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第4章 起源を知る龍と終焉を望む龍

第79話:“人間”が来るまでの猶予期間

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 猫族の聖地──騎士の神様が眠る、天井画を掲げた墓地。

 大人たちの内緒話は、草木が眠る丑三つ時を過ぎても続いた。

 話の内容は佳境に向かっている。

「正直、ジェネシスが由明区にやったことは看過かんかできん」

 ツバサは本音を打ち明けた。

 ゼガイの話にしろ、クロコから聞いた情報にしろ、ジェネシスが由明区の人々を助けようとした様子が窺えない。また、その形跡すら見当たらなかった。

 恐らく──現実世界との“縁”えんが切れたから見捨てたのだ。

 現実世界から完全に消えてしまい、残るはちまたの怪しい噂ばかり。

 放置してもジェネシスが責められる恐れはない。

 もしかすると彼らでも対処できない事態だったのかも知れないが、だからと言って無視を決め込むのはツバサの道義として許せない

「しかし、そのことでクロコを責めるのはお門違いだからな……時期的にもおまえが入社する前のことなんだろう?」

「事件が起きた頃、わたくしは花も恥じらう女学校の乙女でしたね」

 百合・・に目覚めた頃か──触れないでおこう。

「だからまあ、なんだ……幽冥街の事件に関してクロコおまえを責めるつもりはない。だが覚えておけよ。もしも今後、ジェネシスの幹部級GMが俺たちの前に現れて、あの件について薄情なことを口にしようものなら……」

