想世のハトホル~オカン系男子は異世界でオカン系女神になりました~

曽我部浩人

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第1章 VRMMORPG アルマゲドン

第25話:間もなく現実世界は終焉を迎えます

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 アルマゲドンの定例アップデートは半月に1回行われる。

 時間帯は金曜日の22時~24時ぐらい。

 割と賑わいそうなフライデー・ナイトに行われるので、一部で不評を買っているが「延長がない」「メンテ後すぐ入れる」「緊急メンテが一度もないのは快挙」という実績もあって、概ね受け入れられていた。

 次回の定例アップデート日──最後までログインしていること。

 ツバサはこの言葉が気になって仕方なかった。

 普通に考えれば奇襲を成功させるための嘘だ。

 しかし、ダオンの口振りには幾ばくか真実を含まれていた。

 殊更ことさらに不意打ちで気を惹こうとする演技臭さ、その裏では「信じるか信じないかはあなた次第です」と煽るように匂わせていた。

 あれはアドバイスというより──忠告に近い。

『マリナ、今度の金曜日だけは特別だ』

 いつもならマリナは21時にログアウトさせているが、その日に限り定例アプデが始まるまでログインしてていいと許してやった。

 定例アプデが始まれば、嫌でも強制ログアウトさせられる。

 マリナには少々夜更かしだが、たまの1時間くらいはいいだろう。

 ダオンの忠告を真に受けるわけではないが、最期までログインしていたら何が起きるのか? たった3人のパーティーだが、全員で見届けたい気分になった。

 まさかのお許しにマリナは歓喜する。

『ほ、本当ですか!? やったーっ!!』

 夜更かしできる! センセイやミロさんと夜中まで遊べる! とマリナは大喜びだった。どうせ土曜日は小学校も休みだし、これくらいは大目に見よう。

   ~~~~~~~~~~~~

「……だから、センセイを見習って眠くならないようにと、ブラックコーヒーを飲んできたんですけど……マズいですあれ! 苦いだけの水です!」

「そりゃ子供の味覚だとそうだろ」

 9歳の子供がコーヒーをブラックで飲めたら大したものだ。

 ツバサはコーヒー党だが、そこまで見習わなくていい。

「そうだよねー、普通コーヒーなんて不味くて飲めないよ。ホント、ツバサさんよくガブガブ飲めるよね。アタシなんてカフェオレが限界だし」

「おまえは味覚がお子さまなんだよ」

 16になるんだから、もう少し苦味にも馴れてほしい。

 終焉ついえる戦地──メギド大平原。

 そこを一望できる丘から、ツバサたちは雑談で暇を潰していた。

 ――定例アプデを待っているのだ。

「どうせ暇だからさ、またメギドで遊んでくる?」

 ミロは長剣を抜こうとするが、ツバサはやんわり止めた。

「さっきエネミーにもプレイヤーにも無双しまくって遊んだろ。もうあそこに俺たちと戦える奴はいないよ。あんまり狩り場を荒らしてやるな」

 それもまた、ネットゲームのマナーである。

 もうツバサたちに敵うプレイヤーはほとんどいない。

 ダオンは「あなたがたはプレイヤーの中でも十指に数えられる」と言っていたが、あれは時間稼ぎのゴマすりではなかった。

 先日──まだミサキと一緒に行動していた時のこと。

 ツバサ、ミロ、マリナ、ミサキ、ジン、この5人でメギド大平原に来て、全てのエネミーとプレイヤーを討伐したので、アルマゲドン史上初のメギド大平原制圧という快挙を達成してしまったのは記憶に新しい。

 おかげで、その時の動画の再生数はおかしなことになっていた。

 ミロが大騒ぎして「これならゲーム実況で食っていける!」とかぬかしたので、3時間くらい説教したのも記憶に新しい。

「この1年……良くも悪くも極めすぎた感があるな」

 ツバサは頬杖をついて独りごちた。

「ツバサさん、何でもかんでも限界以上のものを引き出さないと気が済まない性質タチだもんね。それがストレートに現れちゃった感じ?」

 ミロの言う通りだ──ツバサはいつでも限界を超えたがる。

 その性格を自称・仙人を名乗るインチキ親父に見抜かれ、わけのわからない武術を仕込まれたのだ。その伝授された武術でさえ、未だに満足できなくて自分なりに研鑽けんさんの毎日を積み重ねている。

 まだ強くなれる、まだ技を練れる、まだ極められる──と。

 何事にも徹底的、それがツバサの信条とも言えた。

「でも、そのおかげでアタシらも強くなれたんだけどねー♪」

「ワタシ、こんなに早くLV99になれるなんて夢にも思いませんでした……これもセンセイのおかげですよね」

 ありがとうございます、とマリナに改めてお礼を言われた。

「礼を言われるようなことはしてないさ」

 ミロやマリナを鍛えたのも、「彼女たちを鍛え上げたらどこまで強くなるのか?」という自分の指導力を高めてみたかっただけのこと。

 教導役として自分はどの程度なのか? という限界に取り組んでいたのだ。

 適当な岩に腰掛けているツバサに、ミロは後ろから抱きついてきた。

 首に手を回して、こちらの耳元に囁きかけてくる。

「どうせツバサさんのこと、『先生役としてアタシたちをどこまで強くできるか?』の限界とか試してたんでしょー?」

 こんな時──ミロの直感はずば抜けている。

 アルマゲドンでは本当に“直感”という異常なほど勘働きに優れた固有技能オリジナルスキルを最初から持っており、理性的な思考に頼らず、理解できる範囲内において万象を直接的に認識して即応する“直観”という固有技能まである。

 この二つを連動させ、恐ろしく正確な先読みをすることもあった。

 ミロには勝てる気がしない、と肝を冷やすばかりだ。

「しかし……定例アップデートか」

 今日の定例アップデートで何が起こるのか? それについてツバサなりに調べてみたし、ミロもSNSや掲示板などで情報を集めてくれた。

 判明したのは2つの大型アップデートについてだ。

「LVキャップとSPソウル・ポイントの上限値が取っ払い、それにレベル100を越えると覚醒する過大能力だったっけ? なんかてんこ盛りだよねー」

 ここ最近、アルマゲドンはこの話題で持ちきりだった。

 レベルは99──SP上限値は9999万9999。

 アルマゲドンではこの上限に達すると、カウンターストップになる。

 ちなみに運営によれば「SPには隠された許容量が設定されているおり、ステータス上ではカンストでも上限を超えて蓄積されている」とのこと。

 ツバサたちはレベル99もさることながら、SPも上限値を維持したままなので、溜め込んだSPが天文学的な数値になっているかも知れない。

 上限値が解放されたら、すごい桁になっていそうだ。

 ただし、どちらも上限が解放されるというだけで、今度の上限値に関してはまだ伏せられている。

 それと──過大能力オーバードゥーイング

 LV100を越えたアバターはその個性に応じて、2つとして同じものがない特殊能力に覚醒するという。それは技能を超越した凄まじい能力だとか。

 ミロとマリナは顔を見合わせる。

「やっぱスタ○ド能力みたいなモンになるのかな?」

「名前とかをつけられるんでしょうか? スター・プ○チナとか、クレ○ジー・ダイヤモンドとかゴールド・エク○ペリエンスとか……」

「おまえら、なんでそれを知っている?」

 ツバサがギリギリ知っている2000年代の漫画ネタだ。

 もう何十年も前・・・・・・の作品だが、知名度はまだ現役なのかも知れない。

「──名前は自動的に命名されるようですね」

 不意に無感情な声がしたかと思えば、背後に気配が現れる。

「皆様、お久し振りでございます」

 振り向けば、人形みたいな顔のメイドが立っていた。

 他の誰でもない──GMのクロコ・バックマウンドである。

 今日は両手を水平に伸ばして掌をピンと上に向け、眼を閉じてその場でクルクルと回っていた。こういう人形がありそうだ。

「暇だから遊びに来たのか?」

「いえ、色々とご報告があるので顔を出させていただいた次第です」

 ところで、とクロコは両手をワキワキさせる。

「ツバサ様は地母神になられたとか……そのバストは更に豊かに大きくなられましたか? アキさんから聞きました、Jカップだと……今は何カップですか? 地母神になられてパワーアップしましたよね!? 母親と乳母の技能も追加されたのでしょう!? ミルクとか出るようになりましたか!? 出ますよね!?」

「それを確かめに来たのか変態!?」

 変態エロメイドは無表情のまま、鼻息だけが荒くなっていく。

 ツバサは自分の胸を庇って引き気味に逃げた。

 そして、少女と幼女はジト目でツバサの胸にジッと見つめる。

「ツバサさんのおっぱい……ミルク……絶対に飲む……ッ!」
「センセイの母乳……センセイのおっぱい……飲んでみたい……」

「おい、やめろおまえら! そんな目で俺を見るな!?」

 怒鳴って叱りつけて変態淑女たちを黙らせる。

「それで──報告ってなんだよ」

「……GMに拳骨を落としたのは後にも先にもツバサ様だけです」

 特大たんこぶを頭にこさえてもクロコの表情は変わらなかった。

 まずはLVキャップとSP上限値の解放、それと過大能力について。

「ですが、ツバサ様たちは既に御存知の御様子。こちらについては割愛させていただきます……一応、プレイヤーの皆様にはまだ全貌を明かせませんしね」

「それを告げ口に来てくれたのか」

 そういう意味ではツバサやミロを贔屓ひいきしてくれるので、彼女の職権乱用には感謝すべきかも知れない。反面、エロネタで遊ばれるのはどうかと思うが……。

「それと──ツバサ様のような初期アバターの不備について、ようやく運営が1つの見解を発表しました」

 本来の性別、肉体、人種、それらが異なるアバターを与えられるプレイヤーが極希に存在する。原因はまったく不明、脳波測定の不備やバグではない。

 発生する傾向も不明、完全にランダム。

 この事例は──内在異性具現化者アニマ・アニムスと命名されたらしい。

「ついでに、解決策も私たちGMゲームマスターに配布されました」
「本当か!?」

 思わずクロコの両肩を掴んで問い質す。

 クロコはこんな時でも顔色ひとつ変えずに淡々と話した。

「はい、『性別変換』ジェンダー・ベンダー『肉体改変』ボディ・コンバートなる特権技能が開発されました。これで内在異性具現化者の皆様を元通りにすることができます」

 使ってほしいですか? とクロコはほくそ笑んだ。

 悪魔のように蠱惑的こわくてきな笑み。この女、笑うとこうなるらしい。

「もし使ってほしいのであれば……」

 クロコは道具箱インベントリではなくスカートの中をゴソゴソとまさぐると、何故か首輪と鎖を取り出してきた。まさか……これをツバサに取り付けるつもりか!?

 クロコは首輪を──自分に装着した。

「さあ、この鎖を握って私を『この卑しい牝犬め!』と罵ってください! ほら、四つん這いになりますから、このはしたない尻をにじりながら!」

「アンタ凄いなッ!?」

「踏み躙るのに抵抗があるなら……むちも各種ご用意しております!」

「準備万端かッ!?」

 この女、驚歎きょうたんに値するレベルの変態である。

 よくもまあ勤務中に公衆の面前でここまで自分を解放できるものだ。

 するとミロがクロコの鎖を握り、彼女の尻を踏みつける。

「この卑しい牝犬め! ここか、ここがいいんか!?」
「ああっ! ミロ様ステキです! そう、もっと激しい言葉で罵ってッ!」

「おまえが御主人サマやんのかよ!?」

 ミロもクロコもノリノリだ。

 ツバサはマリナに悪影響が出ないようにと、彼女を自分の胸の谷間に押し込んで、両眼と両耳を塞ぐので手一杯だった。

 その間にも、2人は女王様と犬ごっこを堪能していた。

「ふぅ……素晴らしい一時でした」

 恍惚の表情で汗を拭うクロコは、いつになく爽やかだった。

「じゃあ、アタシのお願い聞いてね! ツバサさんに絶対『性別変換』の特権技能を使っちゃダメだよ? いい、女王様の勅命は絶対だからね?」

「はい、承知いたしました女王様」

 あれ──男のアバターになる機会を失った?

「……ま、まあ所詮ゲームの中だけだしな。もう1年もこのアバターで過ごしているから、今さら戻ってもっていうのはあるし……このままでもいいか」

「では──男性のアバターに戻さなくてもいいと?」

 念入りな声音でクロコが再確認してくる。

 本音を言えば男性アバターでやりたいところだが──。

 ミロやマリナが涙目で訴えてくるので、ツバサはかぶりを振って未練を振り払うと、ちょっと寂しげな微笑みで答える。

「いいよ──可愛い娘たちが『こっちがいい!』っておねだりするからね」

「そうそう♪ ツバサさんはもうずっとこのまんまでいいの♪」

 マリナを解放したら今度はミロが胸に抱きついてきた。その細い腕でツバサの持て余すほど大きい乳房を持ち上げるように揉んでいる。

「いっそ現実でもこっちのツバサさんになってくれたらいいのにー♪」
「やめてくれ。本当のオカンになっちゃうだろ」

「そうですか──やはり、あなたも・・・・内在異性具現化者ですね」

 なんだろう、クロコの言葉にいつにない重みを感じた。
 
 まるでツバサが女性のままでいることをわかっていたような……そんな風に聞こえてしまう。気になったので問い質そうとした時だ。

 ワールド内に大きな鐘の音が鳴り響いた。

 それは運営からのアナウンスを知らせる合図だ。

『アルマゲドンの全プレイヤーにお知らせをします』

 電子的な女性の声が告げるのは、定例アップデートの報告だった。

 内容はレベルキャップとSP上限値の解放、過大能力の覚醒について──ほぼ噂通りのものだが、メギド大平原のプレイヤーたちからは歓声が上がった。

 朗報なのだから当然だろう。

 あのデブ吸血鬼はこれを教えてくれただけか?

 なら定例アプデが始まるまでログインしている必要はない。「大型アプデがありますよ」と臭わせるだけでいいはずだ。

「あいつは何を言いたかったんだ……?」

 考えても答えは出ない、そろそろログアウトしよう。

 アップデート中はサーバーメンテナンスも兼ねるので、プレイヤーはログアウトしなければならない。残っていても強制的に追い出されるだけだ。

 いつも通り、アナウンスがログアウトを促して──。



『間もなく現実世界は終焉を迎えます』



 ──と思った矢先、いきなり不穏な言葉が飛び出してきた。

 ん? とツバサは耳を疑った。

『賢明なプレイヤーはお気づきかも知れませんが、昨今の現実世界において発生している小国を滅ぼすほどの異常気象、地殻変動に伴う大規模地震の頻発、陸上海洋問わず生物の大量絶滅。これらは地球が……と言うより、人類文明の末期を象徴しております』

 アナウンスは世紀末的な発想を言い連ねてった。

 その話には思い当たる節がいくつもある。

『このため、我々は現実世界を放棄することを決定いたしました』

 そして──アナウンスは本題を切り出す。

『ですが、どうぞご安心ください。我々は人類が移り住むに相応しい新天地をご用意しております。アルマゲドンはその新天地に適応するための、謂わば準備期間だったとお考えください。プレイヤーの皆様なら、新天地にて生存も適うことでしょう』

 LVキャップ解放や過大能力も、そのための布石だという。

『では、これより──転移を開始いたします』

 有無を言わさぬ論調のアナウンスが終了し、ワールド内に異変が起きる。

 足下から世界全体がぼんやりと発光してきたのだ。

「これ……魔術系技能の空間転移?」 

 マリナの言う通り──これはまさに空間転移魔法。

 足下の光は強さを増して、視界を真っ白に染める。次第に強い耳鳴りが木霊すると、五感を封じ込まれるようでろくに身動きも取れない。

『皆さま──新しい世界でも頑張ってください』

 突き放すようなアナウンスの言葉だけが頭の中に響いた。

 ツバサは反射的にミロとマリナを抱き寄せ、決して離さないようにしっかり抱き締めた。彼女たちも心得たものでツバサにしがみつく。

「クロコさん! これはいったい……っ!?」

 光に呑み込まれる直前、ツバサはクロコに叫んだ。

 その顔はいつも通り無表情のままだが、彼女はスカートの両端を摘まんで浅めに頭を下げた。その口元で微かに動く唇が見て取れる。

 耳鳴りの向こう、ツバサは彼女の唇の動きを読み解いた。



 ――あちら・・・の世界でまたお会いしましょう。



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