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第二話
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私たちの朝は結構早い。個人差はあるけど、私は朝の6時に起床して、30分で朝食や朝の支度などを済ませて、7時には教会を開いて、その日の午前の業務をはじめる。リベールやクラディアは朝が強いから、5時には活動を開始していて、そのおかげで朝の弱い私やアバンセは寝坊することはない。
今朝の担当場所は、教会の袖廊部、すなわちお見送り儀式の担当だ。
一緒の担当は5期先輩のアネモス先輩。音大卒で、パイプオルガンの名手だ。大きな儀式の時は、大体彼女がオルガンを演奏する。年は離れているが、そこそこの仲良しだと思う。人が少ないうちの教会では、彼女の一個後輩が私たちの世代だからだ。しかも身長もすらりと高くてスタイルもいい、超絶美人だ。
「アネモスさんって、どうしてシスターになったんです?」
今日は世間は休日で、いつもに比べれば訪れる冒険者は少ない。要は暇なのだ。そういえば聞いたことのなかった素朴な疑問を、朝のちょっとした退屈を紛らわすために聞いてみることにした。
「え、私?突然だね」
「はい、ちょっと気になって。どうせ暇ですし」
「うーん、、、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、私はオルガン弾くためだよ。あんまり神様への忠誠心はないかなあ。あ、バラさないでよ?」
「いえ、大丈夫ですよ。私だって大した忠誠心ありませんし。でも、それなら音大に残って弾き続ければよかったんじゃ?」
「教会に置いてあるような立派なオルガン、音大じゃそうそう弾けないもの。それに、音大にいるだけじゃお金だけかかっていけないし。働きながらオルガン弾ける、こんないい環境なかなかないからねー。」
「そうなんすね。なんか、思った通りというか。いいと思います。」
「そういうフラヴィアはどうなの?」
「安定ですね。シスターなんて早々クビになりませんし。うち貧乏だから。弟の学費もたしにしたいし。」
「え?それだけ?それならギルド職員とかもっと安定職あったんじゃないの?フラヴィアちゃん大卒だし。」
「一応見学は行きましたが、、、あんなむさ臭いとこで働くのごめんでしたね。それに」
「それに?」
「すいませーん!」
先輩の問いかけのタイミングで教会のドアが開いて、冒険者と思しきパーティが入ってきた。
彼らが袖廊にたどり着くまでに、先輩にもう一度向き直った。
「それに、修道服、かわいいじゃないですか」
はにかみかけてみせた。それを聞いた先輩は、少し笑った気がした。
「お見送り、お願いしたいのですがー」
「はい、今ちょうどできますよ。そちらの椅子に腰掛けてお待ちください。準備をしてまいります」
「先輩、オルガン、お願いしますね」
「うん、まかせて!」
私たちの仕事のひとつ、冒険者への験担ぎは、彼ら彼女らからは「お見送り」と呼ばれている。神聖不可侵のものではないし、元は人間が始めたモノだから、私たちシスターの間でも、「お見送り」や「見送り」が通称になっている。
今日の1組目のお客さんは3人組のパーティらしい。1人は腰に剣を差して、1人は大槌を背負って、1人は長い棒状のものを、布に包んで右手で支えている。見ない顔だ。この第三教会は、ベルオーブの国内でも最小で、ある地域もどちらかと言うと田舎だから、利用する冒険者は限られてる。大体は顔見知りだ。
祝福の儀式に必要な果物や聖水を小綺麗な机の上に並べて、それをカテドラルの前に持っていく。オルガンの方に目配せするも反応はなかったので、ちょっとお客さんに声をかけてみることにした。
「失礼します。教会のご利用は初めてですか?初めて拝謁するお顔でしたので、、、」
「ええ、でも、何もそんなに固くならないでください。あなた方のお見送りがあってこそ、俺たち冒険者は堂々と探索ができる。そう言う意味では、あなた方も仲間なんです。ダンジョン仲間に敬語は不要ですよ。」
「いえ、そう言うわけにも行きませんので。あなた方にタメ口で接しては、せっかく祝福を与えてくださる主に怒られてしまいます。心の壁だけ、取り払わさせてもらいますね。」
「うん、そういうことなら、よろしくお願いします。えっと、、、」
「フラヴィアです。メデュー=フラヴィア。あなたは?」
「フラヴィアさん。覚えました。俺はアンブライドルの方で冒険者をしている、アンシェルといいます。あのでかいのがルーゼルで、杖持ちがレイヴン。」
「よろしく」
「よろしくお願いします」
奥の2人も挨拶を交わしてくれた。魔法使いは女の子のようだ。綺麗な黒髪だ。声も透き通った綺麗な声をしていた。
「アンブライドル、そんな遠くからわざわざご足労、ありがとうございます。改めまして、本日お見送りを担当させて頂く、メデュー=フラヴィアです。準備ができるまでしばしお待ちくださいね。」
アンブライドルは、ベルオーブとは山脈を挟んだ北側にある、大陸でも指折り数える大国だ。そんな国からの行脚。こんな田舎のダンジョンになかなか珍しいな、と思った。
それからパイプオルガンの方に目をやると、先輩と目があって小さく親指を立ててくれた。準備完了だ。
「それでは、準備できました。オルガンはヴィクト=アネモスです。では、御起立ください。」
ガチャガチャと装備の掠れる音がして、彼らが立ち上がった。その顔立ちは、さっきより精悍であったと思う。呼吸音が静かな朝の教会に響く。まもなく、パイプオルガンから発せられる綺麗な音が呼吸音をかき消して教会を満たす。先輩の演奏は今日も圧巻だ。
5分弱のスポーツアンセムが終わったら、今度は私の仕事だ。
「代表の方、台の前へお越し下さい。」
「じゃあ、俺が行こう。」
アンシェルが台の前へ移動する。それから私は、彼に机の上の聖水を渡す。
「こちらを、目をつぶって一息に飲み干してください。飲み終えたら、目を開けて机に置いてください。」
返事は頷くだけで、彼はすぐに目をつぶってそれを飲み干した。
満を持して、最後の私の一言。
「あなた方に、主の祝福のあらんことを。本日も、ダンジョン探索、気をつけていってらっしゃい。」
ずっと、長い間受け継がれてきた言葉を冒険者へと投げかける。そうすると、どの冒険者も、必ずはにかんでこたえてくれる。それから、聖歌に当てられた果物を袋に詰めてパーティへ渡した。
「こちら、お清めされた神聖な果物になります。神聖とは言っていますが、探索中の行動食にお気軽にどうぞ。」
すると応じたのはアンシェルではなくガタイのいい男、、、確か名はルーゼルと言っただろうか。
「!これはありがとうございます!美味しくいただきますよ。これは助かります。」
「そんなに喜んでいただけると、冥利に尽きます。」
「彼は食べ物に目がないんです。毎度用意している食糧では若干足りないくらいでね。」
今度は魔法使いの女の子が応じた。笑いかけるその顔は、今からダンジョンに潜るとは思えないほど、あどけなさをはらんでいた。
「そうでしたか。ぜひ、腹の足しにしてください。裏の畑で今朝取れた代物なんです。美味しいと思いますよ。」
少し会話を交えて、やがてそのパーティは教会を後にした。冒険が終わったらここに寄って帰ってくれるとか。今日も、せめて彼らが無事に戻ってくるように、仄かな祈りを捧げた。
「さっきの子魔法使いだったけど」
「はい?」
いつのまにかオルガンを降りてきた先輩が声をかけてくる。
「そういえば、フラヴィアは魔法使えるの?」
「私はからっきしです。アバンセとリベールは魔法学校の卒業だから使えると思いますよ。」
「そうだったんだ。いや私も使えないけど。エレンシアやアステルは使えるからさ」
「うちの教会、人数の割に魔法学校卒のエリートが多いですよね」
「だねえ、音大なんて私しかいないよ」
「先輩はオルガン上手だからいいんですよ。私なんてただの大学の神学部ですよ。特徴がないから毎度聖水飲まして決め台詞言うだけなんです。」
「卑屈っぽくなってるけど、私はフラヴィアのお見送り、好きだよ。元気が出る。言葉のかけ方が上手だよ」
「ほんとですか?大変な家でしたから、弟をあやすのに話術は必須でしたからね。」
「あなたも色々あるのね。いつか弟さんというか、あなたの家族に会ってみたいわ」
「え、弟はあげませんよ?」
「貰わないよ!」
そんな会話をしているうちに、次のお客様だ。今度は何度も見たことのある顔。ここよ常連の冒険者、ユーワさんだ。
先輩との無駄話は切り上げて、持ち場に戻った。
「おはようございます、ユーワさん。本日は、、、」
「うん、いつも通り、お見送りよろしく」
「かしこまりました。少々お待ちくださいね。」
さ、さっきと同じ準備の始まりだ。
今日も、いろんな人の旅の開始を手助けできる。なんとも気持ちいい仕事だ、この仕事は。
私は、この教会での仕事が、どうやら気に入っているらしい。
新しいコップにお水を注いで、果物も足す。
さっきと同じ準備はスムーズに完了して、オルガンに目を向けると先輩は準備万端といった感じだった。今度は、カテドラルの前に置いたままになっている机のすぐ横に立った。常連のユーワさんは、もうすでに立っていた。
「それでは背筋を伸ばしてください」
相手は起立済みなので、先輩のへの合図を込めてそれっぽいことを言ってみる。
問題なく伝わったみたいで、すぐに演奏が始まった。
午前の業務は始まったばかり。まだ先のお昼の時間に少し思いを馳せながら、私はスポーツアンセムを今度は軽く聞き流した。
今朝の担当場所は、教会の袖廊部、すなわちお見送り儀式の担当だ。
一緒の担当は5期先輩のアネモス先輩。音大卒で、パイプオルガンの名手だ。大きな儀式の時は、大体彼女がオルガンを演奏する。年は離れているが、そこそこの仲良しだと思う。人が少ないうちの教会では、彼女の一個後輩が私たちの世代だからだ。しかも身長もすらりと高くてスタイルもいい、超絶美人だ。
「アネモスさんって、どうしてシスターになったんです?」
今日は世間は休日で、いつもに比べれば訪れる冒険者は少ない。要は暇なのだ。そういえば聞いたことのなかった素朴な疑問を、朝のちょっとした退屈を紛らわすために聞いてみることにした。
「え、私?突然だね」
「はい、ちょっと気になって。どうせ暇ですし」
「うーん、、、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、私はオルガン弾くためだよ。あんまり神様への忠誠心はないかなあ。あ、バラさないでよ?」
「いえ、大丈夫ですよ。私だって大した忠誠心ありませんし。でも、それなら音大に残って弾き続ければよかったんじゃ?」
「教会に置いてあるような立派なオルガン、音大じゃそうそう弾けないもの。それに、音大にいるだけじゃお金だけかかっていけないし。働きながらオルガン弾ける、こんないい環境なかなかないからねー。」
「そうなんすね。なんか、思った通りというか。いいと思います。」
「そういうフラヴィアはどうなの?」
「安定ですね。シスターなんて早々クビになりませんし。うち貧乏だから。弟の学費もたしにしたいし。」
「え?それだけ?それならギルド職員とかもっと安定職あったんじゃないの?フラヴィアちゃん大卒だし。」
「一応見学は行きましたが、、、あんなむさ臭いとこで働くのごめんでしたね。それに」
「それに?」
「すいませーん!」
先輩の問いかけのタイミングで教会のドアが開いて、冒険者と思しきパーティが入ってきた。
彼らが袖廊にたどり着くまでに、先輩にもう一度向き直った。
「それに、修道服、かわいいじゃないですか」
はにかみかけてみせた。それを聞いた先輩は、少し笑った気がした。
「お見送り、お願いしたいのですがー」
「はい、今ちょうどできますよ。そちらの椅子に腰掛けてお待ちください。準備をしてまいります」
「先輩、オルガン、お願いしますね」
「うん、まかせて!」
私たちの仕事のひとつ、冒険者への験担ぎは、彼ら彼女らからは「お見送り」と呼ばれている。神聖不可侵のものではないし、元は人間が始めたモノだから、私たちシスターの間でも、「お見送り」や「見送り」が通称になっている。
今日の1組目のお客さんは3人組のパーティらしい。1人は腰に剣を差して、1人は大槌を背負って、1人は長い棒状のものを、布に包んで右手で支えている。見ない顔だ。この第三教会は、ベルオーブの国内でも最小で、ある地域もどちらかと言うと田舎だから、利用する冒険者は限られてる。大体は顔見知りだ。
祝福の儀式に必要な果物や聖水を小綺麗な机の上に並べて、それをカテドラルの前に持っていく。オルガンの方に目配せするも反応はなかったので、ちょっとお客さんに声をかけてみることにした。
「失礼します。教会のご利用は初めてですか?初めて拝謁するお顔でしたので、、、」
「ええ、でも、何もそんなに固くならないでください。あなた方のお見送りがあってこそ、俺たち冒険者は堂々と探索ができる。そう言う意味では、あなた方も仲間なんです。ダンジョン仲間に敬語は不要ですよ。」
「いえ、そう言うわけにも行きませんので。あなた方にタメ口で接しては、せっかく祝福を与えてくださる主に怒られてしまいます。心の壁だけ、取り払わさせてもらいますね。」
「うん、そういうことなら、よろしくお願いします。えっと、、、」
「フラヴィアです。メデュー=フラヴィア。あなたは?」
「フラヴィアさん。覚えました。俺はアンブライドルの方で冒険者をしている、アンシェルといいます。あのでかいのがルーゼルで、杖持ちがレイヴン。」
「よろしく」
「よろしくお願いします」
奥の2人も挨拶を交わしてくれた。魔法使いは女の子のようだ。綺麗な黒髪だ。声も透き通った綺麗な声をしていた。
「アンブライドル、そんな遠くからわざわざご足労、ありがとうございます。改めまして、本日お見送りを担当させて頂く、メデュー=フラヴィアです。準備ができるまでしばしお待ちくださいね。」
アンブライドルは、ベルオーブとは山脈を挟んだ北側にある、大陸でも指折り数える大国だ。そんな国からの行脚。こんな田舎のダンジョンになかなか珍しいな、と思った。
それからパイプオルガンの方に目をやると、先輩と目があって小さく親指を立ててくれた。準備完了だ。
「それでは、準備できました。オルガンはヴィクト=アネモスです。では、御起立ください。」
ガチャガチャと装備の掠れる音がして、彼らが立ち上がった。その顔立ちは、さっきより精悍であったと思う。呼吸音が静かな朝の教会に響く。まもなく、パイプオルガンから発せられる綺麗な音が呼吸音をかき消して教会を満たす。先輩の演奏は今日も圧巻だ。
5分弱のスポーツアンセムが終わったら、今度は私の仕事だ。
「代表の方、台の前へお越し下さい。」
「じゃあ、俺が行こう。」
アンシェルが台の前へ移動する。それから私は、彼に机の上の聖水を渡す。
「こちらを、目をつぶって一息に飲み干してください。飲み終えたら、目を開けて机に置いてください。」
返事は頷くだけで、彼はすぐに目をつぶってそれを飲み干した。
満を持して、最後の私の一言。
「あなた方に、主の祝福のあらんことを。本日も、ダンジョン探索、気をつけていってらっしゃい。」
ずっと、長い間受け継がれてきた言葉を冒険者へと投げかける。そうすると、どの冒険者も、必ずはにかんでこたえてくれる。それから、聖歌に当てられた果物を袋に詰めてパーティへ渡した。
「こちら、お清めされた神聖な果物になります。神聖とは言っていますが、探索中の行動食にお気軽にどうぞ。」
すると応じたのはアンシェルではなくガタイのいい男、、、確か名はルーゼルと言っただろうか。
「!これはありがとうございます!美味しくいただきますよ。これは助かります。」
「そんなに喜んでいただけると、冥利に尽きます。」
「彼は食べ物に目がないんです。毎度用意している食糧では若干足りないくらいでね。」
今度は魔法使いの女の子が応じた。笑いかけるその顔は、今からダンジョンに潜るとは思えないほど、あどけなさをはらんでいた。
「そうでしたか。ぜひ、腹の足しにしてください。裏の畑で今朝取れた代物なんです。美味しいと思いますよ。」
少し会話を交えて、やがてそのパーティは教会を後にした。冒険が終わったらここに寄って帰ってくれるとか。今日も、せめて彼らが無事に戻ってくるように、仄かな祈りを捧げた。
「さっきの子魔法使いだったけど」
「はい?」
いつのまにかオルガンを降りてきた先輩が声をかけてくる。
「そういえば、フラヴィアは魔法使えるの?」
「私はからっきしです。アバンセとリベールは魔法学校の卒業だから使えると思いますよ。」
「そうだったんだ。いや私も使えないけど。エレンシアやアステルは使えるからさ」
「うちの教会、人数の割に魔法学校卒のエリートが多いですよね」
「だねえ、音大なんて私しかいないよ」
「先輩はオルガン上手だからいいんですよ。私なんてただの大学の神学部ですよ。特徴がないから毎度聖水飲まして決め台詞言うだけなんです。」
「卑屈っぽくなってるけど、私はフラヴィアのお見送り、好きだよ。元気が出る。言葉のかけ方が上手だよ」
「ほんとですか?大変な家でしたから、弟をあやすのに話術は必須でしたからね。」
「あなたも色々あるのね。いつか弟さんというか、あなたの家族に会ってみたいわ」
「え、弟はあげませんよ?」
「貰わないよ!」
そんな会話をしているうちに、次のお客様だ。今度は何度も見たことのある顔。ここよ常連の冒険者、ユーワさんだ。
先輩との無駄話は切り上げて、持ち場に戻った。
「おはようございます、ユーワさん。本日は、、、」
「うん、いつも通り、お見送りよろしく」
「かしこまりました。少々お待ちくださいね。」
さ、さっきと同じ準備の始まりだ。
今日も、いろんな人の旅の開始を手助けできる。なんとも気持ちいい仕事だ、この仕事は。
私は、この教会での仕事が、どうやら気に入っているらしい。
新しいコップにお水を注いで、果物も足す。
さっきと同じ準備はスムーズに完了して、オルガンに目を向けると先輩は準備万端といった感じだった。今度は、カテドラルの前に置いたままになっている机のすぐ横に立った。常連のユーワさんは、もうすでに立っていた。
「それでは背筋を伸ばしてください」
相手は起立済みなので、先輩のへの合図を込めてそれっぽいことを言ってみる。
問題なく伝わったみたいで、すぐに演奏が始まった。
午前の業務は始まったばかり。まだ先のお昼の時間に少し思いを馳せながら、私はスポーツアンセムを今度は軽く聞き流した。
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