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第10章 天梯の方舟と未完の巨神

第250話:豊穣巨神王ダグザディオン

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「始まったと同時に終わりそうな勢いだな」

 ツバサはハトホルフリートの甲板かんぱんから戦況を見つめる。

 艦の制御はダインの遠隔操縦に任せ、クロコ、カンナ、バリーも甲板に出揃っている。彼らにはスプリガンの援護に回ってもらっていた。

 バリーは得意の狙撃でスプリガンを狙うミ=ゴの艦載機を撃ち落とし、クロコもメイド人形部隊に銃火器を持たせて【舞台裏】バックヤードから銃撃を行っている。

 バリーへの弾丸補充も忘れない。仕事はできるのだ、あの駄メイド。

 ある事情からカンナは待機状態である。

 直情型の彼女は戦闘が始まると、さっそく愛車の空飛ぶバイクに乗って出撃しようとしたのだが、ツバサはそれを制してこう命じた。

ツバサおれとマリナの警護を頼みます──とレオが言ってました』
『しし君が拙者に……こ、心得ました!』

 レオナルドを出汁だしに使ったら一発だ。チョロい。

 カンナは馬上槍ランスを手に護衛の騎士らしく、ツバサたちの背後に直立不動で控えていた。いつでも動けるよう、空飛ぶバイクも側に置いてある。

 そしてツバサは──マリナを抱いていた。

 甲板に立ったマリナは両手を突き出すように掲げており、そこから無数の魔法陣を展開させている。それらの魔法陣は複雑に結びつきながら発動しており、とある大魔法を顕現けんげんさせていた。

 そんなマリナを、背中から包み込むようにツバサは抱き締めている。

 飛行母艦ハトホルフリート──。
 方舟クロムレック──。
 万能工作艦アメノイワフネ──。

 この3隻は上・中・下という感じで縦並びに浮かんでおり、それぞれ艦首をズラして全方位の敵艦に向けて絶え間ない砲撃を続けている。

 ──ミ=ゴの艦隊は合計25隻。

 直下に出現した空母サイズの巨大戦艦を除いた24隻の円柱型戦艦は、上下2列となってこちらを隙間なく包囲したつもりだろう。

 しかし、開幕早々ミロの覇唱剣はしょうけんによってバリアを破られ、そこへ一斉射撃を食らったのだから一溜まりもあるまい。

 多くのかんが大破寸前、バリアを再展開する余裕もなさそうだ。

 それでもミ=ゴは反撃の手を緩めず、ハトホル&スプリガン連合軍と砲撃の応酬を繰り広げるが、防御力の差が被害の差となって現れていた。

 こちらの防御力の要はマリナである。

「マリナ、無理はするなよ?」

 ツバサは抱き締める愛娘の心配をした。マリナも心得たもので愛用の王冠型帽子を仕舞い、抱いているツバサの邪魔にならないよう配慮してくれる。

「はい、センセイのおかげでへっちゃらですよ」

 ツバサの豊かな胸に頭を預けたマリナは疲れた様子も見せずに微笑んだ。

 マリナの過大能力オーバードゥーイング──【神聖なる幼女イエス・ロリータの不可侵領域・ノー・タッチ】。

 結界能力に秀でた彼女の過大能力は、ハトホルフリートやアメノイワフネを守る防護フィールドの基盤きばんとなっている。

 現在マリナはその結界能力を限界以上に引き出しており、150%を越える出力で発動させていた。こんな能力の使い方をしていたら、ミ=ゴの戦艦との初遭遇のように力を使い果たすのがオチだが、そこは対策済みである。

 ずっとツバサが活力付与エナジーギフトをしているのだ。

 ツバサの過大能力──【偉大なるグランド・大自然ネイチャの太母ー・マザー】。

 自然界のありとあらゆるエネルギー源となることができる上、その無限増殖炉になれるこの能力で、マリナに活力を供給し続けている。

 母娘の合体技によって顕現した大魔法──超巨大結界。

 張り巡らされた巨大な球状の結界は、ハトホルフリートを含むこちらの神造しんぞう戦艦せんかん3隻を包み込み、完璧な防御力で守っていた。

 各艦もそれぞれ防護フィールドを展開中だ。

 二重の結界によって、ツバサたちは鉄壁の防御を成し遂げていた。スプリガンたちにも結界を越えないよう厳命げんめいしてある。

 おかげでこちらから一方的に攻撃できる上、被弾することは一切ない。

 謂わば無敵モードで戦えるのだ。

「ちょっとズルい気もしますね……」

 マリナは結界を維持しながら半笑いをこぼした。

 幼い娘にツバサは言い聞かせる。

「戦争にズルいも卑怯もないぞ。最小限の被害で最大限の戦果、それが適うのならどんなにえげつない戦略だろうと選ぶべきだ」

 味方を、仲間を、家族を──死なせたくはないだろ?

 マリナはぐうの音も出なかった。

 幼心からすれば、ツバサたちの圧倒的な戦況に理不尽なものを覚えるし、気味の悪い蕃神ばんしんとはいえ虐殺するのは気がとがめるのだろう。

 その優しさは尊いもの、大切にしてやりたい。

 やや目を伏せたマリナを慈しむために抱き寄せる。

 よしよし、と頭を撫でてやっていると空から脳天気な声が降ってきた。

「たっだいまー! お仕事やってきたよー!」

 ミ=ゴ艦隊の結界を破ったミロが戻ってきたのだ。

 身の丈を越える覇唱剣を肩に担いで、真っ黒いコートに身体の各部を装った漆黒の軽鎧けいよろい。最近、ミロはフルパワーを出すとこの格好になるらしい。

 面白がって“オルタ化”と呼んでいた。

 ちなみに、ツバサは肉弾系に全力以上の力を出すと“殺戮の女神”セクメト化するのだが、魔法系で極限を超えると衣装が純白になる現象が起きていた。

 これをミロは“ブライド化”と名付けて喜んでいる。

「おかえり、ご苦労さん」
「ミロさん、お帰りなさい。お疲れさまです」

 全然疲れてないよー♪ とミロは覇唱剣を道具箱インベントリに仕舞い、変身を解除するように黒いコートや軽装鎧を消した。

 いつものブルードレスに戻ったミロは小走りに寄ってくる。

 普段ならその勢いに乗ってツバサに抱きついたはずだが、今日は活力付与エナジーギフトのためマリナを抱き締めているので、小走りの速度も控え目だった。

 ツバサのかたわらに立ったミロは、満面の笑顔で頭を差し出してくる。

「よくやったな、よしよし」

 マリナにしてやったように頭を撫でてやると、ミロはニカッと歯を剥いて笑い、歯の隙間から空気を抜くように「ししし♪」と笑った。

 こういうところは本当に少年っぽい。

 少年の英雄神と言われても、納得させられてしまう。

「んで、アタシたちはしばらく待機だよね?」

 警護役に徹しているカンナに気付いたミロは、片付けたはずの覇唱剣をもう一度引っ張り出すと、それを背負ってツバサの後ろについた。

 ──2人の女騎士が女神の親子を守っている。

 端から見ればそんな構図になることを想定した位置に付いた。

 小芝居というか小ネタというか、こういうことだけは頭の回転が速い娘である。その回転力をまともな方向へ活かしてもらいたいものだ。

 軽いため息をついてからツバサは答える。

「珍しく覚えていたか──そうだよ、間違っても打って出るんじゃないぞ」

 念を押すツバサだが、アホ娘は履き違えて受け止める。

「えっ、それって……前振り?」

 案の定、自分に都合よく解釈したミロは、覇唱剣を構えて今にも飛び出しそうにウズウズしていた。これに猪武者が感化される。

「“押すなよ押すなよ”と念を押しといて……本当は“押せ!”みたいな?」

 カンナまで乗り気になってバイクにまたがろうとしていた。

「フリでも何でもない。こっちから仕掛けるなと言ってるんだ」

 ねじ伏せる眼光でアホ2人を見据える。

 今にも飛び出そうとするミロとカンナは震え上がり、すぐさま姿勢を正すと警護役に戻った。直立不動でピクリともしない。

 アホと猪武者のため、ツバサたちが出陣しない理由を説明する。

「俺たちの先手で大ダメージを受けたにもかかわらず、ミ=ゴは退くどころか苛烈なくらい攻めかかってきている。連中をあそこまで過激にさせている理由はいくつかあるだろうが……基本的には3つだ」

 ひとつは──ツバサたちが本気を出す前に叩き潰そうとしている。

 ツバサやミロの力は身をもって体験済み。

 主力の2人が動く前に、陣形を組んで砲火ほうかで圧倒する算段だろう。

「もうひとつは、彼らも決着ケリをつけたがっているんだ」

 天梯を手に入れるためとはいえ、方舟を追い回すのに飽きてきたのか疲れてきたのか、数百年の追跡劇に終止符を打つつもりらしい。

「3つ目はさておき……やる気を出しているミ=ゴたちの前に、さっき彼らを酷い目に遭わせたツバサおれミロおまえが出て行ったら……」

 どうなると思う? とツバサが振り返る。

「あっ、そうか……ビビって逃げちゃうかも知れないよね」
「撤退する可能性がないとも言い切れませんな」

 さすがのアホミロ猪武者カンナも理解してくれたらしい。

 ツバサはひとつ頷いて話を続ける。

「ここで俺たちが本腰を入れて彼らを殲滅せんめつするために動けば、覚悟を決めて決戦を挑んできたミ=ゴでも、恐れを成して逃げてしまうかも知れない」

 せっかくおびき出したミ=ゴを逃がしたくない。

 この艦隊戦で彼らを引きつけておき、可能ならば1匹残らず駆逐するように殲滅せんめつしておきたいのだ。こちらが優位だから尚更である。

 一芝居打ってまで巣穴から引っ張り出した獲物たちだ。

 ここで確実に一網打尽としておきたい。

「みんな、必死で戦ってます……スプリガンも……ミ=ゴも……」

 戦場を見つめていたマリナがポツリと漏らした。

 戦艦は元より、艦載機に乗り込んだミ=ゴたちも必死だ。

 マリナの結界を破ろうと艦載機に搭載した銃火器で攻撃するのは勿論、ある者は防護フィールドに決死の覚悟で取り付き、海老えびかにのハサミに当たる器官でこじ開けようと試みている。

 スプリガンの戦士たちは、それを阻止するために奮戦中だ。

 いくら結界に守られているとはいえ、その間際での戦闘は危険を伴う。自爆覚悟で飛び込んでくる艦載機の巻き添えになりかねない。

 それでもスプリガンたちは結界に肉薄にくはくして戦っている。

 志半ばで倒れていった父や母の無念──。

 一族積年の感情が、彼女たちの士気を昂揚こうようさせていた。

 一方、ミ=ゴも仲間が被弾すればフォローをしたり、自らが盾となって誰かを庇うこともあれば、わざと結界に突っ込んで大爆発を起こし、結界が薄くなった一瞬に仲間を突入させるための捨て駒になる者さえいた。

 彼らにもあるらしい──仲間意識。

 マリナは惨い戦闘から眼を逸らすことなく、むしろ最期まで見届けるのが義務のように瞬きさえしない。その眼差しは悲しみに彩られていく。

 ツバサはより一層マリナを抱き寄せ、耳元にそっとささやいた。

「同情するのはいい……だが、情けを掛けてはダメだ」

 蕃神ばんしんとは決して相容あいいれない。

 ミ=ゴもあれだけの文明を有する種族。

 彼らの社会性については知る由もないが、種族の繁栄を求めて真なる世界ファンタジアに侵攻してきたはずだ。その意気いきむが侵略されるつもりはない。

「連中はこの世界に生きる者を気遣きづかう様子がない。恐らく、同列の存在として見てないんだ。求める資源のある土地に湧いた羽虫ぐらいの認識だろう」

 あちらがこちらに気遣うつもりがなく、話し合いの余地すらないのだから、戦争するしかあるまい。こちらも生きるために必死なのだ。

 情け無用──根絶やしにするつもりでる。

「その羽虫にしてやられてんだから、さぞかし悔しかろうねぇ」

 ミロは情け深いが割り切る女でもあった。

 ミ=ゴに対して同情の片鱗へんりんさえ見せず、こちらの砲撃とスプリガンたちの攻撃によって業火に包まれていく円柱型戦艦を眺めている。

 身内には砂糖より甘いが、敵には情けも慈悲も容赦もない。

 こういう両極端な性格は、兄妹同然に育ってきたツバサの影響を受けたとしか思えなかった。ツバサ自身、そういうところがあるからだ。

 事態が大きく動くまで、ツバサたちは甲板にて様子を見守った。

 炎上しようとも攻撃の手を緩めないミ=ゴ艦隊。

 これはやはり──。

「ツバサさん、3つ目ってあいつらの隠し球・・・のことだよね?」

 唐突にミロがそう尋ねてきた。

 ようやく学習したようだ。お母さんは嬉しい。

「教えずとも察したか、褒めてやる」

 エッヘン! と年の割には良い発育をしている胸を張って威張るミロを横目に、ツバサは打って出ない3つ目の理由を明かした。

「一見するとミ=ゴは全戦力を投入してきたように思えるが、聞けば戦力温存とかでこちらの世界に1隻ずつ送り込んでた、筋金入りの慎重派だ」

 ガンザブロンから「ミ=ゴの戦艦は半壊させても1週間足らずで戻ってくる」と聞いて、慎重派なら誰もが考える着想に至った。

 ──複数の艦を入れ替わりで派遣していたのではないか?

 壊れた艦をすぐに修理して再戦を挑んできていたのではなくて、まったく同じ型の艦で追撃してきただけなのだ。

 実際、こちらを取り囲んでいる24隻は見分けが付かない。

 その読みが当たっていたらしい。

「慎重派は全力を出すように見せかけて、本気の一撃やとっておき・・・・・を用意しておくものだ。恐らく、あいつらは奥の手を隠している」

「似た者同士、考えることは一緒ってわけね」

 ミロに失礼なことを言われたが、褒め言葉と受け取っておこう。

「そういうことだ。俺たちみたいな慎重派は、勝つためならば十円玉を東京スカイツリーより高く積み上げることもいとわない。そのための仕込みを怠らない」

 ミ=ゴはまだ、勝利の鍵を隠している。

 だからこそ、初手でミロに全てのバリアを破られたというのに、こうして被害を顧みることなく徹底抗戦で押し通そうとしているのだ。

「だとしたら……あそこ・・・かな~?」

 ミロは唯一の逃げ道──上空をいぶかしげに指差した。

   ~~~~~~~~~~~

 3隻の神造戦艦を守る超巨大結界──。

 その内側、ちょうどハトホルフリートが展開する防護フィールドの上空にてレオナルドとナイ・アールは向かい合っていた。

 神族としては軍神に分類されるレオナルドからは凄まじい闘気が立ち上り、邪神としか思えないナイ・アールからは禍々しいオーラが発散される。

 闘気とオーラは混じり合うことなく、接触すると空間を掻き乱す。

 それはぶつかり合う高気圧と低気圧のように嵐を巻き起こしていた。スプリガンの戦士の娘たちも近寄れない戦闘領域バトルフィールドである。

 しかし、当の本人たちは何処吹く風だ。

 レオナルドはマント代わりの軍用コートをはためかせ、両手はズボンのポケットに突っ込んだまま涼しい顔をしている。

 対峙たいじするナイ・アールは脂汗まみれだった。

 なにせ左腕が根元からもぎ取られており、そこから諾々だくだくと大量の血液をこぼしているのだ。右手で押さえても出血は止まらず顔色は蒼白だった。

 人間ならばじきに失血死、あるいは腕をがれた時点でショック死。

 平然としていられるのは神族ゆえかあるいは――。

「その腕、直したらどうだ」

 レオナルドは感情を込めない口調ですすめた。

 勧めたというより「見苦しいから直せ」と先輩として注意したニュアンスに近いが、マヤム君のように可愛げのある後輩ではないから対応も雑だ。

「流れ弾で被弾して左腕を失い肉体の機能が低下中。大量の血を失って神族といえども失血死寸前……その程度で油断を誘えると思うなよ」

「……血も涙もないですねー。愛想あいそを尽かされちゃいましたかー?」

 ナイ・アールは「仕方ないですねー」と独りごちる。傷口から滝のように流れていた血がピタリ止まり、新しい腕が“にゅるん!”と生えてきた。

 ジャラジャラと鳴るくらいベルトを付けたスーツの袖まで一緒にだ。

「おまえに愛想を振る理由もない──元より尽かしている」

「そんなれないことおっしゃらないでくださいよー。寂しくなるじゃないですかー? 機会こそ少ないとはいえ、レオナルド先輩や爆乳特戦隊の方々のサポートをさせていただいたじゃないですかー。知ってましたかー? ボクってチョー寂しがり屋なんですよー? もっと仲良くしてくださ……い゛ぎゅよ゜ッ!?」

 電撃を帯びた無数のパイルが、ナイ・アールを焼き焦がした。

「悪いな、俺は友人を選ぶ性質タチなんだ」

 ──得体の知れないバケモノと馴れ合うつもりはない。

「ひっどいなー。問答無用ですかー? もっと仲良くトークしましょうよー。同じ地球人・・・・・同士、そんなに毛嫌いすることないじゃないですかー」

 電撃杭だらけの死体が掻き消え、無傷のナイ・アールが再出現する。

 何度見ても気色悪い。復活の瞬間さえ見極められない。

 唐突に場面シーンを変更されている気分だ。

 そして何より、こちらを小馬鹿にしたような物言いが気に障る。

「同じ地球人? どの口がほざ…………ッ!?」

 ナイ・アールの減らず口を聞き流そうとしたレオナルドだったが、まさかの連想を閃いたため、思わず絶句してしまった。

 ナイ・アールは蕃神の回し者、これは99%確定だ。

 だが、その出自は──ナイ・アールは何処・・からやってきた?

「あれれー? 勘付いちゃいましたかー? やっぱりレオナルド先輩は優秀ですねー? さすが、20代にして幹部の座についただけはありますよー」

 細い笑みを浮かべた能面はカミングアウトする。

「ボクはあなた方が仰るところの……蕃神ばんしん、でしたっけー? 確かに彼らに属するモノではありますけど、元から彼らの身内じゃありませんよー? 彼らの回し者ではありますけれど、出身は彼らとはまったく関わりありませーん」

 この意味わかりますかー? とナイ・アールは首を傾げる。

 小首どころか90度を越えて折り曲げ、180度に達する。古いホラー映画だがエクソシストみたいな首の回転率だ。人間にできる芸当ではない。

「つまり、こういうことか……人類の裏切り者が!」

 極太の杭を放って、胸元まで折り曲げた頭ごと胸を射貫いてやる。

 瞬きする前に復活するのが腹立たしい。

 はい御名答ー♪ とナイ・アールは拍手で煽ってくる。

「だって仕方ないじゃありませんかー。次元をも超越する、神をも凌駕した方々のお誘いなんですよー? 力に憧れる人間には抗えない誘惑ですよー。寝返ったって文句を言われる筋合いはありませんしー」

寝返りの報酬が、あの悪趣味な過大能力オーバードゥーイングか?」

 自身に起きた事象のみを改変する能力。

 超常的存在だとされる蕃神にしては、大したことはない。

「ハハハ、わかってませんねーレオナルド先輩ー」

 この能力の真髄キモを──ナイ・アールは右手を鉤爪かぎつめのように折り曲げた。

 その指から黒い霧のようなものが沸き上がるとともに、ナイ・アールの五指ごしも人ならざる物質へと変容していく。

 指だけに留まらず、ナイ・アールは全身を変貌させていった。

「ボクはさるやんごとなき御方の一部になったようなものでしてねー……ボク自身は“暖簾のれん分け”してもらった気分でいるんですけどねー」



 くとぅるふ・ふたぐん にゃるらとてっぷ・つがー……。
 しゃめっしゅ しゃめっしゅ……。
 ……にゃるらとてっぷ・つがー くとぅるふ・ふたぐん。



 耳障りな呪文を唱える度、ナイ・アールの肉体は変化のスピードを加速度的に増していき、全身が何十倍にも膨張していく。

「この姿はぁ……そのやんごとなき御方・・・・・・・・の化身なんですよぉぉぉー……」

 全長10mを越える異形の魔人──。

 太い触手をり合わせて作った象のような足は3本、足数の少ないかなえのように三つ叉の3本足となって胴体を支えている。その胴体は人間に似ていなくもないが、細い腰、分厚い胸板、筋肉の配置がおかしい両腕、関節が覆い五指……そのどれもが人間離れしており、不定形の流動する肉塊で構成されていた。

 頭部に当たる部分からは、血塗られたように赤くて野太い触手が生えてウネウネとうごめいている。両肩からはそれより一回り小さい触手が一対。

 この異形を目の当たりにしたレオナルドの表情が歪む。

 銀縁眼鏡の奥、鋭い眼差しは右目は見開かれて左目は細めるという左右非対称に歪み、口元には笑いたくないのに笑うしかない苦笑を滲ませた。

「月に吠えるもの……」

 それはある邪神が持つという化身のひとつだった。

 千を越えるかおを持ち、その正体を決して露わにしない無貌の神フェイスレス

「ナイ・アール──ナイアルラトテップか!?」

 アナグラムだとしたら程度が低い。ほとんどネタバレである。

 ナイアルラトテップ──。

 クトゥルー神話におけるトリックスター的な神性。

 邪神も人間も関係なく引っかき回し、下手をすれば自らを生み出した主神アザ・トースすらあざけりの対象とする、狂言回しの権化みたいな邪神だ。

 ツバサ君は「蕃神とクトゥルー神話には関連性がある」と疑っていた。

 ナイ・アールのおかげで、その疑惑が確信となりそうだ。

「そうか……自身にのみ作用する、自身の事象のみを改変する過大能力……自分の死を無効化できるなら、自分が崇拝する邪神にも変身できる……」

 そういう能力か──合点がてんがいった。

「さすがに飲み込みが早いですねぇぇぇー先輩ぃぃぃー……じゃあぁぁぁー、こうなったボクを攻略できるか試してみますかぁぁぁー……?」

 月に吠えるものと化したナイ・アールは、全身から黒い霧を湧かせる。

 頭部の触手を伸ばしたかと思えば、それはレオナルドではなくハトホルフリートの防護フィールドを鞭打った。

 敵意ある者を寄せ付けない攻勢防壁こうせいぼうへき餌食えじきになるはず──。

 かと思いきや、黒い霧をまとった触手が触れるや否や、防護フィールドの一部は黒い霧に侵食されて消失してしまった。

 あの黒い霧に触れた存在は異質化してしまうらしい。

 そうして黒い霧に変えられ、月に吠えるものナイ・アールの一部と化すようだ。

「今度はそう来たか!」

 レオナルドはこれ以上の侵食を阻止するべく、無数の気の杭パイルを乱射する。

 だが、どれだけ刺されても月に吠えるものナイ・アールはビクともしない。

 刺さった杭は黒い霧に飲まれ、あっという間に異質化してしまった。

 月に吠えるものが全身の肉塊を踊らせて気持ち悪い笑い声を上げると、勝ち誇ったかのように黒い霧を周囲へ撒き散らす。

「ハハハァァァ……いかがですかぁぁぁーレオナルド先輩ぃぃぃー……? ボクの授かった力はすごいでし……お゜ぎょん゛!? 」

 不愉快なので最後まで喋らせない。

 防護フィールドを侵食する触手にレオナルドは何かを投げる素振りを見せたが、何も見えなかったので月に吠えるものナイ・アールは高を括っていた。

 次の瞬間──触手に無数の穴ができた。

 その穴はうつろで、開いた穴が肉塊や黒い霧を吸い込んでいく。

 慌てた月に吠えるものナイ・アールは触手を自ら断ち切った。

 虚ろな穴は自切した触手を飲み干し、跡形もなく消え去る。

「──虚数穴ホロウ・ポイント

 レオナルドの手中には、不可視ふかしの杭が構えられていた。

 この見えない杭は穿うがったものを虚数空間へ吸い込む性質があり、月に吠えるものこいつのような触りたくない敵を葬るのに打って付けだった。

 異質化される前に──虚数空間へ堕とし込む。

「おまえ如き、始末する手札カードならトランプタワーを組めるほどあるぞ」

 ツバサ君もそうだが、レオナルドも修行バカである。

 蕃神の存在を知った2人は、暇を見つけては互いに切磋琢磨せっさたくまして、不死身の神性であろうと抹殺できる新技能をこれでもかと編み出していた。

 失った頭部の触手を再生しながら、月に吠えるものは両腕を広げた。

 表情こそ読めないが、明らかに挑発していた。

「へぇぇぇー……そいつは楽しみですねぇぇぇー……」

 やってご覧なさいよ──レオナルド先輩!

 月に吠えるものナイ・アールは黒い霧を攻撃的に湧き上がらせ、それをオーラのようにまといながら突っ込んできた。レオナルドは焦らずに虚数穴ホロウ・ポイントで迎え撃つ。



 2人の戦いが仕切り直された瞬間──またしても世界に激震げきしんが走った。



   ~~~~~~~~~~~~

 周囲360度を包囲した24隻の円柱型戦艦。

 その穴を埋めるべく、下方から出現した25隻目の超巨大戦艦。

 唯一、逃げ道となるように上空が空いているのは、その空間の向こう側にミ=ゴの切り札が隠されているためだ。ツバサたちの誰もがそう予想した。

 それゆえに──裏をかかれた。

 確かにミ=ゴは奥の手とも言える26隻目の戦艦を有していた。

 だが、それはツバサたちの逃げ道を塞ぐものではない。

 彼らの狙いは──あくまでも天梯てんてい

 次元の壁を容易く乗り越える橋頭堡きょうとうほとなりうる世界樹。

 それしか眼中にないのだ。

 その天梯を奪い取るために建造された──26隻目の戦艦。

 空間を突き破って現れた戦艦の先端は、他の戦艦のように円柱ではなく円錐えんすい状に尖らされていた。おまけに他の戦艦よりも明らかに細く、方舟に突き刺さりやすい形状をしているのだ。

 強襲艦きょうしゅうかん──ダインが見ればそう叫んだだろう。

 円錐形の強襲艦が出現したのは、がら空きの上空ではない。

 ──方舟の真横だった。

 次元の壁を突き破った勢いで、方舟に目掛けて突き進んでくる。マリナの超巨大結界を突き破ると、方舟の防護フィールドも貫くつもりだ。

 ツバサたちが気付いて動き出そうとするが間に合わない。

 円錐型の強襲艦の攻めは電光石火だった。



「──それをさせないためにそいをさせんためにおれがいるんだおいがおっどッ!!」 



 強襲艦の行く手を阻んだのは、巨人化したガンザブロンだった。

 自身の装甲の分厚さもさることながら、武装のひとつでもある巨大な円盤状の盾で強襲艦の先端を受け止め、バーニヤの全力噴射で押し止めていた。

 しかし、馬力の差は歴然。

 最初の勢いこそ殺せたものの、強襲艦は力任せに迫ってくる。

 方舟の防護フィールドまで数十メートル。

 ガンザブロンのバーニヤも長くは保ちそうにない。

 だが、ガンザブロンが勝利を得た笑みをほころばせた。

おまえおめを道連れにしきっなら大金星じゃろう!」

 ガンザブロンは片手を胸部装甲の懐に差し込むと、ズラッと連なる何かを引き出した。それを目にしたブリカやディア、戦士の娘たちが愕然とする。

「高性能爆薬……『巨鎧甲殻』ギガノ・アムゥドさえも塵にする……ガンさんッ!?」
「ガンおじ様、まさか……おやめください!」

 ブリカとディアが、それぞれの愛称でガンザブロンに自制を促す。

 気付いた戦士の娘たちも懸命に父親の名を呼ばわり、捨て身の覚悟を決めた父親を引き留めようと駆け寄ってきた。だが……。

「来るんじゃなか! これは……おいのケジメたい!」

 ずっと負い目だった──生き残ったことが。

 仲間が、先輩が、後輩が、総司令官が、先にってしまった。

 愛した女房にも先立たれた。

 なのに──自分だけ生き残ってしまった。

 種を絶やさぬため、生き残りの女たちと関係を持ち──娘を産ませてきた。

 親友の彼女を寝取り、先輩や後輩の妻も抱いて──自分の子を産ませた。

 これも種を残すため、スプリガンという種族を守るため、天梯を守るという使命を果たすため……そう自分に言い聞かせることで騙してきた。

 だが──ガンザブロンの良心はずっと嘆いていた。

 どれだけ不純を犯せというのか!? どれほど悪徳を積めばいいのか!? このまま時が過ぎれば、いずれは血を分けた娘たちも汚せというのか!?

 もうたくさんだ……終わらせてくれ……つぐなわせてくれ……。

「じゃっどん……今がその時たい!」

 この強襲艦を道連れに華々しく自爆する。

 種を残すためとはいえ、産まれてきてくれた娘たちに注いだ愛情は本物だ。

「我が子らを守れんなら本望……兵子へごとして至上のほまれ!」

 やっと死ねる。先に逝った仲間にびられる。

 ここで自爆すれば強襲艦はぶっ壊れるし、その進行も止められる。方舟は神族の方々のおかげでパワーアップした防護フィールドで守られる。

 後のことはツバサ様にお任せればいい。

 きっと、若大将や娘たちの行く末を見守ってくださるはずだ。

 これで心置きなく──逝ける。

 ガンザブロンは爆薬の起爆装置を押した。

『死に急ぐな──ガンザブロン』

 懐かしい声が耳朶じだを打ち、ガンザブロンの動きを止めた。

 起爆装置のトリガーがロックされたように動かない。

「せ、先代……様?」

 聞き間違えるはずのない──先代総司令官の声だ。

 ガンザブロンが問い返すも返事はない。

『そなたは生き残った。種族のために尽くしてくれた』
『どうしてとがめることができようか』
『おまえの複雑な胸中はわかる……おまえは真面目な男だからな』

 声は先代総司令官から次々と変わり、今は亡き仲間たちの声が一方的な意見を伝えてくる。どの声も懐かしく、とても優しげだった。

『娘たちを置き去りにして、わたしたちの元へ来るというの?』
『あんなに慕われているじゃない……お父さん?』
『親に先立たれた子供の悲しみ、あなたならよくわかるんじゃない?』

 次いで娘たちの母親……関係を持った女たちの声が続いた。

『――可愛い娘たちを悲しませるつもりですか?』

「おまえ……おまんも引き留めるか……」

 戦死した妻の幻影が、死地に赴こうとする夫の前に立ちはだかる。

あの子・・・も決して望みませんよ、こんな結末を……』

 優しい笑みを遺して妻の幻影は消えた。

 誰もがガンザブロンに『死ぬな、生きろ』と申し付けてくる。

 子らの幸せな未来を見守らないでどうする?

 新たな王・・・・の誕生を見届けないでどうする?

 先代総司令官、そして仲間たちの幻影がガンザブロンを引き留める。

『あの子たちの未来を守ってやってくれ──頼む』

 幻影たちが唱和しょうわした次の瞬間、強襲艦がいきなり停止した。

 一筋の流星が駆け抜ける──。

 目映い緑色の軌跡を描く流星は走り抜け、強襲艦を真横から貫いた。その衝撃は凄まじく、円柱の船体をへし折るほど強烈だった。

 大爆発を起こして、折れたまま墜落していく強襲艦。

 その爆発を斬り裂いて、流星の主が姿を現す。

 深緑しんりょくに輝く鎧を身にまとった若武者──ガンザブロンにはそう見えた。

 全長12mを越える『巨鎧甲殻』ギガノ・アムゥドだ。

 四肢も五体もしっかりと逞しい。手足、肩、腰、胸……それらを鎧う装甲は剛直ながらもスマートなフォルム。ガンザブロンのように防御に重点を置いたものではなく、軽快な運動能力を重視した遊撃性に優れたものだ。

 兜の下にある凜々しい面立ちは、先代総司令官に瓜二つだった。

 ガンザブロンは未完成のこれ・・を幾度となく見てきた。

 この機体を身にまとい、自らを「未熟だ!」と嘆く若者の背中を──。

「わ、若大将……ついに、『巨鎧甲殻』を……ッ!」

 年を取ると涙腺るいせんが弱くなって困る。

 力いっぱい閉じた瞼からは巨人に相応しい量の涙がゴボゴボと流れ落ち、押す気の失せた爆薬の起爆装置に降りかかった。

 ガンザブロンの様子を見た深緑の若武者は安堵あんどしたように頷いた。

 そして、招集を掛けるべく号令を降す。

「森と大地を統べる獣の王たちよ──巨神ダグザの元に集え!」

 新たな『巨鎧甲殻』をまとったダグは自らを“ダグザ”と名乗り、獣の王たちを呼び寄せた。それは5体の獣を模した『巨鎧甲殻』だった。

 夜空に、5つの流星が現れる。

神化合体──開始ゴッド・エボリューション!」

 5つの流星はそれぞれミ=ゴの戦艦に突撃すると、手土産とばかりに戦艦を食い破るように破壊してから、ダグザの元へと馳せ参じる。

「──荘厳なる巨猪グラン・ボア! 偉大なる雄牛ランド・ブル!」

 いのしし雄牛おうしをモデルにした2体の『巨鎧甲殻』だ。

 どちらも重厚な体格をしており、重戦車の如きフォルムも似通にかよっている。

 四足のひづめで空を駆け、ダグザの元へ駆け寄っていく。

 途中、その足を機体へ仕舞うように折り畳んで変型を始めた。

 足を収納して長方形のブロック形になった2体は、どちらも後部にドッキングのための挿入口が開き、猪と牛の頭部に当たる部分が肩の上へとせり上がる。

 変形した2体を、ダグザは脚を守る具足ぐそくのようにいた。

「まさか……『巨鎧甲殻』の合体じゃと!?」

 そんなスプリガン前代未聞じゃ、とガンザブロンが驚愕きょうがくする。

 しかし、巨人の名を冠したダグの『巨鎧甲殻』は、新たに現れた動物型の機体を合体して更に巨大化、物々しい脚部を持った巨人となった。

「──対なる猟犬ツイン・ハウンド!」

 次に円柱型戦艦を食い破って現れたのは、猟犬型の『巨鎧甲殻』だった。

 この2体は見分けが付かない同型の機体で、大型の猟犬を模している。

 ダグザに飛来すると、やはり変型を始めた。

 脚を仕舞って胴体を伸ばし、折り曲げられるような関節が現れる。そしてダグザが腕を差し込むべき開口部が開き、巨神の腕となって一体化する。

 限界まで開かれた犬の顎から、大きなてのひらが現れた。

 2匹の猟犬はダグザの新たな腕となったのだ。

 これだけでもダグザの全長を20m以上にまで押し上げたが、手足ばかりに装甲が集中して、胴体が貧弱というアンバランスな機体になっていた。

 それを解消するべく──5体目の獣の王がやってくる。

「──角冠を掲げし王鹿キング・エルク!」

 それは大樹のような角を振りかざした巨大な牡鹿おじかだった。

 跳躍するように空を突き進む牡鹿は、行きがけの駄賃にと更に数隻の円柱型戦艦を撃沈させ、複雑な変形を遂げつつダグザの背後に回った。

 長い首と身体の前半分が胴体の前面を守る胴鎧どうよろいのように、身体の後部と巨大な角が背中をカバーするように、長い四脚は形を変えると肩と二の腕を守る装甲へと姿を変えていく。

 肩と胴体を覆う鎧と化した鹿の王。

 その頭上に掲げられていた角はダグザの背中で左右に大きく広がると、気密体マナトリクスのような光り輝く皮膜を生やして、巨神を羽ばたかせる翼となった。

 最後に──鹿の王の頭部がかぶととなる。

 雄々しい鍬形くわがたを月光に輝かせ、ついに巨神は完全合体を遂げた。

「豊穣の女神の血を受け継ぎし我が身に、新たなる神々の祝福を受け今……かつて大地を統べし巨神王ダグザ神威しんいを宿す者とならん!」

 全身に漲る緑の“気”マナを噴き上がらせ、巨神は真なる名を唱える。



「豊穣巨神王ダグザディオン──ここに再臨さいりんッ!!」


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