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外出2
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初めて来た場所だった。カーテンを潜り、駐車場に入った。
なんとか1台空いていてそこに車を停めた。部屋と連携しているらしく、建物の扉の横に「301 スイート」と書かれていた。
エレベーターは使用中だったので、白田さんと一緒に階段を登った。
私達は301号室に辿り着いた。
外の壁にサンタクロースがいたから、クリスマスっぽい内装なのかと思っていたら、本当にシンプルな作りの部屋だった。壁紙は真っ白だったし、クリスマスっぽい装飾もなかった。
他の部屋はどうなっているか知りたかったけど、駐車場から直接部屋に入ったため、ラブホテルのロビーにあるようなパネルを見ることが出来ず、知ることは出来なかった。
「他の部屋はどうなってるんだろうね。クリスマスっぽい内装なのかな」
「俺の知る限りでは、昔は普通にこんな感じの部屋だったはずやけどな」
「昔?」
「実家で暮らしてた頃、彼女と行くなら、ここって感じやったから」
「ふーん、元常連かー」
「その言い方なんか嫌やわー」
私はソファーに座り、テレビのリモコンを操作した。
白田さんはベットの縁に座り、言った。
「なんでAV観てるん?」
「可愛い子いないかなーって思って」
「女の子ってそういう見方するんや」
「男の人は違うの?」
「男は抜けるかどうかやな」
「最低ー」
すると、白田さんがソファーに来た。
「あのね……」
「どうしたん?」
「なんかこんな普段着でさ……ほんとはおしゃれしてきたかったけどアパートは旦那がいるから服を取りに行けないし、メイクポーチは放課後クラブに忘れてきたままだし……」
「色んなゆりが見れて、俺は寧ろラッキーやと思ってるけど」
ソファーに座ったままの私を迎えにきて、白田さんがキスをした。
「この後ポーチ取りに行く?」
私は首を横に振った。
「そんな時間あるなら、少しでも一緒にいたい」
その後は貪るようにキスをした。
今までの白田さんとのキスの何倍も嬉しくて嬉しくて、本当にそれだけだった。
白田さんは私をベットに連れていき、キスをしながらゆっくり服を脱がした。
そして、自分の服を勢いよく脱いでいった。
「もう我慢できない」
胸に押し寄せる罪悪感は、私に結婚という契約がまだ続いていることを知らしめる。
まだ離婚していない夫に申し訳ない気持ちと、大好きな白田さんと愛し合えて嬉しい気持ちで胸がぐちゃぐちゃになり、涙が溢れて伝った。
こめかみ辺りを濡らした涙を手で拭っていたら、私が泣いていることに気が付いた白田さんはベットに横たわり、私を自分の腕の中に引き寄せた。
無言で私を抱き締めてくれた。
「どうしたん?」とか「大丈夫?」とか聞いてこないのが今の私には有り難かった。私が泣いた訳を私自身が上手く説明できる訳なんてなかったのだから。
肌から伝わる白田さんの体温が温かくて心地よかった。
次に白田さんは私のクリトリスを舐めてくれた。
ベットの上で楽な体勢だったからか、いつも以上に感じてしまって、逝きそうになり、白田さんの手を叩いてしまった。
「気持ちいい?」
「さっき、逝きそうだった」
「じゃあ今度はもっと頑張るわ。次は俺のも舐めて」
私は白田さんのものを舐めた。
涎をいっぱいつけなきゃとか、気持ちよくしてあげたいなとか色々考えてしまい、なかなか咥えるまで時間がかかってしまった。
白田さんはまた、私の頭を押さえ付けた。
どうして?私は、ななみじゃないのに。
以前は感じなかった感情だった。
私は、お店の女の子のように扱われるのを嫌った。
長い入院生活で私は完全にななみではなくなっていた。ゆりとして、白田さんを見ていた。
「今日って危ない日?」
「先週だったはずだけど。なんで?」
私は必死に抵抗した。
「嫌!やめて!」
白田さんはゴムを着けずに自分のものを私の中に入れた。
道具にされた。私は思った。
白田さんは中には出さず、3往復ぐらいすると自分のものを抜いた。
私は安堵した。
その後はちゃんとゴムを着けてしてくれた。
「そういえば、最近放課後クラブに行った?」
「ああ、先月行ったよ」
「誰に入った?」
「あみちゃん」
「ふーん。そっか……」
嘘をつかれた。だって、白田さんは先月電話で同じことを聞いたら、最近は放課後クラブに行ってないと言っていた。
白田さんはまた私を自分の腕の中に引き寄せた。
今度は白田さんの汗の匂いのような体臭が気になった。
人間は遺伝子的に相性の悪い人の体臭は気になるようにできていると、どこかで聞いたことがある。それだろうか。
暫くして私達は服を着て、クリスマスイブを出た。
四郷街の駅に向かう車中は、また芳香剤の石鹸のような香りがした。
