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9 第二皇子は遊び相手をご所望です
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これが公爵令嬢として生を受けた私が恋愛戦線からあぶれ、城勤めの官僚となった経緯だ――
(さあ、第一印象が大切よ。先輩たちからは沢山仕事を教えてもらって、早く一人前にならないと!)
私は交付された辞令を大事に抱え、柄にもなく少し緊張しながら皇族部皇子課の扉を叩いた。
「失礼します」
「おお~。新人かぁ~。良く来たな」
「はい。本日より皇子課に配属されました、モニカと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「はっはっは! 係長のレンだ。よろしく!」
「ノーラよ。よろしくぅー」
「俺はマサね~。よろ~」
次々と豪気で小意気で無邪気な返事が返ってくる。和気あいあいとした職場なのかもしれない。
「ああ、因みに係は第二皇子係だからユリアン様専属のようなもんだ。頑張れよ、はっはっは!」
「はい」
よりにもよって、身元を知られているユリアン様の係に配属された。卒業パーティーの後はすぐお帰りになられたし、きっと私が官僚になった事に驚かれているだろう。
(少しやり辛いけれど、精一杯仕事に打ち込まないと)
私が公爵家の出である事は、その内城内に広まると思ってはいたが、敢えてこちらから話すつもりはない。出来る事なら、末永く平穏な官僚生活を送りたいのだ。
「とりあえず今日はユリアン様に挨拶をして、その後はユリアン様の指示に従ってくれ」
「え? 研修や引き継ぎなどはないのですか?」
「な~にお、一丁前な事を言う。とにかく新人はユリアン様に慣れる所から始めて来い!」
「は、はい……」
確かに初見の人間なら、マスカレードマスクを被ったユリアン様に度肝を抜かれるのだろう。けれど、私は貴族出だから何度もお会いしてマスクの事情を知っているし、セオ兄様の友人だからそれ程恐ろしいとは思わない。
(公爵家を捨てる覚悟で城に来たけれど、今までの経験がプラスになる事だって沢山あるのよね。前向きに考えましょう!)
ユリアン様の執務室の前で護衛する見張りの兵に礼をし、ノックをして名乗った。
「本日、第二皇子係に配属されましたモニカです」
「どうぞお入りなさい」
柔らかなテノールボイスは、正しくユリアン様のものだ。
「失礼します」
「モニカ嬢、いらっしゃい。今日からよろしくお願いするね」
執務室の中にはユリアン様しかいない。ユリアン様は椅子に座って長い足をダラリと執務机の上に投げ出し、頭の後ろで手を組んでいた。
公務をこなしていたようには見えない。
「ユ、ユリアン様……何をなされているのですか?」
「何もしていないよ? 只々だらけて、今日からモニカ嬢が出勤するなあって考えていただけ」
「左様でしたか……」
しかし、この状況……。どうして良いのか分からない。根っから真面目な性質の私は初勤務でやる気に満ちていたのだが、思い切り出鼻を挫かれた。この御方、こんなにも無精な雰囲気の皇子だっただろうか?
そもそも喋り方が今までと違う。悠長だし砕け過ぎだ。
「……」
「ん? 黙りこくってどうしたの?」
「失礼しました。私は本日、こちらで何をすればよろしいのでしょうか?」
「う~ん」
マスカレードマスクからは透き通るコバルト・バイオレットの瞳だけが覗いている。ユリアン様の表情は伺えない。
長くゆるいカーブを描いた蜂蜜色の髪を指に巻き付け、クルクルともてあそんでいる。
「じゃあ初日だし、お喋りでもしながらカードゲームをしようか?」
「カードゲームですか? お言葉ですが、私は一刻も早く、業務を覚えた方がよろしいのでは?」
「これは命令だよ。今日モニカ嬢は、私とゲームをして過ごす」
そう言ってユリアン様が引き出しから取り出したのは、レーヴァンダール帝国では誰しもが一度は遊んだ事のあるエレメントカードだった。
(セオ兄様と大昔に少し遊んだ記憶があるだけで、ルールは良く知らないのよね)
カードは四十二枚。火・水・風・土の四種に、それぞれ一から十の数字と魔物が描かれている。残りの二枚は光と闇のカードだ。
「申し訳ございません、私、ルールをよく知らないのです」
「教えてあげるから問題ないよ。光と闇のカードは互角だけれど、四種のエレメントより強い」
「はい」
「火は水に負け、水は風に負ける。風は土に負け、土は火に負ける。さらに各々、数字の大きさに合わせて強さが増す魔物が十種描かれているよ」
ユリアン様の突然変化した語り口調といい、何だか子ども扱いされている気がする。学園の制服着用時以外は、いつもコートとウエストコートをきちんとお召しになっていたのに、今はシャツの胸元を大きく開けタイすらしていない。
(冷静で孤高な皇子殿下と思っていたけれど、実は違うのかしら?)
「ねえ、ちゃんと聞いていた? 早速実践してみるよ」
「あっ、はい」
思考は全く追いついていないが、係長からはユリアン様の指示に従えと言われていたし、私は命じられたままカード遊びに付き合った。
(勝つと面白くなってしまうわね)
「ふうん。モニカ嬢はゲームも強いね」
「ありがとうございます。ユリアン様の教え方が良いもので」
「そう? なら納得したよ」
表情は分からないが、得意気なお顔をされているのだろう。これで初日のお給金をいただいても良いのだろうか?
「ところでユリアン様。私、城では公爵家の出と言うことを敢えて言わずにいるのです。敬称付きで呼ぶのは御容赦いただけませんか?」
「いいよ。じゃあ、遠慮なくモニカと呼ぶね」
気安過ぎて良いのか心配になるが、こちらの願いを聞いてくれたのでこれ以上言うことはない。
「あ、また私の勝ちです」
「やるね~。そうだ、このまま続けていてもつまらないし、先に十勝した方がご褒美を貰うってどう?」
「ご褒美ですか? 私からユリアン様に差し上げる様な物は持ち合わせておりませんが?」
揺れるマスカレードマスクは不気味だが、小刻みに肩が震えているので、ユリアン様が笑いを堪えている事が分かる。楽しまれているようだ。
「ご褒美と言っても、そんな大層な事じゃないよ。次のお茶の準備を私がするとか、真面目に丸一日執務をこなすとか、簡単な事だよ」
「そうでしたら……。やりましょう」
今までの勝率は私が八割勝っている。明日は真面目に執務をこなしてもらい、仕事を覚えるのも良いだろう。
「よし。じゃあモニカ、勝負だよ」
「ユリアン様……。今までわざと負けていましたね?」
「それが勝負の世界と云うものだよ」
私はその後、呆気なくストレート負けした。最初からユリアン様は計算ずくだったらしい。
「じゃあ約束だけれど、今度モニカを連れて帝都に出掛けよう」
「皇子が外出など、大事ではないですか……」
「だからお忍びでね。係長のレンには私から話すから、モニカはお店のリサーチをよろしく」
よろしくと言われても、私だって公爵令嬢だったのだ。帝都の決まり決まった所に馬車で出掛けた事くらいしかない。
「うわあ。一日がゲームで終わってしまったね。楽しかったよ。じゃあ今日は上がっていいよ」
「……はい。それでは失礼させていただきます」
訳も分からずユリアン様の執務室を出ると、丁度よく終業の鐘が鳴った。急ぎ足で皇子課へと戻る。
「ただいま戻りました。――って……、誰もいない……」
皆、定時で帰ったのだろう。先輩方の机の上は綺麗に片付けられ、課内には誰も残っていなかった。私の机にメモが置かれている。
“初日からお疲れさんなぁ。先に上がるぞ。また明日”
イソイソと鞄を抱え、私は寮へと帰る。
(今日の夕食はなんだろうな……)
私は入寮四日目にして、すっかり胃袋を掴まれていた夕食の事を考えた――
(さあ、第一印象が大切よ。先輩たちからは沢山仕事を教えてもらって、早く一人前にならないと!)
