35 / 122
三流調剤師と反抗期
35
しおりを挟む
ラグナルはふいと顔を背け、流れる景色に視線を移す。
彼が今朝になって、私と距離を置こうとしているのは感じていた。
呼び方が変わったのだから、嫌でも気づく。
私はそれを、ダークエルフが人間に対して抱く負の感情から生じたものだと捉えた。
分かりやすく誇張すると、矮小な人間のお前を、誇り高いダークエルフである俺様が、なぜ姉と慕わねばならん。みたいな。
今でもその解釈は間違っていないと思う。
なのに……ルツさんは、なんで「あらあら、まあまあ」みたいな顔で私たちを見てるのかな?
うん、分かる。分かるよ。ルツがラグナルの今の台詞をどう受け取ったのか。私だって彼が人間嫌いのダークエルフでさえなければ、ちらっとその可能性を考えただろう。
でも記憶をなくし、一時は片時も傍を離れたくないというくらい慕ってくれていた時間を経ても「これだから人間は」なのだ。
それに今はまだ好感が勝っていても、いつか逆転する。
その時のことを思うと……準備をしておかなければならないだろう。
――一年、かかったんだけどなあ。
重い溜息がもれる。私はラグナルから顔を背けると、彼と同じように外を眺めることにした。
とまあ、起爆剤のいない馬車の中でもそんな感じだったのだから、立ち寄った街でとった昼食が楽しいものとなるはずもない。
「で、どうしてイーリスとラグナルは街に入ったら手を繋ぐわけ?」
鶏肉の煮込み料理を食べながら、ノアが唐突に話を振る。
この街でも馬車を降りたとたんに、ラグナルは無言で私の手をとって歩き始めた。皆の視線が痛かったけど、大人の配慮で触れずにいてくれると思っていたのに……。今、突っ込むか。
昼食ぐらい心穏やかに食べたかった!
ちらりと隣のラグナルを見れば、彼は無言でノアを睨みつけただけで、付け添えの野菜を口に運んでいる。
「色々と深いわけがあって……」
深いわけなどない。ただ単に、好奇心の赴くままに動き回っていたころの、ラグナルの行動を抑制するために編み出した、水たまり並みの浅知恵の結果だ。
「もしかして、それも約束とかいうやつ?」
私は驚いてノアを見た。ノアがダークエルフの習性について、オーガスタスほど明るい様子はなかったのに。
「オーガスタスから聞いてな。ラグナルと口約束を交わす時はくれぐれも注意しろと」
酒を頼もうとして、ルツに窘められていたウォーレスが、口を挟む。
「ああ、なるほど……」
忠告したにも関わらず軽々しく約束を交わしていた私を見て、危惧したわけか。
「黒魔法の使用にも制限かけてるでしょ? ダークエルフの根幹を侵すなんて、イーリスって結構命知らずだよねえ」
ラグナルが成長する姿を見ても、喧嘩をふっかけるノアにだけは言われたくない。
「他にも何か約束を? ああ、成長後は経済面で尽くすという話は覚えています」
ゼイヴィアは食事の手を止め、興味深げに私を見た。
真顔で言葉を置き換えるのはやめてほしい。尽くすじゃなくて、稼ぐです。
「色々と語弊があると思うんですが!」
私は強く抗議した。
「そうですか? そう変わりないと思いますが。それで他にどんな約束を?」
全く通じなかった。歯牙にもかけず流されて、疲れを感じながら私は質問に答える。
「えーと、黒魔法を使う時は事前に申請し許可を得る。余裕のない時、食料は平等に分ける。街では手を繋ぐ……」
あと、何だろう?
「二つ名の話を本人にしない。って意味ない約束あったじゃん」
指折り数えて思い出していると、テーブルに肘をついてフォークをくるくる回しながらノアが付け足す。
「そういえば、そんなのあったっけ……。その五つですかね」
本人に対して本人に話すな。なんて、本当に無意味な約束だ。
「イーリスさんよ。まだ何かありそうなんだが」
――え?
