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明け方の淡い光りに照らされた隠の地は、息を呑むほどに幻想的だ。
周囲を囲む青山には、梅、桃、杏の花が彩りを添え、春の優しい風にのって花びらと芳香が里へと舞い降りる。
これから多くの作物を育む農地は丁寧に耕され、色濃くなった土が夜露を含んでテラテラと輝き、山裾の眺望が良い場所には、壮大な寝殿造の建築物や、質実剛健とした武家屋敷が建てられていた。
日本の原風景と歴史的な建造物を一度に眺めた由良は、感嘆の声をあげる。
「とても綺麗な所ですね」
「一概には言えねぇよ」
にべもなく五百枝に返されたが、興奮気味の由良は、直ぐさま別の方向を前足で指し示す。
中央になだらかに広がる平地には、しっかりと整備された幅広の道が敷かれ、両脇にはびっしりと建物が連なっていた。
「一番賑わっているのはあの辺りですか?」
「そうだな」
「では、最初に行って情報を集めるのはあそこですね?」
「まあな」
会話を試みれば、ポツポツとだが五百枝は返答をくれる。
「他の干支守の皆さんに会うのも、隠の地を見られるのも楽しみです」
『能天気な未通女じゃな』
はしゃぎ過ぎた由良は、生成に小馬鹿にされた。煩わしそうに五百枝が付け足す。
「ここには黄泉や現し世の理からはずれた奴が、好き勝手して暮らしてんだ。観光気分はやめろ」
「すみません」
「あとさ、ニニギみてぇな堅っ苦しい喋りはやめてくんないか? 思い出すわ」
「あ、すみま――ごめん。これから気をつけるね」
会話が途切れ、五百枝と生成は黙々と歩みを進める。五百枝の肩から彼の横顔を覗き見たが、怒ってはいなさそうで由良はホッとした。
「なんだ?」
「ううん。連れていってくれてありがとう」
「ああ」
商店が並ぶ大通りで丑の守について尋ねると、すんなり情報が手に入った。
この先に続く、紅蛍と呼ばれる歓楽街で店を出していると教えられ、その足で向かう。
紅蛍に入ると一軒一軒の店構えは小さくなり、奥まった方に目を向ければ、複雑に入り組んだ路地が見えた。店の看板やらごみやらが雑多に溢れ、すえた臭いもしてくる。
「裏通りには一人で入るなよ。隠での死は魂の死だ。黄泉に行けず消え去るぞ」
「うん」
どんな場所でも、生き物が集まって暮らせば『裏側』はできるのだろう。この美しい隠の地も例外ではない。
教えて欲しい事は山ほどあったが、先ず、単刀直入に分かりやすく、危険を説明をしてくれた五百枝に由良は感謝した。
「まあ、その店が大通り沿いなら安全だろう」
軒下の看板を確認しながら、人気のない歓楽街を行く。
「早くに来てしまったかな?」
「誰かしらはいるだろ」
朝一でやって来たので、この時間店は閉められている。
「五百枝はここによく来るの?」
「いや。最後に呑み来たのは五十年くらい前だな」
五百枝は一体いくつなんだろうと聞いてみたい気持ちはあったが、干支守ではない五百枝がただ迷い込んでここに住み着いたのか、それとも黄泉に行かなかった理由があるのか、まだ出会ったばかりで尋ねるのは憚られた。
「そうなんだ。あ、あそこにオジサンが居るよ」
丑の守は有名らしく、あっさりと目星がついた。
「丑の守? ああ、きっと和美さんだ。紅蛍の中ででかい牛を飼っているからな。それに、ちょっと前に隠に来たって言ってたしよ。間違いねえと思う」
昨晩飲み過ぎちまってと、井戸から汲み上げた水をガブガブ飲みながら、気の良さそうなオジサンが教えてくれる。
「店の名前は『すなっく和美』ってえんだ。ちょっと行った右手にあるぞ」
オジサンの言う通り探し、程なくしてお店の場所は確認できた。
だが、やはり和美さんは不在だったので、夕方頃に出直すことにした。
「眠い……」
由良はある程度眠ってからここに来たが、五百枝は鼠を追い掛けだした生成を捜索し、ずっと眠っていなかったのかもしれない。申し訳ない思いで五百枝を見上げる。
「五百枝、大丈夫?」
「買い物をしたら、一旦家にもどる」
「うん」
商店街まで戻り、いかにも老舗という雰囲気の店の暖簾を、五百枝は由良に当たらないようめくった。
「いらっしゃいませ」
入った店にはずらりと反物が並べられていて、ここでも由良はうっとりして声をあげそうになり、生成に睨まれてしまう。
「仕立て済みの物はあるか? こんくらいの女が着るんだが」
五百枝は自分の胸先で、地面と水平にした手のひらをブラブラする。
「このあたりでしたら、全部丁度良いですよ」と案内された先で、五百枝が迷わず指をさした。
「じゃ、こいつと、合う細めの帯と草履を貰おう」
勘定をして足早に店を出ると、五百枝が由良に小声で囁いた。
「あんたの好みを知らねぇから、取り敢えずこれで我慢しろ」
「えっ!? 私のだったの? でも、私、お金を――」
「金なら腐るほどある。気にすんな」
まさか自分の着物とは思っていなかったので、由良は面食らった。
ただ、返せるお金もなければ、パジャマしかないのも心許なかったので、素直に礼を述べる。
「ありがとう……。大切にする……」
鴇色に桜文の可愛らしい着物の一揃えが、由良が五百枝から受けとる初めての贈り物となった――
それから飯屋に入り、馴染みらしい五百枝は品書きにはない握り飯や惣菜を作らせ、「器はそのうち返す」とテイクアウトまでした。
「生成の魚が冷めないうちに帰るぞ」
「ナ~オン」
商店街の大通りから一本入ると、ズラリと長屋が並び、長屋住まいの子どもたちの遊ぶ声が聞こえてくる。微笑ましく感じながら街中を抜けると、小さいながらも戸建てが増えてきた。
「家はここから近いの?」
「すぐそこだ。由良が人形に戻る午の刻前には着く」
「じゃ、ゆっくり休める時間はあるね。良かった。五百枝もしっかり眠った方がいいもの」
不馴れな時刻に戸惑いながらも計算し、由良は満面の笑みで五百枝に伝えた。
「ははん。お前もしかして、俺を襲う気か?」
「えっ?」
『五百枝様……』
「真に受けんな生成」
「なっ! 違うよ! ずっと付き合って貰って、申し訳ないと思ってただけだって!」
「……。冗談が通じねぇのばっかだな……」
賑わう中心地から少し離れた場所に、五百枝の暮らす家がある。古井家住宅を改装した室内は物が殆ど置かれておらず、寂しいほどこざっぱりとしていた。
(掃除がしやすそうだね)
五百枝と言う男の生活が垣間見え、自分の物差しで測るのはよろしくないと、由良はプラス思考で考えてみた。
「ボサッとしてないで食えよ。食わなくとも死んだりしないが、食欲はあるんだろう? 檜皮の身体で食ったって、なんも問題ないはずだ」
「そっか。ここはそうゆう世界なんだ……」
「ああ。皆、人間みたいだが、違うんだ」
遠い目をした五百枝に、なぜか悪い事をしてしまったような気がして、由良は悲しくなる。
でも、この状況を、隠に来たことを、けしてマイナスには捉えたくなかった。
「うん。でも、私の魂は変わらないんだよね。なら、ちょっとした環境の変化だよ。慣れればいいだけ。人間だって、生きていれば歳をとるし、いつか黄泉に行くんでしょう? でも魂は――心は変わらないもの」
「そうか。そうだな。――食ったら寝るぞ」
五百枝は一瞬瞠目したが、握り飯を口一杯に頬ばってあっという間に咀嚼し、敷いた布団にゴロンと横になった。
本当に疲れていたのだろう、五百枝は深く眠ったため、時折歯と歯を合わせるカチリとした音がする。
生成も五百枝の足元の方に、早々と潜り込んでしまった。
白銀に煌めく睫毛が長い。ゆるゆると動く唇がおかしくて、由良はフフッと吹き出しそうになる。相変わらず整っているが、起きている時よりずっと幼く見えた。
(ずっと見てられる)
そっと布団に上がり、五百枝の体温で温められた場所に陣取る。由良も仮眠程度だったので、またもや眠気がやって来た――
周囲を囲む青山には、梅、桃、杏の花が彩りを添え、春の優しい風にのって花びらと芳香が里へと舞い降りる。
これから多くの作物を育む農地は丁寧に耕され、色濃くなった土が夜露を含んでテラテラと輝き、山裾の眺望が良い場所には、壮大な寝殿造の建築物や、質実剛健とした武家屋敷が建てられていた。
日本の原風景と歴史的な建造物を一度に眺めた由良は、感嘆の声をあげる。
「とても綺麗な所ですね」
「一概には言えねぇよ」
にべもなく五百枝に返されたが、興奮気味の由良は、直ぐさま別の方向を前足で指し示す。
中央になだらかに広がる平地には、しっかりと整備された幅広の道が敷かれ、両脇にはびっしりと建物が連なっていた。
「一番賑わっているのはあの辺りですか?」
「そうだな」
「では、最初に行って情報を集めるのはあそこですね?」
「まあな」
会話を試みれば、ポツポツとだが五百枝は返答をくれる。
「他の干支守の皆さんに会うのも、隠の地を見られるのも楽しみです」
『能天気な未通女じゃな』
はしゃぎ過ぎた由良は、生成に小馬鹿にされた。煩わしそうに五百枝が付け足す。
「ここには黄泉や現し世の理からはずれた奴が、好き勝手して暮らしてんだ。観光気分はやめろ」
「すみません」
「あとさ、ニニギみてぇな堅っ苦しい喋りはやめてくんないか? 思い出すわ」
「あ、すみま――ごめん。これから気をつけるね」
会話が途切れ、五百枝と生成は黙々と歩みを進める。五百枝の肩から彼の横顔を覗き見たが、怒ってはいなさそうで由良はホッとした。
「なんだ?」
「ううん。連れていってくれてありがとう」
「ああ」
商店が並ぶ大通りで丑の守について尋ねると、すんなり情報が手に入った。
この先に続く、紅蛍と呼ばれる歓楽街で店を出していると教えられ、その足で向かう。
紅蛍に入ると一軒一軒の店構えは小さくなり、奥まった方に目を向ければ、複雑に入り組んだ路地が見えた。店の看板やらごみやらが雑多に溢れ、すえた臭いもしてくる。
「裏通りには一人で入るなよ。隠での死は魂の死だ。黄泉に行けず消え去るぞ」
「うん」
どんな場所でも、生き物が集まって暮らせば『裏側』はできるのだろう。この美しい隠の地も例外ではない。
教えて欲しい事は山ほどあったが、先ず、単刀直入に分かりやすく、危険を説明をしてくれた五百枝に由良は感謝した。
「まあ、その店が大通り沿いなら安全だろう」
軒下の看板を確認しながら、人気のない歓楽街を行く。
「早くに来てしまったかな?」
「誰かしらはいるだろ」
朝一でやって来たので、この時間店は閉められている。
「五百枝はここによく来るの?」
「いや。最後に呑み来たのは五十年くらい前だな」
五百枝は一体いくつなんだろうと聞いてみたい気持ちはあったが、干支守ではない五百枝がただ迷い込んでここに住み着いたのか、それとも黄泉に行かなかった理由があるのか、まだ出会ったばかりで尋ねるのは憚られた。
「そうなんだ。あ、あそこにオジサンが居るよ」
丑の守は有名らしく、あっさりと目星がついた。
「丑の守? ああ、きっと和美さんだ。紅蛍の中ででかい牛を飼っているからな。それに、ちょっと前に隠に来たって言ってたしよ。間違いねえと思う」
昨晩飲み過ぎちまってと、井戸から汲み上げた水をガブガブ飲みながら、気の良さそうなオジサンが教えてくれる。
「店の名前は『すなっく和美』ってえんだ。ちょっと行った右手にあるぞ」
オジサンの言う通り探し、程なくしてお店の場所は確認できた。
だが、やはり和美さんは不在だったので、夕方頃に出直すことにした。
「眠い……」
由良はある程度眠ってからここに来たが、五百枝は鼠を追い掛けだした生成を捜索し、ずっと眠っていなかったのかもしれない。申し訳ない思いで五百枝を見上げる。
「五百枝、大丈夫?」
「買い物をしたら、一旦家にもどる」
「うん」
商店街まで戻り、いかにも老舗という雰囲気の店の暖簾を、五百枝は由良に当たらないようめくった。
「いらっしゃいませ」
入った店にはずらりと反物が並べられていて、ここでも由良はうっとりして声をあげそうになり、生成に睨まれてしまう。
「仕立て済みの物はあるか? こんくらいの女が着るんだが」
五百枝は自分の胸先で、地面と水平にした手のひらをブラブラする。
「このあたりでしたら、全部丁度良いですよ」と案内された先で、五百枝が迷わず指をさした。
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「えっ!? 私のだったの? でも、私、お金を――」
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まさか自分の着物とは思っていなかったので、由良は面食らった。
ただ、返せるお金もなければ、パジャマしかないのも心許なかったので、素直に礼を述べる。
「ありがとう……。大切にする……」
鴇色に桜文の可愛らしい着物の一揃えが、由良が五百枝から受けとる初めての贈り物となった――
それから飯屋に入り、馴染みらしい五百枝は品書きにはない握り飯や惣菜を作らせ、「器はそのうち返す」とテイクアウトまでした。
「生成の魚が冷めないうちに帰るぞ」
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「えっ?」
『五百枝様……』
「真に受けんな生成」
「なっ! 違うよ! ずっと付き合って貰って、申し訳ないと思ってただけだって!」
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「ボサッとしてないで食えよ。食わなくとも死んだりしないが、食欲はあるんだろう? 檜皮の身体で食ったって、なんも問題ないはずだ」
「そっか。ここはそうゆう世界なんだ……」
「ああ。皆、人間みたいだが、違うんだ」
遠い目をした五百枝に、なぜか悪い事をしてしまったような気がして、由良は悲しくなる。
でも、この状況を、隠に来たことを、けしてマイナスには捉えたくなかった。
「うん。でも、私の魂は変わらないんだよね。なら、ちょっとした環境の変化だよ。慣れればいいだけ。人間だって、生きていれば歳をとるし、いつか黄泉に行くんでしょう? でも魂は――心は変わらないもの」
「そうか。そうだな。――食ったら寝るぞ」
五百枝は一瞬瞠目したが、握り飯を口一杯に頬ばってあっという間に咀嚼し、敷いた布団にゴロンと横になった。
本当に疲れていたのだろう、五百枝は深く眠ったため、時折歯と歯を合わせるカチリとした音がする。
生成も五百枝の足元の方に、早々と潜り込んでしまった。
白銀に煌めく睫毛が長い。ゆるゆると動く唇がおかしくて、由良はフフッと吹き出しそうになる。相変わらず整っているが、起きている時よりずっと幼く見えた。
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