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髪を切る
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美容室の鏡は私の間抜けな顔を映す。
平日の普段の仕事が休みなのは、今週は今日だけで、カットの予約が空いていたのは午前9時からの時間だけだった。子供を保育所に8時に預け、家のことをしていたら、メイクする時間がなかった。
シャンプーをして、髪にタオルを巻かれ、私は美容室の椅子に座っていた。間抜けな顔も仕方ないと自分に言い聞かせた。
今日は白田さんに会った土曜日から、4日後の水曜日だ。本当はまどかちゃんにアドバイスをもらってから、すぐに前髪を切りたかったけれど、先週は予約が取れず、美容室に行けなかった。行きつけじゃない美容室に行ってみようかと思ったけれど、パネル用の写真も撮りたいし、失敗されたら嫌だなと思い、1週間待って今日になった。
前髪は眉と目の間くらいの長さで切ってもらい、全体は2cmほど切って軽く鋤いてもらうようにお願いした。それは、ちょうど面接を受けた時ぐらいの髪型だった。
カラーもしようかと迷ったけれど、黒髪の方が若く見えるかなと思い、カットとシャンプーとブローだけにした。カットとシャンプーはもうしてもらったから、乾かして、また微調整で切って、最後にブローしてもらう。
完成すると、椅子の向きを変え、手鏡を持って後ろも確認した。
自分では綺麗に全体を内巻きにブロー出来ないので、いつも美容室に行くと感動する。
ブローが苦手なら、コテを使って内巻きにすると簡単だと教えてもらえた。私は、放課後クラブの出勤の時にやってみようと思った。
家に帰るとメイクをし、洗面台の前で自分の写真を撮った。洗面台の明かりを付け、斜め上からシャッターを押す。すると、加工なしでもパネルに使えそうなくらい上手く盛れた。これで口元をぼかせば、知り合いが来店して私のパネル写真を見ても気付かれないんじゃないかと思った。
まどかちゃんは女優の西島唯の写真を加工してあげると言ってくれていた。しかし、以前Uちゃんが水の世界の女の友情は泡のように儚いと言っていたことを思い出し、鵜呑みに信用せず、自分でやってみようと思い立ったのだ。
夫は平日は毎日電車で片道1時間かけ職場に通勤しているので、今家には私しかいない。平日の1日だけ休みの日は、貴重な私の自由時間だ。
土日、祝日は夫は完全に休みで家にいる。だから、子供を夫に預けて放課後クラブで働けている。
私は、画像編集のアプリを使って、家で1人黙々と口元をぼかす作業をした。
上手く出来た写真を高崎さんにLINEで送った。次の土曜日の出勤までにパネルの写真を変えておいて下さい、お願いしますとLINEした。
お昼ご飯を食べている頃、了解です、と返事が来た。
白田さんとは、あれからLINEのやり取りを少しした。初めて会った日の夜に、明日ご飯に行きませんか?とLINEが来ていたが、私は断ってしまっていた。
理由は、日曜日は元々出かける予定がなく、家のことをするだけの日にしたかった。それに、お店の外で会ってしまったら、もう放課後クラブには来てくれないのではないかと思っていた。この頃の私はお金を稼ぐことを優先していたし、まだよく知らない男性とご飯に行くのが不安だった。それに、知り合いに見られてしまっては言い逃れ出来ないと思った。この頃の私は、まだ冷静に白田さんを見れていたと思う。
私がご飯を断ると、白田さんからは「またリベンジする!」と返信があった。
LINEのやり取りはそこで終わっていた。
平日の普段の仕事が休みなのは、今週は今日だけで、カットの予約が空いていたのは午前9時からの時間だけだった。子供を保育所に8時に預け、家のことをしていたら、メイクする時間がなかった。
シャンプーをして、髪にタオルを巻かれ、私は美容室の椅子に座っていた。間抜けな顔も仕方ないと自分に言い聞かせた。
今日は白田さんに会った土曜日から、4日後の水曜日だ。本当はまどかちゃんにアドバイスをもらってから、すぐに前髪を切りたかったけれど、先週は予約が取れず、美容室に行けなかった。行きつけじゃない美容室に行ってみようかと思ったけれど、パネル用の写真も撮りたいし、失敗されたら嫌だなと思い、1週間待って今日になった。
前髪は眉と目の間くらいの長さで切ってもらい、全体は2cmほど切って軽く鋤いてもらうようにお願いした。それは、ちょうど面接を受けた時ぐらいの髪型だった。
カラーもしようかと迷ったけれど、黒髪の方が若く見えるかなと思い、カットとシャンプーとブローだけにした。カットとシャンプーはもうしてもらったから、乾かして、また微調整で切って、最後にブローしてもらう。
完成すると、椅子の向きを変え、手鏡を持って後ろも確認した。
自分では綺麗に全体を内巻きにブロー出来ないので、いつも美容室に行くと感動する。
ブローが苦手なら、コテを使って内巻きにすると簡単だと教えてもらえた。私は、放課後クラブの出勤の時にやってみようと思った。
家に帰るとメイクをし、洗面台の前で自分の写真を撮った。洗面台の明かりを付け、斜め上からシャッターを押す。すると、加工なしでもパネルに使えそうなくらい上手く盛れた。これで口元をぼかせば、知り合いが来店して私のパネル写真を見ても気付かれないんじゃないかと思った。
まどかちゃんは女優の西島唯の写真を加工してあげると言ってくれていた。しかし、以前Uちゃんが水の世界の女の友情は泡のように儚いと言っていたことを思い出し、鵜呑みに信用せず、自分でやってみようと思い立ったのだ。
夫は平日は毎日電車で片道1時間かけ職場に通勤しているので、今家には私しかいない。平日の1日だけ休みの日は、貴重な私の自由時間だ。
土日、祝日は夫は完全に休みで家にいる。だから、子供を夫に預けて放課後クラブで働けている。
私は、画像編集のアプリを使って、家で1人黙々と口元をぼかす作業をした。
上手く出来た写真を高崎さんにLINEで送った。次の土曜日の出勤までにパネルの写真を変えておいて下さい、お願いしますとLINEした。
お昼ご飯を食べている頃、了解です、と返事が来た。
白田さんとは、あれからLINEのやり取りを少しした。初めて会った日の夜に、明日ご飯に行きませんか?とLINEが来ていたが、私は断ってしまっていた。
理由は、日曜日は元々出かける予定がなく、家のことをするだけの日にしたかった。それに、お店の外で会ってしまったら、もう放課後クラブには来てくれないのではないかと思っていた。この頃の私はお金を稼ぐことを優先していたし、まだよく知らない男性とご飯に行くのが不安だった。それに、知り合いに見られてしまっては言い逃れ出来ないと思った。この頃の私は、まだ冷静に白田さんを見れていたと思う。
私がご飯を断ると、白田さんからは「またリベンジする!」と返信があった。
LINEのやり取りはそこで終わっていた。
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