ウォーレスを見ると、彼の顔はラグナルに向いていた。
恐る恐る隣に視線を向けると。そこには心底呆れた顔をしたラグナルが。
目が合うと、彼は小さく息を吐いた。溜息と、鼻で笑う感じと、自嘲が混じった複雑な吐息だ。
「まさか忘れてるとは思わなかった」
「ご、ごめん。まだあった? どんな約束だっけ?」
私は小さくなって尋ねた。
「別に、大した約束じゃない」
ラグナルはそう言うと、さっと視線を反らしてしまう。その後は例の話しかけるなオーラを出して拒絶である。取りつく島もなかった。
「反抗期か」
それまで黙々と食事を口に運び、驚異的なスピードで皿を空にしていたキーランがぼそっと呟く。
「反抗期だな」
「反抗期ですね」
「だっせー」
「やめなさい、ノア」
その言葉にウォーレスとゼイヴィアが続き、ノアが馬鹿にし、ルツが窘めた。
耳を赤く染め、手を握り締めて、黙って羞恥に耐えたラグナルは偉かったと思う。
そうか、反抗期か……
昼食時がこんな有様だったせいで、その後の馬車の空気が輪をかけて酷くなったのは言うまでもない。
領主の城に着いた時の開放感といったら、刑期を終えて牢獄から解放されたらこんな心地がするんじゃないかと思うほどだ。
城は、近くの街を見下ろす小高い丘の上に築かれていた。周りには掘りが巡らされ、塁壁の四隅には見張り塔。やや物々しい見た目だ。
日没を間近に控え、西の壁は夕日に赤く照らされ、東側は闇に沈んでいる。
跳ね橋を渡ると、数人の騎士を従えた顔色の悪い男が待ち構えていた。
「これは、マーレイ様にお出迎えいただけるとは……」
ゼイヴィアが恭しく頭を垂れる。
「城代のルーサー・マーレイです。現領主の従兄弟にあたります」
ゼイヴィアに倣って礼をとると、隣でルツが耳打ちする。
「いやいや、狒々神を倒した英雄を出迎えねば、それこそ非礼にあたるというもの。さあさあ長旅でお疲れでしょう。詰まらぬ話は明日にして今宵は城でゆるりと過ごされるが良い。そういえばウーイル家のご子息とご令嬢が討伐隊に参加しておられたとか。もしや後ろのお二人が? 話に聞く通り、見事な赤毛ですな」
マーレイはそう言うと、ルツとノアに視線を移す。
ルツは優雅に腰を折り、ノアは面倒だと言わんばかりの横柄な態度で、それでも形に則った挨拶を述べる。
いいところの跡取りだとウォーレスが言っていたが……。思ったより遥かにいいところの出のようだ。
そんな二人がどうして討伐ギルドで危険な冒険者なんてやっているのか。気になるが、知らない方が幸せなことの類に属しそうなので絶対聞かない。
その後もマーレイはルツとノアを褒め称え、歓待するのに終始した。
それならそれで放っておいてくれてもいいのに、晩餐を共にし、武勇伝を聞かせてほしいと言う。
なのに食事の最中もルツとノア以外には目もくれなかった。
不自然なほどに。
彼が今朝になって、私と距離を置こうとしているのは感じていた。
呼び方が変わったのだから、嫌でも気づく。
私はそれを、ダークエルフが人間に対して抱く負の感情から生じたものだと捉えた。
分かりやすく誇張すると、矮小な人間のお前を、誇り高いダークエルフである俺様が、なぜ姉と慕わねばならん。みたいな。
今でもその解釈は間違っていないと思う。
なのに……ルツさんは、なんで「あらあら、まあまあ」みたいな顔で私たちを見てるのかな?
うん、分かる。分かるよ。ルツがラグナルの今の台詞をどう受け取ったのか。私だって彼が人間嫌いのダークエルフでさえなければ、ちらっとその可能性を考えただろう。
でも記憶をなくし、一時は片時も傍を離れたくないというくらい慕ってくれていた時間を経ても「これだから人間は」なのだ。
それに今はまだ好感が勝っていても、いつか逆転する。
その時のことを思うと……準備をしておかなければならないだろう。
――一年、かかったんだけどなあ。
重い溜息がもれる。私はラグナルから顔を背けると、彼と同じように外を眺めることにした。
とまあ、起爆剤のいない馬車の中でもそんな感じだったのだから、立ち寄った街でとった昼食が楽しいものとなるはずもない。
「で、どうしてイーリスとラグナルは街に入ったら手を繋ぐわけ?」
鶏肉の煮込み料理を食べながら、ノアが唐突に話を振る。
この街でも馬車を降りたとたんに、ラグナルは無言で私の手をとって歩き始めた。皆の視線が痛かったけど、大人の配慮で触れずにいてくれると思っていたのに……。今、突っ込むか。
昼食ぐらい心穏やかに食べたかった!
