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第二部 三流調剤師と約束
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ドンっという腹に響くような音で目を覚ましたのは、ホルトンの南門の前に差し掛かったときだった。
門がいつもより明るい。
見回せば巨躯の冒険者カーソンをはじめ、アガレスとバアルの冒険者が数名、明かりを手に立っていた。
武装し、背には遺跡に潜る時に必要な荷を背負っている。鞍がついた馬も用意されていた。
キーランとアガレスのカーソン、バアルのダンの話に耳を傾けたことには……
夕飯前には戻る予定だったキーラン隊が帰ってこない、という情報はアガレスとバアルにすぐに伝わった。当初は明日の朝から救助が派遣される予定だったが、向かった先が未知の遺跡であることから緊急性が高いと判断された。ところがカーソンとダンのチームがホルトンを出立する直前になってオーガスタスから待機要請が出た。
その理由が伝えられないまま、カーソンとダンはいつでも出立できるように南門で待機していたらしい。
何があったのかとカーソンとダンに質問を浴びたキーランは、「遺跡の内部が崩落した。命からがら逃げ出してきただけだ」と簡潔に答えていた。何も間違ってはいないが、カーソンもダンも訝しげな顔をしている。
そういうこうしている間に、原因不明の音に驚いたホルトンの人々で街はいつになく騒がしくなった。
不安そうな人々が街兵に何事かと詰め寄る。
しかし、なにも被害がないと分かるとなぜか酒盛りに移行する。
冒険者と人夫の街ホルトンらしい光景だった。
キーランはカーソンたちに謝意を伝え、後日、酒を奢る約束をして皆を納得させていた。
ホルトンの冒険者の酒好きとキーランの信頼度のなせる技である。
オーガスタスが捜索に待ったをかけた理由はぴんときた。
とにもかくにも、まずはギルドに戻らねばなるまい。
「お帰りなさい」
ロフォカレのオーガスタスの執務室で待っていたのは、思った通り魔女リュンヌ。
ソファに腰掛け優雅にお茶を楽しんでいる。
空になったカップにゼイヴィアが琥珀色の液体を注ぐ。その姿はなんだかとっても様になっている。
絵に描いたような、お嬢様と執事の図だった。
「お疲れ様。オーガスタスとはもう話をさせてもらったのだけど、あの遺跡は存在しなかったことになるわ。あなた達も早く忘れることね」
まあ、そうだろうな。
問題はアガレスとバアルにどう話をつけるかだが、オーガスタスとゼイヴィアが上手いことやるのだろう。
リュンヌは「さて」と言って湯気を立てるカップを置く。
「用も済んだし私は失礼するわね」
立ち上がると、私の前に歩を進める。
「その前に聞かせて。ねえ、イーリス。自由になった今、あなたは幸せ?」
私は苦笑した。印の解除から一日も経っていないのに分かるはずがない。
悠久の時を生きるのに、リュンヌは随分と気が早い。
「まだまだ分かりません。今は幸せでも一年後には不幸だと思っているかもしれない。一年後には不幸だと思っていても、十年後には幸せかもしれない。だから、私が生を終える時に、答えを尋ねにきてくれませんか」
冗談交じりにそう提案する。
リュンヌは頷いた。
「それもそうね。その時を楽しみにしてるわ」
魔女は少女のように無邪気に微笑んだ。ふっとその姿が眼前から消える。
現れたのも突然なら、去るのも突然だ。
「幸せかどうか近くで見ているわ」なんて展開にならなくて本当に良かった。
「みな、ご苦労だったね。魔女の言う通り遺跡のことは忘れるように」
いつもどおり執務机に座るオーガスタスが穏やかな声で言う。
「街は無事なようだが、周囲に影響がないともかぎらんからね。被害の報告が上がるかも知れん。そうなれば忙しくなるよ。さあ、今日はもう休みなさい」
オーガスタスに促され、私たちはロフォカレを後にした。
いつもなら隣の酒場で食事をとってから解散になるのだが、今日はそんな気分にはならない。
想像よりずっと弱いものだったとはいえ、支配され封じられていた力が顕現したのだ。体の変化に戸惑いがあったし、何より私にはやらなければならいことがあった。
私は皆と別れると、ラグナルと共に家路につく。
途中で買って歩きながら食べた串焼きが胃にしみた。
そういえば、小さなラグナルに二本しかなかった串焼きを食べられてしまったこともあったっけ。パンを咥えて、振り返ったラグナルの姿を思い出し、笑声が漏れる。
「どうした?」と尋ねるラグナルに、私は「なんでもない」と答えた。
家の前につくと、ラグナルが足を止める。
「また明日」
と言って去ろうとするラグナルの手を掴む。
私の中に流れる魔人の力は頼りない。けれど今ならできる気がするのだ。ラグナルの背にある印の解呪が。
「ラグナル、入って」
ラグナルが目を見張る。
「いや、しかし……」
「いいから!」
私は渋るラグナルを強引に家に押し込んだ。
戸を閉めると、肩にかけていた鞄を下ろす。
いつになく緊張していた。出来る、とは思うものの、ラートーンの支配が解かれて初めての解呪である。しかも力では比べようもないほどリュンヌに軍配が上がる。
もし失敗すれば、ラグナルはきっと失望するだろう。
「ラグナル……大丈夫、とは思うんだけど初めてだから上手く出来るかわからない。でも精一杯やるから! 服を脱いで、ベッドに横になって」
口早に告げる。
ラグナルの黒い瞳が限界まで見開かれた。
「本気……なのか?」
そう問う声はかすれていた。
「え……あ、あの、そんなに驚かなくても……。あ、いやならいいの。無理にとは全然言わないから」
一度解呪に失敗している身である。信用がないのは仕方ない。
簡単な解呪から段階を重ねて、ラグナルに安心してもらってからの方がいいだろう。
「ノアあたりで練習してからにするよ」
幸い彼の体には印がいっぱい刻まれている。ルツの許可をとって、古い印をいくつか解除させてもらおう。
我ながらいい案だと思ったのに、ラグナルの顔がみるみるこわばる。
褐色の指が伸び、私の腕を掴んだ。
「そんなこと、誰が許すか!」
――あ、あれ? 怒ってる?
「そ、そうだよね! 仲間を試験台にしようだなんてダメだよね!?」
まさかラグナルがノアのことでそんなに怒りを露わにするとは思わなかった。きっと遺跡の中で背中を預けあい、絆がうまれていたのだ。
しかしノアがダメとなると……
――蝸牛でも捕まえて、自分で印術かけて解いてみようかな。
そう思案していると、ラグナルが低く呟いた。
「黒魔法の使用許可を」
「え? どうして?」
「支度をする」
以前、ラグナルが家中の明かりをつけたことを思い出す。
刃で指を切らなければならないし、明るいにこしたことはない。
しかしなぜ急に解呪をやる気になったのだろう。
「無理しなくていいんだよ?」
「無理など……していない。むしろ待たされるほうが、苦しい。許可を」
私に任せるのも不安だが、それ以上に時の支配を受け続けるのは辛いのだろう。
「許可します」
明かりを点けるぐらいなら大して魔力も使わない。私は許可をだした。
その途端、勢いよく体が引き寄せられる。
気づいた時にはラグナルに抱きしめられていた。
「お願いだ。俺だけにしてくれ」
――え?
「俺はイーリスだけだと約束するから」
――は?
身じろぎも出来ないほどきつく私を抱きすくめていた腕がゆるむ。
かと思えば、ラグナルの顔が近づいて来る。
行く先々で月や星の光に例えられた銀の髪がさらりと流れる。深い漆黒の瞳には私だけが写っていた。
上から覆いかぶさるように近づいていた顔は、なぜか徐々に下がり、ついには目線が私と並ぶ。
うそ……でしょ……
「ラグナル、逆行してるー!!」
門がいつもより明るい。
見回せば巨躯の冒険者カーソンをはじめ、アガレスとバアルの冒険者が数名、明かりを手に立っていた。
武装し、背には遺跡に潜る時に必要な荷を背負っている。鞍がついた馬も用意されていた。
キーランとアガレスのカーソン、バアルのダンの話に耳を傾けたことには……
夕飯前には戻る予定だったキーラン隊が帰ってこない、という情報はアガレスとバアルにすぐに伝わった。当初は明日の朝から救助が派遣される予定だったが、向かった先が未知の遺跡であることから緊急性が高いと判断された。ところがカーソンとダンのチームがホルトンを出立する直前になってオーガスタスから待機要請が出た。
その理由が伝えられないまま、カーソンとダンはいつでも出立できるように南門で待機していたらしい。
何があったのかとカーソンとダンに質問を浴びたキーランは、「遺跡の内部が崩落した。命からがら逃げ出してきただけだ」と簡潔に答えていた。何も間違ってはいないが、カーソンもダンも訝しげな顔をしている。
そういうこうしている間に、原因不明の音に驚いたホルトンの人々で街はいつになく騒がしくなった。
不安そうな人々が街兵に何事かと詰め寄る。
しかし、なにも被害がないと分かるとなぜか酒盛りに移行する。
冒険者と人夫の街ホルトンらしい光景だった。
キーランはカーソンたちに謝意を伝え、後日、酒を奢る約束をして皆を納得させていた。
ホルトンの冒険者の酒好きとキーランの信頼度のなせる技である。
オーガスタスが捜索に待ったをかけた理由はぴんときた。
とにもかくにも、まずはギルドに戻らねばなるまい。
「お帰りなさい」
ロフォカレのオーガスタスの執務室で待っていたのは、思った通り魔女リュンヌ。
ソファに腰掛け優雅にお茶を楽しんでいる。
空になったカップにゼイヴィアが琥珀色の液体を注ぐ。その姿はなんだかとっても様になっている。
絵に描いたような、お嬢様と執事の図だった。
「お疲れ様。オーガスタスとはもう話をさせてもらったのだけど、あの遺跡は存在しなかったことになるわ。あなた達も早く忘れることね」
まあ、そうだろうな。
問題はアガレスとバアルにどう話をつけるかだが、オーガスタスとゼイヴィアが上手いことやるのだろう。
リュンヌは「さて」と言って湯気を立てるカップを置く。
「用も済んだし私は失礼するわね」
立ち上がると、私の前に歩を進める。
「その前に聞かせて。ねえ、イーリス。自由になった今、あなたは幸せ?」
私は苦笑した。印の解除から一日も経っていないのに分かるはずがない。
悠久の時を生きるのに、リュンヌは随分と気が早い。
「まだまだ分かりません。今は幸せでも一年後には不幸だと思っているかもしれない。一年後には不幸だと思っていても、十年後には幸せかもしれない。だから、私が生を終える時に、答えを尋ねにきてくれませんか」
冗談交じりにそう提案する。
リュンヌは頷いた。
「それもそうね。その時を楽しみにしてるわ」
魔女は少女のように無邪気に微笑んだ。ふっとその姿が眼前から消える。
現れたのも突然なら、去るのも突然だ。
「幸せかどうか近くで見ているわ」なんて展開にならなくて本当に良かった。
「みな、ご苦労だったね。魔女の言う通り遺跡のことは忘れるように」
いつもどおり執務机に座るオーガスタスが穏やかな声で言う。
「街は無事なようだが、周囲に影響がないともかぎらんからね。被害の報告が上がるかも知れん。そうなれば忙しくなるよ。さあ、今日はもう休みなさい」
オーガスタスに促され、私たちはロフォカレを後にした。
いつもなら隣の酒場で食事をとってから解散になるのだが、今日はそんな気分にはならない。
想像よりずっと弱いものだったとはいえ、支配され封じられていた力が顕現したのだ。体の変化に戸惑いがあったし、何より私にはやらなければならいことがあった。
私は皆と別れると、ラグナルと共に家路につく。
途中で買って歩きながら食べた串焼きが胃にしみた。
そういえば、小さなラグナルに二本しかなかった串焼きを食べられてしまったこともあったっけ。パンを咥えて、振り返ったラグナルの姿を思い出し、笑声が漏れる。
「どうした?」と尋ねるラグナルに、私は「なんでもない」と答えた。
家の前につくと、ラグナルが足を止める。
「また明日」
と言って去ろうとするラグナルの手を掴む。
私の中に流れる魔人の力は頼りない。けれど今ならできる気がするのだ。ラグナルの背にある印の解呪が。
「ラグナル、入って」
ラグナルが目を見張る。
「いや、しかし……」
「いいから!」
私は渋るラグナルを強引に家に押し込んだ。
戸を閉めると、肩にかけていた鞄を下ろす。
いつになく緊張していた。出来る、とは思うものの、ラートーンの支配が解かれて初めての解呪である。しかも力では比べようもないほどリュンヌに軍配が上がる。
もし失敗すれば、ラグナルはきっと失望するだろう。
「ラグナル……大丈夫、とは思うんだけど初めてだから上手く出来るかわからない。でも精一杯やるから! 服を脱いで、ベッドに横になって」
口早に告げる。
ラグナルの黒い瞳が限界まで見開かれた。
「本気……なのか?」
そう問う声はかすれていた。
「え……あ、あの、そんなに驚かなくても……。あ、いやならいいの。無理にとは全然言わないから」
一度解呪に失敗している身である。信用がないのは仕方ない。
簡単な解呪から段階を重ねて、ラグナルに安心してもらってからの方がいいだろう。
「ノアあたりで練習してからにするよ」
幸い彼の体には印がいっぱい刻まれている。ルツの許可をとって、古い印をいくつか解除させてもらおう。
我ながらいい案だと思ったのに、ラグナルの顔がみるみるこわばる。
褐色の指が伸び、私の腕を掴んだ。
「そんなこと、誰が許すか!」
――あ、あれ? 怒ってる?
「そ、そうだよね! 仲間を試験台にしようだなんてダメだよね!?」
まさかラグナルがノアのことでそんなに怒りを露わにするとは思わなかった。きっと遺跡の中で背中を預けあい、絆がうまれていたのだ。
しかしノアがダメとなると……
――蝸牛でも捕まえて、自分で印術かけて解いてみようかな。
そう思案していると、ラグナルが低く呟いた。
「黒魔法の使用許可を」
「え? どうして?」
「支度をする」
以前、ラグナルが家中の明かりをつけたことを思い出す。
刃で指を切らなければならないし、明るいにこしたことはない。
しかしなぜ急に解呪をやる気になったのだろう。
「無理しなくていいんだよ?」
「無理など……していない。むしろ待たされるほうが、苦しい。許可を」
私に任せるのも不安だが、それ以上に時の支配を受け続けるのは辛いのだろう。
「許可します」
明かりを点けるぐらいなら大して魔力も使わない。私は許可をだした。
その途端、勢いよく体が引き寄せられる。
気づいた時にはラグナルに抱きしめられていた。
「お願いだ。俺だけにしてくれ」
――え?
「俺はイーリスだけだと約束するから」
――は?
身じろぎも出来ないほどきつく私を抱きすくめていた腕がゆるむ。
かと思えば、ラグナルの顔が近づいて来る。
行く先々で月や星の光に例えられた銀の髪がさらりと流れる。深い漆黒の瞳には私だけが写っていた。
上から覆いかぶさるように近づいていた顔は、なぜか徐々に下がり、ついには目線が私と並ぶ。
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