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第2章 荒廃した異世界
第32話:ちょっと通りますよ──過大能力発現!!
しおりを挟む朝食を食べた後、ツバサさんとミロさんは揉めていた。
「だーかーら! いいかげんその悪趣味なマスク取ってってば!」
「いーやーだ! 今日から俺はレディ・ジン・グランドラックとして生きていくんだ! もう二度とこのマスクを外すことはない!」
「そりゃアメコミヒーローの女性バージョンは鉄板だけどさ!」
ミロさんはツバサさんの変態マスクを取ろうとするが、ツバサさんはそれを嫌がってマスクを庇う。居間でドッタンバッタン大騒ぎしている。
そろそろ出発すると言っていたけど──。
「まだ無理みたいですね……」
マリナは一足先に拠点を出ると遠くには行かず、玄関先で外の空気を吸いながら腕や背を伸ばしてストレッチした。
目をつむって大きく「んん~っ!」と背伸びする。
息を吐きながら目を開くと──目の前を大きな車が通ろうとしていた。
「…………はひ?」
マリナは思わぬ間抜けな声を上げてしまう。
異世界で初めて遭遇した文明の利器に頭の中は大混乱だ。
『わけのわからないことに出会したらまず観察、それから落ち着いて対処する』
ツバサさんに叩き込まれた心構えを反射的に実行する。
その車はとても大きくて、トラックというかトレーラーというか、どういう車種なのかはわからない。マリナは車に詳しくないから。
ただ、頑丈そうな装甲でピカピカしてて、カッコいいと思った。
ロボットとかに変形しそう、というのがマリナの感想だ。
しかし、装甲がほとんど壊れており、分厚そうなタイヤもパンクして走ることすらままならないようだ。現にマリナの前をまだ通り過ぎることができず、のろのろと亀の歩みで進んでいる。
「えっと……どこへ行くの?」
マリナは我知らず車へ尋ねていた。
答えるわけないと思っていたら車から反応があった。
ランプが不規則に点滅し、それがマリナの脳内に言葉を紡いだ。
「“探している”……? “自分を”……“呼んでいる”……?」
その人の元へ行きたい──もう一度走りたい。
この車の願いだろうか? それがマリナに伝わってきた。
どうやら悪い人(?)ではなさそうだ。
あの触手とは違うし、どこか優しい気持ちを感じる。
「ちょっと待ってね」
マリナは車に近付くと、修復魔法をかけてあげた。
回復系技能だが、普通の回復魔法とは違う。
回復魔法は有機生命体を癒すものだが、アルマゲドンには無機物な種族もたくさんいる。ゴーレム、アンドロイド、サイボーグ、自動人形……。
修復魔法は、そういった無機物系種族を“直す”ための魔法なのだ。
有機生命体の破壊された体組織を“直す”こともできるので、重傷者には回復&修復の魔法を同時掛けするのがセオリーだった。回復系に使う漢字が“治す”で、修復系に使う漢字は“直す”だとセンセイに教わった。
これまで、ミロさんやジンさんの傷を“直した”ことは何回もある。
ツバサさんやミサキさんは滅多に怪我をしないし、どちらも武道家だからか自己回復系技能をいくつも極めているので、マリナの出番はほとんどない。
いや――それ以前の問題と不安がある。
マリナが機械系種族に修復魔法を使うのは、これが初めてだった。
ちゃんと効くかな? とドキドキしながら魔法を使う。
すると効果は見る間に現れて、車の破損箇所は修復され、パンクしていたタイヤも新品同様に直った。車はエンジンを何度も強めに吹かしている。
程なくして車は万全な状態を取り戻した。
──ありがとう!!
ランプを激しく点滅させると、クラクションを鳴らして喜んだ。
マリナも自分のことのように嬉しくて微笑む。
「直って良かったね」
そこへ玄関が開いて、やっとツバサさんとミロさんが出てきた。
「ほら、もう駄々こねないのツバサさん……なんでそんな顔を真っ赤にしているのか知らないけど、恥ずかしくないから美人ママな素顔で行くよー」
「だ、誰が……美人ママだ……」
いつもの返事をするツバサさんだが、今日は歯切れが悪い。
ツバサさんはとうとう変態マスクを剥がされていたけど、恥ずかしそうに赤面しており、両手で顔を覆い隠そうとしていた。
本当に何があったんだろう? マリナも不思議だ。
「あ、ツバサさんミロさん! 見て見て、おっきな車ですよ!」
もしかしたらアルマゲドンと関係あるのかも! とマリナは後ろを指差すのだが、ツバサさんもミロさんも「へ?」と首を傾げていた。
「車って……どこにあんの?」
「え? あ、あれ!? さっきまでそこに……ほら、タイヤの跡が!」
しかし、肝心の車は影も形も見えない。
タイヤの跡を追って遠くを見遣れば、地平線の彼方に土煙を上げて爆走していく車の後ろ姿をなんとか見つけることができた。
走れるようになったから会いに行ったのかな?
自分を呼んでいる人の元へ──。
マリナは遠くに消えていく車に小さく手を振った。
~~~~~~~~~~~~
「出掛ける前にひとつ──やっておくべきことがある」
拠点を片付けたツバサは、ミロとマリナに向き直った。
どうにかこうにか心の整理をつけて、やっと彼女たちと素顔で向かい合えるようになった。昨晩のことを思い出すとまだ落ち着かないが……。
「戸締まり用心、火の用心?」
「それはもう拠点を仕舞う時に俺がやった」
「さすがお母さ……いえ、センセイ」
「誰がお母さんだ」
そうじゃない、とツバサは首を左右に振る。
「過大能力だよ──覚醒しておいた方がいいだろ、あれ」
この言葉にミロとマリナも「そういえば……」と思い出したらしい。
「そういやあったね、そんな設定。すっかり忘れてたわ」
「ワタシもです……ありましたね、そういうの」
娘たち2人は昨日今日の慌ただしさで、完全に忘れていたらしい。
「かく言う俺も忘れかけてたんだけどな」
無理もない。
いきなり異世界に飛ばされ、女神の肉体にされて、友達が目の前で殺されたり、ちょっとHな気分になったらミロに弄ばれ……散々な目に遭ったのだ。
思い出しただけ褒めてもらいたい。
過大能力とは──LV100を超えると覚醒する特殊技能。
覚醒する技能には個人差があり、それはプレイヤーがこれまで習得した技能に基づいている。似たような能力はあれど同一の能力はないそうだ。
「各プレイヤーに与えられる唯一無二の特殊能力で、その威力は通常の技能を凌駕し、運営は『本物の神にも悪魔にもなれる』と嘯いていたが……」
真偽はさておき、強力な新技能には違いない。
何をするにも心許ないこの異世界において、少しでも生存確率を上げられる可能性があるならば、是非とも覚醒しておくべきだ。
「──というわけで各自、ステータス画面を調べてみなさい」
「「は~い、お母さん♪」」
「誰がお母さんだ」
ミロたちは返事をすると眼を閉じた。
ツバサも合いの手を返してから眼を閉じ、ステータス画面を思い浮かべる。
技能欄に過大能力が追加されており、そこに2つの光が明滅していた。
「ん……2つ? 過大能力って1つじゃないのか?」
唯一無二の特殊能力というから、てっきりスタ○ド能力みたいに1人1個のオリジナル技能と思っていたが違うのか?
「えー? アタシ1個しかないよー? ツバサさんだけまた特別ー?」
「ワタシも1個です。センセイだけ2つなのは……?」
LV999だからか? としかツバサには答えられなかった。
LVに関して言えば、もうSPをどれだけ費やしても999を超えることはないので、この異世界でのLVキャップは999なのだろう。
LVキャップを達成したボーナスみたいなものだろうか?
とりあえず、順番に覚醒させてみよう。
まずは1つ目──ツバサは武道家のため、肉体を強化する常時発動型技能を多めに習得していたので、それらを総括して上回るような能力が覚醒した。
──【万能にして全能なる玉体】
ツバサの身体から湧き上がるように光が立ち上る。
強化のエフェクトとは比べられないほど激しく、やがてツバサの肉体に染み込んで定着するように消えていった。
「センセイ、その過大能力はどんなものなんですか?」
マリナが興味深げにこちらを見つめている。
ツバサは過大能力の欄にある説明文を読み上げてみた。
「これは……肉体強化系の最終到達点みたいな過大能力かな」
肉体美、身体機能、運動能力……あらゆる面において万能にして全能な、弱点のまったくない玉体になれる過大能力とのことだ。
怪力の神を上回る膂力、瞬速を超える神をも捉える俊敏性、どんな攻撃を受けても傷ひとつ追わない鋼の肉体、全ての弱体化もはね返す不死身の生命力、老いも病も忘れた未来永劫変わらぬ美貌……これらを約束する常時発動型の過大能力。
身体が資本の武道家──ツバサにはうってつけの過大能力だ。
「……ん、なんだ? 人の胸をジロジロ見て?」
ミロとマリナは、ツバサの乳房をジーッと見つめている。
まるで何かを期待しているかのように──。
つい昨晩のことを思い出し、両手で庇ってしまう。
「いやね、美貌がアップするならさ、ツバサさんみたいなオンナノコならバストとかヒップがパワーアップしても良いかなーって」
「でもセンセイ、顔とか肌とか今まで以上にキレイになってますよ」
「よく見てるな、おまえら……」
さすが、ツバサよりも長く女子をやっているだけはある。
でも男として顔がより美人になっていたり、肌がツヤツヤになっていると褒められても……あんまり嬉しくないし困る。
「しかし、胸やお尻がこれ以上大きくなっても困るだけだし……過大能力でスリーサイズが変わるなんてことないだろ?」
「いやいやいや、世の中そーいう人もいるかもしんないよー?」
直感に優れたミロの発言なので信憑性はある。
「俺みたいな内在異性具現化者だったら大変だろうなぁ……」
もしいたら──同類として同情する。
「あと、この過大能力はこんなこともできるみたいだな」
「「へえ、どんなどんな?」」
声を揃えて冷やかす娘たちに、ツバサはちょっと悪戯をしてみた。
「こんな風に──なぁ!」
すると、ツバサの長い髪はザワザワと蠢きだし、無数の手となってミロやマリナに掴みかかる。両手の爪は伸びに伸びて剣のように鋭くなる。
大きく開けた口からは、吸血鬼顔負けの牙が伸びていた。
「「ぎゃああああああーっ!? ヤマンバーッ!?」」
「誰がヤマンバだ!」
この過大能力、ある程度なら自分の肉体を変えられるのだ。昨日の触手ほどではないにせよ、肉体へ働きかけて改造できるらしい。
「使いこなせばもっと面白いことができそうだな……じゃ、次だ」
ツバサは髪などを戻して、2つ目の過大能力を覚醒させる。
──【偉大なる大自然の太母】
「……また俺の琴線に触れそうな名前だこと」
愚痴るツバサから、さっきよりも強烈なエフェクトが立ち上る。
それは森羅万象、様々な生物や自然現象を象りながら、いつまでも消えることなくツバサを慕うように取り巻いている。
自然系魔法を多く習得したゆえに覚醒した過大能力らしい。
「簡単に言えば──自然現象を自由にできる能力か」
ツバサの総身から炎や風が巻き上がり、清水が湧いて渇いた大地が肥え、金属や石が飛び出し、水気を帯びた地面は苔生して、見る間に草が芽吹いた。
「使い勝手が良さそうだな……名前以外は気に入った」
既にある自然物も操れるし、ツバサから無限に湧かせることも可能。
おまけに魔法をも超越する高威力を叩き出せる。
「すっごーい! ツバサさん自身が母なる大地になれるわけだね!」
「センセイ、もうパーフェクトな地母神ですね!」
「──誰が母なる大地で地母神だ!」
いつものノリで言い返すも、的を射ているので反論しにくい。
これ──完全に地母神の能力だ。
選んだ種族がそのまま反映されたのかも知れない。
「……で、そういうおまえたちはどうなんだよ?」
苛立ちを紛らわせるため、ミロやマリナの過大能力を訊いてみた。
先に手を上げたのはマリナだった。
「あ、はい、ワタシはこんな過大能力になってました」
マリナは両手を宙に掲げると、いつもの盾型防壁を出した。
しかし──その数が尋常ではない。
今までは10枚が限界だったのに、マリナは平気な顔で100枚ぐらい展開させていた。おまけに盾型防壁を連結させて強固な防御結界を張り巡らせると、瞬時に大型ドーム並みの安全地帯を形成する。
「へえ、防御能力に秀でた過大能力か」
「そうみたいです。先生が自然を操れるようになったみたいに、ワタシの過大能力も結界を自由にできるみたいです。防御力も断然上がってます」
ツバサも自然を操って攻撃する系統の魔法を多く習得していたので、【偉大なる大自然の太母】という過大能力が覚醒したように、防御系に秀でたマリナはそれに特化した過大能力になったようだ。
「それで──マリナの過大能力はなんて言う名前なんだ?」
「えっとですね、意味がよくわからなくて……」
──【神聖なる幼女の不可侵領域】
その名前を聞いたツバサとミロは引きつった笑みを浮かべた。
「ねえ、ツバサさん……これは狙ってるのかな?」
「わからん……しかし、悪意というか、妙な意志の介在を感じる」
「え? これってどんな意味なんですか?」
マリナの純真な瞳が眩しい──自分が汚れているような気がする。
迷いに迷った挙げ句、ミロが穏便に諭していく。
「えっとね……なんて言えばいいんだろう……最強の合い言葉みたいなもんかな? その約束を破ったら即死する……もう社会的に死ぬ、みたいな?」
「おおお~っ! よくわかんないけど凄いんですね!」
マリナの純朴さがつらい。
いつか真実を伝えなきゃいけないと思うと大人の心が痛む。
話題を変えるため、ツバサはミロに振り返る。
「ミロ、おまえの過大能力はどんなものだ?」
するとミロは怪訝な表情のまま、背中の神剣を抜いていた。
「アタシのはよくわかんないんだよね……ツバサさんやマリナちゃんみたいに厨二病っぽい名前じゃなくて、ただ偉そうに【大君】ってかいてあるだけなの。おまけに説明も???って隠されてるしさ」
「なんだそりゃ……?」
能力名の【大君】という仰々しさもさることながら、説明が隠されているのはどういうことだろうか? 発動するのに条件でもあるのか?
「でも過大能力の欄にあるんだから覚醒はしているんだろう?」
「うん、使えることは使えるみたい……こんな具合に」
ミロは神剣を上段に構える──そこに尋常ならざる力が漲った。
レーザービームみたいな斬撃を放つのがミロの得意技だが、発射する前にここまでエネルギーが膨れ上がるものではない。
風圧だけでマリナが飛びそうになったので、ツバサが抱き留める。
マリナを胸に抱いたままツバサはミロを見守った。
「ミロスセイバーァァァ……オォォーバァァーロォードッッッ!」
放たれる斬撃はレーザービームどころではなく、一振りで国を両断するような波動砲レベルの破壊光線となっていた。
乾燥した大地を抉り、巨大な断層を地の果てにまで作り出す。
「こんな具合に……攻撃力をアゲアゲしてくれるみたいなんだけど……」
ミロはガクリと倒れ込みそうになった。
「ミロ!? 大丈夫かッ!」
ミロは神剣を地面に刺して堪え、駆け寄ろうとするツバサを手で制した。「心配ないよ」と笑顔でアピールする。
「ほらね……すっごい疲れるのよ、これ。疲労値がほとんど溜まらない、溜まってもすぐ回復するはずの神族なのに、気力とか体力をごっそり持って行かれちゃうの……瞬間最大風速はすごいんだけど、これはいただけないよねぇ……」
「うーん、切り札にはなる……のか?」
一発逆転の必殺技として使えそうだが、外したら著しい弱体化を強いられて不利になる。使いどころが限定されてしまう。
「しかし、説明が???とあるし、俺たちの能力名と違いすぎる。まだちゃんと覚醒していない……もしくは何らかの条件があるんじゃないか?」
そういう意味では──特別な能力かも知れない。
「アタシだけ特別? それは……いや、そうだったらいいなぁ」
これを聞いたミロは疲れた顔で微笑んだ。
「そうだな……でも、無闇に使うんじゃないぞ」
「うん、わかってるよ……わかってる、わかってるってばさ……うん」
「……本当にわかってんだろうな?」
アホの子だから後先考えずにホイホイ使われでもしたら、ツバサの心臓が何個あっても足りない。ミロが死んだらツバサは即死する自信があった。
「心配するこっちの身にもなってくれよ。ミロやマリナに何かあったら、お母さんはし…………あ、いや、違う! 間違えた!!」
自分で自分をお母さんと呼んで自爆するとは!?
当然、悪ガキ共は囃し立てる。
ミロは疲れを振り払ってツバサの首に抱きつき、マリナはピョンピョンとジャンプして、ツバサの胸に飛びつこうとする。振り払うのも面倒くさい。
「お母さんお母さん! アタシたちに何かあったらどうするのー?」
「センセ……お母さん! もっと心配してください! だっこお願いします!」
「ああもうっ! 人の揚げ足取って遊ぶんじゃありません!」
悪ふざけに興じる娘たちをあしらう。
その時──自然を司る過大能力と連動させた気配探知が反応した。
「ッ!! あっちに何か……いや、誰かいるな」
自然を操る【大自然の偉大なる太母】のおかげで、生命反応だけは索敵範囲5㎞を超えて、遠くの地域までセンサー感度を伸ばすことができた。
それが何者かの存在を掴んだのだ。
「ようやく次の手掛かりか──行くぞ、おまえら!」
ちょうどいい、ツバサは抱きついていたミロとマリナを抱え上げる。
「おわっ、いきなり急展開! また飛びます飛びます!?」
「センセイ、亜音速はやめて!? アレ息できなくてつらいです!」
2人の意見に耳を貸さず、ツバサは飛行を開始する。
そして、最初から亜音速で飛び出した。
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