ちらりと隣のラグナルを見れば、彼は無言でノアを睨みつけただけで、付け添えの野菜を口に運んでいる。
「色々と深いわけがあって……」
深いわけなどない。ただ単に、好奇心の赴くままに動き回っていたころの、ラグナルの行動を抑制するために編み出した、水たまり並みの浅知恵の結果だ。
「もしかして、それも約束とかいうやつ?」
私は驚いてノアを見た。ノアがダークエルフの習性について、オーガスタスほど明るい様子はなかったのに。
「オーガスタスから聞いてな。ラグナルと口約束を交わす時はくれぐれも注意しろと」
酒を頼もうとして、ルツに窘められていたウォーレスが、口を挟む。
「ああ、なるほど……」
忠告したにも関わらず軽々しく約束を交わしていた私を見て、危惧したわけか。
「黒魔法の使用にも制限かけてるでしょ? ダークエルフの根幹を侵すなんて、イーリスって結構命知らずだよねえ」
ラグナルが成長する姿を見ても、喧嘩をふっかけるノアにだけは言われたくない。
「他にも何か約束を? ああ、成長後は経済面で尽くすという話は覚えています」
ゼイヴィアは食事の手を止め、興味深げに私を見た。
真顔で言葉を置き換えるのはやめてほしい。尽くすじゃなくて、稼ぐです。
「色々と語弊があると思うんですが!」
私は強く抗議した。
「そうですか? そう変わりないと思いますが。それで他にどんな約束を?」
全く通じなかった。歯牙にもかけず流されて、疲れを感じながら私は質問に答える。
「えーと、黒魔法を使う時は事前に申請し許可を得る。余裕のない時、食料は平等に分ける。街では手を繋ぐ……」
あと、何だろう?
「二つ名の話を本人にしない。って意味ない約束あったじゃん」
指折り数えて思い出していると、テーブルに肘をついてフォークをくるくる回しながらノアが付け足す。
「そういえば、そんなのあったっけ……。その五つですかね」
本人に対して本人に話すな。なんて、本当に無意味な約束だ。
「イーリスさんよ。まだ何かありそうなんだが」
――え?
ウォーレスを見ると、彼の顔はラグナルに向いていた。
恐る恐る隣に視線を向けると。そこには心底呆れた顔をしたラグナルが。
目が合うと、彼は小さく息を吐いた。溜息と、鼻で笑う感じと、自嘲が混じった複雑な吐息だ。
「まさか忘れてるとは思わなかった」
「ご、ごめん。まだあった? どんな約束だっけ?」
私は小さくなって尋ねた。
「別に、大した約束じゃない」
ラグナルはそう言うと、さっと視線を反らしてしまう。その後は例の話しかけるなオーラを出して拒絶である。取りつく島もなかった。
「反抗期か」
それまで黙々と食事を口に運び、驚異的なスピードで皿を空にしていたキーランがぼそっと呟く。
「反抗期だな」
「反抗期ですね」
「だっせー」
「やめなさい、ノア」
その言葉にウォーレスとゼイヴィアが続き、ノアが馬鹿にし、ルツが窘めた。
耳を赤く染め、手を握り締めて、黙って羞恥に耐えたラグナルは偉かったと思う。
そうか、反抗期か……
昼食時がこんな有様だったせいで、その後の馬車の空気が輪をかけて酷くなったのは言うまでもない。
領主の城に着いた時の開放感といったら、刑期を終えて牢獄から解放されたらこんな心地がするんじゃないかと思うほどだ。
城は、近くの街を見下ろす小高い丘の上に築かれていた。周りには掘りが巡らされ、塁壁の四隅には見張り塔。やや物々しい見た目だ。
日没を間近に控え、西の壁は夕日に赤く照らされ、東側は闇に沈んでいる。
跳ね橋を渡ると、数人の騎士を従えた顔色の悪い男が待ち構えていた。
「これは、マーレイ様にお出迎えいただけるとは……」
ゼイヴィアが恭しく頭を垂れる。
「城代のルーサー・マーレイです。現領主の従兄弟にあたります」
ゼイヴィアに倣って礼をとると、隣でルツが耳打ちする。
「いやいや、狒々神を倒した英雄を出迎えねば、それこそ非礼にあたるというもの。さあさあ長旅でお疲れでしょう。詰まらぬ話は明日にして今宵は城でゆるりと過ごされるが良い。そういえばウーイル家のご子息とご令嬢が討伐隊に参加しておられたとか。もしや後ろのお二人が? 話に聞く通り、見事な赤毛ですな」
マーレイはそう言うと、ルツとノアに視線を移す。
ルツは優雅に腰を折り、ノアは面倒だと言わんばかりの横柄な態度で、それでも形に則った挨拶を述べる。
いいところの跡取りだとウォーレスが言っていたが……。思ったより遥かにいいところの出のようだ。
そんな二人がどうして討伐ギルドで危険な冒険者なんてやっているのか。気になるが、知らない方が幸せなことの類に属しそうなので絶対聞かない。
その後もマーレイはルツとノアを褒め称え、歓待するのに終始した。
それならそれで放っておいてくれてもいいのに、晩餐を共にし、武勇伝を聞かせてほしいと言う。
なのに食事の最中もルツとノア以外には目もくれなかった。
不自然なほどに。
0
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
【完結】婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる