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第九夜 守宮
終章 退化とは進化である
しおりを挟む夏も通り過ぎたというのに、蒸し暑い毎日は終わらない。
かといってクーラーに頼るほどの残暑でもなくなったので、日の高い日中や寝苦しい熱帯夜を除けば、極力エアコンは使わないようにしていた。
チリーン……と風鈴が鳴る。
涼しい風が吹いてくる夕まずめ。
幽谷響と信一郎は居間でゴロリと寝転がっていた。
幽谷響は先日の連続殺人事件の一件と、かなり前になるが“びしゃがつく”と名付けられた外道を始末した件の謝礼を特対課から頂戴できたので懐は温かい。
おまけに急ぎの仕事もないと来た。
だからこうして、源家の居候としてのんびり過ごしている。
縁側に大して長くもない短躯を横たえて、自分の膝を枕にすると片手で団扇を仰ぎながら眼を閉じていた。しかし、生温い暑さのせいで眠気はない。
そして、大学の夏休みは長い。
大学での非常勤講師の仕事もない信一郎もまた、暇を持て余しているのか座布団を枕に寝そべっていた。時折、幽谷響はそちらに眼を遣る。
「……なんだよ、女性の身体のが過ごしやすいんだよ」
体温が低いからかな、と信一郎は言い訳をした。
ワイシャツに黒のズボンという学者気質なスタイルのままだが、信一郎は『木魂』の能力で自らを女性化していた。仰向けで寝転がっていても、ワイシャツの胸元を持ち上げる豊乳はこんもりと目立った。
「……別に何も言っちゃおりやせんでしょうが」
汗ばんで肌に張り付く生地と、暑さゆえにオープンにされた胸元。
眼福だ──なとど口走ろうものなら、座卓の上に置かれている烏龍茶が注がれたコップや、氷が揺れるボトルを投げつけられかねない。
自重しよう、と幽谷響は減らず口を噤んだ。
チリーン……と風鈴が鳴る。
押し掛け居候の幽谷響と違い、信一郎に正しく認められた居候である子供たちは学校の行事や友達との遊びに出掛けて帰ってきていない。
もう1人、家事手伝いとして住み込みで働いている幽谷響の弟分な……いや、今では妹分なメイドは、夕食の準備で台所に詰めていた。
チリーン……と風鈴が鳴る。
残暑の気怠さもあるのだろうか、居間でゴロゴロする幽谷響と信一郎は互いに口数も少なく、押し黙るわけではないがぼんやり過ごしていた。
「…………異戸一族は、魔道を諦めた一族だそうでさ」
しかし、口先から生まれた幽谷響は無言でいられる性分ではない。
先の連続殺人事件の要となった、信一郎の学友でもある井戸幸典の先祖について、幽谷響が聞いた情報をつらつらと並べていた。
「異戸一族が求めたのは『時を忘れた楽園で永遠の安寧を得ること』だったそうで……しかし、それにゃあ2つのハードルを飛び越えにゃあなりやせん」
ひとつは──老病死苦を遠ざけた不老不死。
ひとつは──人間俗世と縁を切った隔絶されし土地。
「いかなる魔道師にとっても不老不死は難易度ベリーハードな課題。そいつぁ先生もよぉくご存知のはず……」
「ああ、そうだな……」
信一郎は億劫そうに相槌を打った。
かつて幽谷響とともに『震々』という魔道師を始末した際、人間の身で永遠を得ようとする愚かしさを、信一郎は目の当たりにしているはずだ。
実際のところ、不老を達成した魔道師は少なくない。
だが、永遠に手が届くほどの不死を体現している魔道師はいなかった。幽谷響が頼りにしている情報通の耳にすら届いていない。
「そして、人の世から離れて暮らすのも難しい。なにせ魔道の研究にゃあ物も金も知恵も必要と来てやすからねぇ。深山幽谷で単身黙々と修行に励む仙人なんざ今は昔の絵空事……魔道師は人の業ゆえに道の果てを目指すものでございやす」
隔離した土地を探求する魔道師──『隠里』。
「そういう人の立ち入らねぇ僻地を作り出すことに長ける魔道師もおるにはおりやすがね……あいつ、表の顔は不動産屋なんですぜ?」
「隠れ里の不動産売買か……おかしな話だな」
信一郎は呆れたように鼻で笑った。ちょっとウケたらしい。
しかし、話の本題はここからだ。学友である井戸幸典の先祖にまつわる話なので、幽谷響の話し方も自然と真剣味を帯びていく。
「老いて死なねぇ不老不死も、人の世の約束事に縛られねぇ楽園も、所詮は人間に過ぎねぇ魔道師にゃあ難しいもんなんでさぁ……しかし、異戸一族はその両方を求めちまった。だから、挫折せざるを得なかったと聞いておりやす」
「そして……ドロップアウトしてしまったのか」
異戸一族は方針を180度転換させたらしい。
「魔道で叶えられぬなら……外道に墜ちればいいとか……」
逆走だろ、と信一郎は悪態をついた。
外道とは──妄執を極めた果てに人間が怪物に転じたものだ。
極限を超えて「たったひとつの執念」に齧り付いた人間が、身も心も裏返るように執念の化身とも言うべき化け物へ変身することがある。
そうして転じた人間は──外道と呼ばれていた。
「あっしが『白沢』のダンナに聞いた限りじゃあ、そんなところでございやすね。魔道による研鑽を諦めて、身も心も外道に墜ちたとか……」
森羅万象の知識を読み説き識る──魔道師『白沢』。
知らぬことはないと豪語する男で、ありとあらゆる情報を誰よりも早く入手することに長ける魔道師だ。幽谷響はとある伝手で知り合い、彼の情報屋みたいな真似をしながら、彼のもたらす情報のおこぼれに預かっている。
「そして外道に墜ちた結果が、あのサンショウウオモドキな異形とはねぇ……やれやれ、人間から両生類に退化してどうしようってんでやしょうかね」
「それは違うぞ──幽谷響」
その一言が琴線に触れたのか、信一郎は凜とした声で返してきた。
寝転がっていた身体を起こすと、また大きくなったのではないかと思われる乳房がワイシャツ越しにユサァ……と揺れる。もしや、ノーブラか?
目を奪われかけた幽谷響だが、信一郎は生真面目に語り始めた。
「君は今、退化という言葉を進化の対義語として使ったな? それは間違いだぞ。退化とは進化の一形態に過ぎない」
退化もまた進化である──信一郎はそう説いた。
「たとえば、1匹のネズミがいたとしよう」
そのネズミは柔らかい地面を掘って地中の虫やミミズを食べることを覚えたが、その子供のネズミたちも同じ方法で餌を得るようになった。
やがて、地中での暮らしに適応したネズミは眼を退化させていく。
光が差さない地中では、視力など役に立たないからだ。
「視力というのは結構エネルギーを食う能力でもある。それを使わないということは、これまで視力に費やしたエネルギーが余ることを意味する」
余ったエネルギーは、身体の他の部位へ回せばいい。
地中で暮らすようになったネズミは、余ったエネルギーで土を掘るための前脚を大きくした。土を掘りやすいように爪も長くして、後ろ脚も掘った土を掻き出しやすいように変型させる。それでもエネルギーが余るから、地中では視覚よりも役に立つ聴力や嗅覚を発達させていった。
「……そりゃもうネズミじゃなくてモグラじゃありやせんか」
「そうだよ。そうやってモグラは進化したんだ」
かなり乱暴なたとえだけどね、と信一郎は断りを入れる。
「だが、概ね間違っていないはずだ……退化とは、その生物が生存するのに必要としない身体の器官を萎縮させ、その器官に回されていた養分を身体の各部位に回すことで、より生存に適したフォルムへ進化するためのプロセスだよ」
源信一郎は民俗学者である。
そして、生粋の学者肌な人間でもあった。
幽谷響が何気なく振った話が、その学者気質を刺激してしまったのだろう。頼みもしないのに講師よろしく弁舌を振るってくれた。
幽谷響は意地が悪いと自覚しながら、先の話題を蒸し返す。
「では──あの外道に墜ちた異戸一族も、退化を踏まえた進化だと?」
「あれは……そうだな。彼らは進化したと言えるだろう」
信一郎はわずかに言い淀んだが、幽谷響から振られた話を真正面から受け止め、『木魂』の能力で知り得た解析情報を明かしてくれた。
「彼らは外道へと墜ちることで……魔道師として能力を振るうべく培ってきた魔力を暴走させることで、強烈な肉体変異を起こしたらしい」
水底に楽園を求め、そこに適した肉体になるべく──。
「冷たい水中で暮らせるように人間よりも両生類に近い肉体構造に変わりながら、その過程で彼らは……自らの大脳辺縁系を退化させたようだね」
「大脳を退化って……人間を辞めてサンショウウオみたいになった挙げ句、脳みそアッパラパーのアホになったと?」
「言葉は悪いが、まさにその通りだ」
異戸一族は外道に変わることで人間を辞めて両生類に近しい肉体となった上、脳を退化させて人間としての知性も捨ててしまったという。
「しかも、彼らはこれを故意にやった形跡がある……」
「わざと……自ら進んで頭の悪いサンショウウオに墜ちたと仰いやすか!?」
これは幽谷響も想像の埒外だったので、声を荒らげてしまった。
信一郎は沈痛な面持ちで細い顎を縦に振る。
「両生類というか爬虫類というか魚類というか……水中に適したあの肉体は、条件さえ整えば人間なんぞより遙かに長生きできる肉体構造になっていた」
これらの生物には、時として寿命を忘れて長生きする者がいる。
異戸一族は不老不死に一歩でも近付くため、余命70年足らずの人間であることを辞め、長生きしやすい生物の肉体にシフトしたのだろう。
「そして、大脳辺縁系を退化させた理由だが……脳で物事を考えるという作業は、凄まじくカロリーを消費することなんだ。だからこそ、人間は高カロリーなものを欲しがる。頭を使う職業の人ほど糖分を求める傾向があるしね」
ボーッとしてても大量のブドウ糖を消費するそうだ。
「だから彼らは、人間としての知性が詰まっている大脳辺縁系を萎縮させて、そこに費やされるエネルギーを不老長生のために肉体へと回した……のみならず、わざと本能だけで生きる動物に近い存在になったんだろうな」
「……? どういう意味でございやすか?」
幽谷響がその言葉の趣旨をよく理解できずにいると、信一郎は同情するような、それでいて哀れむような、そして呆れるような表情になった。
そして、噛んで含めるように趣旨を教えてくれる。
「彼らは楽園を夢見たんだ……それは悩むことも苦しむこともない世界、いわゆるストレスに無縁な世界だったんだろうな」
人間のストレスとは、そのすべてが高度な知性に端を発している。
「有り体に言えば、頭がいいから悩むんだ。悩むだけの知性がなければ、ストレスに苦しむこともない……そういった道を彼らは選んだんだよ」
「野性に還ることで、人間社会のストレスから尻を捲ったと……」
本能のみで生きる存在に立ち返り──俗世のしがらみから脱したのか。
あくせく働くこともない、人間関係に悩むこともない、社会や世論に惑わされることもない、面倒臭い法律というルールに縛られることもない。
それが──異戸一族の求めた楽園。
「そうして彼らは水底の楽園に暮らす生き物となった……人間的なことは考えず、食う、寝る、生きるだけの、とても幸せな生き物にね……ああ、そうそう、娯楽はちゃんとあったと思うよ……あの数の多さがその証拠だ」
表情に浮かぶ呆れの色合いが濃くなった。
「数の多さ……つまり、繁殖しっぱなしだったと?」
──異常だとは思っていたのだ。
「異戸一族があそこに根付いて100年余り……その間に産めよ増やせよと励んだところで、あの数はおかしいと思いやしたが……そういうことで?」
「生殖関係……脳内の性的快感を覚えるシナプス系は人間のままだった。繁殖期も人類と同じく年中無休の365日だったよ」
食って寝て生きる以外──他にやることがなかったのだろう。
「おまけに……彼らは両性具有だった」
肉体変異の過程で、性的な意味でも原始的になったらしい。
「両性具有と来やしたか……そりゃあ産むことも産ませることもできる。おまけに人間同様、繁殖行為が娯楽になるとくりゃあやりまくり……」
あの大群も納得でさぁ、と幽谷響は団扇を仰ぎながら頷いた。
「彼らは手に入れたんだよ……自分たちだけの楽園をね」
信一郎は座卓に手を伸ばし、温くなった烏龍茶を一口飲んで渇いた喉を潤した。
思った以上に話が長かったので、口の中が乾いたらしい。
「我々の思い描く楽園のイメージとは程遠いけどね……」
そういって、異戸一族が外道に墜ちた変遷を辿る考察を語り終えた。
チリーン……と風鈴が鳴る。
これを一拍の間合いにして、幽谷響は水を向けてみた。
「そういや先生、これまでの事件は何かしら妖怪に準えておりやしたが……今回の異戸一族みたいな妖怪は、さすがにおりやせんよねぇ?」
「いるよ──そっくりなのがね」
まさかの即答に幽谷響も「ええ!?」と半身を起こす。
その反応が面白かったのか、信一郎はある妖怪譚を話してくれた。
少し、寂しげな微笑みのまま……。
「守宮──という妖怪にまつわる昔話がある」
江戸時代の頃に怪談集として編纂された『伽婢子』にある一話で、越前(現在ならば福井県)で起きた奇妙な話だそうだ。
塵外という僧侶が、湯尾城という城跡に結んだ庵で過ごしていた。
ある夜、手のひらに乗る程度の小人が現れると塵外に話し掛けてきたが、塵外は相手にせずこれを無視して、そのまま読書を続けることにした。
すると、無視された小人は「無礼者!」と怒り出す。
怒った小人に呼応して、鎧武者の小人がわらわらと沸いてくうる。
それらは軍勢となって塵外に襲いかかり、さすがの塵外も「これは堪らん」と庵から逃げ出して、翌日になると付近の村人にこの出来事を明かした。
村人たちは、その小人の正体について言及する。
『かつてこの辺りでは大きな戦があり、あなたの庵がある城は戦いに負けて落ちました。その戦で死んだ武士たちの魂が古井戸に住み着いたのか、あの辺りでは夜な夜なそのような怪しい出来事が起きるのです』
死んだ武士たちの魂は、何百匹もの守宮に宿っているという。
塵外が古井戸へ行ってみると、果たして古井戸には数え切れないほどの守宮が棲み着いており、塵外がお経を唱えると、たちまち死んでしまったという。
怪異は鎮められたが、死んだ武士たちは慰撫されていない。
哀れに思った塵外は、守宮の亡骸を村人たちと丁重に葬ったそうだ。
「……もっとも、ここでいう守宮とはヤモリらしいんだけどね」
「イモリとヤモリじゃ種類が違うんじゃありやせんか?」
幽谷響も詳しくはないが、イモリが両生類でヤモリが爬虫類のはずだ。
「まあ、今回の騒動に似てるってだけさ」
「ヤモリなのに守宮か……ややこしいことでございやすねぇ」
チリーン……と風鈴が鳴る。
しばらくの間、2人の間に会話はなかった。
夕闇が濃くなりかけて、居間が影に沈みかけた頃、玄関のインターホンが鳴る音がして、家事手伝いのメイドが廊下を歩く音がする。
玄関での応対する話し声が聞こえると、2つの足音がこちらにやってきた。
「失礼いたします──先生、お客様です」
楚々とした仕種で襖を開けて現れたのは、メイド姿の葵だった。
その姿にどうしても見慣れず、幽谷響は無意識に眉をしかめる。
彼女も『青坊主』という一端の魔道師であり、かつては幽谷響の弟分として可愛がっていたのだが、兄貴分の幽谷響を恋い慕うあまり、人体改造のスペシャリストな魔導師の手で本物の女性に性転換してしまった経緯を持つ。
その経緯を──幽谷響は未だに認めていなかった。
紆余曲折を経て源家のメイドとして働くようになったのも、建前はいくつも並んでいるが、本音は幽谷響の傍にいたいだけに違いない。
だからこそ、幽谷響は彼女を見る度に顔をしかめてしまうのだった。
信一郎はその一切を把握しながら、意に介する素振りがない。
むしろ、困惑する幽谷響を見て楽しんでいた。
「葵ちゃん、お客様って……」
~~~~~~~~~~~~
「──先生、いつぞやぶりっす」
葵の案内で居間に現れたのは他でもない──大屋鳴子だった。
今頃は幸典が受け継いだ、件の異戸一族のお屋敷の改築作業に大忙しと思いきや、そうでもないご様子だ。その顔色からは戸惑いが窺える。
鳴子を招き入れた信一郎は、幽谷響や葵を交えて座卓を囲む。
全員に冷たい烏龍茶が配り直されたところで、鳴子は源家を尋ねてきた理由を告げてきた。どちらかといえば、それは相談に近いものだった。
「井戸さんが──行方不明になりました」
その一言だけで、信一郎の胸の内はざわついた。
あの一件以来、ふさぎ込むことこそなかったが、幸典が深く思い悩んでいるのは手に取るようにわかった。
別れ際、眉間に深い皺を刻んでいた顔が忘れられない。
異戸一族の来歴を知り、彼らがいかなる楽園を求め、最終的にどのような道を選んだのかを、その目でしっかと見届けてしまったのだ。
変わり果てた祖父の姿まで──。
幸典の身を案じる信一郎は、やや上の空で鳴子の話に耳を傾ける。
「あの御山の屋敷の修繕に関する打ち合わせに、改めて出向いたんすけど……屋敷は全壊していて他の家屋も壊滅。廃墟の山になってたっす」
続けて鳴子は、言いにくそうに不安になることを口にした。
「それと……あの開かずの蔵にあった大井戸が瓦礫の下から掘り返された後、また埋められたような跡がありました」
鳴子は愛用のベストから、皺によれた1枚の紙片を取り出す。
「これ、その埋めた後に置いてあったものっす」
それは手紙というにはあまりにも拙く、文章を大雑把だった。
水に濡れたのが乾いたのか、厚めの紙はゴワゴワと硬く波打っており、辿々しいひらがなで6文字しか記されていない。
「 あ ち ら に い く」
これだけで十分だった。
誰の置き手紙なのか考えるまでもない。
しかし、彼が胸の内に秘めた想いは、学友だった信一郎にも推し量れない。
信一郎は無念そうに俯くと、置き手紙に手を伸ばした。
「血は争えない…………か」
悔しげに呟いた信一郎は、くしゃりと手紙を握り潰した。
チリーン……と風鈴が鳴る。
いや、かすかに音色が違う。
今の音色は、幽谷響のお鈴から鳴り響いた音色だ。
人間としての生を捨て、楽園に旅立った者を見送るように──。
「厭離穢土──欣求浄土にございやす」
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