想世のハトホル~オカン系男子は異世界でオカン系女神になりました~

曽我部浩人

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第2章 荒廃した異世界

第40話:ツバサとミロ

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「えーっと……なんて言うんでしたっけ? ほら、大人の人が時々これになって倒れたりするって聞きますけど……働きすぎたり、頑張りすぎたりして、疲れが溜まりすぎてなっちゃう……カルー? カレー?」

「もしかして過労かろうッスか?」

「そうそう、それです。ミロさんもそれに近い……いえ、それの酷い状態だったみたいです。例えるなら1週間不眠不休で死ぬほど働くのを4回繰り返した疲労が、一度に押し寄せてきた、みたいな感じだったと思います」

「なんじゃそりゃ! 普通、死ぬぜよ!?」
「1週間不眠不休×4って一ヶ月デスマーチってことッスよ!?」

「そこは神族ですから……ミロさんも何とか持ち堪えていたみたいですけど、疲れが限界突破して瀕死寸前だったみたいですね」

「あー、つまり……超弩級ちょうどきゅうの過労ってことでOKッスか?」

「OKです。センセイがすぐに活力付与エナジーギフトをしてくれたので、幸いにも命に別状はなかったようですが、一時的に仮死状態にまで陥っていたみたいですね。じゃないと、ワタシたちの回復魔法も効かなかったと思います」

   ~~~~~~~~~~~~

 近くの声なのに──やたら遠くに聞こえる。

 どうやらミロはまだ眠っているみたいだ。

 そんなまどろみの中にいたミロだが、どういうわけか“早く起きなくちゃ!”というニートにあるまじき使命感に突き動かされていた。

 寝ている間、ずっとあの人の泣く声が聞こえていた。

 あの人には泣いてほしくない、笑っていてほしい。

 笑ってくれなくてもいい。いつものムスッとキリッとした顔のままでもいいから、凛々しくも毅然とした態度でいてほしい。

 そんなあの人が──アタシは大好きだから。

 アタシがいてあの人がいれば、それだけでいい。それだけであの人はもう、二度と悲しまない。それだけで、アタシはいつまでも満たされる。

 あの人とアタシがいれば──あとはどうでもいい。

 どこに行こうと、どうなろうと、どう変わろうと、どう果てようと、だ。

 だから、アタシは──あの人といつまでも一緒にいる。

「ツ……バ、サさ……ん……」

 ようやく瞼をこじ開けられた。渇いた喉で声を出す。

「ッ! ミロさん!?」
「ミロ嬢ちゃん、無事か! 気付いちょうか!?」
「ミロちゃん目ぇ覚めたッスか!?」

 目覚めれば、見慣れた拠点にある自室の天井。

 こちらを覗き込むのは、美幼女マリナ文学系眼鏡っ娘フミカグラサン大男ダイン

 一番傍にいてほしい人が──いない。

「……ツバサ、さん?」

 いや、一番近くにいた。

 ツバサさんはアタシの右手をしっかりと両手で握り締めたまま、ベッドの傍らにひざまづいていた。ずっと枕元でアタシを看病してくれたらしい。

 アタシがそちらに顔を向けると、目元を真っ赤に腫らしたツバサさんが顔中を涙に濡らしていた。みっともないくらい泣き喚いていたのだろう。

 おっぱいのついたイケメンが台無しだ。

「…………ミロッ!」
 
 ツバサさんは顔をグシャグシャにして抱きついてきた。

 力強いけど優しい抱擁ハグだ。温かくて気持ちよくて安心感も素晴らしい。

 このままずっと抱いていてもらいたくなる。

 まさに母の胸に抱かれる心地だった。

 その大きすぎる爆乳のせいで圧迫感も凄まじい。あと、谷間に飲み込まれていくのがエロい。母性は原初のエロスとはよく言ったものだ

 ツバサさんはアタシを抱いたまま、声を殺して泣いている。

 きっと泣き叫びすぎて喉が潰れてしまったんだ。喜んで泣き叫びたくても、もう声が出せないらしい。それでもまだ泣いている。顔中が涙でぐしゃぐしゃになって、アタシの寝ているシーツにも涙の後がいっぱい広がっていた。

 アタシの目が覚めても、ツバサさんは泣き止まない。

 身体中の水分を絞り尽くすみたいに、滝のような涙を流し続けている。

 アタシもツバサさんに抱きつくと、その背中を撫でてあげた。

 ツバサさんを慰めながらみんなに尋ねる。

「何が……あったの……?」

「わしの見たことで良ければ教えちゃるが……」

 ダインからかいつまんで話を聞くと、アタシは空間の裂け目を閉じた途端に気を失ったらしい。その時、アタシは人が違っていたという。

「まるっきり別人やったぜよ? やったら偉そうやったきに……」

「そーなん? まるっきり覚えてないぜよ……」

 本当にそこら辺の記憶がなかった。

 空間の裂け目を閉じたのは、なんとなく覚えているけど……。

 アタシが気を失った後、ツバサさんが半狂乱となって手が付けられなかったそうだ。「こりゃあわしの手に負えんがよ!」と、ダイダラスを飛ばして、この大空洞にある拠点まで戻ってきたらしい。

「……で、ウチとマリナちゃんで必死に回復魔法をかけてたッス」

「センセイも取り乱しっぱなしでしたけど、ミロさんにその、キスを……いえ、活力付与を続けてたので、多分、そのおかげで助かったのかも……」

 何故だろう、マリナもフミカも頬を染めて半笑いで目を逸らす。

 ……ああ、そうか、活力付与エナジーギフトか。うん、まあいいや。

 見せつけてやろう! アタシとツバサさんの愛の絆を!

 いつものツバサさんなら人前でキスなんて絶対にしてくれないが、そんなことも忘れるぐらい、アタシのことを心配してくれたらしい。

 嬉しいなぁ──魂がとろけそうなくらいに!

 それからアタシは「疲れているから」と、人払いを頼んだ。

 勿論、ツバサさんは別である。と言うか、さっきからずっと涙を流したままアタシに抱きついて離れようとしなかった。この場の誰もがツバサさんに全方面で敵わないのだ。なんとかすることなんてできやしない。

 アタシとツバサさんは──久し振りに2人っきりになった。

   ~~~~~~~~~~~~

 君原きみはら家は大きな会社を一族経営している。

 父は社長、母は役員、年の離れた2人の兄はミロが物心ついた時にはもう大学生と高校生で、いずれ会社に入るための準備をしていたが、よく覚えていない。

 覚えているのは──ミロはいつも孤独だった。
 
 あいつらはミロをほったらかしにして、会社のことにばかりかまけていた。ミロの幼少期の記憶に、あいつらと一緒にいた記憶はまったくない。

 あいつらは仕事を理由にミロを育児放棄していたのだ。

 あんな連中、家族だと思ったことは一度もない。

 いつの頃からか、ミロは隣の羽鳥はとり家に預けられるようになった。

 あまり家にいないけど陽気で楽しいお父さん、いつも(ミロを含めて)子供たちを優しく見守りお世話をしてくれるお母さん。

 ミロと同い年で、一番の仲良しだった女の子──美羽みうちゃん。

 そして、強くて格好良くてゲームの達人だったツバサさん。

 親の顔より見た何か、なんてフレーズはよく聞くけど、ミロにとってそれは羽鳥家のみんなだった。実際、血の繋がった家族より一緒に過ごした。

 いつしかミロは「羽鳥家のみんなが本当の家族だ」と思い込んでいた。

 あんな自分をほったらかしな薄情どもなんて知らない。

 だが、成長するにつれ学んでしまう。

 自分は君原美呂であり、羽鳥美呂ではないという現実を──。

 その悩みを美羽に相談したら、彼女は笑って言った。

『だったらお兄ちゃんのお嫁さんになればいいんだよ。そうしたらミロちゃんは羽鳥美呂になれるし、私のお義姉ねえちゃんになるから本当の家族になれるよ』

 ツバサさんのお嫁さんになる、これはグッドアイデアだった。

 ミロはすぐにツバサさんに求婚したが怒られた。

『け、結婚って……10年早いわ!』

 今にして思えば、恥ずかしがっていたのだろう。

 満更でもない、ツバサさんの真っ赤な顔にはそう書いてあった。脈ありとわかっただけで、その時のミロは「シシシ」と笑ったものだ。

 そんな楽しい日々を過ごし、こんな嬉しい毎日がずっと続く。

 そう思っていた──あの日までは。

 ツバサさん14歳、ミロ10歳の冬の出来事だ。

 ツバサさんがVRゲーム大会で連戦連勝して有名人になってた頃、とある地方都市で大会が催され、そこにツバサさんは招待された。

 この時ツバサさんは前の大会で得た賞金を使って、その地方でもなかなか予約が取れない高級旅館へ一家を招待したのだ。

 自分は駅前のホテルで一泊し、翌日は大会に参加する。

 家族は一足先に三泊四日の予定で旅館へ泊まり、途中で大会を終えたツバサさんが合流する予定だった──と聞いている。

 この時ミロは、あろうことか風邪をひいて寝込んでいた。

『アホは風邪ひかないってツバサさん言ったのにーッ!?』
『アホは風邪をひかないんじゃない。ひいた自覚がないんだよ』

 明らかに風邪の症状を呈していたらしい。

 安静にしているようにと、羽鳥家で静養させられた。

 そのせいでこの旅行には参加できなかったのだが、珍しく母が看病してくれたので「ああ、この人はマシだったんだ」と再評価した記憶がある。

 ミロは布団の中で悲報を聞いた。

 羽鳥家の泊まった旅館は雪深い山奥にあることで有名だったのだが、そこの離れが雪崩なだれによって押し潰されてしまったという報せだった。

 そう、羽鳥家の泊まった離れが──。

 羽鳥家は家族円満だった。絵に描いたような幸せな家族だった。

 誰よりも家族思いだったツバサさんは、大会で稼いだ賞金を家族のために使おうとしただけ、良かれと思って家族に旅行を贈っただけなのだ。

 誰も悪くない、何も悪くない──ツバサさんも、ゲームも、大会も。

 だけど、それが──ツバサさんの家族を壊した。

 誰に聞いても「運が悪かった」という答えしか返ってこないだろう。

 それでも、ツバサさんは自分を責めた。

 自分の心が粉々になっても、まだ足りずに自分を責め続けた。

 ただでさえ最愛の家族を失って砕けた心を、自らの手で粉になるまで粉砕してしまったのだ。その頃のツバサさんは廃人同然だった。

 お葬式などの行事をどう済ませたのかは覚えていないが、それからのツバサさんは仏壇の前に座ったまま、ずっと動かない毎日を送っていた。

 何もしない──ただ、呆然と座っているだけ。

 食事もしないので弱っていき、身も心も衰弱していく。

 女性みたいに綺麗な顔をしているのに、強くて格好良くて頼もしかったお兄さんはもういない。このままではツバサさんまで死んでしまう。

 ミロにとっても羽鳥家のみんなは本当の家族であり、血の繋がったあいつらよりも大切な存在だった。ツバサさんと同じ悲しみを抱いている。

 だからこそ、ツバサさんまで失いたくなかった。

『ツバサさん──結婚しよう』

 アタシがツバサさんの家族になる。これまでも家族だったけれど、結婚して本当の家族になる。死が2人を別つまで決して離れはしない。

『アタシがずっと傍にいるから……だからもう、泣かないで……』

 ミロ自身も大粒の涙を流して、何度も何度もそう訴えた。丸一日かけて泣きついていたと思う。そうしてようやく、ツバサさんが答えてくれた。

『もう……家族を失うのは……嫌だ……』

 ツバサさんは干涸らびた喉で、こいねがうように言った。

『本当に家族になってくれるのか? ずっと一緒にいてくれるのか?』 

 ツバサさんからの問い掛けに、ミロはどれも「うん!」と笑顔で頷いた。

 その夜に交わした誓いの接吻くちづけは──涙の味がした。

 この日を皮切りに、ツバサさんは少しずつ自分を取り戻してくれた。

 だけど──いくつかの変化も起きていた。

 あれほど大好きだったVRゲームはほとんどやらなくなり、自称・仙人から習った武術をひたすら鍛錬するようになった。

 きっと弱りかけた精神を、自ら叩き直そうとしていたのだ。

 時間が経つにつれ、アタシに付き合ってゲームでも遊ぶようになった。

 アシュラ・ストリートだけは異様にハマっていたけれど……。

 お父さんとお母さんを亡くしたせいかツバサさんは早く大人になろうとして、何事においても「ちゃんとする」ことを心懸けるようになった。

 特に家事全般ではお母さんみたいに口うるさくなっていった。

 ただでさえだらしなくてちゃらんぽらんなミロの生活態度を正すようになり、妹というよりも娘を躾けるみたいに厳しくなった。

 そう──ツバサさんはオカン系男子になってしまったのだ。

 だからというわけではないが、ミロはツバサさんに合わせて妹というより娘らしく振る舞った。アホで世話の焼ける娘であろうとした。

 その方がツバサさんが構ってくれるから──。

 最初、ツバサとミロは友人だったはずだ。

 やがて兄と妹のような間柄になり、彼氏と彼女という恋人となり、親と子のような関係にもなって……大概のことは2人で間に合うようになった。

 そうなるほど、相互に依存し合う。

 どちらが欠ければ再起不能になる──重度の共依存関係。

 2人の仲は日を追う毎に深まり、いつしか男女の関係ともなった。

 ミロが君原家でくだらない諍い・・・・・・・を起こして飛び出すと、そのまま羽鳥家に居着いてからは、君原家ではミロを「不良娘」として勘当した。

 唯一の味方だったミロの母が、こっそり生活費をツバサに渡すだけだ。

 こうしてツバサとミロは羽鳥家で2人暮らしを始め、蜜月とも言える甘ったるい日々を過ごすようになった。

 静かな夜──2人はこんな話をすることが多かった。

『ねえ、ツバサさん……どっか遠くに行きたいね』
『そうだな……いっそ違う世界にでも行きたいもんだな』

 薄情な君原家を捨てたい──悲劇の羽鳥家を忘れたい。

 誰も知らない遠い世界に行って、新しい生活を始める。

 大きな家を建てて、家族をいっぱい増やして、みんなで仲良く暮らそう。

 愛し合う2人だけで、どこか遠くの世界へ行きたい。

 ──そんな夢物語を語り合った。

   ~~~~~~~~~~~~

「思ってたのとはちょっと違うけど……叶ったのかな」

 ベッドの上、ミロを抱き締めるツバサはようやく泣き止んでくれた。

 でも何も言わず、しゃくり上げた声を漏らしている。

 せっかく来られた異世界は乾き切っており、変なバケモノがウロチョロしているし、とてもじゃないが安住の地ではない。

 おまけに、ツバサさんはオンナノコ・・・・・になってしまった。

「でも、ここならアタシたちのことを知っている奴はいない……アタシとツバサさんでやり直せる……新しい生活を始められるよね」

 大きな家を建てて、家族を増やして──みんなで仲良く暮らせるのだ。

「…………家族」

 やっと反応してくれた。

 やっぱりツバサさんにとって、その2文字は絶対に聞き逃せないパワーワードなのだろう。家族からの愛を求めているのだ。

 そして、愛する家族へ自分ツバサさんの愛情を惜しみなく注ぎたいのだろう。

 そうだよ、とミロはツバサさんの胸に顔を埋めたまま言った。

「もうマリナちゃんって可愛い娘はいるし、ダインやフミカちゃんだってもう家族みたいなもんじゃない、ツバサさんの作った同じ釜の飯を食った仲だし」

 もっと家族を増やそうよ──ミロは笑う。

 ツバサさんは俯いたままだ。長い髪で目元を隠しているので表情はいまいちわからないが、ミロの言葉にコクンと頷いてくれた。

 ツバサさんの家族に対する思い入れは強い。

 だからこそ、こんなオカン系男子になってしまったのかも知れない。

 本当にお母さんになってくれたら……ふと、そんな願望が芽生える。

 ミロは少し悪戯っぽく言ってみた。

「行く行くはどーにかしてこーにかして、アタシがツバサさんを妊娠させてあげるから、そしたら2人の可愛い赤ちゃんを…………」

「……それは……ぐすっ……やだ……ひっく……逆、だろ……」
「あ、そこはちゃんと拒否するのね」

 残念、言いくるめるのには失敗してしまった。

 精神的に弱っている今のツバサさんなら、流れで「うん」と首を縦に振ってくれると思ったが、そう簡単にはいかないらしい。

 ツバサさんは女顔のトラウマのせいで「俺は男だ」という意識が強い。

 そこを突き崩すのは至難の業だった。

 ミロは微笑みながらツバサさんの頭を抱き寄せる。

 そして、言い聞かせるように優しく諭した。

「ま、何にせよ……アタシたちの赤ちゃんは欲しいよね……」
「…………うん」

 ただし──産むのはツバサさんだ。

 クロコほどではないけれど、ミロも百合ゆりの気がある。

 そもそもミロがツバサさんに惚れた理由は、男とは思えないほど女性らしい美貌に憧れたからだ。アルマゲドンを始めた時に「女性アバターでやってね!」というのも、百合っぽい展開を求めてのことだった。

 そのツバサさんは、本当の女神になってしまった。

 逆にミロは英雄神となり、ようやく過大能力オーバードゥーイングにも覚醒できた。

 今すぐには無理だけど、ちょっとずつツバサさんの女性らしさを引き出していき、いずれは本当の女性に……いや、お母さんに仕立て上げてみせよう。

 覚醒したミロの過大能力なら──それができる。

 ツバサさんを本当のお母さんにすることも、美少女であるミロがママでありながらパパとして、ツバサさんを孕ませることさえ可能なのだ。

 いつか必ず──ツバサさんを骨の髄まで女の子にしてみせる!



 そんな野望をミロは密かに抱いていた。


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