さっき嗅いだ体臭を消し去ってくれるようなその香りが今の私には有り難かった。
私は季節外れのクリスマスイブに一人、置き去りにされたような気持ちだった。
なんとか1台空いていてそこに車を停めた。部屋と連携しているらしく、建物の扉の横に「301 スイート」と書かれていた。
エレベーターは使用中だったので、白田さんと一緒に階段を登った。
私達は301号室に辿り着いた。
外の壁にサンタクロースがいたから、クリスマスっぽい内装なのかと思っていたら、本当にシンプルな作りの部屋だった。壁紙は真っ白だったし、クリスマスっぽい装飾もなかった。
他の部屋はどうなっているか知りたかったけど、駐車場から直接部屋に入ったため、ラブホテルのロビーにあるようなパネルを見ることが出来ず、知ることは出来なかった。
「他の部屋はどうなってるんだろうね。クリスマスっぽい内装なのかな」
「俺の知る限りでは、昔は普通にこんな感じの部屋だったはずやけどな」
「昔?」
「実家で暮らしてた頃、彼女と行くなら、ここって感じやったから」
「ふーん、元常連かー」
「その言い方なんか嫌やわー」
私はソファーに座り、テレビのリモコンを操作した。
白田さんはベットの縁に座り、言った。
「なんでAV観てるん?」
「可愛い子いないかなーって思って」
「女の子ってそういう見方するんや」
「男の人は違うの?」
「男は抜けるかどうかやな」
「最低ー」
すると、白田さんがソファーに来た。
「あのね……」
「どうしたん?」
「なんかこんな普段着でさ……ほんとはおしゃれしてきたかったけどアパートは旦那がいるから服を取りに行けないし、メイクポーチは放課後クラブに忘れてきたままだし……」
「色んなゆりが見れて、俺は寧ろラッキーやと思ってるけど」
ソファーに座ったままの私を迎えにきて、白田さんがキスをした。
「この後ポーチ取りに行く?」
私は首を横に振った。
「そんな時間あるなら、少しでも一緒にいたい」
その後は貪るようにキスをした。
今までの白田さんとのキスの何倍も嬉しくて嬉しくて、本当にそれだけだった。
白田さんは私をベットに連れていき、キスをしながらゆっくり服を脱がした。
そして、自分の服を勢いよく脱いでいった。
「もう我慢できない」
胸に押し寄せる罪悪感は、私に結婚という契約がまだ続いていることを知らしめる。
まだ離婚していない夫に申し訳ない気持ちと、大好きな白田さんと愛し合えて嬉しい気持ちで胸がぐちゃぐちゃになり、涙が溢れて伝った。
こめかみ辺りを濡らした涙を手で拭っていたら、私が泣いていることに気が付いた白田さんはベットに横たわり、私を自分の腕の中に引き寄せた。
無言で私を抱き締めてくれた。
「どうしたん?」とか「大丈夫?」とか聞いてこないのが今の私には有り難かった。私が泣いた訳を私自身が上手く説明できる訳なんてなかったのだから。
肌から伝わる白田さんの体温が温かくて心地よかった。
次に白田さんは私のクリトリスを舐めてくれた。
ベットの上で楽な体勢だったからか、いつも以上に感じてしまって、逝きそうになり、白田さんの手を叩いてしまった。
「気持ちいい?」
「さっき、逝きそうだった」
「じゃあ今度はもっと頑張るわ。次は俺のも舐めて」
私は白田さんのものを舐めた。
涎をいっぱいつけなきゃとか、気持ちよくしてあげたいなとか色々考えてしまい、なかなか咥えるまで時間がかかってしまった。
白田さんはまた、私の頭を押さえ付けた。
どうして?私は、ななみじゃないのに。
以前は感じなかった感情だった。
私は、お店の女の子のように扱われるのを嫌った。
長い入院生活で私は完全にななみではなくなっていた。ゆりとして、白田さんを見ていた。
「今日って危ない日?」
「先週だったはずだけど。なんで?」
私は必死に抵抗した。
「嫌!やめて!」
白田さんはゴムを着けずに自分のものを私の中に入れた。
道具にされた。私は思った。
白田さんは中には出さず、3往復ぐらいすると自分のものを抜いた。
私は安堵した。
その後はちゃんとゴムを着けてしてくれた。
「そういえば、最近放課後クラブに行った?」
「ああ、先月行ったよ」
「誰に入った?」
「あみちゃん」
「ふーん。そっか……」
嘘をつかれた。だって、白田さんは先月電話で同じことを聞いたら、最近は放課後クラブに行ってないと言っていた。
白田さんはまた私を自分の腕の中に引き寄せた。
今度は白田さんの汗の匂いのような体臭が気になった。
人間は遺伝子的に相性の悪い人の体臭は気になるようにできていると、どこかで聞いたことがある。それだろうか。
暫くして私達は服を着て、クリスマスイブを出た。
四郷街の駅に向かう車中は、また芳香剤の石鹸のような香りがした。
さっき嗅いだ体臭を消し去ってくれるようなその香りが今の私には有り難かった。
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