49 / 122
三流調剤師と初恋
49
しおりを挟む
「ルツ、無事だね。ラグナル、走るの速すぎ。……っイーリス、なんて格好してんの!」
部屋の中を見回したノアは、まずベッドの上のルツに気付いて、安堵の表情を浮かべ、次にラグナルを見て文句を言い、最後に声をひっくり返して、フードを目深に被った。
――そういえば……
私は恐る恐る自分の体を見下ろした。襟を押さえていた手を離してしまっている。帯はさっき座っていた椅子の下に落ちていた。
つまりまた入浴着がはだけているわけで……
「イーリス。腕を放してやったほうがいい。茹で上がるぞ」
キーランがそっと顔を背ける。
胸に抱きこむように掴んでいた腕を辿ると、今までで一番赤くなったラグナルの顔。その目は虚ろなようで、一点を凝視している。
マーレイに裸を見られても別になんてことはなかった。だって彼が見ていたのは臍に刻まれた印だ。ラグナルに吹き飛ばされて気を失っている男も、つまらなそうな顔で腹を見ていたし、見張りに立っていた男は、あっというまに扉の下敷きになった。
だからなのか、羞恥はあまり感じなかったのだ。これからどうなるのだろうという不安や恐怖のほうが大きかったし。
――今が一番恥ずかしい……
「ラグナル、その、ごめんね」
私は慌てて腕を放し、再び入浴着をしっかり合わせて、帯を拾って巻きつけた。
ひとまず安心だ。
「なに、これでよし、みたいな顔してんの。それ入浴着だよ? 馬鹿なの?」
間近で声がしたと思ったら、緑色の布が体にかけられた。ノアのローブだ。ルツにはキーランが上着を渡している。
「ありがとう」
前面素っ裸に比べて格段に防御力が上がった気になってしまっていたが、確かに薄手の入浴着で安心はなかった。
「あのー、ラグナル? 誓ってわざとじゃなくて……」
ラグナルは腕を見詰めたまま動かない。
いきなり痴漢行為にも等しい真似をされては動揺もするだろう。何せ多感な年頃だ。
「ラグナル、鼻血出てるんだけど。引くわー」
ノアが嫌そうな顔で指摘する通り、つっと鼻から溢れた赤い雫が唇を伝って落ちて、服に染みをつくる。
……次々と彼に黒歴史を積み重ねさせている気がする。もう、ゼイヴィアが言っていた、記憶が戻ったら記憶喪失中のことを忘れていたって例に懸けたい!
「さっさと拭きなよ、いつまで呆けてんの?」
微動だにしないラグナルをノアが突くと、ふらり、とラグナルの体が前のめりに倒れた。
「は!?」
咄嗟にノアが手を出すが、体重を支え切れなかった。二人は揃って床に倒れこむ。
「いってぇ、ちょっとラグナルいい加減にしてくれる。いくらなんでも大袈裟でしょ」
ラグナルにのし掛かられる形になったノアは、文句を言いながらその体を押しのける。
最初に異変に気付いたのはルツだった。
「イーリス!!」
悲鳴に近い声で名を呼ばれ、私はハッとしてラグナルの傍に膝をついた。
シャツをめくり、息をのむ。
「印が……」
「なに、これ。再構築しようとしてるの? 嘘でしょ……」
ノアも気づいたようだ。床で打ったらしい腰をさすりながらラグナルの背中に目をやる。呟いた声はかすれていた。
ラグナルの背中に刻まれた印は急速に力を持ち始めていた。
「キーラン、短剣を!」
キーランは何も言わずに腰の剣帯から短剣を抜いた。私はそれを受け取ると、指先に刃を滑らせた。
解呪した印の再構築など、聞いたこともない。
けどこれがルツの言うように魔女のつけたものだとしたら、人間の常識など通じない。
血の滴る指先を印に押し当てた。
何が起きているのか探ろうと、目を閉じて意識を集中させる。