私は交付された辞令を大事に抱え、柄にもなく少し緊張しながら皇族部皇子課の扉を叩いた。
「失礼します」
「おお~。新人かぁ~。良く来たな」
「はい。本日より皇子課に配属されました、モニカと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「はっはっは! 係長のレンだ。よろしく!」
「ノーラよ。よろしくぅー」
「俺はマサね~。よろ~」
次々と豪気で小意気で無邪気な返事が返ってくる。和気あいあいとした職場なのかもしれない。
「ああ、因みに係は第二皇子係だからユリアン様専属のようなもんだ。頑張れよ、はっはっは!」
「はい」
よりにもよって、身元を知られているユリアン様の係に配属された。卒業パーティーの後はすぐお帰りになられたし、きっと私が官僚になった事に驚かれているだろう。
(少しやり辛いけれど、精一杯仕事に打ち込まないと)
私が公爵家の出である事は、その内城内に広まると思ってはいたが、敢えてこちらから話すつもりはない。出来る事なら、末永く平穏な官僚生活を送りたいのだ。
「とりあえず今日はユリアン様に挨拶をして、その後はユリアン様の指示に従ってくれ」
「え? 研修や引き継ぎなどはないのですか?」
「な~にお、一丁前な事を言う。とにかく新人はユリアン様に慣れる所から始めて来い!」
「は、はい……」
確かに初見の人間なら、マスカレードマスクを被ったユリアン様に度肝を抜かれるのだろう。けれど、私は貴族出だから何度もお会いしてマスクの事情を知っているし、セオ兄様の友人だからそれ程恐ろしいとは思わない。
(公爵家を捨てる覚悟で城に来たけれど、今までの経験がプラスになる事だって沢山あるのよね。前向きに考えましょう!)
ユリアン様の執務室の前で護衛する見張りの兵に礼をし、ノックをして名乗った。
「本日、第二皇子係に配属されましたモニカです」
「どうぞお入りなさい」
柔らかなテノールボイスは、正しくユリアン様のものだ。
「失礼します」
「モニカ嬢、いらっしゃい。今日からよろしくお願いするね」
執務室の中にはユリアン様しかいない。ユリアン様は椅子に座って長い足をダラリと執務机の上に投げ出し、頭の後ろで手を組んでいた。
公務をこなしていたようには見えない。
「ユ、ユリアン様……何をなされているのですか?」
「何もしていないよ? 只々だらけて、今日からモニカ嬢が出勤するなあって考えていただけ」
「左様でしたか……」
しかし、この状況……。どうして良いのか分からない。根っから真面目な性質の私は初勤務でやる気に満ちていたのだが、思い切り出鼻を挫かれた。この御方、こんなにも無精な雰囲気の皇子だっただろうか?
