想世のハトホル~オカン系男子は異世界でオカン系女神になりました~

曽我部浩人

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第5章 想世のケツァルコアトル

第110話:男らしくしてください!

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「センセイ──最近ちょっとたるんでいます」

 出し抜けに可愛い娘マリナから叱られるみたいに言われた。

 お母さんツバサはショックを受けるが、たるんでいると言われる理由が思い当たらなかった。家事に炊事に洗濯、侵略者との戦闘から真なる世界ファンタジアの想世まで手広くやっているのだ。地母神ははとして八面六臂はちめんろっぴの大活躍である。

 自分でも頑張っていると思う。

 もっと頑張れ今まで以上に! とか言われたら、努力家であるツバサもさすがのキレさせてもらいたい。可愛い娘マリナの発言でなく赤の他人からの言葉ならば、「やんのかコラ?」と喧嘩腰でガンを飛ばしていただろう。

 むしろ“たるんでいる”なんて指摘される原因が見当たらない。

 考えあぐねた結果、ひとまず答えを出してみた。

「神族は太らないぞ? おっぱいは大きくなったが……不本意ながら」

 ツバサは女神化した自分の身体を見下ろした。

 胸が大きくなってブラがLカップになったのは認めたくないが、別に垂れてもたるんでもない。我ながら恐ろしいボリュームと張りだ。

 マリナは愛らしい仕種で首を左右へブンブン振った。

「そういう意味でたるんでるんじゃありません。センセイはいつだって誰よりもナイスでグレートなダイナマイトボディの素敵なお母さんです」

 叱られたと思ったら褒められた。掌返しが激しい。

「ならいいじゃないか……特にたるんでないだろ?」

「いいえ、たるんでます!」

 それです! とマリナは現状のツバサを指し示した。

 日曜の夜──拠点内の応接間。

 新しく加わったハルピュイア族の住まいや生活の世話──。
 ネコ族やヒレ族との住み分けや眷族としての相談──。
 新たなる侵略者の登場による作戦会議と対策措置──。

 明日からはやることが山積みの忙しい日々が待っているので、今晩くらいはのんびり過ごそうと、家族は思い思いのことをしている。

 現在、応接間にいるのは──ツバサ、マリナ、トモエ、ジャジャの4人。

 薄手のセーター(リブ生地)にレディスジーンズという、若いママさんが似合いそうな普段着。最近のツバサはすっかりこれがお気に入りだ。

 ツバサは大人数人が腰掛けられるロングソファに座る。

 その豊満な身体にもたれかかって、ジャジャはウトウトしていた。

 肉体的にも幼児化が激しいのか、昔みたいに深夜まで起きていられず夕食後には眠くなるらしい。近くに母親の温もりがあるので安心するのだろう。
 
 一見すると大振りなトレーナーにショートパンツ、それと黒いタイツをはかされているようだが、実際には女児向けのレギンス付きスカートだ。

 ジャジャも女性の衣類に抵抗がなくなっていた。

 本人曰く「諦めました……」と遠い目をする。毎日のようにミロとクロコに着せられて、諦めざるを得ないようだ。

 ものは試しにとツバサが男児向けの衣服を着せてやったら、逆に「……違和感があります」と言い出すくらい女児向けの衣装になれてしまったらしい。

 ……不憫ふびんな。

 寝ぼけ眼で親指を噛み、胎児のように身体を丸めている。

 そしてツバサの身体にもたれかかり、猫のようにピッタリと脇腹辺りにその小さな身体をフィットさせて寝息を立てていた。

 このむすめも可愛いなぁ……母性本能を疼かされる。

 ジャジャを起こさないように、ツバサは膝枕で寝転がっているトモエの耳掃除をしてやっていた。こちらはこちらで借りてきた猫みたいに大人しい。

「んなぁぁぁ~……天国、ヘブン、ハライソ……んなぁ~」
「ジッとしてなさい、動くと危ないぞ」

 神族の肉体はほとんど代謝しないので、そんなに汚れることはない。しかし、時が経てば耳垢もそれなりに溜まるようなので掃除は必要だ。

 ……別に耳垢は取らなくてもいいって学説もなかったか?

 まあいい、お母さんは世話焼きなのだ。

「ほら、反対側の耳もだ。寝返り打って」
「んんなぁぁぁ~……お母さんの匂いがいっぱいなぁ……」

 寝返りを打つトモエはツバサのお腹側に顔を向ける。特別な匂いなどしないと思うのだが、鼻から深呼吸をしてグッと脚を伸ばしていた。

 そういえば──このむすめはいつまで運動着とブルマでいるんだろう?

 よほど気に入ったのか、普段着になっていた。戦闘服からして純白のビキニアーマーだし、こういう軽装が好きらしい。

「……で、マリナ。何が”それです!”なんだ?」

「そういうのを全部です! センセイ、最近お母さんが過ぎます!」

 ここのところ顕著けんちょです! とマリナは矢継ぎ早に責めてくる。

 幼いのに読書家なためか、顕著なんて難しい言葉を普通に使ってきた。

 そのマリナも楽なジャンパースカートの普段着姿だ。

 その格好のまま、子供らしく駄々をこねるように1人で憤慨している。2つに結った三つ編みおさげが縦横無尽に暴れていた。

「そりゃあ確かに、センセイはお母さんです! 素のままでも母性フル回転でやばいくらいお母さんなんです! だけど、本当は男の人で、かっこよくて強くて素敵で……そういうところがセンセイの魅力なんです!」

 なのに、今は……何故か涙ぐんで目元を抑えるマリナ。

「今のセンセイは……完璧なくらいお母さんなんですもの……ッ!」

「……え、それのどこが悪いの?」

 ツバサなりに努力してお母さんをやっているつもりなのだが、それを“たるんでいる”と娘から糾弾されるとは寝耳に水である。

 そもそもマリナには「お母さん」と呼ぶことを許可した。

 しかし、先ほどからツバサを「センセイ」と呼んでいる。あれほど熱望したツバサを「お母さん」と呼ぶことを拒んでいるのだ。

 お母さん過ぎる? お母さんとして完璧?

 それじゃあ駄目! とマリナは訴えているようだが……。

「えっと……じゃあ、どうすればいいんだ?」

「──もっと男らしくしてください!」

 思い掛けない発言が飛び出してきた。
 
 ある意味、ツバサがもっとも求めていた応援であり、許されるのなら男として接してもらいたいくらいだ。ここ最近は母性本能に押し切られがちな男心が嬉しさのあまり脳内で諸手を挙げて喜んでいた。

「男らしく……していいのか? お母さんじゃなくてもいいの?」

 希望で瞳を輝かせるツバサだが、マリナはまた掌を返してきた。

「いえ、お母さんではいてください」
「どっちだよ!?」

 思わず声を荒げると、マリナも大声で返してきた。

「お母さんではいてほしいんです! でも、そこまで露骨にお母さんになってもらうと……なんか違うんです! もっとこう……男だった頃の雰囲気のあるセンセイがいいんです! センセイのことを“お母さん”ってワタシたちが言ったら、“誰がお母さんだ”って返してくれるくらいのがいいんです!」

 この微妙な気持ちわかりますか!? と力説されてしまった。

 力説された方は堪ったものではない。

 ツバサは正体不明の異物を食わされたような顔で困り果てる。

「うーん……つまりこういうことか?」

 ツバサにはみんなのお母さんであってほしいけど、「俺は男だ!」という意識もちゃんと持っていてほしくて、お母さんでありながら本当は男であることを自覚したままでいてほしい。

 自らを男性と認識しつつ──溢れんばかりの母性も備える。

「…………みたいな感じか?」
「はいっ! 多分そんな感じです!」

 マリナは喜々として頷くが、ツバサは頭を抱えて項垂うなだれてしまった。

「…………かなり無理難題だぞ、それ?」

 ツバサ自身、絶賛葛藤中だった。

 もう羽鳥はとりつばさには戻れない──ツバサ・ハトホルという女神なのだ。

 自覚もあるし、ミロに「男には戻れない・・・・・・・」とも宣言された。

 ミロに「俺はもう女神だから、おまえの赤ちゃんを産みたい」なんて恥ずかしい告白をした手前、女らしくなろうと心懸けていたのは事実だ。

 なけなしの男心が「考え直せバカ!」と暴れているが、ツバサはその気持ちを抑え込もうとしているところがあった。

 本当の女神になる──そう決意したのだから。

 それがマリナの眼にはいびつに映ったのかも知れない。

 さもありなん、今までマリナの前ではこんな女神の身体でも男らしく振る舞ってきたのだ。急に女らしくしたら違和感を覚えるのは当然だろう。

「どうにか自分の“男”をなだめすかせようとしていたのに……あんまり焚きつけないでくれよ……ぶり返しちゃうじゃないか……」

 男に戻りたい、男としてミロと愛し合いたいと──。

 反面、この女神の肉体は強烈な母性本能で訴えかけてくる。

『もっと女神になりたい……愛するミロには男の娘のような美少年になってもらい、そんな彼女を息子のように愛したい……そして、ミロの子供を産みたい』

 男に戻りたくもあり──女のままでもいたい。

 本当の母になりたい気持ちと、男でいたい気持ちが同居しているのだ。

「こういうの、なんて言うんだったかな……」

 二律背反アンチノミー二重拘束ダブルバインド──単にジレンマと呼べばいいのか?

「んなぁ~……マリナの言うこと、一理ある」

 耳掻きが終わってもツバサの膝枕でゴロゴロしていたトモエも、妹の言葉に賛成するようなことを言い出した。でも、お母さんへの膝枕はやめない。

「最近ツバサ兄さん、ちょっと変。そう思っていた」

「トモエまで……あっ、こら!」

 トモエは寝転がったまま両手を持ち上げると、“モニィ♪”とツバサの乳房を重そうに持ち上げてきた。これはツバサにとって母性の象徴だ。

 そうと知ってか知らずか、トモエはムニムニとツバサの乳房で持ち上げる。

 子猫が前脚でやるフミフミの動作に似ている。

 見た目といい口癖と言い、本当にトモエは猫科の動物みたいだ。

 ツバサの乳房をもてあそびながら、トモエはのんきな声で続ける。こっちは漏れ出しそうな声を押さえるだけで喉が詰まりそうだった。

「ツバサ兄さん、なんか変。それトモエも感じてた……トモエ、バカだからよくわからなかったけど、マリナ賢い。それだ、トモエもわかった」

 ツバサ兄さん──お母さんになりすぎてる。

「優しくてホワホワしたツバサ兄さんもいいけど……やっぱりちょっと違う。トモエたちが“お母さん”言う。そしたらムッとしてくれる」

 それがツバサ兄さん──トモエはマリナと同意見のようだ。

「お、おまえら……勝手な……んんっ、こと言ってくれるなぁ……」

 もはやトモエのフミフミは愛撫に等しい。

 言い返すツバサの言葉は、喘ぎ声混じりになってしまった。

 一番敏感な胸の先端にはまったく触れていないのに、乳房の肉を揉まれているだけでこうも感じるとは……乳房は脂肪の塊じゃないのか? それともあれか、常に乳腺が張り詰めているから、それが変な刺激を覚えるのか?

 そのことに気付いたのか、トモエが乳房越しにこちらを見上げる。

「んなぁ……ツバサ兄さんのおっぱい重い。これ、ハトホルミルクいっぱい詰まってる証拠。ミルクも激増中……これもお母さんのわぷっ!?」

「わーっ! わあーっ!! そ、それ秘密だって!?」

 トモエがいらんことまで口走りそうだったので、ツバサは思いっきり前屈みになるとおっぱいでトモエの顔ごと口を封じた。

 そんなに重いのか、トモエは乳房の下でジタバタと藻掻いている。

 口封じに成功したツバサはホッと息をつく。

 だがしかし、マリナは訝しげな顔でこちらを見つめていた。

「え……ハトホル・・・・ミルク・・・って……センセイ?」

「なんでもない! 空耳だ、聞き違いだ! トモエは寝ぼけて変なこと言っただけだ! ハトホルとミルクを続けて1つの単語として発音なんかしない!」

 断固として否定させてもらった。

 まだミロとトモエ(なし崩し的にクロコ)にしかバレていないのだ。

 これ以上の情報じょうほう漏洩ろうえいは見過ごせない。

 ……しかし、「ジャジャとマリナくらいにならいいかなぁ?」などと気を許してしまいそうな自分がいる。幼い彼女たちは別格に可愛いからだ。

 母性がたぶらかす──彼女たちに授乳させたい、と。

 そんな誘惑を押し殺して、トモエを乳房と膝枕のサンドで封印し、ツバサは話題の舵を切った。ハトホルミルクから話を逸らそう。

「そ、それで? 具体的に俺はどうしたらいいんだよ? また“お母さん”って言われたら“誰がお母さんだ”って決め台詞で返せばいいのか?」

「それは初歩です。それじゃあ足りません」

 言ったじゃないですか、とマリナは人差し指を立てる。

 それをビシリ! とツバサに突きつけてきた。

「もっと男らしくしてください、って!」

「だーかーら……それが無理難題なんだってば……」

 悩ましげにため息をついたツバサは、耳かきの手を休めて頭を抱えた。

 こんな母性の権化みたいな女体に変えられて、どうやって男らしく振る舞えというのか? まともに男装すらできないグラマラスな肉体が怨めしい。

 少し前──幽冥街に向かう前のこと。

 ミロと「男らしさ」を賭けて勝負してボロ負けし、酷い目に遭った記憶が鮮明に甦ってくる。結局、この上ないくらい「女らしく」されたのだ。

「いくら自分で“俺は男だ!”と言い聞かせても、この身体だからな……肉体は精神に引っ張られるというが、我ながら抗いがたくて……おまけにどんな男らしい格好をしても、これ・・のせいで意味がないんだぞ?」

 ツバサは不満げに自分の胸を指でつついた。

 もっとも豊満な乳房に限った話ではない。足下まで伸びる長い黒髪やら、男性用のズボンどころかパンツすらはけない巨尻も問題なのだ。

 このため、ツバサは男物の衣類を着ることはほぼ諦めていた。

 しかし、ツバサの未練はタラタラだ。

 本音を語らせれば、こんな恨みがましい言葉しか出てこない。

「今さら男らしくしてって言われてもなぁ……そうしたいけど……はぁ」

 自然と疲れたため息が出てしまう。

 しかし、今日のマリナはやたらと強気で押しが強かった。

「それはセンセイの努力が足らないからです!」
「…………努力」

 努力の二文字にピクッ、とツバサは反応してしまう。

 ツバサの好きなこと──特訓、修行、鍛錬。

 どれも努力の二文字が欠かせないことばかりである。

 そもそもツバサは徹底的な完璧主義者。

 石橋を補強するどころか、鉄橋に再建築しなければ渡らない慎重な性格。強くなるためならば小石を積んで山を成すことも厭わない。

 努力が足りない、と言われれば反骨精神が刺激されてしまう。

「そうか……努力か……」

 変なスイッチを押されたツバサは俄然がぜんやる気が湧いてきた。

「そうです、努力が足りません! もっと男らしく……出会った頃のセンセイみたいに男らしくて勇ましいけど、カッコイイお母さんを取り戻してください!」

 結局お母さんなのか、と内心ツッコんだ。

「でも、男らしさを取り戻すか……悪くないかもな」

 マリナに焚きつけられた男心は、すっかりやる気を取り戻していた。

 トモエを乳房と膝枕のサンドから解放してやると、彼女は跳ね起きて何度も深呼吸を繰り返す。本当に窒息しかかっていたらしい。

 その背中を撫でてやりながら、ツバサはもう片方の手を固く握りしめる。

「……よし、やってみよう! できれば本気で男に戻るつもりで!」

「「「それは駄目です」」」

 ツバサが決意も新たにしたというのに、マリナとトモエとうたた寝していたジャジャまで起き上がって、シンクロしたように顔の前で手を振った。

「俺はどうすりゃいいのよ…………?」



 せっかく盛り上がったやる気が、すぐさま消沈してしまった。


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