隣でノアがキーランに男たちを外に放り出してと指示している声が聞こえた。体を引きずる音。困惑するトリスタンの声。布の裂ける音。たくさんの物音が遠ざかっていく。
ラグナルの印を読み取ろうとすると、いつも渦巻く激流に身を投じるような底の見えない恐怖を感じる。引き摺り込まれそうになる意識をぎりぎりの縁で保たなければならない。長く細く息を吐き、綱渡りをするように慎重に慎重に覗き込み……
そっと目を開け、血のついた指を印から離した。
力と記憶を封じる部分には動きがない。支配の力だけが増しつつある。
――時が巻き戻ろうとしている。
原因は黒魔法を使ったことだ。
以前も感じた通り、力の封印は完璧じゃなかった。どうやら彼は封印を免れた己の魔力を使い、時の支配を押しとどめていたらしい。それが黒魔法を発動させたことにより支配に抗うための魔力が足りなくなってしまったのだ。
ずっと抱いていた疑問が解けた。
ラグナルがなぜコールの森の中で子供になってしまったのか。
以前から黒魔法を使わなかったことから、この印が最近刻まれたものではないのは分かっていた。
ずっと大人の姿を保っていられたのに、あの森で子供になってしまったのは、おそらく二角の灰熊獣のせいだ。狒々神を追う最中に遭遇して、黒魔法を使わざるをえなかったのだろう。
大人の状態から6、7歳に戻った。なら今の状態から逆行したらどうなる?
ルツは言っていた。城に運び込まれた人は逆行して跡形もなく消えたと。
――ラグナルが、消える?
森で見つけたときは何を考えているのかわからない子供だった。でも次の日には甘えん坊になって、その次はしっかり者になって、生意気になって、怒らせると怖くなって……
毎日、明日はどうなっているのだろうと、怖くもあったけれど、楽しみでもあった。
ゆっくりと、でも順調に解呪は進んでいた。
なのに、今になって、巻き戻って、消える?
力が抜けそうになる両手を、きつく握りしめる。
そんなこと、させてたまるか!
「ノア、ルツのワンド持ってきてる?」
魔術師の持つスタッフやワンドには力を増幅させる石や素材が組み込まれている。ワンドなら金平石が入っている可能性が高い。
「ルツのはない。僕のなら……」
私は思わずノアを見た。印術を嫌って家を出奔したノアが、ワンドを所持していることが意外だったのだ。
「素材は?」
「淡雪石、青丹石、金平石、松風の木」
高級素材ばかりだ。私が言うのもなんだけど、モーシェのぼんぼんめ。
「金平石、貸して」
「金平石?」
「いいから、貸して」
ずいっと手のひらを出すと、ノアは懐から小ぶりのロッドを取り出した。
先端に棒状の大きな青白い石が輝き、その根本にくすんだ緑色の石がはめ込まれている。
ノアはワンドを床に置くと、スタッフを手に持つ。ぶつぶつと呟くように詠唱し術を編むと、ワンドの柄の部分を突いた。木が砕けバラバラと金色の石がでてくる。
10粒ほどある金色の石の中から一番大粒のものを選ぶと、私はキーランの短剣を握りしめた。
皮膚の裂ける感触がする。
手を開くと、ぼたぼたと血が滴った。血まみれになった掌で金平石を掴み、ラグナルの印に当てる。
ぐっと握った拳に力を入れると、いく筋も血が溢れて流れ出し、ラグナルの背中を染めていく。
私は再び目を閉じて、印に意識を滑り込ませる。これまで私が解いてきた封印は無視だ。解呪で生じたほつれから、ラグナルの魔力によって食い破られようとしていた支配に焦点をあてた。解けたより紐が絡まり合おうとしているその先端をさぐり、ありったけの力でそれを阻む。
全身の血の力を掌に。掌からラグナルの印に流し込んだ。
介入を拒む印を力づくでねじ伏せ、弾かれ、またねじ伏せる。
そうやってどれほどの時間が経っただろうか。
私の意識は唐突に途切れた。