そもそも喋り方が今までと違う。悠長だし砕け過ぎだ。
「……」
「ん? 黙りこくってどうしたの?」
「失礼しました。私は本日、こちらで何をすればよろしいのでしょうか?」
「う~ん」
マスカレードマスクからは透き通るコバルト・バイオレットの瞳だけが覗いている。ユリアン様の表情は伺えない。
長くゆるいカーブを描いた蜂蜜色の髪を指に巻き付け、クルクルともてあそんでいる。
「じゃあ初日だし、お喋りでもしながらカードゲームをしようか?」
「カードゲームですか? お言葉ですが、私は一刻も早く、業務を覚えた方がよろしいのでは?」
「これは命令だよ。今日モニカ嬢は、私とゲームをして過ごす」
そう言ってユリアン様が引き出しから取り出したのは、レーヴァンダール帝国では誰しもが一度は遊んだ事のあるエレメントカードだった。
(セオ兄様と大昔に少し遊んだ記憶があるだけで、ルールは良く知らないのよね)
カードは四十二枚。火・水・風・土の四種に、それぞれ一から十の数字と魔物が描かれている。残りの二枚は光と闇のカードだ。
「申し訳ございません、私、ルールをよく知らないのです」
「教えてあげるから問題ないよ。光と闇のカードは互角だけれど、四種のエレメントより強い」
「はい」
「火は水に負け、水は風に負ける。風は土に負け、土は火に負ける。さらに各々、数字の大きさに合わせて強さが増す魔物が十種描かれているよ」
ユリアン様の突然変化した語り口調といい、何だか子ども扱いされている気がする。学園の制服着用時以外は、いつもコートとウエストコートをきちんとお召しになっていたのに、今はシャツの胸元を大きく開けタイすらしていない。
(冷静で孤高な皇子殿下と思っていたけれど、実は違うのかしら?)
「ねえ、ちゃんと聞いていた? 早速実践してみるよ」
「あっ、はい」
思考は全く追いついていないが、係長からはユリアン様の指示に従えと言われていたし、私は命じられたままカード遊びに付き合った。
(勝つと面白くなってしまうわね)
「ふうん。モニカ嬢はゲームも強いね」
「ありがとうございます。ユリアン様の教え方が良いもので」
「そう? なら納得したよ」
表情は分からないが、得意気なお顔をされているのだろう。これで初日のお給金をいただいても良いのだろうか?
「ところでユリアン様。私、城では公爵家の出と言うことを敢えて言わずにいるのです。敬称付きで呼ぶのは御容赦いただけませんか?」
「いいよ。じゃあ、遠慮なくモニカと呼ぶね」
気安過ぎて良いのか心配になるが、こちらの願いを聞いてくれたのでこれ以上言うことはない。
「あ、また私の勝ちです」
「やるね~。そうだ、このまま続けていてもつまらないし、先に十勝した方がご褒美を貰うってどう?」
「ご褒美ですか? 私からユリアン様に差し上げる様な物は持ち合わせておりませんが?」
揺れるマスカレードマスクは不気味だが、小刻みに肩が震えているので、ユリアン様が笑いを堪えている事が分かる。楽しまれているようだ。
「ご褒美と言っても、そんな大層な事じゃないよ。次のお茶の準備を私がするとか、真面目に丸一日執務をこなすとか、簡単な事だよ」
「そうでしたら……。やりましょう」
今までの勝率は私が八割勝っている。明日は真面目に執務をこなしてもらい、仕事を覚えるのも良いだろう。
「よし。じゃあモニカ、勝負だよ」
「ユリアン様……。今までわざと負けていましたね?」
「それが勝負の世界と云うものだよ」
私はその後、呆気なくストレート負けした。最初からユリアン様は計算ずくだったらしい。
「じゃあ約束だけれど、今度モニカを連れて帝都に出掛けよう」
「皇子が外出など、大事ではないですか……」
「だからお忍びでね。係長のレンには私から話すから、モニカはお店のリサーチをよろしく」
よろしくと言われても、私だって公爵令嬢だったのだ。帝都の決まり決まった所に馬車で出掛けた事くらいしかない。
「うわあ。一日がゲームで終わってしまったね。楽しかったよ。じゃあ今日は上がっていいよ」
「……はい。それでは失礼させていただきます」
訳も分からずユリアン様の執務室を出ると、丁度よく終業の鐘が鳴った。急ぎ足で皇子課へと戻る。
「ただいま戻りました。――って……、誰もいない……」
皆、定時で帰ったのだろう。先輩方の机の上は綺麗に片付けられ、課内には誰も残っていなかった。私の机にメモが置かれている。
“初日からお疲れさんなぁ。先に上がるぞ。また明日”
イソイソと鞄を抱え、私は寮へと帰る。
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