 ツバサもミロも──そいつに何をするかわからない。

「…………絶対に止めるなよ?」

「勿論でございます」

 背筋を正したクロコは神妙な面持ちで頷いた。

「その時には不肖クロコ、ツバサ様とミロ様に加勢して、そのGMを駿河問するがどいにして懲らしめて御覧に入れましょう。仕置きはお任せくださいませ」

「す、駿河問い……?」

 拳を握り締めるクロコの剣幕に、ちょっとだけツバサは引いた。

 なんだろう──問い質してはいけない単語な気がする。

 しかし、クロコの幽冥街の件はおぼろげにしか知らされておらず、真実を知った今ではジェネシスに少なからず義憤ぎふんを抱いているようだ。

 それで良しとしよう──今のところは。

   ~~~~~~~~~~~~

 幻想世界ファンタジアへの転移と移住は、世界規模で行われているという。

「アメリカの『パーフェクト・ユニバース』、イギリスの『アヴァロン・シフト』、中国の『崑崙大戦』、北欧の『アフター・ラグナロク』、インドの……」

「どれもアルマゲドンの姉妹ゲームだな」

 提供元は言わずもがな──ジェネシスである。

 名前や世界観に仕様、様々なものがお国柄に合わせて調整されているが、基本システムは日本で流通しているアルマゲドンと変わらない。

 いや、本質的にまったく同じものだ。

「それぞれのゲームのプレイヤーたちが、神族や魔族となって幻想世界へ飛ばされております。そして、その世界で逞しく生き抜いているでしょう」

 ツバサ様たちのよう・・・・・・・・・ に、と引き合いに出された。

「話の腰を折ってすまん──世界規模と言うたな?」

 ドンカイが手を上げて尋ねてくる。

「はい、そのためにアルマゲドン同様にソウルダイブシステムを搭載したゲームが全世界で発売されたのですから……」

「だとすればだ、この世界には世界中のプレイヤーが来とるのか? しかし、ワシらはアルマゲドン……日本人プレイヤーにしか会っておらんぞ?」

 言われてみればそうだ。ツバサも失念していた。

 そのことですか、とクロコは気にも止めない。

「私も上手に説明できませんが……ゼガイのようにアルマゲドンの閉鎖空間フィールドを担当していたGMの言葉を借りれば、こんなことを仰っておりました」

幻想世界ファンタジアは多重というか多層というか、いくつもの世界が複雑に折り重なっているらしい。日本の“アルマゲドン”がある世界と、アメリカの“パーフェクト・ユニバース”のある世界は、ほとんど別物・・・・・・・だ』

「……とのことですので、この世界に来ているのは日本人だけでしょう。日本で暮らしている諸外国の方がアルマゲドンをプレイしていれば別ですが」

「なるほど、それなら合点が行くわい」

 得心がいったドンカイはまた杯の酒を飲み干した。

「これは現実世界から生身で転移させられてくる人々にも、同じことが言えるそうです。日本在住なら“アルマゲドン”の世界へ転移し、アメリカ在住なら“パーフェクト・ユニバース”の世界へ……」

「国ごとに担当する地域が決まっているみたいなものか」

 そのような感じでしょう、とクロコもふんわりした答えだった。

 クロコは一転、困ったような口調で続ける。

「ただ……生身の方々は転移に年単位で時間がかかるそうです」

 それを聞いたツバサはピンと来た。

 フミカがしきりに言っていた、「幽冥街は11年前に転移させられたはずなのに、この世界では5年しか経過していない」という時間差のことだ。

「時間がかかるとは何の話じゃ?」

 そのことを知らないドンカイは太い首を傾げた。

「私たちのようにソウルダイブシステムで魂のみ……ああ、詳しく説明しておりませんでしたが、この肉体は魂と言ってもアストラル体とかエーテル体とか言う、れっきとした我々の肉体だそうです」

 生身の肉体よりも当人の本質に近いとか──。

「本質に近い肉体……これ・・が?」

 ツバサは足下の視界を遮る、山盛りの乳房を見下ろした。

 ツバサの本質が地母神だからオカン系男子だったのか? それともオカン系男子だから地母神になってしまったのか?

 鶏が先か、卵が先か──みたいな論争になりそうだ。

「本質が地母神の俺っていったい……やっぱりオカンなのか?」

 話の途中だが、ツバサの洞窟の隅っこでいじけた。

 いじける時は気分的に体育座りになりたいのだが、背中を丸めようにも折り畳んだ脚が乳房を圧迫する。胸が大きすぎてうずくまれなくなったのが難点だ。

 それでも頑張って体育座りになると、人差し指で地面に「の」の字を書いた。

「今の話、ツバサ君にはショックだったようじゃぞ」
「オカン系男子だと思ったら、真性のオカン系女神だったわけですね」

 やかましいわ! とツバサは半泣きで怒鳴る。

 話の腰を折ったが、クロコは気にせず先に進めた。

「……それでですね。魂のみの我々はログインにしろログアウトにしろ、幻想世界と現実世界を行き来する際、数秒の時間で済んでおりましたよね?」

 これが生身の人間だと大きく異なるという。

「フミカ様が指摘した通り、由明区は幻想世界に来るまで6年の時間がかかっております。こういったことが起こるらしいのです」

「現実世界から生身で来ると数年の時間がかかる……ってことか?」

「まるで浦島太郎じゃのう」

 言い得て妙ですね、とクロコはドンカイの意見を採用した。

「これもまた非人道的行為ですが……ジェネシスは死刑囚と取引して、彼らを幻想世界へ生身で送り込んだそうです。その結果、到達までに数年かかったという実験結果が出ております。由明区の一件も……皮肉なことに、その検証を裏付けるものとなってしまいましたが……」

 転移する当人には一瞬の出来事らしい。

 だが、現実世界と幻想世界をソウルダイブシステムで往来するGM。彼らが2つの世界を同一の時間軸で観測すると、それくらいの時間がかかっていた。

 最短でも10年──最長で100年かかるという記録があるらしい。

「おい、ちょっと待て……その実験記録おかしいだろ?」

 異議あり、とばかりにツバサが指摘する。

 幻想世界が発見されたのが10年前。

 そこからソウルダイブシステムの研究が始まり、次いで異世界転移の生体実験が行われたとして、転移に要した時間の記録が最長で100年──。

「その100年っていう記録、どこから持ってきた?」

 ツバサが問い詰めると、クロコも口籠くちごもる。

「私には何とも……実はこの記録、№が一桁代のGMにしか伝えられていない機密だそうで……爆乳特戦隊わたくしたちはレオ様にこっそり教えていただきました」

 レオナルドとやらに感謝しなければなるまい。

 おかげで重要な情報を手に入れられたのだから──。

「つまり、ジェネシスは随分前から幻想世界の存在を知っとって、行き来した人間が浦島太郎になるのを把握しておった……ということか?」

「そう考えるのが妥当でしょうね」

 ドンカイのまとめにツバサも頷いて賛同する。

 こうなってくるとゼガイの言葉も裏付けに聞こえてくる。

「ジェネシスは10年前に幻想世界を発見したと言っているが、実際にはもっと前からその存在を把握していた。ゼガイは更に『この幻想世界に来ることしか考えてなかった!』とも言っていたが……」

 証拠になりそうな幽冥街にあった転移装置は、アトラクアの女王と共に瓦礫がれきの底に沈み、空間の裂け目の修復に巻き込まれてしまった。

「ただ、ここの天井画を目にしてしまうとあながち嘘でもない……と思えてしまうんだよな。あのゼガイの台詞にしても……」

 幻想世界から地球を目指した“灰色の御子”たち。

 彼らが地球に渡り、そこから何らかの理由があって幻想世界へ帰ることを望んだとしたら、ゼガイではないが人類存続などブラフもいいところだ。

 彼らの目的は──ツバサたちのようなプレイヤーだ。

 神族や魔族となったプレイヤーを、戦力として幻想世界ファンタジアに連れてくる。

 そして、異次元からの侵略者と戦わせるつもりなのだ。

 確証こそないが、そう考えた方がしっくり来る。

 だとしたら人類存続はついで・・・か?

「……クロコ、俺たちは魂だけの状態で神族なり魔族なりにされて、この幻想世界に飛ばされてきた。その一週間後、地球に巨大惑星が落ちてくる。残された人類は由明区のように現実世界ごと飛ばされてくるとして、だ…………」

 どういう方法で転移させられるんだ?

 またしてもクロコは言い淀む。詳しく知らないようだ。

「管轄外なので詳しく知らされておりませんが、世界各地に隈無く転移装置がしつらえており、我々が転移させられてから3日以内には──」

「全人類がこちらに転移してくるわけか」

 しかし、生身の転移には時間がかかる。

「実験だと最短で10年、最長で100年……そして由明区は6年ほどで転移してきている。その差はわからないが、数年かかるのは間違いないみたいだな」

 では、とドンカイが最後の酒を飲み干した。

「あと数年もすれば現実世界の何十億人という人類が、何も知らないまま幻想世界に飛ばされてくる……というわけじゃな」

「そういうことになりますね」

「おいおい……大事おおごとじゃないか、それ」

 意味深長なドンカイの一言をさらりと肯定するクロコだが、ツバサは想像しただけで脂汗が流れてきた。大パニックになること間違い無しだ。

 ツバサたちが最後にログインした日──。

 地球では『間もなく現実世界は終了いたします』などと、一言も知れ渡っていなかった。ツバサたちも事前情報ゼロでいきなり飛ばされたのだから。

 それから3日以内に──全人類も強制転移させられる。

 その3日で世界規模の伝達がされたとしても大混乱は必至だ。パニック状態の人類が着の身着のまま幻想世界に飛ばされてくることになる。

 伝達がされてなければ、もっと酷いことになる。

「この世界にはモンスターもまだ生き残ってるんだぞ? そんな中に無力な人間を放り込んだら……いや、それ以前の問題だ!」

「あの別次元からの異形ども。その群れの真っ直中に放り込まれでもしたら、由明区どころの惨劇では済まんぞ……」

「それどころか、異形の王たちが居座るという空間の裂け目の眼前にでも転移した日には……目も当てられないでしょうね」

 ツバサが言うまでもなく、ドンカイとクロコが最悪のシミュレーションを想定してくれた。おかげで余計に気が重くなる。

「それだけじゃない……由明区みたいに街ごと送り込まれて、多少なりとも物資があったとしても、いつまで経っても救援は来ないんだ」

 地球規模の大災害が起こり、全人類が異世界へ転移させられる。

 混沌を極めるであろう状況は想像に難くない。

 災害に見舞われた国が数カ国ならば、余力のある他国が応援に駆けつけることもできるだろうが、全世界すべての国々が同じ危機的状況に立たされるのだ。

 そもそも、国家という枠組みが残っているかさえ怪しい。

 プレイヤーの転移ですら統制が取れていたようには思えなかったことを振り返れば、生身で転移される人々もバラバラに飛ばされる可能性が高い。

 救援は望めない、国の助けも期待薄、頼れるのは自身のみ。

 水や食料の奪い合い、枯渇すれば餓死、いずれモンスターたちの餌食えじき

「アルマゲドンプレイヤーがいる、この幻想世界ファンタジアに来るのが日本人限定だとしても数億人……そんな数の人間が幻想世界ここで路頭に迷うっていうのか!?」

 だからこそ! と突然クロコが大声を上げた。

「──ツバサ様やミロ様の出番なのでございます!」

 再びクロコはツバサの前にひざまづいた。

 右手を胸に当てたまま片膝をついて、ツバサに部下としての忠誠を示す。クロコは顔を上げ、いつになく真剣な表情でこちらを見つめる。

「こちらの世界で心あるプレイヤーたちをまとめ上げて組織を作り、文明を失った原住民たちを無下に扱わず村を作らせる……これだけの寛大な処置でも、現実世界からやってくる人類の受け皿・・・・・・となりますでしょう」

 クロコの訴えたいことを直感的に察する。

「そうか……時間差タイムラグが利用しろってことか」

「さすがツバサ様、多くを語らずともご理解が早くて助かります」

 さすツバ、とクロコは口癖みたいに繰り返す。

「時間差を利用する……とは、どういう意味じゃ?」

「こういうことですよ、親方」

 ツバサは理解したことを意訳してドンカイに説明する。

 魂だけのプレイヤーたちを幻想世界に転移させる。

 その後、全人類を生身のまま幻想世界に強制転移させる。

 だが、肉体を持つ人類が到着するのは早くても数年後……その間に、プレイヤーが幻想世界を安全な場所にしておけばいいのだ。

 危険なモンスターは排除し、原住民を手懐け、人類の住める環境を整える。

 できれば転移してくる人類を保護するための策も用意する。

 そのための準備を、この数年という時間差を利用することで備えておくのだ。

「神族や魔族にまでなったプレイヤーなら、技能スキル過大能力オーバードゥーイングでそれができる。生産系技能を持っている奴なら尚更だ……そういうことだろ?」

 その通りでございますイグザクトリー、とクロコは深々とお辞儀する。

 のみならず──とクロコは続ける。

「我々でさえ知り得なかった別次元の超常生物を駆除し、奴らが通り過ぎてくる門を封じる力を持つ……あなた様たちこそ、この世界の新たなる神々!」

 先日の勇姿で確信いたしました、とクロコは敬服する。

「改めて──告白させていただきます」

 クロコはある秘密を打ち明けようとする。
 ツバサが見透かした腹の一物・・・・を明かすつもりなのだ。

「──アルマゲドン時代から俺を監視していたことか?」

 ツバサが先手を打つと、クロコは戦慄した。

「ッ!? お気付きに……なられていたのですか?」

 さすがのクロコも無表情を崩すほど愕然としていた。

「おまえに内緒で調べてたんだよ。『そんなにGMに馴れ馴れしくつきまとわれるものなのか?』ってな。当然、そんな奴はいなかった」

 1人だけ──GMにつきまとわれている者がいた。

「ミサキ……ミサキ・イシュタル君だけだ」

 彼だけは好意的に『GMと親交があります』と証言した。

 ミサキはあるGMと親交を深め、兄のように慕っているというのだ。

「ミサキ君とは1ヶ月あまりパーティを組んでいてな。色々なことを聞かせてくれたよ。ただ、どういうわけか……俺が彼と一緒にいる間、そのGMはほとんど姿を現さなかったけどな」

 そのGMの名は──レオナルド・ワイズマン。

「レオ様を知っておられたのですか……ッ!?」

「直接会ったのは数回、それもすれ違う程度の顔見知りだけどな。おまえの上司と知ったのはマリナたちが聞いた話からだ」

 これらのことから、ある程度の推測が成り立った。

GMおまえらは……内在異性具現化者アニマ・アニムスを監視してたんだろう?」

 実は──ドンカイからも事情聴取していた。

 ドンカイの知人にも内在異性具現化者がおり、彼らも『GMと会う機会が多い』とか『GMと仲良くなった』と話していたそうだ。

 ツバサの推論すいろんを突きつけられたクロコは震えていた。

 脅えや恐れではない。どちらかと言えば感動らしい。

「……このクロコ、感服いたしましたッ! さすがツバサ様!!」

 さつツバです! とまた妙な略し方をする。

 クロコは無表情で跪いたままだが、瞳は尊敬の念を輝きに変えてキラキラと瞬かせており、ツバサを崇拝するような眼差しで見上げていた。

「……その省略は流行らせないからな」
 前置きしてから、「話してくれ」と顎をしゃくって催促する。

「ご明察です……GMには特殊な任務が与えられておりました」

 それが──内在異性具現化者の監視。

 内在異性具現化者に注意せよ──運営トップからの命令だという。

『彼らもしくは彼女らは、外見的なことはさておき、その実態は男性性と女性性をあわ希有けうなる存在。その潜在能力は群を抜いている』

 かつて──プラトンはこう言った。

 大昔、人間は男女両性を併せ持つ両性具有者アンドロギュヌスという存在であり、その強すぎる力は神をも脅かした。そこで神は人間を男と女の2つに別けたという。

『内在異性具現化者はこの逸話を想起させる』

 その動向を子細漏らさず監視せよ、との命令だったらしい。

「そして……レオ様も申しておりました」

『幻想世界を導く者がいるなら──それは内在異性具現者アニマ・アニムスの誰かだ』

GMゲームマスター? 話にならん、俺たちには無理だよ』
『GMは有能なだけ……俺を含めて、王になれそうな器量を持つ者など1人としていない。それを見越した人材しか集められてないからな』
『GMの役割? いいとこ軍師くらいだろう』
『おまえも内在異性具現化者の監視を仰せつかったのか……』
『ならば、その人物をよく見極めておけ』



『ひょっとするとその人――が幻想世界ファンタジアを導くかも知れん』



「私は……ツバサ様こそが、この世界を導くに値する御方だと認めました」

 別次元の魔物をもねじ伏せる圧倒的な力。マリナ、ダイン、フミカを助け、共に歩んでいく優しさ。ケット・シー族を保護し、彼らの成長を見守る包容力。

「そして、何より……ミロ様と女性同士で婚姻した百合夫婦!」
「その賛美はいらんだろ!?」

 とにかく! とクロコは跪いたまま訴える。

「ツバサ様! あなた様ならミロ様とともにこの幻想世界に安寧をもたらし、いつかやって来る人類をも庇護してくださるものと私、クロコ・バックマウンドは信じております! だからこそ、こうして膝を折り、あなた様を主人あるじとして認めた所存にございます! ですから、何卒なにとぞ…………ッ!」



 我らをお導きください……クロコは涙声で懇願した。


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