部屋の中を見回したノアは、まずベッドの上のルツに気付いて、安堵の表情を浮かべ、次にラグナルを見て文句を言い、最後に声をひっくり返して、フードを目深に被った。
――そういえば……
私は恐る恐る自分の体を見下ろした。襟を押さえていた手を離してしまっている。帯はさっき座っていた椅子の下に落ちていた。
つまりまた入浴着がはだけているわけで……
「イーリス。腕を放してやったほうがいい。茹で上がるぞ」
キーランがそっと顔を背ける。
胸に抱きこむように掴んでいた腕を辿ると、今までで一番赤くなったラグナルの顔。その目は虚ろなようで、一点を凝視している。
マーレイに裸を見られても別になんてことはなかった。だって彼が見ていたのは臍に刻まれた印だ。ラグナルに吹き飛ばされて気を失っている男も、つまらなそうな顔で腹を見ていたし、見張りに立っていた男は、あっというまに扉の下敷きになった。
だからなのか、羞恥はあまり感じなかったのだ。これからどうなるのだろうという不安や恐怖のほうが大きかったし。
――今が一番恥ずかしい……
「ラグナル、その、ごめんね」
私は慌てて腕を放し、再び入浴着をしっかり合わせて、帯を拾って巻きつけた。
ひとまず安心だ。
「なに、これでよし、みたいな顔してんの。それ入浴着だよ? 馬鹿なの?」
間近で声がしたと思ったら、緑色の布が体にかけられた。ノアのローブだ。ルツにはキーランが上着を渡している。
「ありがとう」
前面素っ裸に比べて格段に防御力が上がった気になってしまっていたが、確かに薄手の入浴着で安心はなかった。
「あのー、ラグナル? 誓ってわざとじゃなくて……」
ラグナルは腕を見詰めたまま動かない。
いきなり痴漢行為にも等しい真似をされては動揺もするだろう。何せ多感な年頃だ。
「ラグナル、鼻血出てるんだけど。引くわー」
ノアが嫌そうな顔で指摘する通り、つっと鼻から溢れた赤い雫が唇を伝って落ちて、服に染みをつくる。
……次々と彼に黒歴史を積み重ねさせている気がする。もう、ゼイヴィアが言っていた、記憶が戻ったら記憶喪失中のことを忘れていたって例に懸けたい!
「さっさと拭きなよ、いつまで呆けてんの?」
微動だにしないラグナルをノアが突くと、ふらり、とラグナルの体が前のめりに倒れた。
「は!?」
咄嗟にノアが手を出すが、体重を支え切れなかった。二人は揃って床に倒れこむ。
「いってぇ、ちょっとラグナルいい加減にしてくれる。いくらなんでも大袈裟でしょ」
ラグナルにのし掛かられる形になったノアは、文句を言いながらその体を押しのける。
最初に異変に気付いたのはルツだった。
「イーリス!!」
悲鳴に近い声で名を呼ばれ、私はハッとしてラグナルの傍に膝をついた。
シャツをめくり、息をのむ。
「印が……」
「なに、これ。再構築しようとしてるの? 嘘でしょ……」
ノアも気づいたようだ。床で打ったらしい腰をさすりながらラグナルの背中に目をやる。呟いた声はかすれていた。
ラグナルの背中に刻まれた印は急速に力を持ち始めていた。
「キーラン、短剣を!」
キーランは何も言わずに腰の剣帯から短剣を抜いた。私はそれを受け取ると、指先に刃を滑らせた。
解呪した印の再構築など、聞いたこともない。
けどこれがルツの言うように魔女のつけたものだとしたら、人間の常識など通じない。
血の滴る指先を印に押し当てた。
何が起きているのか探ろうと、目を閉じて意識を集中させる。
隣でノアがキーランに男たちを外に放り出してと指示している声が聞こえた。体を引きずる音。困惑するトリスタンの声。布の裂ける音。たくさんの物音が遠ざかっていく。
ラグナルの印を読み取ろうとすると、いつも渦巻く激流に身を投じるような底の見えない恐怖を感じる。引き摺り込まれそうになる意識をぎりぎりの縁で保たなければならない。長く細く息を吐き、綱渡りをするように慎重に慎重に覗き込み……
そっと目を開け、血のついた指を印から離した。
力と記憶を封じる部分には動きがない。支配の力だけが増しつつある。
――時が巻き戻ろうとしている。
原因は黒魔法を使ったことだ。
以前も感じた通り、力の封印は完璧じゃなかった。どうやら彼は封印を免れた己の魔力を使い、時の支配を押しとどめていたらしい。それが黒魔法を発動させたことにより支配に抗うための魔力が足りなくなってしまったのだ。
ずっと抱いていた疑問が解けた。
ラグナルがなぜコールの森の中で子供になってしまったのか。
以前から黒魔法を使わなかったことから、この印が最近刻まれたものではないのは分かっていた。
ずっと大人の姿を保っていられたのに、あの森で子供になってしまったのは、おそらく二角の灰熊獣のせいだ。狒々神を追う最中に遭遇して、黒魔法を使わざるをえなかったのだろう。
大人の状態から6、7歳に戻った。なら今の状態から逆行したらどうなる?
ルツは言っていた。城に運び込まれた人は逆行して跡形もなく消えたと。
――ラグナルが、消える?
森で見つけたときは何を考えているのかわからない子供だった。でも次の日には甘えん坊になって、その次はしっかり者になって、生意気になって、怒らせると怖くなって……
毎日、明日はどうなっているのだろうと、怖くもあったけれど、楽しみでもあった。
ゆっくりと、でも順調に解呪は進んでいた。
なのに、今になって、巻き戻って、消える?
力が抜けそうになる両手を、きつく握りしめる。
そんなこと、させてたまるか!
「ノア、ルツのワンド持ってきてる?」
魔術師の持つスタッフやワンドには力を増幅させる石や素材が組み込まれている。ワンドなら金平石が入っている可能性が高い。
「ルツのはない。僕のなら……」
私は思わずノアを見た。印術を嫌って家を出奔したノアが、ワンドを所持していることが意外だったのだ。
「素材は?」
「淡雪石、青丹石、金平石、松風の木」
高級素材ばかりだ。私が言うのもなんだけど、モーシェのぼんぼんめ。
「金平石、貸して」
「金平石?」
「いいから、貸して」
ずいっと手のひらを出すと、ノアは懐から小ぶりのロッドを取り出した。
先端に棒状の大きな青白い石が輝き、その根本にくすんだ緑色の石がはめ込まれている。
ノアはワンドを床に置くと、スタッフを手に持つ。ぶつぶつと呟くように詠唱し術を編むと、ワンドの柄の部分を突いた。木が砕けバラバラと金色の石がでてくる。
10粒ほどある金色の石の中から一番大粒のものを選ぶと、私はキーランの短剣を握りしめた。
皮膚の裂ける感触がする。
手を開くと、ぼたぼたと血が滴った。血まみれになった掌で金平石を掴み、ラグナルの印に当てる。
ぐっと握った拳に力を入れると、いく筋も血が溢れて流れ出し、ラグナルの背中を染めていく。
私は再び目を閉じて、印に意識を滑り込ませる。これまで私が解いてきた封印は無視だ。解呪で生じたほつれから、ラグナルの魔力によって食い破られようとしていた支配に焦点をあてた。解けたより紐が絡まり合おうとしているその先端をさぐり、ありったけの力でそれを阻む。
全身の血の力を掌に。掌からラグナルの印に流し込んだ。
介入を拒む印を力づくでねじ伏せ、弾かれ、またねじ伏せる。
そうやってどれほどの時間が経っただろうか。
私の意識は唐突に途切れた。
0
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる