係の皆さんも良い人たちで、ユリアン様もイメージと若干違いましたが、優しい方で良い所に配属されたと思っているのです」
「うーん。モニカがそこまで言うのなら穏便に済ませるけど、しかし、モニカに無茶振りするなんて許せない! 今度俺が、ユリアンに文句を言ってやるよ!」
「えっ! 止めてください兄様、本当に大丈夫ですから!」
不服そうだが、セオ兄様は怒りを静めてくれたらしい。
「また何か困ったら、すぐ兄様に相談します。頼りにしていますね」
頼りにしている。セオ兄様は、それだけで八割方機嫌が良くなる人だ。この手法はレン係長にも通用するだろう。
「そうか、そうか! そうだな……ユリアンがそこまで言うのなら、きっと何でも受け入れる気だろう。モニカの好きに名付けるのが正解だぞ?」
「分かりましたわ! 兄様!」
「エレナもモニカに会いたがっていたから、今度、皆で会おうな!」
「はい! 勿論です!」
「また困った事があったら、いつでも俺に相談しに来いよ!」
脳筋な所もあるが、兄様のアドバイスは的確なはず。私の感性で好きに名付けて良いという事だろう。
あっ、ユリアン様の本質について、もっと話そうと思っていたのに忘れていた。
私が感じているのは、世間一般に言われているよりもホラーでも冷酷でもないし、恐い人でもない。
ただ、なんとなくナルシスト臭がするし、優しいけれど甘えた感じもする。
(本当のユリアン様のお人柄、聞きたかったなあ)
この国の皇族の噂話でも、セオ兄様は話してくれる気がしたし、ユリアン様も怒らないと思った。
(えっ? 貴方たち、一日でそんなに仲良くなったの?)
次の日、私が出勤しいつも通りユリアン様の執務室に行くと、マスカレードマスクの怪しげな人物とその肩に乗った小動物が同時にドヤ顔をしてこちらを見た気がした。
「おはよう、モニカ。この子の名前は決まったかな?」
年中不気味なマスカレードマスクのその御方は、私を挑発するように腕組みをし、また、そのペットは警戒心がないのか、悠長に毛繕いをしている。
「あっ、それと、モニカにはこの子のお世話をお願いする事にしたからね」
「……」
私のキャラ変第二段階がここで起き始めたのかもしれない。子どもがペットを飼いたいとねだる時、自分が最期まで面倒を見るからと言って親に泣きつき、お迎えしてみれば三ヶ月間だけ世話を頑張ったという方がまだましだ。
「ココ」
「えっ?」
「この子だからココです」
「ここ?」
「そうです。そのペットの名前はココに決めました」
絶対、皇子に相応しい威厳ある名前がもっと他にあるとか考えているのだろう。それでも、セオ兄様のアドバイス通りなら、この御方は受け入れるはずだ。
「ココだって~。可愛い名前だね~」
「ミュー」
「……」
やんごとない御方に、私の嫌味は通じない。
ユリアン様は不気味で冷酷な仮面皇子どころか、ただの甘えて我儘を言う無茶振り皇子ではないか――
――今日の午前中の出来事だ――
「やっぱり、モニカがこの子の名前を決めてよ」
昨日は軽く流したが、また同じ事をユリアン様が言い出した。何度も恐れ多いと断ったのだが「ならこの子は、たった今からモニカだね」と、あっさり返されてしまったのだ。
今日こそはさすがのユリアン様も公務で会議に出席するため、私は午後、第二皇子の執務室から係に戻った。
「係長、実はユリアン様からペットの名付け親になるように言われておりまして。またご相談に乗っていただけませんか?」
「ユリアン様がペット? 初めて聞いたぞ。うちを通さないで業者を呼んだな」
「へえー、珍しい事もあるのね。留学先で何か影響でも受けたのかしら?」
「しかし、名付けって重要だぞ? 恥ずかしいセンス丸出しの飼い主だと痛いもんなあー」
いつの間にか、マサさんとノーラさんも集まって来た。
「留学先でペットに目覚めたなら、ヴェントゥル公爵家のセオドア様に話を聞いてみたらいいんじゃないか?」
「あの御方、次期公爵様なのに偉ぶらないし、親身になってくれそうよねー」
セオ兄様は官僚の皆さんからの評判も良いみたいで、私まで誇らしくなる。
「実は、私はセオドア様と友達なんだぁッハッハッハッ! あの方とは何故か気が合ってなあ。よし、今日はヴェントゥル公爵家に行って、ペットの話をセオドア様から聞かせてもらうと良い!」
セオ兄様とレン係長が気の合う理由をなんとなく察しつつ係内会議で話し合った結果、ユリアン様の御学友である兄様に相談するため先ほど外勤を命じられたのだ。
約束もなしで訪れたが、セオ兄様はやはり優しく迎え入れてくれるのだろう。
(いつも迷惑を掛けてごめんなさい、セオ兄様)
ヴェントゥル公爵邸で会ったセオ兄様は、半月前に会ったばかりなのにとても大人びて見えた。いつでも公爵として跡を継げそうだ。
「モニカ、元気か!? 城勤めはきつくないか? 何かあったら我慢しないですぐ相談しろよ?」
「兄様、まだ勤め始めてから一週間も経っていませんよ?」
まだ官僚三日目の私に、随分と過保護だ。やはり兄様はいつまでも兄様だ。
「モニカは一人で頑張ろうとするから……。俺のせいで、モニカには辛い思いをさせてしまったからな……」
「そんな! セオ兄様が悪いのではありません」
セオ兄様からすれば自分が変な女に好かれたがために、私が苛めに遭ったと思っていたのだ。
ドロテアがセオ兄様を好きになったのまでは悪い事ではなかったはずだ。只、その先ドロテアが正攻法で兄様にアプローチせず、私を貶めたり、嘘を言いふらした事が悪いのだ。
どう考えても非はドロテアにある。
「ありがとな、モニカ。エレナとは順調だし、そちらにもあの女の干渉はない。だが、念のため奴のボルダン伯爵家は監視しておく。モニカも安心して仕事に励んでいろよ」
「ありがとう、兄様……」
目の前の邪魔な壁は壊し、足を引っ張る者は蹴散らすだけなのに、兄様といると以前の受動的なモニカ嬢に戻ってしまう。
でも、どちらも私。大切に抱えて行こう。
「あっ、そうよ! 私、こちらには仕事で来たのです」
「はあっ? ペットの名付け親にモニカがなれって?」
「そうなのです。一官僚の私には恐れ多いですし、生き物に名前をつけたことなんてありませんし……。それなのに、私が名付けなければ“モニカ”と名付けると脅してくるのです」
「あの野郎!!」
予想以上にセオ兄様の目が吊り上がった。
「あ、そんなに怒らないで下さい。今の私は第二皇子係の職員なのですから、無理を言われても最高の形でユリアン様にご満足いただきたいだけなのです」
「第二皇子係!? 頼もしいレンさんが居るとはいえ許せん! 俺の妹に我儘を言って困らせた挙げ句、モニカの名前をペットに名付けようとし、しかも自分直属の部下にしているだと!?」
火に油を注いだみたい。ますます兄様の怒気が強まった。
「ほ、本当に係の皆さんも良い人たちで、ユリアン様もイメージと若干違いましたが、優しい方で良い所に配属されたと思っているのです」
「うーん。モニカがそこまで言うのなら穏便に済ませるけど、しかし、モニカに無茶振りするなんて許せない! 今度俺が、ユリアンに文句を言ってやるよ!」
「えっ! 止めてください兄様、本当に大丈夫ですから!」
不服そうだが、セオ兄様は怒りを静めてくれたらしい。
「また何か困ったら、すぐ兄様に相談します。頼りにしていますね」
頼りにしている。セオ兄様は、それだけで八割方機嫌が良くなる人だ。この手法はレン係長にも通用するだろう。
「そうか、そうか! そうだな……ユリアンがそこまで言うのなら、きっと何でも受け入れる気だろう。モニカの好きに名付けるのが正解だぞ?」
「分かりましたわ! 兄様!」
「エレナもモニカに会いたがっていたから、今度、皆で会おうな!」
「はい! 勿論です!」
「また困った事があったら、いつでも俺に相談しに来いよ!」
脳筋な所もあるが、兄様のアドバイスは的確なはず。私の感性で好きに名付けて良いという事だろう。
あっ、ユリアン様の本質について、もっと話そうと思っていたのに忘れていた。
私が感じているのは、世間一般に言われているよりもホラーでも冷酷でもないし、恐い人でもない。
ただ、なんとなくナルシスト臭がするし、優しいけれど甘えた感じもする。
(本当のユリアン様のお人柄、聞きたかったなあ)
この国の皇族の噂話でも、セオ兄様は話してくれる気がしたし、ユリアン様も怒らないと思った。
(えっ? 貴方たち、一日でそんなに仲良くなったの?)
次の日、私が出勤しいつも通りユリアン様の執務室に行くと、マスカレードマスクの怪しげな人物とその肩に乗った小動物が同時にドヤ顔をしてこちらを見た気がした。
「おはよう、モニカ。この子の名前は決まったかな?」
年中不気味なマスカレードマスクのその御方は、私を挑発するように腕組みをし、また、そのペットは警戒心がないのか、悠長に毛繕いをしている。
「あっ、それと、モニカにはこの子のお世話をお願いする事にしたからね」
「……」
私のキャラ変第二段階がここで起き始めたのかもしれない。子どもがペットを飼いたいとねだる時、自分が最期まで面倒を見るからと言って親に泣きつき、お迎えしてみれば三ヶ月間だけ世話を頑張ったという方がまだましだ。
「ココ」
「えっ?」
「この子だからココです」
「ここ?」
「そうです。そのペットの名前はココに決めました」
絶対、皇子に相応しい威厳ある名前がもっと他にあるとか考えているのだろう。それでも、セオ兄様のアドバイス通りなら、この御方は受け入れるはずだ。
「ココだって~。可愛い名前だね~」
「ミュー」
「……」
やんごとない御方に、私の嫌味は通じない。
ユリアン様は不気味で冷酷な仮面皇子どころか、ただの甘えて我儘を言う無茶振り皇子ではないか――
52
お気に入りに追加
2,993
あなたにおすすめの小説
二度目の結婚は異世界で。~誰とも出会わずひっそり一人で生きたかったのに!!~
すずなり。
恋愛
夫から暴力を振るわれていた『小坂井 紗菜』は、ある日、夫の怒りを買って殺されてしまう。
そして目を開けた時、そこには知らない世界が広がっていて赤ちゃんの姿に・・・!
赤ちゃんの紗菜を拾ってくれた老婆に聞いたこの世界は『魔法』が存在する世界だった。
「お前の瞳は金色だろ?それはとても珍しいものなんだ。誰かに会うときはその色を変えるように。」
そう言われていたのに森でばったり人に出会ってしまってーーーー!?
「一生大事にする。だから俺と・・・・」
※お話は全て想像の世界です。現実世界と何の関係もございません。
※小説大賞に出すために書き始めた作品になります。貯文字は全くありませんので気長に更新を待っていただけたら幸いです。(完結までの道筋はできてるので完結はすると思います。)
※メンタルが薄氷の為、コメントを受け付けることができません。ご了承くださいませ。
ただただすずなり。の世界を楽しんでいただけたら幸いです。
【完結】野蛮な辺境の令嬢ですので。
❄️冬は つとめて
恋愛
その日は国王主催の舞踏会で、アルテミスは兄のエスコートで会場入りをした。兄が離れたその隙に、とんでもない事が起こるとは彼女は思いもよらなかった。
それは、婚約破棄&女の戦い?
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
侯爵の愛人だったと誤解された私の結婚は2か月で終わりました
しゃーりん
恋愛
子爵令嬢アリーズは、侯爵家で侍女として働いていたが、そこの主人に抱きしめられているところを夫人に見られて愛人だと誤解され、首になって実家に戻った。
夫を誘惑する女だと社交界に広められてしまい、侍女として働くことも難しくなった時、元雇い主の侯爵が申し訳なかったと嫁ぎ先を紹介してくれる。
しかし、相手は妻が不貞相手と心中し昨年醜聞になった男爵で、アリーズのことを侯爵の愛人だったと信じていたため、初夜は散々。
しかも、夫が愛人にした侍女が妊娠。
離婚を望むアリーズと平民を妻にしたくないために離婚を望まない夫。というお話です。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる